長くなってしまった(3/3)
08.11.2025 01:26 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0@nigawap.bsky.social
書く用 成人済 壁打ちです アイコンはピクルーから
長くなってしまった(3/3)
08.11.2025 01:26 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0シャイロックさん初心者すぎて色々間違っていたらごめんなさい…(2/3)
08.11.2025 01:26 — 👍 2 🔁 0 💬 1 📌 0両片想いのネロファウです
シャのバーで恋愛相談をするネとファの話です。ネファネかも(1/3)
ネファ未満のネ→ファ
晩酌中ネの部屋に人がひっきりなしにやってきてファが気まずくなる話です
リハビリした…
こげふわ2のやつです!
21.09.2025 01:48 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0ネファ。ファとお付き合いを始めたネは、とんでもない耳年増の童貞だった。付き合う前にワイルドでかっこいい彼氏を演じてしまったために童貞を言えないまま初夜に臨むことになり……!?という、いつものギャグエ□コメディです。自分でもかなり無理があるなと思いながら書いたので、あまり深く考えずに読んでください。
poipiku.com/1697192/1220...
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「仁川 AI学習・無断転載禁止」と記載されています。 以下は本文の内容です。 先生の葬儀が終わって、形見と石を皆で分けてから数か月がたったある日のことだった。 中庭で紅茶を飲みながら本を読んでいると、ネロがふらりとやってきた。予告もなしに。何かと気を使ってくれるネロには、あまりないことだった。中庭に通されたネロは、どこか落ち着かない様子だった。 「ヒース。ヒースは金属を溶接することってできる? 魔法でも、 魔法じゃなくても」 ガーデンテーブルの向かいに腰掛けて脚を組む仕草は、どうやら緊張しているようだ。 「できると思うよ」 「すごく小さいんだけど、今からやってもらえねえかな?」 「もちろんいいよ」 溶接なら得意分野だ。俺が答えると、ネロはほっとした顔をした。 「小さいって、どんなもの?」 「それが……」 そっと差し出された手のひらには金属のパーツがふたつ載っていた。二つで一つ。二つをくっつけておかないと、たちどころにそれらはばらばらになってしまう。そして、いつしか失くしたことすら忘れている。 「ピアス?」 「……ああ」 ネロは気まずそうに目を逸らせた。 「耳から取れないようにして欲しいんだ」 数百年の付き合いになって、すっかり耳に馴染んだ気だるげな声は曇っていた。よく見るとピアスはリバーシブルになっていて、一方はごくシンプルな円。つけているかもわからないほどの大き
さで、白銀の軸とひと繋がりになっている。もう一方のキャッチの方には、薄紫にきらめくマナ石が取り付けてあった。 裏側が先生か。 「コメントはしなくていいから」 ネロは心底恥ずかしいらしく、顔を赤くして涙目だった。 「おまえさんにしか頼めないだろ。他の奴になんて怖すぎて頼めない」 確かに。こんなに頭に近いところで、魔法にしろ道具にしろ溶接をされるなんて俺だって恐ろしい。 「大丈夫だよ。できる」 左の耳たぶには、ちょこんとした穴が既に開いていた。ピアスは東の国の職人が作ったものだろう。故人のマナ石をはめ込んだ装身具は昔からある。ネックレスだとか指輪だとかが。ネックレスはなくさないがチェーンが繊細で壊れやすいし、ネロは料理人なので指輪をつけない。それ以外で肌身離さずつけているものと考えて、ネロが選んだのはピアスだったのだろう。 「でもいいの?」 「なにが」 「引っかかったら耳が千切れると思うんだけど」 「まあ、その時はその時だろ。てか、一回これ失くしそうになってさ」 ネロは謝る相手もいないのに申し訳なさそうに言った。 「着替えるときに引っかかって取れちまって。めちゃくちゃ焦った。まあ石の気配を辿ればどこにあるかはわかるんだけどさ。それでもな」
ネロが持っている先生の石はこれだけではないはずだ。でも、そうしたいのだろう。 「それはびっくりするね。失くさなくてよかった」 「うん」 子どもみたいな素直さで、ネロはうなずいた。先生を失って、ネロを守るように覆っていたものがすこしめくれて顔を出しているのかもしれなかった。 俺はベッドに腰かけて、膝に頭を載せてもらった。細い髪が横になった頬にばらけて、白くひかりを反射している。 綺麗な横顔だ。魔法使いは長生きすぎるから、まつ毛の先まで愛し合った相手のこともいつか忘れてしまうのかもしれない。ネロはきっとそれを知っていて、失くしてしまわないように体に縫い付けておきたいのだ。恥ずかしそうに頼んできたが、寂しさと一緒に生きると決めた強さはネロらしいと思った。 小さく呪文を唱えてから、軸とキャッチの間に手持ちの金属を溶かして流し込んだ。素材は、似た色でできる限り上質の物を選んだ。錆びず、くすまず、ふたつを結び付け続けられるような。 「はい。熱くない?」 「大丈夫。やっぱりお前さんは魔法が上手いな。ありがとう」 「石が前じゃなくていいの?」 ふと思ったことを尋ねてみた。 「いいんだよ」 「ネロと同じ景色を先生にも見せてあげたらいいのに」 そう言うと、ネロはすこし驚いた顔をして、嬉しそうに笑った。
