人気急上昇中のアイドルグループ・Ev3nsのリーダーであり、アセクシュアル・アロマンティック(以下AroAce)であることを公表して今年のHAMA RAINBOW PRIDEアンバサダーに選出された北片來人。今年2年ぶりに「JPN結婚したい男」第一位に返り咲いた彼に、セクシュアリティや結婚観について聞いた。
――なぜセクシュアリティを公表しようと決めたのか、改めて教えていただいてもよろしいですか。
「もちろん。要素として大きかったのは、まず自分がそうであると自分で受け入れられたことでした。AroAceはアイデンティティですから、自分をそうラベリングするかは自分で決められるのですが――俺の場合、AroAceを名乗ることで楽になった部分がありましたから、同じように悩んでいる人を後押しできればとも思って。」
――楽になった部分というのは?
「“愛している”、という言葉を捉え直せたことですね。俺は俺の思う、恋愛の文脈に乗らない“愛”を信じて、そのまま言葉にしていいんだと自信が持てたのが良かったです。公表前は誰にでも愛してると言いすぎてマネージャーに怒られてましたが(笑)」
――AroAceであると公表してから、グループや観光区長としての活動での手応えは変わりましたか。
「これまで通り、いやそれ以上に、熱のこもった応援をいただけていると思います。だから今年アンバサダーに選んでいただいて、生まれ育った地がすべての人に寛容で、より魅力的な場所になるよう貢献できていることが本当に嬉しいんです。握手会でも、公表をきっかけに興味を持って来てくれたという人がときどきいます。長く応援してくれているファンも、遠慮せずに愛してると言ってくれるようになりましたね。」
――北片さんは10代で《mahorova》を創業し、国
内メタバース業界のトップランナーに育て上げた実績を持つ実業家としての面もあるわけですが、数々の事業を比較的早い段階で手放されていますよね。
「昔はただ飽きっぽくて、生き急いでいたんです(笑)。でも最近は、やりたいことができたので……興味があること全部に手を出していくのも良いけど、ひとつの使命みたいなものに賭けてみるのも悪くないなと。身の回りを整理して、アイドルに集中しています。天職かもしれないと思います」
――アイドルになる前から「結婚したい男」ランキングでは人気がありましたが、そのことについて心境の変化などはありましたか。
「それこそ、以前は複雑な感情がありましたが、自分のアイデンティティが確立してからは素直に受け取れるようになりました。結婚観にもけっこう変化があったので。人と愛し合って家庭を築くことはできないと思い込んでいましたが、恋愛に依らずに寄り添って生きることもひとつの形ですよね。AroAce公表後も結婚したいと言ってもらえることはありがたいです。」
――同性婚が法制化されて20年近く経ちますから、結婚に対する価値観も広がってきていると思います。
「正直、まだAroAceに対する誤解や抑圧は根強く残っていると感じますが、少しでもAroAceの人たちが生きやすいように世界を変えていけると信じています。それがアイドルとしての俺の、使命のひとつだとも思っていますから」
2056年5月、北片來人氏のインタビュー記事
05.06.2025 03:28 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0
昇降口に滞留する空気はひんやりと冷えているだけでなく、行き来する生徒たちの青い熱気をたっぷりと含んでいる。さまざまの怪しい噂が指すこの二月一四日、僕は周囲に気を配りつつも、ざわめく浮かれた調子の中に呑まれそうだった。呑まれず万一のことがあれば対処できるように、また危険物が一般生徒の手元に現れる可能性を少しでも下げるために、自分の下駄箱の鍵は昨日から開けてある。マフラーの細い繊維が口元に触れて、ある予感を含むぴりっとした感覚をおぼえる。下駄箱を開く手が少し緊張している。何も無いだろう。だけど何かある気もする。目線からわずかに下にあるプラスチックの取手が指先から温度をやや奪った。
(開けるぞ……)
かちゃりと気の抜けた音を立てて扉が開く。まず目に入るのは上段に収まった上履き。下段に目を移す。奥の方に光沢のある小さな物体が転がっている。上面が見えるように持ち上げてみる。ラヴ、伝道師。側面にある文字は、『DECOチリル』。オリジナルデザインのチリルチョコを製造できるサービス、およびそのサービスで作られたチョコのことか。辺りをざっと見る限り、皆自分の下駄箱に同じものが入っているのを見つけて、それでこのざわめきの少なくない部分が生まれているようだった。
