六行's Avatar

六行

@6gyoume.bsky.social

スモロ🚬🐯 ほとんどROMです。絵と文。成人済。 GQXROM専

3 Followers  |  21 Following  |  16 Posts  |  Joined: 25.03.2025  |  1.9339

Latest posts by 6gyoume.bsky.social on Bluesky

(一枚目と二枚目をまとめて書いています)
「するか、結婚」
 そう言われてレンゲを持つ手が止まる。「え」と声が漏れて、目の前の男を見た。男は俺のことなんか気にせずチャーハンを食べていた。デっケェ口。
「や、え、何……」
「だから、結婚」
「そうじゃなくて!」
 確かに飯が来るまでは俺に来た縁談の話をしていた。直属の上司の娘で断りづらい、せめて付き合ってるやつでもいたら断れたんだけど。俺のため息を無視して、この男はお冷のおかわりを頼んだ。その後チャーハンセットが二つ来て、話は途切れた。まあ話を続けようったって、続けようがない。だから俺も別に良いかって思った。
 それなのに。
「や、俺たち別に付き合ってねぇし……」
「でも、お前がいろんなところに連れ回すだろ」
「や、でもなんか、相性? とか、」
「お前何回俺の部屋で目覚めてんだよ」
「……」
 絶句する俺に見向きもしない。
 俺の目の前でチャーハンが冷めていく間にも、男のレンゲは止まらなかった。どんどん皿から米が消えていく。もうないじゃん。ああ、とうとうワンタンスープにも手を出した。
 付き合ってる自覚もないし付き合おうとも思っていなかったけれど、俺が行きたいところにこの男は何の文句もなく着いてくるし、身体の相性だって抜群に良かった。逆にこの状態で付き合ってないって何だ? と思うくらいには。
 今まで自覚していなかった感情が突然湧き上がってくる。え、もしかして、俺ってこの男のことが好き、なのか?
「それで、どうする」
 目の前の男、スモーカーがワンタンスープを飲み干して、やっと俺を見た。赫い眼。まっすぐな瞳。
 綺麗だ、と、それだけ思った。
「…………あんたが、したいなら」
 ようやっと捻り出した結論にスモーカーは満足したようで、低い声でくっくと笑った。そのまま、この後区役所にでも行くか? なんて軽口を叩いてくる。俺は俺で、冷めたチャーハンを口に運ぶのがやっとだった。

(一枚目と二枚目をまとめて書いています) 「するか、結婚」  そう言われてレンゲを持つ手が止まる。「え」と声が漏れて、目の前の男を見た。男は俺のことなんか気にせずチャーハンを食べていた。デっケェ口。 「や、え、何……」 「だから、結婚」 「そうじゃなくて!」  確かに飯が来るまでは俺に来た縁談の話をしていた。直属の上司の娘で断りづらい、せめて付き合ってるやつでもいたら断れたんだけど。俺のため息を無視して、この男はお冷のおかわりを頼んだ。その後チャーハンセットが二つ来て、話は途切れた。まあ話を続けようったって、続けようがない。だから俺も別に良いかって思った。  それなのに。 「や、俺たち別に付き合ってねぇし……」 「でも、お前がいろんなところに連れ回すだろ」 「や、でもなんか、相性? とか、」 「お前何回俺の部屋で目覚めてんだよ」 「……」  絶句する俺に見向きもしない。  俺の目の前でチャーハンが冷めていく間にも、男のレンゲは止まらなかった。どんどん皿から米が消えていく。もうないじゃん。ああ、とうとうワンタンスープにも手を出した。  付き合ってる自覚もないし付き合おうとも思っていなかったけれど、俺が行きたいところにこの男は何の文句もなく着いてくるし、身体の相性だって抜群に良かった。逆にこの状態で付き合ってないって何だ? と思うくらいには。  今まで自覚していなかった感情が突然湧き上がってくる。え、もしかして、俺ってこの男のことが好き、なのか? 「それで、どうする」  目の前の男、スモーカーがワンタンスープを飲み干して、やっと俺を見た。赫い眼。まっすぐな瞳。  綺麗だ、と、それだけ思った。 「…………あんたが、したいなら」  ようやっと捻り出した結論にスモーカーは満足したようで、低い声でくっくと笑った。そのまま、この後区役所にでも行くか? なんて軽口を叩いてくる。俺は俺で、冷めたチャーハンを口に運ぶのがやっとだった。