「ふは、確かにそうかもな。でも、ここにいるって、俺だけが知っていたいからさ」 俺とネロは考えることが違ったらしい。これは、ネロのすぐそばにいる、ネロだけの先生なのだ。 「ネロらしいね。ああでも、溶接したの、時間が経ったら取れてしまうかも」 俺がそう言うとネロはぱちぱちと瞬きをした。 「できるだけいい素材でつないだけど、魔法使いは長生きだから。ずっと大丈夫とは俺も言えなくて」 そう言うと、ネロはいつもの年長者らしいおおらかな微笑みを浮かべた。 「ありがとな。……ちょくちょく用事がなくても来てもいいか?」 「いいよ、いつでも。この通り暇してるから」 「引退したけど頼りにされてるってシノから聞いたぞ」 「俺がいなくてももう大丈夫だよ」 もしも俺が死んだら、こんな風に誰かが悼んでくれるだろうか。 「とりあえず、シノを呼ぼうか。皆でお茶にしよう」
ネファ。ファを失ったネの話です。しねた注意です。
19.07.2025 07:56 — 👍 10 🔁 2 💬 0 📌 0今日どこ7で展示していたレノフィガ小説
レノとファウストをくっつけようとしてフィガロが頑張るけど失敗する話です。革命軍三人が仲良しです。
ファウストとネロが付き合ってます。ちょっと下品です。ギャグコメディ
privatter.net/p/11546826
う。 だからこそ、先生とネロの距離感が俺は気になっていたのだ。 そんなわけで、二人が俺の想像よりかなり仲良しらしいとわかって思わず笑みがこぼれた。魔法舎から引っ越してから仲を深めたのかな。ふふ。嬉しい。 一人きりの家が、皆が集う場所にゆるやかに形を変えてゆく。先生がそれをどう思っているかはわからないけれど、少しでも、俺達が先生のなにかになれていたらいいのにな。嵐の谷の清々しい空気が吹き抜けていく。森の香り、からだを撫でる柔らかい風。帰り道、箒に乗りながらわけもなく宙返りなんかしてしまった。嬉しいな。嬉しいな。 数カ月後、ファウストの家のさらなるリフォームが完了した。にも関わらず、家主は腕を組んで考え込んでいる。 今回は自室の内装を一新した。白く綺麗に塗り直した壁。可愛らしい猫のカーテン、分厚いふわふわのラグ、手作りのキャットタワー、街で購入した洒落た釣り照明に、新しく気を切って作った二人用のゆったりしたベッド。ベッドには二人分の枕が置いてあり、ベッドスプレッドはカトラリーとろうそくの柄だった。 「あからさますぎるかもしれないな」
「あからさますぎる」 エプロンの埃をはたきながらネロは小さく笑った。 「見つけた時はこの柄しかないと思ったんだが、置いてみるとかなり気恥ずかしいな」 「確かに。外す?」 「……いや」 ファウストは気まずそうに首を振った。 「意外と気に入ってる」 ネロはファウストの顔をまじまじと見た。赤かった。 「これを見たヒースに軽蔑されないといいが」 「されねえだろ」 「でも、僕達のこと気付いてないだろ?」 「多分な。でももう大人だぜ。この程度じゃ動じないと思うけど」 「大人だからこそ、だ」 うんうんと頭を悩ませるファウストの頬に、ネロはそっとキスをした。 「ヒースには俺からそれとなく言うよ。ひとまず、リフォームお疲れ様」 身を引くネロを引きよせると、ファウストはそのくちびるを塞いだ。 「労ってくれるならこちらがいいな」 「言うじゃんか」 「おまえのせいさ」
(2/2)
12.06.2025 20:04 — 👍 8 🔁 0 💬 0 📌 0印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「ピザパーティは来週な」、「仁川」と記載されています。 以下は本文の内容です。 「先生、あれって……」 ここに着いた時から気になっていた。嵐の谷の、先生の自宅の隣に建った大きなそれ。前回来た時は跡形も無かったので、その後に建造されたもののようだ。 それの表面は落ち着いた色合いのタイルが敷き詰められ、ところどころ猫の顔やしっぽのような模様が描かれている。可愛い。 「ピザ窯、ですよね?」 それはピザ窯であった。しかも、かなり立派な。城にあるものはさらに立派だが、一人暮らしの先生には不相応と思われる大きさだった。シノが見たら「何人分焼くんだよ」と苦笑しそうだ。 俺に指摘された先生は気まずそうに目を逸らせて、居心地悪そうに口をもごもごさせた。 「そうかもしれないな」 先生の家の隣にピザ窯を建てるなんて先生以外にいないだろうに、あわよくば誤魔化そうとしていて可笑しい。 「ふふ、よく焼けるんですか? というか、もう使いましたか?」 「それはもう……。今度はシノも一緒に来なさい。美味しいピザを焼いてやるから」 ……ネロが。ですよね? と俺は口に出しそうになったが堪えた。 「楽しみにしてます」 先生は恥ずかしそうに頷いた。
