言い換えるなら、陰謀論というのは知識というよりも経験の総体であって、だからこそ別の知識でそれを覆すのがとても難しい。朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)は、そのあたりを非常にうまく比喩的に描いていた。(p.246)
「『いづみちゃんは何も悪くない。ただ、この世界の真実を知らなかっただけ』
二人の視線が重なる。
すると、その交点がまるで蕾(つぼみ)のように膨らんだ。
まずやってきたのは匂いだった。生花店に足を踏み入れたときのような濃密で独特な香りが、ぶわっとこちらにまで押し寄せてくる。
蕾が開いたのだ。」
05.12.2025 05:00 — 👍 12 🔁 5 💬 0 📌 0
烏谷昌幸『となりの陰謀論』(講談社現代新書)
「多くの人が共有していた夢や希望が失われた世界で、人はどうやって生きていけばいいのでしょうか。本書の冒頭で触れた『陰謀論の反逆』と呼び得る現象も、根っこの部分ではこうした大きな問いと繋がっています」(p.124)
ぼくは烏谷さんとは違うルートで陰謀論について考えていて、やっぱり「人はなぜ生きるのか」という問いに行き着いた。同門で同僚だからかもしれないけれども。
ともあれ、いったん陰謀論の世界にハマった人の説得が難しいのは、やはりそれがその人自身の人生の意味づけと深く結びついてしまうからではないか。
05.12.2025 05:00 — 👍 24 🔁 8 💬 1 📌 0
言い換えると、個々人の「選択」ではなく、集団全体としての「選択」が重視されるべきだということ。
そしてそこから、日本人であるならば、夫婦は同姓であるべきであり、その点において個人としての選択は許されるべきではないという思想が導き出される…
...なんていうことを思ったりもした。
05.12.2025 04:42 — 👍 17 🔁 7 💬 0 📌 0
そのなかで中産階級の一部は「自分らしい生き方」を追求するようになる。生き方の規範を外部に求めるのではなく、自分の内側に求めるという方向。それは同時に、社会的成功の追求でもあって、職業を通じた自己実現が期待されるようになる。「クリエイティブな職業」がその代表格。
しかし、「自分らしい生き方」で成功できる層は限られており(典型的には大都市居住の大卒以上)、しかもその生き方や価値観は工業社会の「標準的な生き方」を見下しているようにもみえる。
そこから、「自分らしい生き方」の個々の追求を、集団としての一体性や価値観の共有によって否定しようとする動きが高揚してくる。文化ポピュリズムとも呼ばれる動き。
05.12.2025 04:42 — 👍 20 🔁 9 💬 1 📌 0
近代というのは、つまるところ「選択肢が増える」ということでもある。神を信じること、その教えに従って生きること、結婚すること、子どもをもつことなど、当たり前、もしくは義務であったことが選択の対象になる。
ただし、近代は「標準的な生き方」を設定することで、選択肢の増殖とそれに伴う共通の社会目標や価値観の揺らぎを抑え込んできた。何歳ぐらいで就職し、結婚し、子どもをもつという「標準世帯」の考え方がそれにあたる。
ところが、ポスト工業社会になると、「標準的な生き方」が急速に揺らぐようになり、近代がもたらしてきた「選択」とそれに伴う社会や文化の揺らぎが前景化してくる。
05.12.2025 04:42 — 👍 25 🔁 10 💬 1 📌 0
「21世紀前半の大学では、AIが浸透した結果、単位認定の方法として、オンラインでのレポート提出から対面での手書きによる試験への移行が進んだ。技術的観点からすれば、後退とも言える現象である。暗記の必要性を低下させたまさにその技術が、学生に暗記を強いる皮肉な結果をもたらしたのである」とか、未来の歴史に書かれたりして。
04.12.2025 14:49 — 👍 33 🔁 10 💬 0 📌 0
優れた学術書を次々に刊行する研究者の生活パターンについて聞き、「自分には無理だ…」と思ってしまった。
04.12.2025 12:58 — 👍 16 🔁 2 💬 0 📌 0
他国とのあいだに対立が発生したときには、どうしても国論統一への願望が高まる。「いまこそ一致団結」という話になりやすい。とりわけ、他国の主張と部分的にでも一致してしまうタイプの主張は、「国を売る」かのようにみえて激しい攻撃の対象になる。
ただ、それはやはり危険であって、批判がない状況での政治は、現状の方針をただ追認するだけで、深刻な問題があっても方向転換ができなくなってしまう。結果、破滅的な結果をもたらすことが明らかなのに、誰も文句が言えない状況が生まれる。
「イエスマン」か「売国奴」かという二者択一が迫られる言論状況は、規範的に好ましくないだけでなく、実際のところ危険が大きい。
04.12.2025 05:25 — 👍 40 🔁 24 💬 0 📌 0
「快活CLUB」サイバー攻撃、AI悪用し会員情報盗んだ疑いで高2を再逮捕へ…自作プログラムを「チャットGPT」で改善か
【読売新聞】 インターネットカフェ「快活CLUB」の運営会社にサイバー攻撃を仕掛け、同社の業務を妨害したなどとして、警視庁は4日にも、大阪市平野区の高校2年の男子生徒(17)を不正アクセス禁止法違反と偽計業務妨害容疑で再逮捕する方針
容疑者が高校生ということで、「ポケモンカードの不正購入」と「725万件の会員情報の漏洩」とのギャップがすごい。
あと、「男子生徒は、『ディスコード』と呼ばれるゲーム愛好家らに人気のオンライン通信サービスで、快活CLUB側への攻撃を予告したり実況中継したりしており、サイバー犯罪に関心のある若者の間で知られていた」
ということなんだが、周囲から煽られて自己顕示欲が肥大化してしまったというのもあるのかとも思った。
www.yomiuri.co.jp/national/202...
