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あるさ

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成人済/腐。NT型。DQ、FE、ペルソナ、twst、まほやく、Mリーグ しずイン→https://sizu.me/arusa623

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来週月曜日が推し(がいる)チームしかいない……!どこを応援すればいいんや!!

24.10.2025 13:56 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

コラボ記念イラスト無事ゲット。はあ……たまらん

24.10.2025 11:28 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

ふと思ったけど高杉って子安さんだもんな……ゼロやん……!

23.10.2025 14:13 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

高杉×2と坂本×2で銀さんと桂が来なかった……いや、厳密には1人は交換できるので後日またチャレンジしよう(一番欲しかったエリザベスリーチはゲットしたw)

22.10.2025 13:28 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

原稿と家業のバタバタで暫く遊んでいなかった雀魂を初稿が書き終わったので久しぶりに遊ぶ(某コラボの為にログボは貰っていたがw)1131でなかなか好調。

18.10.2025 12:58 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

雀魂と銀魂コラボでしかも桂がコラボ雀士確定っぽいのでやるしかない(家の事や原稿で最近全然できていない人)

05.10.2025 00:14 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

ニャンフィノ書きたい・本出したい欲はあるのだけど今まともにゲームが遊べてないに加えて困った人がいたので(サークルさん側ではなく来てくださった人)出したいけどオフラインでは出たくないというね……
オンラインイベントは本当にありがたやである。

17.09.2025 09:38 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

最近FEは老人縛りの動画ばかり観ています

13.09.2025 13:18 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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2025/09/21【TOKYO FES Sep.2025】TM28のお品書きです。東7 I-44b 【Zodiacs】にてお待ちしております!全てニャンフィノです!新刊と同絵のポスターをご希望の方は13時にお越し下さい😌

新刊: pixiv.net/artworks/133...
既刊: pixiv.net/artworks/118...
ポスカアンソロ: www.pixiv.net/artworks/132...

13.09.2025 11:11 — 👍 3    🔁 3    💬 0    📌 0
冷えてしまう。
 わざわざ届けに来てくれたクロエとラスティカに感謝をするしかない。
「そうだネリー、君の部屋には紅茶を入れる道具はあるかい?」
「一応あるけど……もしかして」
「ささやかだけど、僕からは美味しい紅茶を。クロエからは最近話題になっているお店のお菓子を買って来てくれているからティータイムにしよう」
「それは素敵なプレゼントだな。散らかってる部屋で悪いけど」

 クロエとラスティカによるバースデイティータイムを堪能し、二人を見送って一人になったネリーは、ラスティカから受け取った梱包されているダンボールを丁寧に開けた。
 ダンボール中には緩衝材に包まれた高級そうな箱が入っている。
 ネリーはその箱を取り出して蓋を開けると、中には数種類のスパイスの小瓶が並べられていた。
「これは……」
 思わず、声に出てしまった。
 いつだったか忘れた位に前の話、このブランドのスパイスで料理を作りたいとブラッ

冷えてしまう。  わざわざ届けに来てくれたクロエとラスティカに感謝をするしかない。 「そうだネリー、君の部屋には紅茶を入れる道具はあるかい?」 「一応あるけど……もしかして」 「ささやかだけど、僕からは美味しい紅茶を。クロエからは最近話題になっているお店のお菓子を買って来てくれているからティータイムにしよう」 「それは素敵なプレゼントだな。散らかってる部屋で悪いけど」  クロエとラスティカによるバースデイティータイムを堪能し、二人を見送って一人になったネリーは、ラスティカから受け取った梱包されているダンボールを丁寧に開けた。  ダンボール中には緩衝材に包まれた高級そうな箱が入っている。  ネリーはその箱を取り出して蓋を開けると、中には数種類のスパイスの小瓶が並べられていた。 「これは……」  思わず、声に出てしまった。  いつだったか忘れた位に前の話、このブランドのスパイスで料理を作りたいとブラッ

ドリーに語っていた事をふと思い出してしまう。
 自分の事がバレてしまったのではないかという不安は勿論あるが、純粋に嬉しい――
「ブラッド……」
 自分意外誰もいない部屋で、ネリーいや、ネロはかつての相棒の名前を呟いた。

 その日の夜――
「あー……腹へった」
 仕事を終わらせたブラッドリーは自宅でジャケットを脱ぐタイミングでスマホの通知に気が付く。
『ネリーの気まぐれキッチンゲリラ配信』
 通知を見て、ブラッドリーの瞳が驚くほど見開いた。
「は? こんな時間に飯テロか!?」
 慌ててテレビをつけて配信サイトに切り替えて――
「……」
 ブラッドリーは再度目を見開いた。
『今日は配信しないって昨日言っていたけど、やっぱり配信したいなと思って……』

ドリーに語っていた事をふと思い出してしまう。  自分の事がバレてしまったのではないかという不安は勿論あるが、純粋に嬉しい―― 「ブラッド……」  自分意外誰もいない部屋で、ネリーいや、ネロはかつての相棒の名前を呟いた。  その日の夜―― 「あー……腹へった」  仕事を終わらせたブラッドリーは自宅でジャケットを脱ぐタイミングでスマホの通知に気が付く。 『ネリーの気まぐれキッチンゲリラ配信』  通知を見て、ブラッドリーの瞳が驚くほど見開いた。 「は? こんな時間に飯テロか!?」  慌ててテレビをつけて配信サイトに切り替えて―― 「……」  ブラッドリーは再度目を見開いた。 『今日は配信しないって昨日言っていたけど、やっぱり配信したいなと思って……』

 配信されている台所でぼそぼそと呟く『ネリー』の前には自分が今日送ったスパイスの小瓶が並べられていた。
「……」
 ブラッドリーはクスリと笑うと、ワインセラーから一本のワインを取り出す。
 かつての相棒が好きだったワインを、画面越しの相手に祝いの言葉を送りながら――

 配信されている台所でぼそぼそと呟く『ネリー』の前には自分が今日送ったスパイスの小瓶が並べられていた。 「……」  ブラッドリーはクスリと笑うと、ワインセラーから一本のワインを取り出す。  かつての相棒が好きだったワインを、画面越しの相手に祝いの言葉を送りながら――

(2/2)

08.09.2025 22:24 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「かつての相棒からの贈り物」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 とある休日。
 久しぶりのオフにネリーはまったりソファーで寛ぎながら料理番組を観ていると、突然ピンポーンと音が響いた。今日は宅配が来る予定は無い。少し警戒しながらネリーはインターフォンのボタンを押す。
「ネリー! お休み中にごめんね。事務所に届いたプレゼント持って来たよ!」
 インターフォンのカメラの向こう側には、同じ事務所のメンバーであるクロエが両手に沢山の紙袋をぶら下げて立っていた。
「え? あ、ちょっと待ってて。すぐ開けるわ」
 予想外の来客に、ネロは慌てて床に散乱している服を適当にまとめて寝室に放り投げると、足早に玄関のオートロックを解除してクロエを迎え入れた。
「どうしたんだよ。突然プレゼントだなんて……」
「だって、今日はネリーの誕生日でしょ? 事務所にも手紙やプレゼントが届いていたから当日中に渡したくって」
「ああ、そういう事か」
 人の気持ちを考えて行動するクロエらしいと思いながら、ネロはクロエが手にしていた大量の紙袋を丁寧に受け取る。どれも華やかな見た目の紙袋ではあるが、持った瞬間

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「かつての相棒からの贈り物」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。  とある休日。  久しぶりのオフにネリーはまったりソファーで寛ぎながら料理番組を観ていると、突然ピンポーンと音が響いた。今日は宅配が来る予定は無い。少し警戒しながらネリーはインターフォンのボタンを押す。 「ネリー! お休み中にごめんね。事務所に届いたプレゼント持って来たよ!」  インターフォンのカメラの向こう側には、同じ事務所のメンバーであるクロエが両手に沢山の紙袋をぶら下げて立っていた。 「え? あ、ちょっと待ってて。すぐ開けるわ」  予想外の来客に、ネロは慌てて床に散乱している服を適当にまとめて寝室に放り投げると、足早に玄関のオートロックを解除してクロエを迎え入れた。 「どうしたんだよ。突然プレゼントだなんて……」 「だって、今日はネリーの誕生日でしょ? 事務所にも手紙やプレゼントが届いていたから当日中に渡したくって」 「ああ、そういう事か」  人の気持ちを考えて行動するクロエらしいと思いながら、ネロはクロエが手にしていた大量の紙袋を丁寧に受け取る。どれも華やかな見た目の紙袋ではあるが、持った瞬間