「準備をするから、来る時は連絡をくれ」 「はい!」 断られてしまうかと思ったが、先生は優しく微笑んだだけだった。皆の分を一気に焼く為に大きな窯を建てたのだろう。熱々のピザを全員で頬張るために。 先生が家をリフォームするのは初めてではなかった。 最初は客間だった。その理由は単純で、俺達三人が遊びに来て泊まっていくようになったから。ほとんど物が無く埃の降り積もるばかりだった客間を片付けて、ベッドを入れてくださったり、棚を準備してくださったり、人数分の布団を新調してくださったり、先生の細やかな気遣いを感じて嬉しくなった。 「ここにはいつでもおいで。連絡はいらないから。もし僕がいなかったら、少し遠いけどシェフの店に。美味しいスープを出してくれるよ」 そう言う先生は優しい顔をしていた。魔法舎を出た俺達に、自宅ではない居場所だと思っていいと言ってくれているようで、とてつもなく嬉しかった。 次はキッチンだった。いかにも一人用のキッチンだったのが、作業台は一回り奥行きが深くなり、コンロの数も増えた。それに付
随して鍋も増えたし、職人が仕上げたとわかるぴかぴか光る包丁だって増えた。グラスもポットもカトラリーも大きいものに新調されたし、食器棚に詰まっていた瓶詰めは別の場所に移され、そこには四倍に増えた食器が収められた。 そして、今回がピザ窯である。それも個人としては特大サイズの。ここまでくれば、鈍感な俺だってなんとなく察するものがある。 ――先生とネロって、実はものすごく仲良し? 魔法舎にいた時は、二人は深くは馴れ合わない雰囲気があった。ネロが先生に絡む時、先生がネロに絡む時はあっても、二人でベタベタすることは無かったように思う。それにしては、リフォームにおいてネロの影響が濃すぎるというか、アドバイスが反映されすぎている気がする。たとえば揃いの皿を買ったのは絶対ネロだ。最初の頃の、そっと手を伸ばして責任を追わない範囲で恐る恐る俺達を甘やかしていたネロはもうどこにもいない。俺達は少しずつ大人になっているのに、ネロの中では頼りない少年達のままなのだろう、未だに猫可愛がりしてくれる。甘やかしてくれるネロに俺達はすごく甘えたし、親しくなるにつれネロも俺達にすごく甘えた。お互い様だと自然に思えるような関係になれたと思
嵐の谷にピザ窯を建てたネファ(1/2)
12.06.2025 20:04 — 👍 17 🔁 4 💬 1 📌 0尾がくるくる絡んできてたまらない。 「やっぱ、なでるの上手いね」 ネロは悔しそうに言った。 「400年来の趣味だから」 「あんたがあんなこと言ったせいだからな……」 「ああ、そうだ。僕が悪い」 そう返すと、ネロは恥ずかしそうな表情を少し和らげた。うっすらと頬を上気させ、隠しきれない恍惚とした表情を浮かべている。子どもを可愛がるみたいな撫で方ではあるが、ネロも悪くはないのだろう。恋人とのスキンシップの時間を取れて良かった。 そのうち尻尾が僕の胴体に回ってきた。あまりに可愛らしくてぎゅっと抱きしめると、僕をベッドに押し倒すようにして胸の上に乗り上げてくる。そして、こちらを見つめてゆっくり瞬きをした。 「ネロ……」 しばし、見つめ合ってまばたきをしあう。好きだよ。僕も好き。言葉はなく、そこには感情だけがあった。何度も、何度も、溢れるものを溢れるままに。君を、愛しているよ。 いつか、言葉も感情も遥か彼方に消え失せてしまっても、この時間だけは記憶に残り続ける。透明で消えない引っかき傷となって。 ふとネロが視線を外す。僕の上に頭を垂れて、首筋に猫らしからぬ仕草でくちづけをした。そろそろ潮時か。 パチンと指を鳴らして体を元に戻すと、ネロはそっと自分の頭に何も生えていないことを確認していた。
「すごく可愛くて癒やされた。ありがとう。感謝する」 「……どうも?」 ほんとかよ、と正気に戻ったその顔には書いてあった。どうせ俺は猫の代わりですよ、とも。 「本当だってば。飼いたいくらいだ」 「もう飼ってるじゃんか」 「そうだったの?」 「しっかり囲っておきながらどの口が。冷たいご主人様だこと。にゃーん」 気だるい、全く覇気のない鳴き声。かすれた声がやけに色っぽい。 「……ごめん」 僕は謝って、そっとネロの髪紐に指をかけた。 次は彼の要望に応えて、飼い主としての務めをはたすとしよう。
(2/2)
23.04.2025 12:34 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「猫・魔法」、「仁川 転載・AI学習禁止」と記載されています。 以下は本文の内容です。 「屋敷中猫だらけってどんな感じ?」 「天国」 嵐の谷の猫屋敷での任務を終えて帰ってきた僕を、ネロは美味いツマミと酒で労ってくれた。 「ヒースの悔しそうな顔な。シノの猫耳なんてめちゃくちゃ見たかったろうに」 結局二人は喧嘩になってしまったが、親しい相手のいつもと違う姿が見たい気持ちはよくわかる。それが猫ならなおさら。 「本当に可愛かったからな。そういう意味では、ヒースは来なくてよかったかもしれない。嵐の谷の精霊に帰してもらえなくなってしまう」 「可愛すぎて?」 「可愛すぎてだ」 なきにしもあらずなのが恐ろしい。それほど、子ども達に猫の耳が生えているのは本当に可愛いかった。人に猫のパーツを足すなど考えたこともなかったが、実物を見てみれば天使か妖精の類に思えた。 《サティルクナート・ムルクリード》 「うおっ‼︎ 先生!? 俺に何かした?」 ネロが慌てて顔を上げ、僕を凝視した。そりゃそうだろう。急に腰のあたりにとんでもない異物感が生じているのだから。 「うん」 「へっ……!?」 異物感の正体、つまり尻尾を掴んでネロは心底びっくりしている。動揺から、尻尾の毛が逆立ちボワワと膨らんだ。 「よし、僕も上手くできたな」
