かめいた

備品の類を素知らぬ顔でちょろまかす軽い盗癖の持ち主、という設定も、ごく序盤以外ほぼ出てこないしな…

しかし『MASTERキートン』はお人よしのキートンが英軍隊なんかに志願した人物的背景がサッパリわからんな、と気にしながら読み返していると、にこやかな終盤に比べて序盤では、まぶたを半分閉じたかなり不機嫌そうな顔が目立つのに気づく　原作者・勝鹿北星は原案に携わっていたものの途中からほとんど脚本を書いていない（のでクレジットが途中から小さくされた）と週刊文春に報じられたことがあるが、キートンのキャラクターも当初もっとシニカルだったのが、浦沢カラーに寄っていってヒューマニスト的になっていったのかもしれない

ビッグジュン編の途中で止まってた『ローゼンメイデン』をようやく最後まで読めた　肥大化する自意識と冷淡な現実社会との摩擦に苦しむ少年少女へのまなざしが意外にとても優しい作品だと感じる一方で、バトル・ロワイヤルものとしてかなりダラダラしたまま終わったのは、その優しさが残酷さを欠いたせいじゃないだろうか…と思う　雛苺脱落はショッキングでたいへんよかったが、蒼星石はなんかズルズル居残るし…

白倉の口八丁が、「さすが庵野」みたいなファンがなんでも無理筋に肯定するムードを呼び起こすものになってほしくねえ〜

90年代とか00年代の子供番組オタクって「マーチャンダイジングの縛りから解放された子供番組」を夢見てて、それが「大人の鑑賞に堪える」って言葉の流行や、真とかクウガみたいな作品に繋がったと思うんですよね　でもその夢は子供番組の本質的要素を色々無視してたから、今の世代はもっと販促都合に寄り添って子供番組を見られてるけど、それって作り手と共犯的になりすぎてないかな…などと、オタクが白倉をやたら持ち上げるムードの中にたまに感じてしまいます（白倉の自著まで買ってんのに）

自戒も含め言うなら｢玩具の販促のうまさと作品性の両立をやたら気にする｣がオールドファン仕草だな～と思う(やっぱり平成二期最初3作あたりの小物連動ってけっこう衝撃的だったから...)

高市総理は私などよりずっと発言に責任のある立場なのでこれは何の免責にもならないが、私は『艦隊これくしょん』を遊ぶまで駆逐艦も空母も巡洋艦もぜんぶ戦艦だと思ってました

高市総理が国会答弁でSwitch2を「ファミコン」って呼んでも「お母さんは子供のピコピコを全部ファミコンと呼んでしまうものであり、誤りではない」って閣議決定されるのかな

『シン・エヴァンゲリオン』（これは私嫌い）をハライチ岩井が「こんなものを褒める人間は昨今のアニメブームに乗せられているだけだ」と取れる発言で罵倒して炎上したことがあったが、私は「エヴァンゲリオンのマニアなんてそのくらい自己中心的にナイーブで狭隘であるべきだ！」とゆがんだ感心をした

マニアなんて頑迷で偏屈であるべきだ、「愛する対象の変化に合わせて価値観をアップデート」なんて何でもやっていいことじゃない…と思っているので、『プレデター:バッドランド』を個人的には気に入ったが、ボロクソに批判するシリーズ・ファンにもかくあるべしと好感を抱いている

こういう悪ふざけ的なノリこそが伝統になってしまった中で、平成ライダー世代はどういう「うるさ方のオールドファン」になっていくのだろうかとたまに思う

平成仮面ライダー初期のファンには「おもちゃ都合でゴテゴテしたデザインの仮面ライダーやその武器は俗悪」という声が、オールドファンのみならず平成からのファンにも多数あったし、『カブト』のパーフェクトゼクターとかそれでかなり嫌われていたが、『電王』のクライマックスフォームやデンカメンソードがそれを番組のムードに乗せて「ダサカッコいい」と開き直ったのが、そのノリの極地『ジオウ』に繋がる後の歴史を作ったと思う

『仮面ライダー電王』は「重苦しい伝統を屁とも思わない、軽薄な悪ふざけ感こそ平成仮面ライダーらしさ」とでも言うべきイメージの基礎になったと思うが、そういや龍騎とかに比べてあんまり対立に荒れてた印象がない　響鬼カブトの大混乱にファンが疲れ切っていたのだろうか

「エヴァのテレビ版最終回はやばいくらいファンに激怒されていた」とかも旧劇に記録として残ってよかったのかもしれない

『仮面ライダー龍騎』や『ガンダムSEED』が現役世代の熱狂的人気の一方でうるさ方のオールドファンに死ぬほど嫌われてた過去は、当時のネットのログやオタク生活を描くサブカル部活系漫画から今でも容易に伺い知れるが、GガンダムやガンダムWはひょっとしてそういうの今から辿れないか？当時のアニメ誌の読者投稿欄とか見ないと？

