僕は最低だ。クズだ。亜希子さんに殴られて当然だ。ヒッヒッ、という声が喉から漏れつづける。もう抑えられなかった。闇の中、溢れてくる涙を袖でごしごし拭くことしかできなかった。ごめん、里香。呟いた瞬間、胸がカッと熱くなった。ごめん――恐ろしく偽善的な言葉。自分自身を許すためだけの謝罪。この期に及んでも、僕は僕を救おうとしている……いったいどこまで落ちればいいんだろう……どこまで落ちれば底があるんだろう……。
22.02.2024 10:43 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0@thyroxin.bsky.social
僕は最低だ。クズだ。亜希子さんに殴られて当然だ。ヒッヒッ、という声が喉から漏れつづける。もう抑えられなかった。闇の中、溢れてくる涙を袖でごしごし拭くことしかできなかった。ごめん、里香。呟いた瞬間、胸がカッと熱くなった。ごめん――恐ろしく偽善的な言葉。自分自身を許すためだけの謝罪。この期に及んでも、僕は僕を救おうとしている……いったいどこまで落ちればいいんだろう……どこまで落ちれば底があるんだろう……。
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夏目に命じられる後部座席に乗りこむ。車の中は暖かかった。薄暗い、狭い場所の中で、僕はなにが起きたのかをはっきりと悟った。いや思い知らされた。ヒッ、声が漏れた。頭を抱えて呻いた。僕は下らない男だ。クズだ。里香が苦しんでいる今、こんなことをしてるなんて。もし亜希子さんたちが来なかったら、僕は最後まで続けていただろう。間違いない。僕は里香を裏切ろうとしたんだ。いや裏切ったんだ。世界よりも自分よりも大事だと思いながら、しかしあっさりと欲望に負けてしまったんだ。里香。銀河鉄道の夜。日溜まりの中。すべての幸を感じた瞬間。人差し指を摘んだ手。幼い子供のような瞳。そのすべてが今は遠い。
ちろきしんですー
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