「は……!? 人の体を勝手に改造するのはマナー違反ってさっき言ってたじゃん」 「言ったかな。酔っ払って忘れてしまった」 僕は今日の任務を無事終えた開放感で気が緩み、したたかに酔っ払っている。猫耳を生やした恋人が見たくなって、うっかり手が滑ってしてしまうこともあるのだ。 ネロの髪をできるだけ力を入れずに撫でると、ネロは困惑を隠さずこちらを睨んだ。 「ふ……」 猫耳を生やされたことには納得できないが、心地いいのだろう。寝ていた耳も立ち上がり、尻尾も機嫌良さそうにゆらゆら揺れはじめている。 「すまない……すこし、恋しくて」 猫の温もりが。傍若無人な振る舞いが。本物の猫みたいに心地よさそうにぴるぴる動く耳を見ていると思わず頬が緩む。 「うん、やっぱり可愛いな。他の年長者達の猫耳にはやや違和感を感じていたんだが、君は違う。元から生えていたみたい」 「え? そんなかな……?」 僕が魔道具の鏡を出すと、ネロは半信半疑の様子で鏡の中の自分を覗き、やっぱり違うじゃないかと言いたげにこちらを睨んだが、結局褒められた嬉しさが勝ったらしい。口元をむにゃむにゃさせている。 「あ~……まあ、いいよ。先生も今日疲れたろ」 「うん、ごめんね。君が労ってくれているのはわかるんだけど」 テーブルの上の皿を一瞥すると、ネロは観念し
たように頷く。 「いいよいいよ、好きなだけどーぞ」 「ありがとう、少しだけ」 ネロは手のひらを振りながら、照れくさそうに笑った。優しい男だ。ベッドに向かい合わせに座らせて、柔らかい髪に何度も指を通し、顎の下をくすぐる。見つめ合った瞳孔は少し猫目になっていた。とろりととろけたハチミツに一筋の夜が垂れたような彼の瞳の美しさにはいつも惚れ惚れしてしまう。これは、僕の魔法が優れているわけではなくて、彼が元から美しいだけだ。 「リケがミチルと頭をごつんとぶつけていたのも可愛かった。あの二人は本当に仲良しだ。猫ならではの好意の伝え方だから、もしヒースもいたら、シノに頭をぶつけていただろうね」 「ああ、たまに猫がやってるよな。猫耳生えるとやりたくなっちまって、抑えられないんだってリケが言ってた」 「レノックスも、二人でいたとき、こらえきれずに一度だけ」 僕が言うと、ネロは驚いていた。 「あの理性強い羊飼い君が?」 「うん、僕に親愛を感じてくれてる証拠だから可愛かったよ。もっとじゃれついてくれても構わなかったけれど、本人は嫌だと」 「へえ……」 じり、とネロが苛立ったのがわかった。それには気付かないふりをする。 「君も甘えてくれていいよ」 「……」
猫みたいに甘えるなんてネロも嫌だろう。それに、僕の魔法は猫屋敷のもののように内面まで猫に変えてしまう物ではなかった。感情に連動して耳や尻尾は動くが、それまでだ。まあ、多少顎の下が気持ち良かったり、撫でられること自体が心地よかったりはするかもしれないが。どちらかというと、ただ僕が恋人の可愛い姿を見たかっただけである。 ネロの青灰の髪から顔を出したグレーの猫耳は本当にふわふわしていて、いくら触っても飽きない。猫は可愛いし、ネロも可愛い。つまり、ふたつの可愛さの相乗効果でとびきり可愛い生き物が誕生してしまっている。 なでなでと撫でているうちに、尻尾は機嫌良さそうにゆらゆら揺れていた。ふわふわの尻尾を抱きしめて頬ずりをすると、呆れたようにちいさく笑ってくれた。 ふと、正面で見つめ合っていたネロの瞳がだんだん近付いてきて、こつん、とおでことおでこがぶつかる。 僕も軽くおでこをぶつけ返すと、じっとこちらを見つめながら、もう一度こつん。からの、頭ぐりぐり。背中や尻尾を撫でてやると、されるがままになってくれる。 甘やかしてくれている、と思った。僕がもっと甘えてほしいと言ったから。 膝の上に抱き上げて抱っこしてやりたかったけれど、さすがに少しばかり大きいので、膝の間に座らせた。顎の下を撫でると、恥じらいつつも手のひらに頬を擦り付けてくる。僕の腕に、長い尻
ネに猫耳を生やしてファが可愛がるネファ。猫耳イベントの後の話です。ネファネかもしれない(1/2)
23.04.2025 12:34 — 👍 8 🔁 1 💬 1 📌 0ファウネロ R18
むらむらからのらぶらぶえち
privatter.net/p/11476576
#文字書きの風景
テーマ:庭園
急いで書いたので、出てきた植物が同時に咲けるかは調べないでくださいね…
一次創作の小説書いたのほぼ初めてかも 大変だった…笑
05.03.2025 00:17 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0#文字書きの風景
情景描写ではないかもしれません…ごめんなさい!(一次創作)
#こげふわ二次会
展示作品です。ファにかわいいねって言いまくられておかしくなってしまうネの話です。よければお願いします。
poipiku.com/1697192/1142...