Post image

スモロ 現パロ 🚬🐯 2枚
(不備あったので再掲です)

09.11.2025 10:17 — 👍 6    🔁 0    💬 0    📌 0

仕事にしたいことを仕事にできるチャンスが巡ってきている 忙しい時ほどスモロのことを考えてしまう

09.11.2025 07:21 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
「シャンブルズ」
 油断していた。執務室に入るといつもの如く男がソファーに陣取っていて、ああまたか、と思った最中。その男の能力で、咥えていた葉巻が二粒の飴に変わったのだ。突然味わう甘い味。スモーカーはめまいを覚えた。
「……ロー、なんのつもりだ」
「よう白猟屋、今日は世界禁煙デーだ」
 よってお前も今日は禁煙だ。
 残念だったな、とこちらを見て不敵に笑う男を尻目に、スモーカーは机に座った。
 口の中でカロカロと飴を転がしてみれば、ミルク味が広がっていく。飴なんてもう何年も口にしていないだろう。一粒奥歯で齧ってみれば、ガリリと小気味良い音がして砕けた。破片になった方がよほど甘さを感じる。
「無駄だ。こっちにはこんなにある」
 見れば、ソファの前のローテーブルにはこんもりとキャンディーが載せられている。どうだ、と言わんばかりの顔でこちらを見てくる男の顔。
 スモーカーの頭がにわかに痛くなり始めたのは、ニコチンが不足しているから以外にも理由があるだろう。
 ローはスモーカーが吸っていた葉巻をテーブルの上の灰皿に置いてソファーにくつろいだ。スモーカーもまた、ローがいないかのように、しばらく机上の書類を整理していた。
 と思うと、無言で立ち上がる。
 はぁとため息が一つ。
「なんだ、観念したか」
 あんたが今舐めてるのはミルク味だ。こっちはコーヒー。このフルーツミックス味はクルーにもらったんだ。あんたのところに行くって言ったら。それでこっちは……。
 意気揚々とキャンディーの紹介を始めたローにスモーカーは何も言わずに近づき、その身体を持ち上げた。そのまま肩に担ぐようにして、執務室の入り口まで進む。
「は、え、なんだよ!!」
 困惑するローをスモーカーはゆっくりとおろし、ドアを背にして立たせた。
「…ロー、俺の名は」
「え、……スモー、カー…?」
 ローがスモーカーを見上げると、スモーカーの顔が近づいてくる。避けることもできずに触れた唇を受け入れると、口内に何か入ってくる。甘い。丸い?
 すぐに離れていく熱を追いかけるように見たその顔は、意地悪そうに笑っていた。
「そういうことだ、じゃあな」
 スモーカーはドアを開け、ひょい、とローをつまみ出した。
 口の中に広がるミルク味。パタンと閉じたドアの前で、ローは声にならない声をあげた。

(2枚目と合わせています)