ずしりと重い感触がネロの手に伝わった。
「おいクロエ、お前これ一人で持って来たのか?」
 取り敢えずリビングに紙袋を置きながらネリーは玄関に立っているクロエに声をかける。
「ううん、ラスティカと一緒に。今ラスティカも車から荷物を持って来るからロック解除したままにしてもらってもいいかな?」
「あー……いや、俺が行くよ。クロエは中で待っててくれ。テーブルの上にお茶作ってあるから適当に飲んでおいて」
「うん、わかった。あ、紙袋の中はプレゼントの内容ごとに仕分けてあるから!」
「さんきゅ」

 ネリーは慌てて来客用の駐車場に走って向かうと、丁度ラスティカが小さくは無いが大きくも無い箱を手に車から降りた所だった。
「ラスティカ」
 姿を確認するなりネリーが声をかけると、ラスティカはまるで貴族のように微笑んでネリーに笑顔を向ける。

ずしりと重い感触がネロの手に伝わった。 「おいクロエ、お前これ一人で持って来たのか?」  取り敢えずリビングに紙袋を置きながらネリーは玄関に立っているクロエに声をかける。 「ううん、ラスティカと一緒に。今ラスティカも車から荷物を持って来るからロック解除したままにしてもらってもいいかな?」 「あー……いや、俺が行くよ。クロエは中で待っててくれ。テーブルの上にお茶作ってあるから適当に飲んでおいて」 「うん、わかった。あ、紙袋の中はプレゼントの内容ごとに仕分けてあるから!」 「さんきゅ」  ネリーは慌てて来客用の駐車場に走って向かうと、丁度ラスティカが小さくは無いが大きくも無い箱を手に車から降りた所だった。 「ラスティカ」  姿を確認するなりネリーが声をかけると、ラスティカはまるで貴族のように微笑んでネリーに笑顔を向ける。

「やあネリー。今日の髪型はいつもと違って情熱的だ」
「情熱的……?」
 一体ラスティカは何を言っているんだと一瞬思ったネリーだったが、それが自分の寝ぐせの事を指している事に気が付くのに時間はかからなかった。今日は自分の誕生日。昨日は仕事や誕生日カウントダウン配信などもあり、今日は一日オフで何の予定も入れずに自宅でダラダラ過ごしていたのだ。
「その箱は俺に?」
 ラスティカが大切そうに抱えている箱を指差してネリーは尋ねる。第一陣のクロエが結構な大荷物だったので、ラスティカも大量の荷物を持って来ると思っていたが、大雑把に見てもラスティカの荷物はクロエが持っていた総量の三分の一程の大きさだ。
「ああ。大事に運ぶようにと言われてね」
「誰に?」
 もしかして事務所の社長からだろうか? と、ネリーは僅かに期待したが――
「フォルモーント・プロダクションのブラッドリーからだよ」
 ラスティカの口から出た人物の名前に、ネリーは倒れてしまいそうになってしまう。
「おや、ネリー?」

「やあネリー。今日の髪型はいつもと違って情熱的だ」 「情熱的……?」  一体ラスティカは何を言っているんだと一瞬思ったネリーだったが、それが自分の寝ぐせの事を指している事に気が付くのに時間はかからなかった。今日は自分の誕生日。昨日は仕事や誕生日カウントダウン配信などもあり、今日は一日オフで何の予定も入れずに自宅でダラダラ過ごしていたのだ。 「その箱は俺に?」  ラスティカが大切そうに抱えている箱を指差してネリーは尋ねる。第一陣のクロエが結構な大荷物だったので、ラスティカも大量の荷物を持って来ると思っていたが、大雑把に見てもラスティカの荷物はクロエが持っていた総量の三分の一程の大きさだ。 「ああ。大事に運ぶようにと言われてね」 「誰に?」  もしかして事務所の社長からだろうか? と、ネリーは僅かに期待したが―― 「フォルモーント・プロダクションのブラッドリーからだよ」  ラスティカの口から出た人物の名前に、ネリーは倒れてしまいそうになってしまう。 「おや、ネリー?」

「な、なんでフォルモーント・プロダクションのブラッド……リー……から?」
「ああ、単純な事だよ。君の配信をいつも見ているそうだ。ファンなのかな?」
「え」
「仕事で見れない時はアーカイブで見ているそうだよ。実に情熱的な視聴者だね」
 ニコニコと微笑むラスティカに対して、ネリーは驚愕の表情を浮かべていた。
 まさか、自分の正体がバレてしまっているのか……? と、考えてしまう。
「はい、ネリー。誕生日おめでとう」
 いや、それブラッドリーからのプレゼントだろ。と、ツッコミたくなってしまったが、ネリーは素直にラスティカから箱を受け取った。
「配信で使って欲しいそうだよ」
「ブラッド……リーに会ったのか?」
「つい先程、事務所まで来ていたからね」
「ッ」
 本当は今日、仕事はオフだがファンからのプレゼントは届いている事は知っていたので、夕方辺りにでもプレゼントを受け取りに事務所まで行こうとは思っていたネリーだったが、もしかしたらブラッドリーに鉢合わせする可能性があったと考えると背筋が

「な、なんでフォルモーント・プロダクションのブラッド……リー……から?」 「ああ、単純な事だよ。君の配信をいつも見ているそうだ。ファンなのかな?」 「え」 「仕事で見れない時はアーカイブで見ているそうだよ。実に情熱的な視聴者だね」  ニコニコと微笑むラスティカに対して、ネリーは驚愕の表情を浮かべていた。  まさか、自分の正体がバレてしまっているのか……? と、考えてしまう。 「はい、ネリー。誕生日おめでとう」  いや、それブラッドリーからのプレゼントだろ。と、ツッコミたくなってしまったが、ネリーは素直にラスティカから箱を受け取った。 「配信で使って欲しいそうだよ」 「ブラッド……リーに会ったのか?」 「つい先程、事務所まで来ていたからね」 「ッ」  本当は今日、仕事はオフだがファンからのプレゼントは届いている事は知っていたので、夕方辺りにでもプレゼントを受け取りに事務所まで行こうとは思っていたネリーだったが、もしかしたらブラッドリーに鉢合わせする可能性があったと考えると背筋が

アクスイ時空のブラネロの誕生日ネタを書きました。
(二人の直接的な絡みはありません)切ないよりの甘め。
Xにも同じ内容を投稿しています。
(1/2)

08.09.2025 22:24 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0
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来年6月は麻雀の大会とぶつかる事に気付いてしまった……(そもそも2カ月連続イベント参加はしないと決めて5月は大阪参加するのもあるが)

01.09.2025 13:17 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0
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一応こっちでも…
来年6/28 or 7/5のグホカプオンリー決定したぞ〜

31.08.2025 23:30 — 👍 13    🔁 5    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「香水」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「あ……」
「どうした?」
 いつものリビング。後は仕事に出かけるだけというタイミングで、アーサーの困ったような声がオズの耳に入って来た。
「オズ様。実は、香水が切れて買い足すのを忘れてしまいまして」
 空になってしまった香水の小瓶を手に、苦笑いを浮かべながらアーサーが答える。
「確か……お前には気に入っていた香水があったな」
 オズが顎に手を当ててアーサーが手にしていた小瓶をじっと眺めた。
「ええ、気に入っていたので早めに買い足しておこうとは思っていたのですが……ここ暫く仕事が忙しくて失念しておりました。仕事があるという事には、感謝をしなくてはいけないのですが……少し、悔しいですね」
「……」
 落ち込んでいる様子のアーサーを見て、オズはここ暫くのアーサーのスケジュールを思い返していた。ここ数か月は普段の学業の他に、殆ど映画の撮影でまともな休暇は無かった筈だ。学校が無ければ撮影、撮影が無ければ学校が当たり前であり、どちらも休みの日があったとしても、体力を回復する為に家から出ずに身体を休めていたのをオズ