『魔法少女まどかマギカ』は深夜アニメを少しでも見る人間はほとんど全員少しは話題にするような、言ってしまえば「覇権」だったが、その完全新作劇場版『叛逆の物語』…内容も十分にクオリティが高い…であっても興行収入は20億円ほどで、SNSのTLと社会の区別がつかなくなり始めた第一世代のオタクたちは「俺たちの大騒ぎって、客観的にはこの程度の規模だったのか」とショックを受けていた

『君の名は。』は全国400スクリーンで公開してるのに似たような混み方だったから社会現象を痛感した　鬼滅もそんなもんだったんだろう（映画見てない）

むかし『涼宮ハルヒの消失』を見に行ったとき（なんて混み方だ…こんな変な席に通されて、右斜め上を見上げるように映画を見るのは初めてだ…）と変な感心をしたが、あれでも興収8億とかであった

バンダイナムコフィルムワークスがとち狂わない限り数十スクリーンとかの公開規模だろうし、5億いったら劇場満員御礼、くらいのヤツだと思うっス！

ウマ娘とかゲ謎あたりの推移考えると25億くらいはいきそう。チェンソーマン通ってるあたりと年代被ってそうだし

劇場版「ミルキー☆サブウェイ」来年2月6日公開
https://natalie.mu/comic/news/650588?utm_source=bluesky&utm_medium=social

タイトルは「銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き」に決定。特報も公開された。

#ミルキーサブウェイ #MilkySubway

慶喜の孫子には新撰組は作法をわきまえない厄介者だと伝わっている、という事実はぜんぜん面白い証言だと思うが、慶喜の家を継いで社会的に相当高い地位にいる人間が、幼い頃から武士教育を受けなかった人間が侍になろうとしたのがそもそもありえない…と、生まれの差について死ぬほど無頓着な発言をしてんのは新撰組を悪く言うのとは別問題で反感買うわいな　廃家するらしいけど

遠い先祖にホモ・サピエンスを持つ者ですが、私が知らされているネアンデルタール人は粗野な乱暴者だったそうです

最終章、余命わずかの赤木が原田に「お前は成功を積み上げすぎて不自由になっている」と指摘するくだりには、序盤の人情もの編における、せっかくひろが麻雀で稼いだ大金を天が無意味な花火に使ってしまう回に通ずる「勝ちを積み上げてもその先に幸せはない」というメッセージ性がある　ひろと天の構図の方がうまく決まってはいると思うけど…赤木ってキャラクターが破格だもんね

「ギャンブルというものが、他人を蹴落として自分だけが儲けようと参加者誰もに企ませる構造になっているのはその通りだが、それで私腹を肥やして人間は幸せになれるのか」というテーマを、かつては人情ものを得意とした福本伸行はギャンブル漫画で書き続けていると思うが、『カイジ』がその構造への無力な憤りを叫び、『銀と金』がその虚しさを痛感してのドロップアウトを描いたなら、『天』は富を得るためではなく自分らしい納得のいく生き方を貫くためのギャンブルを描こうとして…それを体現できるのは天より赤木になってしまったのかなと思う

しかし大安売りだったので読み返した『天　天和通りの快男児』、赤木しげるの墓で終わるのあらためていかれてんな　赤木生前葬編が壮絶な漫画であることは大いに認めるが、これ以上に「主役が乗っ取られた」としか言いようがないことはない！

『アカギ』とか『むこうぶち』とか、中年オヤジたちが青年主人公の妖しい天才性に夢を見せられ魅了されていくオム・ファタールとして読める漫画ってあるけど、『湾岸ミッドナイト』のアキオもわりとそんな感じに読めると思う　湾岸のほうが中年オヤジたちが人生に達観しすぎているので脂っ気がないが…

湾岸ミッドナイトの「人生に行き詰まりや後悔を感じている悩める人々が、そのコンプレックスをぶつけるように、無垢な主人公を勝手に偶像化して決闘を申し込んでくる」的なエピソードがそもそも黒薔薇編みたいなもんなんだよ

きたあーっ悪魔のガンダムーッ（それはデビルガンダム）

友人が『ジークアクス』の4話を「かつて親友を亡くして危険なバトルから降りたベテランが、その親友を死なせた魔性のマシンを、今はとあるミステリアスな少年が受け継いでいると知って、引退以来挫折と妥協に満ちていた今の人生にケリをつけるためにバトルに舞い戻る話でしょ？つまり『湾岸ミッドナイト』だよね」と言っていたのは爆笑しました　まさしくイエス