「シャンブルズ」  油断していた。執務室に入るといつもの如く男がソファーに陣取っていて、ああまたか、と思った最中。その男の能力で、咥えていた葉巻が二粒の飴に変わったのだ。突然味わう甘い味。スモーカーはめまいを覚えた。 「……ロー、なんのつもりだ」 「よう白猟屋、今日は世界禁煙デーだ」  よってお前も今日は禁煙だ。  残念だったな、とこちらを見て不敵に笑う男を尻目に、スモーカーは机に座った。  口の中でカロカロと飴を転がしてみれば、ミルク味が広がっていく。飴なんてもう何年も口にしていないだろう。一粒奥歯で齧ってみれば、ガリリと小気味良い音がして砕けた。破片になった方がよほど甘さを感じる。 「無駄だ。こっちにはこんなにある」  見れば、ソファの前のローテーブルにはこんもりとキャンディーが載せられている。どうだ、と言わんばかりの顔でこちらを見てくる男の顔。  スモーカーの頭がにわかに痛くなり始めたのは、ニコチンが不足しているから以外にも理由があるだろう。  ローはスモーカーが吸っていた葉巻をテーブルの上の灰皿に置いてソファーにくつろいだ。スモーカーもまた、ローがいないかのように、しばらく机上の書類を整理していた。  と思うと、無言で立ち上がる。  はぁとため息が一つ。 「なんだ、観念したか」  あんたが今舐めてるのはミルク味だ。こっちはコーヒー。このフルーツミックス味はクルーにもらったんだ。あんたのところに行くって言ったら。それでこっちは……。  意気揚々とキャンディーの紹介を始めたローにスモーカーは何も言わずに近づき、その身体を持ち上げた。そのまま肩に担ぐようにして、執務室の入り口まで進む。 「は、え、なんだよ!!」  困惑するローをスモーカーはゆっくりとおろし、ドアを背にして立たせた。 「…ロー、俺の名は」 「え、……スモー、カー…?」  ローがスモーカーを見上げると、スモーカーの顔が近づいてくる。避けることもできずに触れた唇を受け入れると、口内に何か入ってくる。甘い。丸い?  すぐに離れていく熱を追いかけるように見たその顔は、意地悪そうに笑っていた。 「そういうことだ、じゃあな」  スモーカーはドアを開け、ひょい、とローをつまみ出した。  口の中に広がるミルク味。パタンと閉じたドアの前で、ローは声にならない声をあげた。 (2枚目と合わせています)

Post image

スモロ🚬🐯「とびきり甘い」2枚
世界🚭デーのスモロ、自分でも書きたかったので書きました。

31.05.2025 07:00 — 👍 5    🔁 1    💬 1    📌 0

ギャグ漫画の口〰️くんだ

05.07.2025 14:25 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
Post image 05.07.2025 09:33 — 👍 2    🔁 0    💬 1    📌 0

一昨年の絵しかなかったのでとりあえずこれで(前のアイコンAI生成みたいな黄色味があって嫌だったんですよね)

16.06.2025 07:45 — 👍 0    🔁 0    💬 1    📌 0

予約しました。届くのが楽しみです☺️>rp

15.06.2025 12:44 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
Preview
洋白に熱を、海のかたちが還るときに。 本編は約200P(web公開中)、描き下ろしは約70P、ゲスト(14名)ページが約100Pです。すけべは総ページ数の1割くらいです

スモロ新刊「洋白に熱を、〜」の通頒始まりました🥳在庫は8月大阪にも持って行く予定です!ラグがあるので少し時間置いたら在庫ありになると思います
ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/i...