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「香水」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。 「あ……」 「どうした?」  いつものリビング。後は仕事に出かけるだけというタイミングで、アーサーの困ったような声がオズの耳に入って来た。 「オズ様。実は、香水が切れて買い足すのを忘れてしまいまして」  空になってしまった香水の小瓶を手に、苦笑いを浮かべながらアーサーが答える。 「確か……お前には気に入っていた香水があったな」  オズが顎に手を当ててアーサーが手にしていた小瓶をじっと眺めた。 「ええ、気に入っていたので早めに買い足しておこうとは思っていたのですが……ここ暫く仕事が忙しくて失念しておりました。仕事があるという事には、感謝をしなくてはいけないのですが……少し、悔しいですね」 「……」  落ち込んでいる様子のアーサーを見て、オズはここ暫くのアーサーのスケジュールを思い返していた。ここ数か月は普段の学業の他に、殆ど映画の撮影でまともな休暇は無かった筈だ。学校が無ければ撮影、撮影が無ければ学校が当たり前であり、どちらも休みの日があったとしても、体力を回復する為に家から出ずに身体を休めていたのをオズ

は良く覚えている。
「通販は……無かったのか?」
 オズが尋ねると、アーサーは首を左右に振った。
「お店自体が通販をしていないそうなのです。もう撮影は終わりましたし、今度買いに行って来ようと思います」
「そうか……アーサー」
「はい」
「少し待っていろ」
 そう言い残して、オズは自室に一瞬戻ると、すぐアーサーのいるリビングに戻って来た。手に見慣れた小瓶を持って。
「オズ様?」
「新しいのを買うまで、私のを使うといい」
「え……」
 オズの言葉に、アーサーの青い瞳が丸くなる。
「……苦手な香りだったか?」
 驚いた様子のアーサーに、オズは手にしていた小瓶を自室に戻そうとするが、アー

は良く覚えている。 「通販は……無かったのか?」  オズが尋ねると、アーサーは首を左右に振った。 「お店自体が通販をしていないそうなのです。もう撮影は終わりましたし、今度買いに行って来ようと思います」 「そうか……アーサー」 「はい」 「少し待っていろ」  そう言い残して、オズは自室に一瞬戻ると、すぐアーサーのいるリビングに戻って来た。手に見慣れた小瓶を持って。 「オズ様?」 「新しいのを買うまで、私のを使うといい」 「え……」  オズの言葉に、アーサーの青い瞳が丸くなる。 「……苦手な香りだったか?」  驚いた様子のアーサーに、オズは手にしていた小瓶を自室に戻そうとするが、アー

サーは慌てて引き留めた。
「いえ、そんな事は! 寧ろ、オズ様の香水は大好きな香りです!」
「そうか」
 必死な様子のアーサーにオズは僅かに微笑むと、手にしていた小瓶をアーサーに渡して彼の頬にそっと手を触れた。
「それはお前にやろう。私はまだいくつか持っているからな」
「あ、ありがとうございますオズ様!」
 オズに礼を告げ、アーサーは軽やかな足取りで自室に入ると、服を軽く捲ってオズから受け取った香水を腹部に軽くつけた。やや重い香りがアーサーの鼻腔を通っていく。
 思えば、自分が香水をつけ始めたきっかけはオズから良い香りがした事からだった。
 その時感じた香りと同じ香り――
 まるでオズに抱き締められているような――
 大切な人と同じ香りを纏っている事実に、アーサーは自分の鼓動が速くなっていくのを感じていた。

サーは慌てて引き留めた。 「いえ、そんな事は! 寧ろ、オズ様の香水は大好きな香りです!」 「そうか」  必死な様子のアーサーにオズは僅かに微笑むと、手にしていた小瓶をアーサーに渡して彼の頬にそっと手を触れた。 「それはお前にやろう。私はまだいくつか持っているからな」 「あ、ありがとうございますオズ様!」  オズに礼を告げ、アーサーは軽やかな足取りで自室に入ると、服を軽く捲ってオズから受け取った香水を腹部に軽くつけた。やや重い香りがアーサーの鼻腔を通っていく。  思えば、自分が香水をつけ始めたきっかけはオズから良い香りがした事からだった。  その時感じた香りと同じ香り――  まるでオズに抱き締められているような――  大切な人と同じ香りを纏っている事実に、アーサーは自分の鼓動が速くなっていくのを感じていた。

アクスイ時空のオズアサ小話を書きました。
Xにも同じ内容を投稿しています。

01.09.2025 20:22 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「休憩時間」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 真夏の午後――
 撮影と撮影の合間に与えられた短い休憩時間。エアコンの効いた控室には、どこか気だるい空気が漂っていた。
 ソファにだらりと横になっているブラッドリーは、タンクトップ姿で凍らせたペットボトルを顔に押し当てている。冷たさが心地よくて、思わずため息が漏れた。
「ったく……夏は役者殺しだな。汗だくでスーツなんて誰が得するんだよ……」
 その隣ではネロが台本をめくりながら、くすっと笑う。
「確かにメイクとかこまめに直さないといけないけど……ブラッドはスーツ似合うし、スタッフさんも喜んでるだろ?」
「お前は人ごとだから気楽に言えんだよ」
 文句をこぼすブラッドリーに、ネロは「はい、これ」と、ペットボトルを差し出した。中身は冷えたスポーツドリンクだ。ブラッドリーの持っているペットボトルは凍っていて飲むにはまだ少しかかるのを見て寄越したのだろう。
「水分ちゃんと取れよ。熱中症になったら困るんだから」
「……ほんっとお前は世話焼きだな」
 そう言いながらもブラッドリーはネロからスポーツドリンクを受け取って一口飲む。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「休憩時間」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。  真夏の午後――  撮影と撮影の合間に与えられた短い休憩時間。エアコンの効いた控室には、どこか気だるい空気が漂っていた。  ソファにだらりと横になっているブラッドリーは、タンクトップ姿で凍らせたペットボトルを顔に押し当てている。冷たさが心地よくて、思わずため息が漏れた。 「ったく……夏は役者殺しだな。汗だくでスーツなんて誰が得するんだよ……」  その隣ではネロが台本をめくりながら、くすっと笑う。 「確かにメイクとかこまめに直さないといけないけど……ブラッドはスーツ似合うし、スタッフさんも喜んでるだろ?」 「お前は人ごとだから気楽に言えんだよ」  文句をこぼすブラッドリーに、ネロは「はい、これ」と、ペットボトルを差し出した。中身は冷えたスポーツドリンクだ。ブラッドリーの持っているペットボトルは凍っていて飲むにはまだ少しかかるのを見て寄越したのだろう。 「水分ちゃんと取れよ。熱中症になったら困るんだから」 「……ほんっとお前は世話焼きだな」  そう言いながらもブラッドリーはネロからスポーツドリンクを受け取って一口飲む。

甘さが喉に染みて、体に力が抜けていった。
 気づけば、ネロも隣に腰を下ろしてソファの背にもたれている。長時間で疲れているのか、うつらうつらと瞬きを繰り返していた。
「……眠いのか?」
「んー……ちょっと」
 ブラッドリーは口角を上げると、手を伸ばしてネロの頭を自分の膝にぐいっと引き寄せた。
「おいっ……!」
 突然の事に、ネロは眠気が飛んだのではないかという位に、琥珀色の瞳を見開く。
「寝ちまえ。俺様の太ももは枕代わりに最高だぜ」
「はあ……? 何言っているんだよ……」
 口では抵抗しながらも、ネロの体はそのまま預けられていた。その様子に、ブラッドリーの胸に満足感が広がる。
 ゆるやかな空調と外から僅かに聞こえる蝉の声に包まれて、やがてネロの呼吸が落ち着いていく。ブラッドリーは空色の髪をそっと撫でながら、声を潜めた。
「……暑い日の昼寝も悪くねぇな。ずっとこうしてられりゃいい」