2024年1月に発行したネロファウ本のWEB再録です。
もしもファウストがアレクに裏切られなかったら?という話です。中央の国で、えらい人になったファウストと料理屋のネロが恋に落ちるラブコメです。
poipiku.com/1697192/1126...
そうだ。たまとま行き合っただけで、お互い出会おうと思って出会ったわけじゃない。最初は待ち合わせするのも、家に来るのも、全てがたどたどしかった。可愛らしいものだと思っていたが、恋人になってからは坂を転がり落ちるように態度は尊大になり、俺の部屋に入り浸るようになった。最低限の遠慮は残っているが、ここのところずっと自宅で眠っていない。いつも俺の家で目を覚まし、料理人である俺とは似ても似つかないかっちりとしたスーツに着替えて仕事に行く。俺が仕事から帰ると、夜遅いのはあるが自分の家かのように俺のベッドで寝ていて出迎えもしない。結構な頻度で夕食の時に酒を飲み、その量がじわじわ増えているのを俺は知っている。 これらの行いが出会った時の真面目なファウストとあまりにかけ離れていて、寝顔を見るたびに危うい気分になる。本人が望んでこうなったのか、俺が変えてしまったのかはわからない。だが、近い内に破綻するであろうことは目に見えていた。 だから、新しいベッドは買わない。 「そうか。溺れてもがく様子を岸から眺めるのはさぞ楽しいだろうな」 「んなことねえよ。……ごめん、調子乗った」 「思ってもないくせに」 ファウストは俯いておかしそうに笑った。持ち上がってゆれた後ろ頭のゆるい巻き毛にかかるよう、煙を吐き出す。朝になったらこのまま会社行くのかな。吸わないファウストの体からも絶対に煙の匂いはして、きっと彼のオフィスでは何らかの噂が立っているだろう。だが、本人は鈍感らしくこれっぽっちもそんな話はしない。 あんたは鈍感なままでいてくれ。
「じゃあお前がタバコをやめたら僕は酒をやめる。これでいいだろ」 明るい声だったが、俺は押し黙ってしまった。しばらくの後、諦めたようにファウストはため息をついた。後ろを振り返りガラス戸に手をかける。ゆっくり最後の最後まで味わいきる俺には付き合いきれず、温かい室内に戻るらしい。 帰り際、彼は吐き捨てるようにつぶやいた。 「おまえは本当に美味しいものだけ口にしたほうがいい。僕はそう思うけど」 カラカラ、ピシャリ。俺を残して、冗談みたいに安っぽい音を立ててガラス戸は閉まった。 「……」 今、俺は意外なほどファウストの一言に動揺していた。 衣食住を共にして、俺の嫌なところを充分すぎるほど知って、なおそんな風にファウストが願ってくれているなんて。あと半月もすれば嫌になって出ていくものだとばかり思っていたのに。 柄にもなく、禁煙してみようかな。きっとダメだろうけどダメなりに。俺はまた吸うつもりだったタバコをもみ消し、急いで部屋の中に戻った。
(2/2)
03.02.2025 22:04 — 👍 3 🔁 0 💬 0 📌 0印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「永遠なんて信じない」、「無断転載・AI学習禁止」と記載されています。 以下は本文の内容です。 深く深く吸い込んで、細く吐き出す。紙がチリチリと燃える音さえ聞こえてきそうなほど、深夜の住宅街は静まり返っていた。 ニコチンが体中にめぐり、人心地がつく。 「そんなところにいて冷えないか?」 背後から声がして振り返ると、恋人が安アパートのベランダの戸を開けたところだった。 声は至極冷たい。甘く睦みあった余韻をおざなりにほったらかして、ゴミを捨てるふりをしてベッドを抜け出し、一人ベランダで一服していたのだから当然である。 「ごめん……」 謝ってみたが、これといって反応はない。なじられるかと思っていると、火の灯ったタバコをもつ左手首を冷たい手が掴んで、ファウストはその香りをくんくんと嗅いだ。 「うまいか?」 「別に」 ファウストは苦い匂いに眉を顰めた。 「じゃあどうして吸う?」 「説明しづれえけど、リラックス目的など」 「知っていると思うが、喫煙はがんをはじめとした疾病の発病リスクを上げるんだ」 ファウストは冷たそうなメガネのフレームを指で押し上げながら言った。 「差し出がましいことを言うが、やめた方がいい」 「やめようと思ってやめられたら苦労しねえよ」 俺は苦笑いをした。ファウストはいつも正しい。その正しさは眩しく、憧れの対象でもあり、触れる者を傷つける刃でもあった。傷付けられたくて近寄ったといっても過言ではない。 「早死にしたいのか? ある日急に死ぬのと違っ