15.06.2025 12:04 — 👍 4    🔁 4    💬 0    📌 0

うっかり地球の記念日を持ってきてしまったので、謎時空みたいな感じで捉えてください。

31.05.2025 07:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
「シャンブルズ」
 油断していた。執務室に入るといつもの如く男がソファーに陣取っていて、ああまたか、と思った最中。その男の能力で、咥えていた葉巻が二粒の飴に変わったのだ。突然味わう甘い味。スモーカーはめまいを覚えた。
「……ロー、なんのつもりだ」
「よう白猟屋、今日は世界禁煙デーだ」
 よってお前も今日は禁煙だ。
 残念だったな、とこちらを見て不敵に笑う男を尻目に、スモーカーは机に座った。
 口の中でカロカロと飴を転がしてみれば、ミルク味が広がっていく。飴なんてもう何年も口にしていないだろう。一粒奥歯で齧ってみれば、ガリリと小気味良い音がして砕けた。破片になった方がよほど甘さを感じる。
「無駄だ。こっちにはこんなにある」
 見れば、ソファの前のローテーブルにはこんもりとキャンディーが載せられている。どうだ、と言わんばかりの顔でこちらを見てくる男の顔。
 スモーカーの頭がにわかに痛くなり始めたのは、ニコチンが不足しているから以外にも理由があるだろう。
 ローはスモーカーが吸っていた葉巻をテーブルの上の灰皿に置いてソファーにくつろいだ。スモーカーもまた、ローがいないかのように、しばらく机上の書類を整理していた。
 と思うと、無言で立ち上がる。
 はぁとため息が一つ。
「なんだ、観念したか」
 あんたが今舐めてるのはミルク味だ。こっちはコーヒー。このフルーツミックス味はクルーにもらったんだ。あんたのところに行くって言ったら。それでこっちは……。
 意気揚々とキャンディーの紹介を始めたローにスモーカーは何も言わずに近づき、その身体を持ち上げた。そのまま肩に担ぐようにして、執務室の入り口まで進む。
「は、え、なんだよ!!」
 困惑するローをスモーカーはゆっくりとおろし、ドアを背にして立たせた。
「…ロー、俺の名は」
「え、……スモー、カー…?」
 ローがスモーカーを見上げると、スモーカーの顔が近づいてくる。避けることもできずに触れた唇を受け入れると、口内に何か入ってくる。甘い。丸い?
 すぐに離れていく熱を追いかけるように見たその顔は、意地悪そうに笑っていた。
「そういうことだ、じゃあな」
 スモーカーはドアを開け、ひょい、とローをつまみ出した。
 口の中に広がるミルク味。パタンと閉じたドアの前で、ローは声にならない声をあげた。

(2枚目と合わせています)

「シャンブルズ」  油断していた。執務室に入るといつもの如く男がソファーに陣取っていて、ああまたか、と思った最中。その男の能力で、咥えていた葉巻が二粒の飴に変わったのだ。突然味わう甘い味。スモーカーはめまいを覚えた。 「……ロー、なんのつもりだ」 「よう白猟屋、今日は世界禁煙デーだ」  よってお前も今日は禁煙だ。  残念だったな、とこちらを見て不敵に笑う男を尻目に、スモーカーは机に座った。  口の中でカロカロと飴を転がしてみれば、ミルク味が広がっていく。飴なんてもう何年も口にしていないだろう。一粒奥歯で齧ってみれば、ガリリと小気味良い音がして砕けた。破片になった方がよほど甘さを感じる。 「無駄だ。こっちにはこんなにある」  見れば、ソファの前のローテーブルにはこんもりとキャンディーが載せられている。どうだ、と言わんばかりの顔でこちらを見てくる男の顔。  スモーカーの頭がにわかに痛くなり始めたのは、ニコチンが不足しているから以外にも理由があるだろう。  ローはスモーカーが吸っていた葉巻をテーブルの上の灰皿に置いてソファーにくつろいだ。スモーカーもまた、ローがいないかのように、しばらく机上の書類を整理していた。  と思うと、無言で立ち上がる。  はぁとため息が一つ。 「なんだ、観念したか」  あんたが今舐めてるのはミルク味だ。こっちはコーヒー。このフルーツミックス味はクルーにもらったんだ。あんたのところに行くって言ったら。それでこっちは……。  意気揚々とキャンディーの紹介を始めたローにスモーカーは何も言わずに近づき、その身体を持ち上げた。そのまま肩に担ぐようにして、執務室の入り口まで進む。 「は、え、なんだよ!!」  困惑するローをスモーカーはゆっくりとおろし、ドアを背にして立たせた。 「…ロー、俺の名は」 「え、……スモー、カー…?」  ローがスモーカーを見上げると、スモーカーの顔が近づいてくる。避けることもできずに触れた唇を受け入れると、口内に何か入ってくる。甘い。丸い?  すぐに離れていく熱を追いかけるように見たその顔は、意地悪そうに笑っていた。 「そういうことだ、じゃあな」  スモーカーはドアを開け、ひょい、とローをつまみ出した。  口の中に広がるミルク味。パタンと閉じたドアの前で、ローは声にならない声をあげた。 (2枚目と合わせています)