甘さが喉に染みて、体に力が抜けていった。  気づけば、ネロも隣に腰を下ろしてソファの背にもたれている。長時間で疲れているのか、うつらうつらと瞬きを繰り返していた。 「……眠いのか?」 「んー……ちょっと」  ブラッドリーは口角を上げると、手を伸ばしてネロの頭を自分の膝にぐいっと引き寄せた。 「おいっ……!」  突然の事に、ネロは眠気が飛んだのではないかという位に、琥珀色の瞳を見開く。 「寝ちまえ。俺様の太ももは枕代わりに最高だぜ」 「はあ……? 何言っているんだよ……」  口では抵抗しながらも、ネロの体はそのまま預けられていた。その様子に、ブラッドリーの胸に満足感が広がる。  ゆるやかな空調と外から僅かに聞こえる蝉の声に包まれて、やがてネロの呼吸が落ち着いていく。ブラッドリーは空色の髪をそっと撫でながら、声を潜めた。 「……暑い日の昼寝も悪くねぇな。ずっとこうしてられりゃいい」

 その言葉に対して、ネロの寝息だけが返ってきた。
 それを合図に、ブラッドリーもゆっくりと瞼を閉じる。
 二人の時間を邪魔するものは何もなく、控室のソファには夏の午後の少し暑いが、甘い静寂が流れていた。

 その言葉に対して、ネロの寝息だけが返ってきた。  それを合図に、ブラッドリーもゆっくりと瞼を閉じる。  二人の時間を邪魔するものは何もなく、控室のソファには夏の午後の少し暑いが、甘い静寂が流れていた。

アクスイ時空の暑い日に休憩しているブラネロ小話を書きました。Xにも同じ内容を投稿しています。

18.08.2025 20:00 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「夏でもあなたと」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 太陽が遠慮なく照りつける昼下がり。虫の鳴き声がそこかしこで響く中、魔法舎の中庭を歩くふたりの姿は、少しだけ――いや、相当季節に逆らっていた。
「……アーサー。暑くないのか」
 呆れたように言うオズではあるが、そんな事を言いながら自身もいつも通りのロングコートを羽織っている。オズに指摘されたアーサーもまた、長袖にベスト、肩を覆う短いマントという〝真夏を無視した〟いでたちだった。
「一応、魔法を使って暑くないようにはしております。オズ様と身に着けている物の雰囲気を少しでも合わせたいと思いまして」
「今日は暑い……無理して合わせなくていい」
 ぼそりと言われて、アーサーは少し悲しそうな表情を浮かべていた。
「でしたら……オズ様も魔法を使わないで少し軽装にすれば宜しいのではないでしょうか? オズ様は暑くないのですか?」
「今日は……魔法を使っていない……故に暑い。だが、我慢している」
「えっ?」
 オズの言葉に、アーサーは青い目を丸くさせる。良く見れば、オズの顔が僅かに汗ばんでるように思えた。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「夏でもあなたと」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。  太陽が遠慮なく照りつける昼下がり。虫の鳴き声がそこかしこで響く中、魔法舎の中庭を歩くふたりの姿は、少しだけ――いや、相当季節に逆らっていた。 「……アーサー。暑くないのか」  呆れたように言うオズではあるが、そんな事を言いながら自身もいつも通りのロングコートを羽織っている。オズに指摘されたアーサーもまた、長袖にベスト、肩を覆う短いマントという〝真夏を無視した〟いでたちだった。 「一応、魔法を使って暑くないようにはしております。オズ様と身に着けている物の雰囲気を少しでも合わせたいと思いまして」 「今日は暑い……無理して合わせなくていい」  ぼそりと言われて、アーサーは少し悲しそうな表情を浮かべていた。 「でしたら……オズ様も魔法を使わないで少し軽装にすれば宜しいのではないでしょうか? オズ様は暑くないのですか?」 「今日は……魔法を使っていない……故に暑い。だが、我慢している」 「えっ?」  オズの言葉に、アーサーは青い目を丸くさせる。良く見れば、オズの顔が僅かに汗ばんでるように思えた。

「……理由があるのですか?」
 問いかけるアーサーの顔は驚きつつも、どうしてオズがそんな事をしているのか気になるのだろう。どこか嬉しそうだ。オズは少し目を伏せると、ため息をついた。
「夜が暑かった時の為だ」
 その言葉を聞いて、アーサーは合点がいった。オズは『傷』の影響で夜は魔法を使うと眠ってしまう。簡単な魔法なら使っても問題は無いと聞いてはいるが、簡単だとしても身体の体温を快適に保つ魔法を長時間使うとなるといずれ眠ってしまうのは明らかだ。
「成程、鍛錬のようなものでしたか」
 アーサーは納得して頷いた。
「でも、今日はかなり暑いので……このままですといくらオズ様でも身体がまいってしまうかもしれません」
「そう……かもしれない」
 我慢していたのだろう。オズはアーサーの視線を避けながらぼそりと答えた。
「ですので、魔法を使わなくても涼しくなれるようにかき氷というものを食べましょう!」
「……あの氷の山みたいなやつか」

「……理由があるのですか?」  問いかけるアーサーの顔は驚きつつも、どうしてオズがそんな事をしているのか気になるのだろう。どこか嬉しそうだ。オズは少し目を伏せると、ため息をついた。 「夜が暑かった時の為だ」  その言葉を聞いて、アーサーは合点がいった。オズは『傷』の影響で夜は魔法を使うと眠ってしまう。簡単な魔法なら使っても問題は無いと聞いてはいるが、簡単だとしても身体の体温を快適に保つ魔法を長時間使うとなるといずれ眠ってしまうのは明らかだ。 「成程、鍛錬のようなものでしたか」  アーサーは納得して頷いた。 「でも、今日はかなり暑いので……このままですといくらオズ様でも身体がまいってしまうかもしれません」 「そう……かもしれない」  我慢していたのだろう。オズはアーサーの視線を避けながらぼそりと答えた。 「ですので、魔法を使わなくても涼しくなれるようにかき氷というものを食べましょう!」 「……あの氷の山みたいなやつか」

 かき氷が気になったのか、オズの視線がアーサーの方へ戻る。
「はい! ネロが作るようなふわふわのは難しいかもしれませんが、私でも何とか形に出来るんですよ。丁度おやつの時間ですし、アーサーにお任せくださいオズ様!」
「では、お前の言葉に甘えるか」
 太陽のように満面の笑みを浮かべるアーサーに、オズもアーサーに微笑みを向けた。
 偶には暑い日も悪くないと思いながら――

 かき氷が気になったのか、オズの視線がアーサーの方へ戻る。 「はい! ネロが作るようなふわふわのは難しいかもしれませんが、私でも何とか形に出来るんですよ。丁度おやつの時間ですし、アーサーにお任せくださいオズ様!」 「では、お前の言葉に甘えるか」  太陽のように満面の笑みを浮かべるアーサーに、オズもアーサーに微笑みを向けた。  偶には暑い日も悪くないと思いながら――

オズアサの小話を書きました。Xにも同じ内容を投稿しています。

04.08.2025 21:09 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「七夕」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 七月七日――
 都内某所の撮影スタジオの屋上。
 今日はスタッフさんが気を利かせてくれて、スタジオの資材置き場にスペースを用意して笹と短冊が用意されていた。
「へえ、今年もやってんのか」
 自身の撮影が終わったブラッドリーは缶ビール片手に、ちらほらと短冊の結ばれた笹を眺める。ドラマの撮影中は現実の季節と演技の中での季節は違う事が多い。撮影終わりの開放感も手伝ってか、偶にはこういう季節を感じるイベントも悪くないと思えた。
「……やっぱり七夕ってちょっとわくわくするよな」
 後ろからやや遠慮がちに声をかけたのはネロだった。ロケ終わりで少し髪の毛が乱れているのも、なんだか妙に可愛く見える。
「お前は? 何か書いたのか?」
「ああ。撮影終わったらこれ渡されて……今吊るすところ」
 ネロは指先で小さな短冊をひらひらさせる。そこには【撮影が無事に終わりますように。そしてブラッドも体壊さないように】と、見慣れた文字で書かれていた。
「ほんと、お前は……てめぇの事を書けっての」