て、闘病生活は本当に辛いと聞くぞ。身体が辛いのはもちろんだが、それだけでなく金銭的な心配も生じる。治療費、生活費、いくらあっても足りなくなるそうだ」 「う……やめなよ……」 情に訴えかける作戦らしい。俺は素直にまあまあくらう。身体も金もしんどいのは嫌だ。 「だからやめるべきだ」 横に並んだファウストはちらりとこちらを見た。 「あ~……うん……禁煙? やってみるよ……」 だが、こればかりは譲れないのである。白々しくやってみると言う俺にその気がないことにファウストは気付いていて、むっとした顔をした。 「ひどい奴。僕を置いて先に死ぬなんて。まさか、介護させた上に看取らせようとしてる?」 ファウストは芝居がかった仕草で、手のひらで顔を覆った。ファウストのボケは、本気なのかボケなのか分かりづらいが、今日はボケだと思う。 「そんなのまだ決まってねえじゃん」 それにこの先別れるかもしれないだろ、とは思ったが言わなかった。無邪気に永遠を信じられるほど俺達は子供ではない。二人の日々が泡が弾けるみたいに終わってしまったとしても、多少は悲しむかもしれないがしばらくすれば仕方ないと割り切るだろう。ファウストだってそれは同じだ。 「タバコを吸っている限り可能性はゼロにならない。僕のことが好きならやめるべきだ」 ファウストは真顔だったから、少したじろいでしまう。好きだったらこうしろ、なんて歪んでると一蹴したくなるが、言わんとしていることもわからないではない。 「なんてな。冗談だ」
「冗談かよ」 「ああ。本気にしたのか? 可愛い奴」 ファウストは鼻で笑ったけれど、その上で綺麗に弧を描いた瞳は優しかった。 ちなみに俺の方が少しばかり年上で、ひどい風邪を引くのも俺の方だし、メンタルが弱いのも俺の方だ。確かに俺はファウストより長く生きないように思えた。 「ていうか、あんただって酒好きだろ。俺のタバコのこと言うなら、あんたも強くないくせに馬鹿みたいに飲むなよ」 居心地悪くなって俺は話題を変えた。 「うるさい」 ファウストの酒好きは時たま目に余るものがある。大体はじめは俺がすすめるのだが、酩酊した彼にもう終わりにしろと声をかけてもまだ飲みたがることがしばしばある。 「僕も吸おうかな」 「は? 何を」 「タバコ」 「あんたが? やめときなって」 「君も吸っているんだからいいだろ。僕の勝手だ」 「駄目。あんたは真面目だからさ、朝飯食って一服、晩飯食って一服、寝る前に一服、マメに吸って、あっという間にヘビースモーカーになるぜ」 ファウストは心当たりがあるのかむっとした顔で黙った。 「俺はそれほど数は吸ってない。ぼんやりしてるし、だらしないし、金もないからな。でもあんたは違う。すぐにタバコに溺れちまう。久しぶりの恋人に溺れたみたいに」 俺はファウストにとって数年ぶりの恋人なのだ
現パロのネロファウ。ネロのタバコをやめさせたいファウスト
原作にない喫煙を含みます。捏造だらけ(1/2) #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/shinsho/index.php
ネロファウ(未満)
甲斐性のあるネロがファウストに構おうとするも…というお話です。ギャグ、キャラ崩壊注意。
poipiku.com/1697192/1123...
ネロファウが出られない部屋に入ってしまう話です。R18アホエロです。頭空っぽにして読んで下さい。
poipiku.com/1697192/1118...