Post image

スモロ🚬🐯「とびきり甘い」2枚
世界🚭デーのスモロ、自分でも書きたかったので書きました。

31.05.2025 07:00 — 👍 5    🔁 1    💬 1    📌 0

世界🚭デ〜のスモロ、世界中で煎じられ続けてきたネタだとは思いますが、書きたいので書きます

31.05.2025 03:19 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
「ロー、すまなかった」
「いやだ」
「大丈夫だ、ロー」
「何が大丈夫なんだよ!」
「……可食部も、ちゃんと残っている」
「ほとんどないだろ!」
 スモーカーは布団にくるまって出てこない恋人を前に困惑していた。偶然二人の休みが重なって、じゃあ映画にでも行くか、と決めた日の朝だった。起きた時から上機嫌の恋人は、珍しく「今日は俺が朝食を作る」とキッチンに立ったのだった。
「ロー、飯にしよう」
 冷凍庫に買い置きもあるだろう、と付け足せば「いやだ!」と返ってくる。じゃあ抜くか? と尋ねれば「お腹は空いてる!」と布団から顔だけを出して見せた。
 その顔の真っ赤なこと。今にも泣き出しそうだ。
「……ロー」
 今朝、張り切ってキッチンに立ったローはスクランブルエッグを作ると言い、熱したフライパンに意気揚々と溶き卵を流し込んだ。……油を敷かずに。
 使い込まれたスモーカーのフライパンにはほとんどの卵が焦げつき、ローは柄にもなく慌てた。その様子を見ていたスモーカーはフライパンを覗き、「ひどいな」と一言。
 それで、これだ。
「ロー、すまなかった。なんとかする」
「なんとかって、何……」
「油なしで焦げ付かないフライパンを買う」
 スモーカーの頭の中には、昔どこかで見た通販番組が思い出されていた。『卵を割り入れて、スルスルスル~』という声に合わせて、目玉焼きがフライパンの上で揺れる。
「やだ、それじゃ意味がない」
「意味、」
「……それじゃあ、俺は甘やかされてばっかりだ」
 歳下の恋人。それだけでスモーカーはローに甘い。
「あんたとは、できるだけ対等でいたいのに」
「ロー……」
 不貞腐れて、真っ赤になって、涙まで滲ませたその蜂蜜色がスモーカーの瞳を捉える。しばらくその目は真っ直ぐにスモーカーを見つめ、それから、ふい、と横を向き、被っていた布団をどけた。スモーカーを避けるようにベッドからおりる。
「俺、『ふわとろオムライス』。あんたは」
「……俺も同じでかまわない」
 キッチンに向かうローを追いかけると、冷凍庫から出した買い置きのそれをレンジに入れるところだった。きっとローの中で、何かが腑に落ちたのだろう。
「……ロー」
「なんだよ、フライパンなら後で洗うから」
 レンジの前で、悪かった、と小さく付け加える恋人を、スモーカーは後ろから抱きしめた。肩に顔を埋めて、擦り付ける。
「な、なに」
「俺の方こそ、悪かった」
 食べられるところは食べるし、俺が洗う。
「いいって、もう」
「……俺も、対等でいたいと思っている。だから、」
 これからも、甘やかさせてくれ。
 ふは、と笑う身体が揺れるのを、スモーカーは抱きしめる身体全てで感じた。なんだそれ、と呆れたように続く。
「じゃあ、新しいフライパンも頼むな」
 と、スモーカーの可愛い恋人は歌うように言った。
(2枚目と合わせてます)