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「七夕」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。  七月七日――  都内某所の撮影スタジオの屋上。  今日はスタッフさんが気を利かせてくれて、スタジオの資材置き場にスペースを用意して笹と短冊が用意されていた。 「へえ、今年もやってんのか」  自身の撮影が終わったブラッドリーは缶ビール片手に、ちらほらと短冊の結ばれた笹を眺める。ドラマの撮影中は現実の季節と演技の中での季節は違う事が多い。撮影終わりの開放感も手伝ってか、偶にはこういう季節を感じるイベントも悪くないと思えた。 「……やっぱり七夕ってちょっとわくわくするよな」  後ろからやや遠慮がちに声をかけたのはネロだった。ロケ終わりで少し髪の毛が乱れているのも、なんだか妙に可愛く見える。 「お前は? 何か書いたのか?」 「ああ。撮影終わったらこれ渡されて……今吊るすところ」  ネロは指先で小さな短冊をひらひらさせる。そこには【撮影が無事に終わりますように。そしてブラッドも体壊さないように】と、見慣れた文字で書かれていた。 「ほんと、お前は……てめぇの事を書けっての」

 ブラッドリーは思わず缶ビールを持ってない方の手で、ネロの頭をくしゃっと撫でた。
「わっ、ちょ……髪、崩れるって!」
「いいだろ、もう今日の仕事は終わってんだし。てか、さっきからひでぇ髪型になってたぞ?」
「え? そういや鏡見て無かった……」
 ネロはくすぐったそうに笑っていた。屋上には夜風が吹いていて、夏の湿った空気も少しだけ和らいでいる。
「そういやブラッドは書かないのか?」
「いや、俺様の願いなんてな……」
「言ってみろよ」
 ネロが珍しくぐいっと迫るようにブラッドリーの顔を覗き込んでくる。その距離の近さに、ブラッドリーは思わず口をすぼめる。
「……ずっと、お前が……」
「……ん? 何?」
 珍しく小さく呟くブラッドリーに、ネロの琥珀色の目がぱちぱちと瞬いて聞き返した。
「あ、いや……フライドチキンが食いてえなって」

 ブラッドリーは思わず缶ビールを持ってない方の手で、ネロの頭をくしゃっと撫でた。 「わっ、ちょ……髪、崩れるって!」 「いいだろ、もう今日の仕事は終わってんだし。てか、さっきからひでぇ髪型になってたぞ?」 「え? そういや鏡見て無かった……」  ネロはくすぐったそうに笑っていた。屋上には夜風が吹いていて、夏の湿った空気も少しだけ和らいでいる。 「そういやブラッドは書かないのか?」 「いや、俺様の願いなんてな……」 「言ってみろよ」  ネロが珍しくぐいっと迫るようにブラッドリーの顔を覗き込んでくる。その距離の近さに、ブラッドリーは思わず口をすぼめる。 「……ずっと、お前が……」 「……ん? 何?」  珍しく小さく呟くブラッドリーに、ネロの琥珀色の目がぱちぱちと瞬いて聞き返した。 「あ、いや……フライドチキンが食いてえなって」

「相変わらずだな」
 言い直したブラッドリーの言葉に、ネロは声を上げて笑っていた。
「じゃあ今日は遅いけど……明日は撮影も時間に余裕があるから作っておくよ。フライドチキン」
「よっしゃ!」
 ずっと隣にいてほしい――そう願いたかったが、照れが入ってしまって言えなかった。だが、言い直してある意味いつも願っている事が叶ったのでブラッドリーは思わずガッツポーズをしていた。


 あれから暫くの時が流れて――



 ~♪

「相変わらずだな」  言い直したブラッドリーの言葉に、ネロは声を上げて笑っていた。 「じゃあ今日は遅いけど……明日は撮影も時間に余裕があるから作っておくよ。フライドチキン」 「よっしゃ!」  ずっと隣にいてほしい――そう願いたかったが、照れが入ってしまって言えなかった。だが、言い直してある意味いつも願っている事が叶ったのでブラッドリーは思わずガッツポーズをしていた。  あれから暫くの時が流れて――  ~♪

 アラームの音がブラッドリーの目を覚ましていく。眠そうな手つきでアラームを止めて身体を起こすと、スマホに表示されている日付を見てブラッドリーは深いため息をついた。
「……正直に願い事を言っていたらお前はいなくならなかったのか……?」
 思わず、独り言を呟いてしまう。
 と、同時にスマホに通知音が鳴った。
『ネリーの気まぐれキッチン 今夜の配信で作るメニューはフライドチキン』
「……」
 通知を見たブラッドリーは一瞬目を見開き、そして笑っていた。

 アラームの音がブラッドリーの目を覚ましていく。眠そうな手つきでアラームを止めて身体を起こすと、スマホに表示されている日付を見てブラッドリーは深いため息をついた。 「……正直に願い事を言っていたらお前はいなくならなかったのか……?」  思わず、独り言を呟いてしまう。  と、同時にスマホに通知音が鳴った。 『ネリーの気まぐれキッチン 今夜の配信で作るメニューはフライドチキン』 「……」  通知を見たブラッドリーは一瞬目を見開き、そして笑っていた。

アクスイ時空で七夕なブラネロ小話を書きました。Xにも同じ内容を投稿しています。

07.07.2025 20:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

今日は蒼天発売日=自分の誕生日。10年前の今日を私ははっきり覚えている。DQ10で誕生日のお祝いを次の日誕生日の師匠と同時開催したからだwスクショも残っている。懐かしいな。

23.06.2025 11:17 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

こまごました作業先に終わらせようとニャンフィノのお品書きとかハウス撤去直前のログインとかやった(7月のイベント終わったらおちつくのでいい加減ストーリー進める予定)
ブラネロ原稿……がんばろう……もう2か月連続イベント参加なんてしねえ!

12.06.2025 22:16 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

ニャンフィノイベントとりあえず既刊の展示のみになるけど申し込んだ……カットなどあれこれは落ち着いてからだ……!

11.06.2025 22:02 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

ダブイーもサークル番号わかったしゆとりをもってグホ本の誤字脱字チェックをしつつ大急ぎでブラネロ本を書かないといけない

23.05.2025 09:29 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

知人のじゃんたまYouTube動画に初出演したのですが緊張と恥ずかしさでいっぱいである……
(ついったの鍵垢ではURL公開したのですがオープン垢で晒すのは恥ずかしいw)

18.05.2025 08:12 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「帰り道」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「送っていく」
 日付が変わる頃――
 長引いていた撮影がやっと終わり、他の役者やスタッフが全員帰った後の人気のないスタジオ前で、ブラッドリーが当然のように帰り支度を終らせたネロに言って来た。
「平気だって。俺の家すぐそこだし」
 少し申し訳なさそうにネロが断る。
「暗いし危ないだろ」
 それに対してブラッドリーは全く引く様子が無かった。
「俺、男だけど……?」
「知ってるよ。だから余計心配なんだって」
(男だから余計心配ってどういう事なんだ……?)
 ブラッドリーの言葉に、ネロは琥珀色の目を一瞬見開いた後、思わず吹き出してしまった。彼の言葉はいつも真っ直ぐで、時々びっくりするほど甘い。嬉しいが、どこかむず痒くなってしまう。
 結局断りきれず、二人は夜道を歩くことになった。秋の深夜、独特のひんやりとした空気にネロは肩をすくめる。隣を歩くブラッドリーの手の甲がふと触れて、ネロの心臓

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「帰り道」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。 「送っていく」  日付が変わる頃――  長引いていた撮影がやっと終わり、他の役者やスタッフが全員帰った後の人気のないスタジオ前で、ブラッドリーが当然のように帰り支度を終らせたネロに言って来た。 「平気だって。俺の家すぐそこだし」  少し申し訳なさそうにネロが断る。 「暗いし危ないだろ」  それに対してブラッドリーは全く引く様子が無かった。 「俺、男だけど……?」 「知ってるよ。だから余計心配なんだって」 (男だから余計心配ってどういう事なんだ……?)  ブラッドリーの言葉に、ネロは琥珀色の目を一瞬見開いた後、思わず吹き出してしまった。彼の言葉はいつも真っ直ぐで、時々びっくりするほど甘い。嬉しいが、どこかむず痒くなってしまう。  結局断りきれず、二人は夜道を歩くことになった。秋の深夜、独特のひんやりとした空気にネロは肩をすくめる。隣を歩くブラッドリーの手の甲がふと触れて、ネロの心臓