少し前に下駄箱の前で何かを相談していた、あの忌々しい一等級のボマーら……あく太くんが悩ましげに腕を組んでいたのをもちろん僕は忘れてはいない。これはあの一味の仕業で、大方噂を流したのも彼らなのだろうから、思った通り〝なにかを〟企んでこそいたものの、物騒なことでなくて拍子抜けだ。脱力して、手の中でチリルチョコを転がす。派手な包装紙に劣らず、内容物が奇抜な形をしていることが、触感からうっすら伝わった。危険なことは何も起きないだろうとわかったのに、なぜかまだ胸さわぎがしている。
「どいてどいてェ、ごめんオレ急いでンの! 未来から戻ってきたときくらい!」
嵐のように走り去っていく姿に目が留まったのは、まさか廊下を走るなと咎めたくなったからではないだろう。溢れかえる人々にはまるで目もくれず、先へ。今もしあのひとの視界に入れたら、とびきり優しく笑ってくれるのだろうに、僕はただただ有象無象の中のひとりに過ぎないのだった。
バレンタインあくゆめピ💝🎥🌿
22.02.2025 04:29 — 👍 1 🔁 1 💬 0 📌 0
チョコのショッパーを手渡してくれる、エプロンをつけた五十竹あく太さん
🍫
07.02.2025 14:30 — 👍 0 🔁 1 💬 0 📌 0
特別公開!ドキドキの初お泊まり
「エッチは、まだ早いだろうが!」
夢乃介は艶々した生地のパジャマを着た体を隠すように、毛布を胸まで引き上げた。
「そうかァ~? 関係ないと思うけどなー。したいと思ったときがその時っつーか? わかんねーけど」
「いやいや、少なくとも三ヶ月は清いお付き合いを心がけるのが模範的な高校生の交際というものだろう!?」
「ゲッ、そーゆーの律儀に守っちゃう系? 会長会長ってあんなもてはやされてるけど実は意外とモテないっしょ、一線引いてる間に物足りなくて振られちゃうみたいな」
図星続きであく太のげんなりした顔が心に痛い。
「てか夢乃介が泊まりに来ていいって言ったんじゃん。それって普通なんかあると思わね? 恋人なんだしィ」
「確かに特別に家に来てもいいとは言った、がッ……何をしてもいいという意味ではない! 断じて!」
「や、本当に嫌だったらい~んだけどさ。今んとこ、万が一ケーサツ沙汰? になったとき捕まるのってキミの方だしね」
あく太になだめすかされても、夢乃介は毛布にくるまって動かなかった。
「……嫌ではない」
「フ~ン? てか忘れてたけどさー、昼班みんなパンイチまでは見たことあンだよな。ね、オレを特別にしてくんないの?」
ちゃんとオレを特別にしてよ、と、まっすぐ顔を覗き込んでくるあく太は、あんまりにまぶしくて、うれしくて、胸を打たれた。いつものヘアバンドも外しているから、こがね色の前髪がやや目にかかって、ふわふわしていて、なんだか動物みたいでいとおしかったのだ。普段くるくると忙しなく世界を見回している瞳も、いまや夢乃介の目の奥だけに力をそそいでいた。吸い付いたように離れなくて、目を逸らせない。
「……君の好きにすればいい。脅しに屈したわけではなく君の……愛情に報いる、僕なりの信頼だと、忘れるなよ」
「ほんと!? あ」
目を輝かせたのもつかの間、だらりと鼻血が垂れて、間一髪であく太の手の甲が受け止めた。
「まったく君は……早く洗ってきたまえ」
「うー」
鼻栓を詰めて戻ってきたあく太は、不明瞭な声をしていた。
「さっきの、信頼だって話だけど。なんかそーゆう、ギリガタイ? とこ、好きだな」
夢乃介はそっと眼鏡を外してヘッドボードに置いた。そうして向き直った胸に、あく太が思い切り飛び込んできて、広いベッドを横断するようにふたりは転がる。マットレスは弾んで、目覚まし時計が棚板の上で跳ねてかたと鳴った。
「義理堅い、の意味わかってるのか」
「なんとなく? 先生が夢乃介のことそう言ってたから、そうなんだなって」
あく太が適当に撫で回すから、乾かしたての夢乃介の髪はくしゃくしゃになって、それでもよかった。じゃれ合いながら大声で言い合いを続けていると息も切れてきて、雰囲気もへったくれもなかったが、それも構わなかった。へんにムードを出されたらもう勝ち目がないだろうなとわかっていた。じゅうぶん愛情は伝わっているから。
あくゆめ初夜直前最高口論💥🎥🌿
25.01.2025 14:32 — 👍 0 🔁 1 💬 0 📌 0
工楽夢乃介
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26.11.2024 05:28 — 👍 1 🔁 1 💬 0 📌 0
夢乃介
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17.11.2024 03:35 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0