「ロー、すまなかった」 「いやだ」 「大丈夫だ、ロー」 「何が大丈夫なんだよ!」 「……可食部も、ちゃんと残っている」 「ほとんどないだろ!」  スモーカーは布団にくるまって出てこない恋人を前に困惑していた。偶然二人の休みが重なって、じゃあ映画にでも行くか、と決めた日の朝だった。起きた時から上機嫌の恋人は、珍しく「今日は俺が朝食を作る」とキッチンに立ったのだった。 「ロー、飯にしよう」  冷凍庫に買い置きもあるだろう、と付け足せば「いやだ!」と返ってくる。じゃあ抜くか? と尋ねれば「お腹は空いてる!」と布団から顔だけを出して見せた。  その顔の真っ赤なこと。今にも泣き出しそうだ。 「……ロー」  今朝、張り切ってキッチンに立ったローはスクランブルエッグを作ると言い、熱したフライパンに意気揚々と溶き卵を流し込んだ。……油を敷かずに。  使い込まれたスモーカーのフライパンにはほとんどの卵が焦げつき、ローは柄にもなく慌てた。その様子を見ていたスモーカーはフライパンを覗き、「ひどいな」と一言。  それで、これだ。 「ロー、すまなかった。なんとかする」 「なんとかって、何……」 「油なしで焦げ付かないフライパンを買う」  スモーカーの頭の中には、昔どこかで見た通販番組が思い出されていた。『卵を割り入れて、スルスルスル~』という声に合わせて、目玉焼きがフライパンの上で揺れる。 「やだ、それじゃ意味がない」 「意味、」 「……それじゃあ、俺は甘やかされてばっかりだ」  歳下の恋人。それだけでスモーカーはローに甘い。 「あんたとは、できるだけ対等でいたいのに」 「ロー……」  不貞腐れて、真っ赤になって、涙まで滲ませたその蜂蜜色がスモーカーの瞳を捉える。しばらくその目は真っ直ぐにスモーカーを見つめ、それから、ふい、と横を向き、被っていた布団をどけた。スモーカーを避けるようにベッドからおりる。 「俺、『ふわとろオムライス』。あんたは」 「……俺も同じでかまわない」  キッチンに向かうローを追いかけると、冷凍庫から出した買い置きのそれをレンジに入れるところだった。きっとローの中で、何かが腑に落ちたのだろう。 「……ロー」 「なんだよ、フライパンなら後で洗うから」  レンジの前で、悪かった、と小さく付け加える恋人を、スモーカーは後ろから抱きしめた。肩に顔を埋めて、擦り付ける。 「な、なに」 「俺の方こそ、悪かった」  食べられるところは食べるし、俺が洗う。 「いいって、もう」 「……俺も、対等でいたいと思っている。だから、」  これからも、甘やかさせてくれ。  ふは、と笑う身体が揺れるのを、スモーカーは抱きしめる身体全てで感じた。なんだそれ、と呆れたように続く。 「じゃあ、新しいフライパンも頼むな」  と、スモーカーの可愛い恋人は歌うように言った。 (2枚目と合わせてます)

Post image

スモロ🚬🐯現パロ
「休日の朝」2枚
(不備あったので上げ直し)

29.05.2025 09:55 — 👍 7    🔁 0    💬 0    📌 0

久しぶりに文章を書いたから、解釈違いとか出たらすみませんという気持ち。これからできるだけスモロを書きたい。

29.05.2025 07:44 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

手元に届きました😭うれしい…読みます

29.05.2025 07:35 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

手続き出来ました💕嬉しいです💐

24.05.2025 12:06 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0
Preview
お前の皿に毎日おれのおにぎりをのせたい。 - Ke1k09 - BOOTH SUPER COMIC CITY 32-day3-/超GRANDLINE CRUISE 2025大阪にて頒布した陶芸家×おにぎり屋スモロの合同誌です スモロ/A5/P68/成人向け 執筆:さかな しぐ 渓谷

BOOTHひらきました よろしくお願いします booth.pm/ja/items/694...

24.05.2025 12:01 — 👍 3    🔁 1    💬 1    📌 0

スモロの「会話しなくても二人の時間」みたいなのが大好きで、在宅勤務のスモがリビングの机で仕事をしていると、向かいのソファに横を向いて座った口〰️くんが読書していて、同じ空間でそれぞれが別のことをしている柔らかい時間が流れているっていう、そういう……。

01.05.2025 20:43 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

3.14のスモロ、スモの執務室に来た口〰️くんが机上の書類を次々に白い花(百合とか白いバラとか)と交換していって、大声出して笑っていてほしいと思ってました。(スモは頭を抱えている)

25.03.2025 14:21 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

ほとんどROMになりますが時間に余裕ができたのでアカウントを作りました。

25.03.2025 09:45 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

@6gyoume is following 19 prominent accounts