がドキリと跳ねた。
「……寒くなってきたよな……ネロは寒くないのか?」
 ブラッドリーが僅かに肩を震わせてネロに尋ねる。今日の日中は暖かったので、二人共薄手の上着でスタジオに来てしまったのだ。
「平気……だけど」
 言いかけて、ネロは少しだけ躊躇う。でも、目の前にいる男ははっきり言わないと伝わらない相手だってことも、よく知っていた。
「手」
 たった一文字。だが、その一文字にブラッドリーは一瞬考え、すぐ照れたように笑ってネロの手を取った。大きくて、温かくて、昔と変わらない手がネロの手を包む。胸の奥がじんわり熱くなっていくのがわかった。
「こうしてると、昔思い出すな」
「……昔?」
 ネロが首を傾げると、ブラッドリーは笑っていた。
「そう。初めてお前が俺に手を伸ばしてくれた、あの日」
 あの日も今日みたい――いや、凍え死ぬ位に寒くて、暗くて。でも手を繋いだだけで、

がドキリと跳ねた。 「……寒くなってきたよな……ネロは寒くないのか?」  ブラッドリーが僅かに肩を震わせてネロに尋ねる。今日の日中は暖かったので、二人共薄手の上着でスタジオに来てしまったのだ。 「平気……だけど」  言いかけて、ネロは少しだけ躊躇う。でも、目の前にいる男ははっきり言わないと伝わらない相手だってことも、よく知っていた。 「手」  たった一文字。だが、その一文字にブラッドリーは一瞬考え、すぐ照れたように笑ってネロの手を取った。大きくて、温かくて、昔と変わらない手がネロの手を包む。胸の奥がじんわり熱くなっていくのがわかった。 「こうしてると、昔思い出すな」 「……昔?」  ネロが首を傾げると、ブラッドリーは笑っていた。 「そう。初めてお前が俺に手を伸ばしてくれた、あの日」  あの日も今日みたい――いや、凍え死ぬ位に寒くて、暗くて。でも手を繋いだだけで、

世界がすこしだけ柔らかくなったのを、世界が広くなったのを覚えている。
 幼い自分の手を握ってくれたあの日を――
「ん?」
 歩きながらネロはブラッドリーの顔をじっと見た。
「どうしたんだよ」
 視線に気が付いて、ブラッドリーもネロの方を向いた。ネロが複雑な表情を浮かべているので思わず尋ねてしまう。ネロも唸りながら「いや……」と、困ったように言葉を続けた。
「なんだろう……なんか猛吹雪の中でブラッドに手を握られてるのが頭の中に浮かんだんだけど……何でだ?」
 ネロの言葉を聞いて、ブラッドリーは眉間に皺を寄せる。
「はあ? そんな撮影はやってないだろ」
「だよなあ……」
「いや、でも言われてみるとそんな事もあったような……ガキのお前が……いや、でも俺様とそんなに歳離れてねえしなあ……でも何で俺もお前が手を伸ばしてくれたとか言っておきながらいつの事か全く覚えてねえ……」

世界がすこしだけ柔らかくなったのを、世界が広くなったのを覚えている。  幼い自分の手を握ってくれたあの日を―― 「ん?」  歩きながらネロはブラッドリーの顔をじっと見た。 「どうしたんだよ」  視線に気が付いて、ブラッドリーもネロの方を向いた。ネロが複雑な表情を浮かべているので思わず尋ねてしまう。ネロも唸りながら「いや……」と、困ったように言葉を続けた。 「なんだろう……なんか猛吹雪の中でブラッドに手を握られてるのが頭の中に浮かんだんだけど……何でだ?」  ネロの言葉を聞いて、ブラッドリーは眉間に皺を寄せる。 「はあ? そんな撮影はやってないだろ」 「だよなあ……」 「いや、でも言われてみるとそんな事もあったような……ガキのお前が……いや、でも俺様とそんなに歳離れてねえしなあ……でも何で俺もお前が手を伸ばしてくれたとか言っておきながらいつの事か全く覚えてねえ……」

「ごめん、変な事言っちまったな……撮影で疲れてるのかも」
「俺様もお前も、心当たりの無い昔を思い出してるしなあ……相当疲れてるかもな……明日も撮影あるし、疲れてるなら家帰ったらとっとと寝ろよ? それとも一緒に暮らすか?」
「……ばかな事言うなよ」
 握った手を離さずに、二人は歩いていた。

「ごめん、変な事言っちまったな……撮影で疲れてるのかも」 「俺様もお前も、心当たりの無い昔を思い出してるしなあ……相当疲れてるかもな……明日も撮影あるし、疲れてるなら家帰ったらとっとと寝ろよ? それとも一緒に暮らすか?」 「……ばかな事言うなよ」  握った手を離さずに、二人は歩いていた。

アクスイ時空だけどほんのり何かを思い出してるブラネロ話を書きました。Xにも同じ内容を投稿予定です。

12.05.2025 20:40 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

Xにも後ほど同じ内容のを投稿予定です。

28.04.2025 11:22 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「誕生日」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「――そしたらミチル、すごく驚いていたのですけど、同じくらいに喜んでくれて」
 昼下がりの魔法舎。食堂でリケがニコニコと期限良く同じ中央の魔法使いであるアーサーとカインに先日あった出来事を話していた。仲良しのミチルの誕生日に日付が変わる瞬間、一番に祝いの言葉を送ったらしい。
「へえ、でもお前もだけど、ミチルも良く起きていたな」
 リケの話を聞いてカインが珈琲を飲みながらリケに尋ねる。リケもミチルも、賢者の魔法使いの中では年少だ。遅い時間まで起きている事はあまり無いと思ったのだろう。カインの疑問に対し、リケは手にネロが作ってくれたクッキーを手にしながら「それはですね」と、言葉を続けた。
「ルチルからミチルが夜更かしをする予定があると聞きましたから。賢者様が新しい年を迎える時に遅くまで起きている話を聞いて、それを真似てみようと思ったそうです」
「ああ、あの話か! 夜中なのにお祈りに行く人がいるとか、お祭り騒ぎみたいでいいよな」
 続く話を聞いて、カインがうんうんと頷いた。先日、何かの雑談の中で賢者がいた世界での新年の過ごし方を賢者の魔法使い達は聞いていたのだ。リケもカインと同じように頷く。
「新年の挨拶を神に祈るのはとても良い事だと思います。あとは王族にご挨拶に行かれる方も中にはいるそうですよ」
「へえ、うちだとアーサーに挨拶に行くようなものか。ん? アーサー?」
 カインがアーサーの方を向くと、アーサーは何か考え込んでいる様子だった。すぐ、カインの視線に気が付いて、アーサーは困ったような笑顔を浮かべる。
「あ、すまない。少し考え事をしてしまっていて……」

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「誕生日」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。 「――そしたらミチル、すごく驚いていたのですけど、同じくらいに喜んでくれて」  昼下がりの魔法舎。食堂でリケがニコニコと期限良く同じ中央の魔法使いであるアーサーとカインに先日あった出来事を話していた。仲良しのミチルの誕生日に日付が変わる瞬間、一番に祝いの言葉を送ったらしい。 「へえ、でもお前もだけど、ミチルも良く起きていたな」  リケの話を聞いてカインが珈琲を飲みながらリケに尋ねる。リケもミチルも、賢者の魔法使いの中では年少だ。遅い時間まで起きている事はあまり無いと思ったのだろう。カインの疑問に対し、リケは手にネロが作ってくれたクッキーを手にしながら「それはですね」と、言葉を続けた。 「ルチルからミチルが夜更かしをする予定があると聞きましたから。賢者様が新しい年を迎える時に遅くまで起きている話を聞いて、それを真似てみようと思ったそうです」 「ああ、あの話か! 夜中なのにお祈りに行く人がいるとか、お祭り騒ぎみたいでいいよな」  続く話を聞いて、カインがうんうんと頷いた。先日、何かの雑談の中で賢者がいた世界での新年の過ごし方を賢者の魔法使い達は聞いていたのだ。リケもカインと同じように頷く。 「新年の挨拶を神に祈るのはとても良い事だと思います。あとは王族にご挨拶に行かれる方も中にはいるそうですよ」 「へえ、うちだとアーサーに挨拶に行くようなものか。ん? アーサー?」  カインがアーサーの方を向くと、アーサーは何か考え込んでいる様子だった。すぐ、カインの視線に気が付いて、アーサーは困ったような笑顔を浮かべる。 「あ、すまない。少し考え事をしてしまっていて……」