また思い付いたから書いた
07.12.2024 01:13 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0それ以上は何も起こらなかった。 恋人になった時、ファウストは言っていた。厄災の傷のせいで、一緒に眠ることは出来ないと。最初は体だけでもと思ったが、抱いてしまえば離れがたくなる。別々に眠るか、言いたくないことを打ち明けるか彼に決断を迫ることになる。そこまでして抱きたくはなかった。それに、一緒に眠れなくても、子どもじゃないから寂しくなんてない。だから、スキンシップの類はこれまであまりなく、今までと同様友人にしては親密といった程度の付き合いを続けていた。なのに、あんな風にそっと手を重ねて寄り添われたら。目を閉じたままでいることも相まって、宴の終わりが近付く寂寥のテーブルは、共寝をした翌朝のベッドの中のようだった。 起きる時間より早く目が覚めたら、空が白んでいて、恋人のいるベッドの中はあたたかくて、いい匂いがして。もぐりこんで、起こさないようにそっと体をくっつける。なんていい朝なのだろう。二度寝をしてもいいし、このままベッドの中で考え事をするのもいい、満たされた時間。 ファウストは眠る俺の傍らにただいることで、擬似的にそれを味わっているのだろう。 『ごめんね』 心底申し訳なさそうな声色だった。こんな
強引なやり方はファウストらしくないが、らしくないことをしてしまうほど切実だということだ。 つまり、お互い様だったのだ。言えない事情があって避けているが、本当はしたくないわけではなくて。全てをさらけ出す勇気は出ないが、それでも憧憬は消せなくて。 パチン、と指が鳴り、名前が呼ばれる。 いつも、先に指を鳴らしていたのか。 「ネロ、起きて」 嘘みたいに眠気がすっと引いたので、目をひらいた。そこには満足げな恋人が、眠り込む前の場所に座っていて。 「ファウスト」 「ん?」 ぐいと腕をひっぱる。さっきまで隣にいたのに水くせえよ。なんも知らないふりしてる顔もかわいいけどさ。 「ネロ……!?」 立ち上がって、引き寄せて抱きしめた。 「俺、寝てた?」 「寝てた」 「どうだった?」 「どうって。可愛かった」 「へへ……。先生の寝顔もいつか見せてくれよ」 さすがに寝たふりしてたのバレたかな。まあそれでもいいや。
「いつかね」 ファウストが頷いた。顔は見えなかったが、笑ったのがわかった。いつか。楽しみだな。ずぶずぶと抜け出せない深みにはまっていく気がしたが、それでも構わないと思った。 後日、ファウストがくっついてくるのが嬉しくて、何度か寝たふりをしたが、とうやらバレていないらしい。とはいえ、騙してばかりいるのは申し訳ないので、寝たふりは三回に一回くらいに控えている。 そのうち、一緒に朝までいられるようになるだろうから、今だけ。
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07.12.2024 10:12 — 👍 4 🔁 0 💬 0 📌 0印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「今だけ」、「無断転載禁止・AI学習禁止」と記載されています。 以下は本文の内容です。 「ネロ、起きて」 肩を叩かれて目が覚める。時計を見ると、日付が変わったところだった。 「ごめん、寝てた」 それほど時間は経っていないようだが、完全に意識を失っていた。よだれとか垂らしてないよな? あわてて口元を拭う。 「大丈夫、ほんの数分だったよ」 「飲み過ぎちまったかな」 俺は、晩酌の途中にテーブルについたまま寝てしまったらしい。 「そんなに飲んでないだろ。疲れてるんじゃないか?」 「ごめん」 「君の寝顔は子どもみたいで可愛いからいいよ」 「子ども扱いすんなよな……」 ファウストが愉快そうにするので一気に恥ずかしくなる。 ファウストとの晩酌の途中に、眠たくなって寝てしまうことは今まで数度あった。 これはよくない。二つの意味で。まず、最近できた恋人をほったらかして寝てしまうなど言語道断である。最初は可愛いねで済んでも、次第に一緒にいるのにどういうつもりなのかと喧嘩になる。こんなくだらないことで恋人を怒らせたくない。もう一つはより重要
で、あまりに彼に心を許してしまっているらしいことだ。自分は、どちらかというと警戒心が強い方だと思う。にも関わらず頻発に寝落ちるということは、彼と一緒にいるとリラックスしてしまうということだろう。そばにいられるとぽかぽかと暖かくなって、ゆるゆるとゆるんでしまうのだ。そんなのは怖いし、出会ったばかりのファウストにどうしようもなく入れ込んでしまっている。そんなのはもうたくさんだ。 ともかく、次は眠らないようにしよう。絶対に。想いの大きさはどうしようもないけれど、自分の感情から距離をとることはできるし、きちんと歯止めがきくのだと自分自身に証明して安心したい。 次の晩酌に臨むにあたって、俺は眠気覚ましの魔法を自分にかけた。酒を飲んでも目が冴えてギンギンで、つつがなく晩酌の時間は終わりに近付いていた。勝ったな。完全完封だ。この時間になるといつもなら眠いが、今日は少しも眠くない。調子に乗って、しばらく目を瞑ってみるがやっぱり全然平気だ。よしよし。俺は大丈夫。 「眠い?」 向かいに座ったファウストが頬杖をつきながら尋ねてくる。眠気とこんなに本気になって戦っていると知られると恥ずかしいので、