04.12.2025 05:03 — 👍 21 🔁 23 💬 0 📌 0
【お詫び】エモグラムでの記事盗用について – emogram[エモグラム]
産経新聞社が運営するインターネット媒体「emogram(エモグラム)」で2日までに、他社の記事を盗用した事例が5件あることが判明しました。知的財産権を尊重すべき新聞社のネット媒体であるにもかかわらず、...
となると、ユニークユーザーをとにかく増やす必要があるので、幅広いテーマの記事を毎日大量に出していく必要がある。おのずと安価に使える外部ライターに依存したコタツ記事ばかりになる。
実際、産経から出向してきたデスクは記事の管理だけをしており、しかもその管理業務ですら業務委託の編集者に任せていたという。「剽窃記事をみつけられなかったのは、この編集者のせい」ということにされているけれども、トカゲの尻尾切りという感じ。
基本的にメディアの体質自体に根本的な原因がある出来事なんじゃないかな。
emogram.sankei.com/55453
03.12.2025 02:18 — 👍 9 🔁 12 💬 0 📌 0
産経ネット媒体で記事盗用 他社から5本、「深くおわび」:時事ドットコム
産経新聞社は2日、同社運営のインターネット媒体「エモグラム」で他社記事の盗用が5本あったと発表した。ネット上の他社記事をコピーし、語尾を少し変えるなどしただけで記事を作成していた。同社は「他社の著作権を侵害する事態を招き深くおわびする」としている。
この記事に出てくる「エモグラム」、ちょっと覗いてみたのだが、どういうビジネスモデルなのかがいまいちわからない。広告は出てこないし、全部の記事が無料で読めるようだ。
ただ、広告掲載の問い合わせという項目はあるので、いまは広告を掲載していない(広告が集まってない?)だけで、いずれは広告で稼ぐつもりなのかもしれない。
www.jiji.com/jc/article?k...
03.12.2025 02:18 — 👍 13 🔁 8 💬 1 📌 0
MSN
こういう見出しの付け方、本当にいかんよなと思う。
「“反トランプ御用メディア”が歓喜?支持率36%で「大統領失速」大合唱の茶番劇」
「反トランプ御用メディア」「歓喜」「茶番劇」等々、見出しは読む人の党派性をくすぐる言葉のオンパレード。ところが、記事を読んでも、何が「反トランプ御用メディア」で、何が「茶番劇」なのかもわからない。単に物価高や強硬な反移民政策が要因になってトランプ政権の支持率が落ちているというだけの話。
www.msn.com/ja-jp/news/n...
02.12.2025 10:46 — 👍 48 🔁 22 💬 2 📌 1
参院選投票日前日、最期の選挙演説で保守党の会場をみたときに印象的だったのが、運営が「SNSへの投稿をお願いします!」と連呼していたこと。
選挙区に確たる足場がない分、ネットへの依存度が高いんだなあと思ったわけだが、公明党の支えがなくなった自民党がそうなる可能性というのは確かにありそう。
「衆院選をやるのなら、自民党は従来よりも空中戦に頼った選挙をすることになるはずです。その時は、ネット上で排外主義的な主張が拡散されたり、デマが飛び交うのではないかということが大きな懸念事項です」
01.12.2025 07:57 — 👍 60 🔁 35 💬 0 📌 0
最後に陰鬱な、でもそこそこ的中しそうな予想が出てくる
01.12.2025 03:09 — 👍 37 🔁 14 💬 0 📌 0
「令和人文主義」が話題だけれども、この手のカテゴリーは、結局のところ、気に食わない具体的な誰かについて名前を出さずに悪口を言うための手段になるか、抽象化された藁人形をみんなで叩いて満足するためのレッテルにしかならないんじゃないか。カテゴリーで話をするのはやめたほうがいいと思う。
30.11.2025 16:11 — 👍 50 🔁 19 💬 0 📌 0
ただ、それに対して、ポジティブな励ましが多数みられるのも、ソーシャルメディアであったりするのだけれども。
29.11.2025 12:36 — 👍 22 🔁 3 💬 0 📌 0
ソーシャルメディアは、本当に人間のいや~な部分をいろいろと見せつけてくるね。
29.11.2025 12:34 — 👍 24 🔁 7 💬 1 📌 0
すげー凹むしショック受けるのはわかるけど、相手はまさにそれを狙って言ってきてるのでこっちも人間扱いせず服着てる不思議な豚だと思って対処するのが一番です
29.11.2025 12:10 — 👍 165 🔁 47 💬 0 📌 0
今日は朝からいろいろあって疲れた。締め切り直前の提出書類がまだ全然書けてないんだけれども、そろそろ帰る。疲れた。
29.11.2025 12:31 — 👍 6 🔁 0 💬 0 📌 0
研究室でぼろぼろ泣きながら、授業で使う相模原障害者殺傷事件の資料を作っている。これはきつい。
29.11.2025 11:21 — 👍 60 🔁 3 💬 0 📌 0
PVやCVは偶然的な要素や部署的な要因によって左右されることもあり、それが待遇と直結しているという話は出てきませんでした。ただ、人事に提出する目標達成シートにその数字を書くという方はいたので、何かしらの参考にされている可能性も否定できないかと思います。人事の方に話を伺ったわけではないので(聞いたとしても、なかなか外に出てこない話ではないかと考えますが)、確たることは言えません。