「執務の事か?」
 それまでの陽気な表情とはうって変わってカインが真剣な表情でアーサーに尋ねるが、アーサーは「いや」と、否定して微笑んだ。
「そうじゃないんだ。リケの話を聞いて個人的に思いついた事があっただけなんだ」

 数か月後――

 夜も更けた頃、アーサーは魔法舎の自室で腕を組みながら部屋の中を歩き回っていた。
 明日は――いや、あと一時間程でオズの誕生日である。
 日付が変わった瞬間ミチルのお祝いに行ったというリケの話を聞いて、自分も同じ事をオズにしたいと思った――いや、正確には『思い出した』のだ。
 北の国でオズと共に暮らしていた頃、アーサーはオズの誕生日を祝おうと頑張って起きていたのだが、気が付いたら朝になっていたのだ。それが幼いアーサーにはとても悔しくて。
 成長した自分なら、夜更かしは問題ない。日付が変わった瞬間にオズの事を祝えると思ったのだが、果たしてオズは喜んでくれるだろうかと、アーサーは不安になってしまっていた。
 しかし、今日を逃すと次は一年後。大いなる厄災の事を考えると来年生きているという保証が無い――特に、自分は――そう思うと、どうしても今年のオズの誕生日を祝いたかったのだ。
 自分が生きている時にどうしても――

 気が付いたら、魔法舎の五階にあるオズの部屋の前にいた。
 無意識にオズの部屋の前にいた自分に苦笑しながらも、時計を見ると丁度日付が変わる頃。深呼吸をして、

「執務の事か?」  それまでの陽気な表情とはうって変わってカインが真剣な表情でアーサーに尋ねるが、アーサーは「いや」と、否定して微笑んだ。 「そうじゃないんだ。リケの話を聞いて個人的に思いついた事があっただけなんだ」  数か月後――  夜も更けた頃、アーサーは魔法舎の自室で腕を組みながら部屋の中を歩き回っていた。  明日は――いや、あと一時間程でオズの誕生日である。  日付が変わった瞬間ミチルのお祝いに行ったというリケの話を聞いて、自分も同じ事をオズにしたいと思った――いや、正確には『思い出した』のだ。  北の国でオズと共に暮らしていた頃、アーサーはオズの誕生日を祝おうと頑張って起きていたのだが、気が付いたら朝になっていたのだ。それが幼いアーサーにはとても悔しくて。  成長した自分なら、夜更かしは問題ない。日付が変わった瞬間にオズの事を祝えると思ったのだが、果たしてオズは喜んでくれるだろうかと、アーサーは不安になってしまっていた。  しかし、今日を逃すと次は一年後。大いなる厄災の事を考えると来年生きているという保証が無い――特に、自分は――そう思うと、どうしても今年のオズの誕生日を祝いたかったのだ。  自分が生きている時にどうしても――  気が付いたら、魔法舎の五階にあるオズの部屋の前にいた。  無意識にオズの部屋の前にいた自分に苦笑しながらも、時計を見ると丁度日付が変わる頃。深呼吸をして、

アーサーは日付が変わった瞬間、オズの部屋の扉を遠慮がちにノックした。
「オズ様、アーサーです。お部屋に入ってもよろしいでしょうか?」
「……アーサー?」
 扉の奥から少し驚いたようなオズの声。僅かな時間の後「入れ」と返事が聞こえ、アーサーはオズの部屋の中へ入っていった。
「こんな時間にどうした」
 長い髪の毛を下したオズが、無表情のままアーサーに尋ねる。
「夜分に申し訳ございません。アーサーはどうしてもオズ様の誕生日を一番にお祝いしたくて参りました」
 少しだけ悩んだが、アーサーは正直にオズに答えた。
「……そうか。ありがとうアーサー」
 アーサーの言葉を聞いて、オズは僅かに目を見開き、そして微笑む。オズの笑顔を見たアーサーは、自分の心が満たされる気分になっていた。
「だが、もう遅い。部屋まで送るから休みなさい」
「オズ様……」
 出来たら、もう少し一緒にいたい。アーサーは思ったが、口に出す事は出来なかった。城の執務で忙しい自分の事を労わって言っているのだろうから。だが明日、いや今日は――
「ヴォクスノ……」
「あ……!」
 呪文を唱えたオズが、倒れそうになるのを、アーサーは慌てて支えた。厄災の傷で夜中に魔法を使うと眠ってしまうのを、オズは忘れてしまっていたらしい。
「オズ様……」
 恐らく無意識なのだろうが、傷の事を忘れて自分の事を思って魔法を使おうとしたオズに、アーサーはたまらなく嬉しくなった。

アーサーは日付が変わった瞬間、オズの部屋の扉を遠慮がちにノックした。 「オズ様、アーサーです。お部屋に入ってもよろしいでしょうか?」 「……アーサー?」  扉の奥から少し驚いたようなオズの声。僅かな時間の後「入れ」と返事が聞こえ、アーサーはオズの部屋の中へ入っていった。 「こんな時間にどうした」  長い髪の毛を下したオズが、無表情のままアーサーに尋ねる。 「夜分に申し訳ございません。アーサーはどうしてもオズ様の誕生日を一番にお祝いしたくて参りました」  少しだけ悩んだが、アーサーは正直にオズに答えた。 「……そうか。ありがとうアーサー」  アーサーの言葉を聞いて、オズは僅かに目を見開き、そして微笑む。オズの笑顔を見たアーサーは、自分の心が満たされる気分になっていた。 「だが、もう遅い。部屋まで送るから休みなさい」 「オズ様……」  出来たら、もう少し一緒にいたい。アーサーは思ったが、口に出す事は出来なかった。城の執務で忙しい自分の事を労わって言っているのだろうから。だが明日、いや今日は―― 「ヴォクスノ……」 「あ……!」  呪文を唱えたオズが、倒れそうになるのを、アーサーは慌てて支えた。厄災の傷で夜中に魔法を使うと眠ってしまうのを、オズは忘れてしまっていたらしい。 「オズ様……」  恐らく無意識なのだろうが、傷の事を忘れて自分の事を思って魔法を使おうとしたオズに、アーサーはたまらなく嬉しくなった。

「……?」
 人の気配がして、オズが目を覚ます。少しぼーっとする頭で横を見ると、そこにはアーサーが静かな寝息を立てて眠っていた。
「……休み……?」
 ふと、昨夜の事をオズは思い出す。夜中にアーサーが自分の誕生日を祝いにやって来てくれた事、その時のアーサーは普段着ではなく、寝間着を身に着けていた。彼が魔法舎で寝間着を着ている時は魔法舎に泊まる時であり、その時は大体次の日は執務が少ないか休みの可能性が多い。
「……」
 それなら城ではなく、歩いて魔法舎の二階に送れば良かったかもしれないと思いながらも、オズはアーサーの寝顔を見て微笑んでいた。
「……ありがとう」
 軽くアーサーの頭を撫でる。
 自分にとって一番大切な守りたい者。
 この子は絶対に死なせないと思いながら――

「……?」  人の気配がして、オズが目を覚ます。少しぼーっとする頭で横を見ると、そこにはアーサーが静かな寝息を立てて眠っていた。 「……休み……?」  ふと、昨夜の事をオズは思い出す。夜中にアーサーが自分の誕生日を祝いにやって来てくれた事、その時のアーサーは普段着ではなく、寝間着を身に着けていた。彼が魔法舎で寝間着を着ている時は魔法舎に泊まる時であり、その時は大体次の日は執務が少ないか休みの可能性が多い。 「……」  それなら城ではなく、歩いて魔法舎の二階に送れば良かったかもしれないと思いながらも、オズはアーサーの寝顔を見て微笑んでいた。 「……ありがとう」  軽くアーサーの頭を撫でる。  自分にとって一番大切な守りたい者。  この子は絶対に死なせないと思いながら――

1日遅れましたが誕生日なオズアサの小話を書きました。

28.04.2025 20:16 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0
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続き(2/2)
Xにも同じのアップしています。

21.04.2025 11:57 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
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アクスイ時空の直接絡んでいないブラネロ小話を書きました。(1/2)

21.04.2025 11:57 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0

新しいスマホ無事交換できて容量も増えたので外出先からもブルスカできるぞー!!

13.04.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

誤字を見つけてしまったので修正して後でXにも投稿します

07.04.2025 11:34 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「種まき」、「AINA-YANK」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 ぽかぽかとした春の陽気が、魔法舎の庭を優しく包む。
 ネロはスコップを手に持ち、しゃがみこんで土を耕していた。隣には小さな鉢植えと、種の袋が数種類並んでいる。どれもネロが料理に使うお気に入りのハーブたちだ。
「やっぱり春はいいな……。土もいい感じにやわらかくなってきたし、ちゃんと根付いてくれるはず……」
 ご機嫌な声でブツブツと呟きながら、ネロは丁寧に、そして慣れた手つきで土をならす。今日は暖かいからか、柔らかな頬をほんのり染めてつつも、楽しそうに小麦色の瞳を細めていた。
「……おい、本気でやんのかよ、それ」
 その時低く、聞きなれた声が頭上から降ってくる。
 ネロが声のした方へ顔を向けると、そこにはブラッドリーが立っていた。暑いからか、いつも身に着けているコートを腕にひっかけ、どこか不機嫌そうに眉をひそめている。
「当たり前だろ? 暖かい今の時期が植え時だからな。大体のハーブは春に植えれば、夏にはいっぱい収穫できるし、魔法舎での食事も彩り豊かになるってもんだよ」
 普段のネロからは中々聞けない気合の入った回答。ブラッドリーがその熱意にどう返事をしようか悩んでいる間に、ネロは鉢植えと向き直っていた。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「種まき」、「AINA-YANK」と記載されています。 以下は本文の内容です。  ぽかぽかとした春の陽気が、魔法舎の庭を優しく包む。  ネロはスコップを手に持ち、しゃがみこんで土を耕していた。隣には小さな鉢植えと、種の袋が数種類並んでいる。どれもネロが料理に使うお気に入りのハーブたちだ。 「やっぱり春はいいな……。土もいい感じにやわらかくなってきたし、ちゃんと根付いてくれるはず……」  ご機嫌な声でブツブツと呟きながら、ネロは丁寧に、そして慣れた手つきで土をならす。今日は暖かいからか、柔らかな頬をほんのり染めてつつも、楽しそうに小麦色の瞳を細めていた。 「……おい、本気でやんのかよ、それ」  その時低く、聞きなれた声が頭上から降ってくる。  ネロが声のした方へ顔を向けると、そこにはブラッドリーが立っていた。暑いからか、いつも身に着けているコートを腕にひっかけ、どこか不機嫌そうに眉をひそめている。 「当たり前だろ? 暖かい今の時期が植え時だからな。大体のハーブは春に植えれば、夏にはいっぱい収穫できるし、魔法舎での食事も彩り豊かになるってもんだよ」  普段のネロからは中々聞けない気合の入った回答。ブラッドリーがその熱意にどう返事をしようか悩んでいる間に、ネロは鉢植えと向き直っていた。

「東の国でも勿論ハーブは育てる予定だけど……同じ種でも気候の違いなのか微妙に味が変わるんだよなあ……おこちゃま達に味比べしてもらうのも面白いかも」
 ぶつぶつと呟きながら手際よく作業を進めていくネロ。その様子を、ブラッドリーは少し距離を取って見つめていたが、やがてネロが作業しやすいように、道具を取りやすい所に置いたり土の入った袋を魔法で開封したりと、気が付いた時には何故か手伝いを始めていた。
「ん? ああ、助かる。今日はこれに肥料と水を入れたら終わりだから、昼はブラッドの好きなの作ったやるよ」
 肥料を鉢植えに撒きながらにっこりと微笑みを向けるネロと昼食のリクエスト権をもらえた事で、ブラッドリブラッドリーは一瞬喜んだが、ネロの言葉の一部に引っかかりを覚えた。
「今日は……ってことは、まだやるのか?」
 ボソリと呟く。
「ああ、そうだけど? 流石に料理の時間を削ってまではやれないからな。それとも明日も手伝ってくれるとか?」
「いや、肉ならいいけど野菜だろコレ」

「東の国でも勿論ハーブは育てる予定だけど……同じ種でも気候の違いなのか微妙に味が変わるんだよなあ……おこちゃま達に味比べしてもらうのも面白いかも」  ぶつぶつと呟きながら手際よく作業を進めていくネロ。その様子を、ブラッドリーは少し距離を取って見つめていたが、やがてネロが作業しやすいように、道具を取りやすい所に置いたり土の入った袋を魔法で開封したりと、気が付いた時には何故か手伝いを始めていた。 「ん? ああ、助かる。今日はこれに肥料と水を入れたら終わりだから、昼はブラッドの好きなの作ったやるよ」  肥料を鉢植えに撒きながらにっこりと微笑みを向けるネロと昼食のリクエスト権をもらえた事で、ブラッドリブラッドリーは一瞬喜んだが、ネロの言葉の一部に引っかかりを覚えた。 「今日は……ってことは、まだやるのか?」  ボソリと呟く。 「ああ、そうだけど? 流石に料理の時間を削ってまではやれないからな。それとも明日も手伝ってくれるとか?」 「いや、肉ならいいけど野菜だろコレ」

「肉の実る木とかあったら喜んで手伝いそうだよな、ブラッドは」
 ネロはニコニコしながら、手についた土を叩いてその場から立ち上がった。
「あとは軽く水をかけておわりだな」
「ほらよ」
 手を軽く振って、ブラッドリーは魔法で水の入っていたジョウロをネロの前に運んでいく。
「さんきゅー」
 ジョウロを受け取りながら、ネロはブラッドリーに再び笑顔を向けた。
「早く飯が食いたいからな」
 思わずネロから視線を逸らしてしまうブラッドリーに、ネロは不思議そうに首を傾げていた。
「そんなに腹が減っていたのか? まあ今日は俺もお腹空いてはいるけど」
「……明日も手伝ったら昼飯好きなの作ってくれんのか?」
 ブラッドリーの言葉に、ネロは琥珀色の瞳を一瞬丸くすると、軽く拭き出してしまう。
「そんな事言うと色々と頼みそうなんだけど。正直一人じゃ時間かかるからさ」
「じゃあ、明日も俺様のリクエストで決まりだな」

「肉の実る木とかあったら喜んで手伝いそうだよな、ブラッドは」  ネロはニコニコしながら、手についた土を叩いてその場から立ち上がった。 「あとは軽く水をかけておわりだな」 「ほらよ」  手を軽く振って、ブラッドリーは魔法で水の入っていたジョウロをネロの前に運んでいく。 「さんきゅー」  ジョウロを受け取りながら、ネロはブラッドリーに再び笑顔を向けた。 「早く飯が食いたいからな」  思わずネロから視線を逸らしてしまうブラッドリーに、ネロは不思議そうに首を傾げていた。 「そんなに腹が減っていたのか? まあ今日は俺もお腹空いてはいるけど」 「……明日も手伝ったら昼飯好きなの作ってくれんのか?」  ブラッドリーの言葉に、ネロは琥珀色の瞳を一瞬丸くすると、軽く拭き出してしまう。 「そんな事言うと色々と頼みそうなんだけど。正直一人じゃ時間かかるからさ」 「じゃあ、明日も俺様のリクエストで決まりだな」

「それはブラッドリー君の働き次第という事で」
「言うじゃねえか。完璧な手伝いをしてやるぜ」
 鉢植えに水を与えているネロを眺めているブラッドリーの表情は、ほんの少しだけ柔らかくなっていた。

「それはブラッドリー君の働き次第という事で」 「言うじゃねえか。完璧な手伝いをしてやるぜ」  鉢植えに水を与えているネロを眺めているブラッドリーの表情は、ほんの少しだけ柔らかくなっていた。

ブラネロ小話を書きました。

07.04.2025 20:04 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0

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