29.11.2025 03:22 — 👍 1 🔁 0 💬 1 📌 0
自分に限らず、Xでの揉め気味のやりとりを見ていて感じるのは、行間を読むというか、行間しか読んでない人の多さ。
生身の人間ではなく、頭のなかでこしらえた偶像に向かって話しかけている。だから、こっちが言ってもないことを言ったことにしてくるし、理解しがたい「矛盾」や「ダブスタ」を指摘してきたりする。
たとえば「ジェンダー論は面白い」と言った人物をみつけたら、「上野千鶴子を信奉し、ジェンダー研究者全員を擁護していて、男性の権利を踏みにじっても女性の利益を推進しようとする人」等々の人物だと想定される。
冗談抜きで、ChatGPTのほうが、こちらの言わんとすることを遥かに理解した反応を返してくる。
28.11.2025 11:09 — 👍 133 🔁 40 💬 0 📌 3
2回目の練習で24分30秒まで圧縮できた。なんだか、どれだけ速く喋れるか大会みたいな感じになってきた。
28.11.2025 10:59 — 👍 11 🔁 1 💬 1 📌 0
一人で明日の学会報告の練習をしたのだが、27分。あと7分をどうにかして削らねばならない。
無理すぎる...
28.11.2025 10:12 — 👍 9 🔁 2 💬 1 📌 0
今に始まった話では全くないが、読みたい本、読まねばならない本が大量にあり、僕の読者ペースでは全く追いつかない。
28.11.2025 01:47 — 👍 18 🔁 1 💬 0 📌 0
Xにこういうポストをしたぼくが愚かではあるのだが、ここで言っているのは「男女はいかにあるべきか」というような規範論ではなくて、あくまで「男性の立場からは女性が直面する問題は見えづらい」という認識論の話であって、そういう視点の豊かさを提供してくれるうえでジェンダー論は有用だというところまでで話をとどめている。
が、それでもやっぱりジェンダー論が許せないという人がいるんだね。
27.11.2025 09:52 — 👍 40 🔁 12 💬 0 📌 1
X、やっぱり面倒くさい...
27.11.2025 09:43 — 👍 20 🔁 0 💬 0 📌 0
倫理学者。群馬。『トランスジェンダー入門』の著者。(JP)
読書記録とイベントの告知、情報収集。
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連絡は researchmap 記載のアドレスまで。
筑波大学マレーシア校助教|『ファンたちの市民社会』(河出書房新社、2025年)、共訳書ヘンリー・ジェンキンズ『コンヴァージェンス・カルチャー』(晶文社、2021年)、ダニエル・ハーバート『ビデオランド』(作品社、2021年)|Ph. D. in Cinema and Media Studies (USC)
朝日新聞社会部の記者です。学士・修士では災害社会学+災害人類学。東日本大震災の翌月から記者になり、2022年度まで子育て世代のページ「ハグスタ」編集長も。災害、子ども、メディアに関わる報道が長め。生活から離れない記事を。映画と映画館が大好きです。
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Let's see... 39 years teaching journalism at NYU. A critic who tries to be useful. PressThink: the name of my subject and my site. My book: "What Are Journalists For?" (1999, Yale University Press)
新聞記者。朝日新聞デジタルに言論サイト「Re:Ron」をオープンし、編集長になりました。これまでは映画やメディアを中心に取材。ジェンダー、テクノロジーも関心領域。ミニシアター好き。おすすめの記事や映画、気になる話題などなどをつぶやきます。デジタル企画報道部。
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京都女子大学 現代社会学部の日高良祐です。日記アカウントですよ。あと🐈の「しいたけ」情報。 ryskhdk.net
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こっちの方が空が広いですね。
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アクティブユーザーにはならないと思いますが、時流に乗って、とりあえず来てみました。専門は社会学/ネイションとエスニシティ、マイノリティ・マジョリティの関係、アイデンティティや差別の問題。主な分野は在日コリアンのことを中心に日本の多文化状況。韓国エンタメにも関心。日本映画大学教員。多摩美、立教、文化学園大でも教えています。とりあえず、「いいね!」はブックマークがわり。
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