わざと眠そうに目をこすっておいた。 「まあな。あんたもたいがいみたいじゃん?」 ファウストも少しとろんとした目をしている。 「もう遅いからね」 でも今日はあんたをほったらかして寝たりしないぜ。 そう心の中で思ったとき。 《サティルクナート・ムルクリード》 ファウストが小さな声で呪文を唱えた。 (は!?) ひゅん、と高いところから落下するような感覚がした。やばい、どうしよう。……めちゃくちゃ眠い。 俺、もしかしてファウストに眠らされてる? (マジかよ……なんで?) 少なからずショックだった。晩酌の途中で相手を眠らせるなど、まともではない。今日は運良く眠気覚ましの魔法のおかげで完全に寝入らなかったが、今までもそうだったのだろうか。何らかの悪意を持たれているのだろうか。飛び起きて、なぜなのか問いたださなければならなかったが、本当に眠くて体が動かなかった。 やっぱり心を許しすぎない方が良かったのかもしれない。ファウストは大丈夫、安らげる相手だと自分が心底信じていたと今になっ
て思い知る。俺、何されるんだろ。先生のこと、マジで好きだったのに。 「ごめんね、ネロ」 その声は緊張で固かった。自分で魔法かけたんじゃん、笑える。何をされるのかわからず、目を閉じたまま身構えていると、テーブルの上に投げ出していた俺の手にファウストの手が重ねられた。やわく握り込んできた手は素手で、しめっていて暖かかった。そして沈黙。俺の手の甲をなでなでと優しく撫でさする以外は、音もせず、何かをされそうな気配も感じられず、なんだか拍子抜けしてしまう。これから何かされるのだろうと思ったが、ゆるゆるとした時間が流れただけだった。 「ネロ」 次いだ俺の名は、ひどく優しく切ない声色だった。たった二文字なのに深い愛おしさがこもっていて、体の芯が震えそうになるのを必死にこらえた。そうこうしている間にすっと手が離れると、ガタガタと椅子を引きずる音がした。俺の隣の席に椅子を移動させて座り、体を寄せる。体の左側に意外なほど高い体温を感じて、どきどきと心臓が脈打った。髪の香りが淡く香ったかと思うと、おそるおそるといった風に肩にファウストの頭が乗っかってくる。ふたたび、手の甲を柔らかく、優しい手つきで、ゆっくりゆっくり撫でられた。
ネファ。晩酌の時にうっかりうたた寝してしまって焦るネとファ。(1/2)
07.12.2024 10:12 — 👍 10 🔁 1 💬 1 📌 0文庫メーカーさんから投稿したらできた。便利です…✨️ありがたい!
03.12.2024 22:06 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「ひとりごと」、「無断転載・AI学習禁止」と記載されています。 以下は本文の内容です。 しんと静まり返った夜中。スープはくつくつと小さな音を立てて煮立っていた。 生まれてはすぐ弾けて消えていく無数の泡の上には白い湯気が立って、ほのかに野菜とブイヨンが香る。 「ん、いい感じ」 味見をすれば、夜食としてはほどよい薄味に仕上がっていた。授業の準備が長引いている先生に、体が温まるちょっとしたものを食べてもらいたかった。 「パンにはなんか挟んだほうがいいかな?」 夜食のメニューは、じっくり煮崩した野菜の薄味スープに軽めのバケットを添えて。虫やしない程度のつもりだったが、先生は頭を使ってお腹が減っているかもしれないと思い至ると、もう少し手を加えてボリュームをもたせたい気持ちになってくる。 「ていうか……」 ファウストは食が細い。俺の料理は美味しいと言ってくれるが、それでも他のメンバーより食べる量は少なかった。 「もっと食ってほしいな……」 パンに残り物を挟んでサンドイッチにしてしまおうか。こんな時間でも、それ程空腹でなくても、ぺろりとたいらげられる程美味く作れる自信はある。 「でも腹減ってねえかも」 でも、俺の思惑とは裏腹に、ファウストは今それほど食べたいと思っていないかもしれない。夕食も少ないながら普通に食べてたし。 「でも、やっぱ食ってほしいな……いつ見ても思うけど、先生は細すぎる」
クロエが作ってくれた衣装を身につけたとき、ボトムに通した太ももの太さが自分と全然違って愕然としたことがある。 ファウストの手を思い浮かべる。手袋を外したところは何度かしか見たことがないが、ひどく細く骨ばった指だった。冷たそうな手。それから、酒を酌み交わした時に見えた、緩めた襟元からのぞいた鎖骨。こちらも骨っぽく、脂肪が薄いことがありありと見てとれた。いつもは服を幾重にも重ねて着込んでいるので体積を増してはいるが、ファウストはかなり華奢だった。 細い奴って、横にいるとついどきどきして見てしまう。よくない種類のどきどきで、なんだか落ち着かないというか。 たとえば、すげえ良いことがあって。シノの背が急に伸びるとか? 急に伸びたら良いことじゃなくて怖いことかもしれないけど。まあ、なんでもいいや。背が伸びてやったじゃん! ってシノとハグする。ヒースも多分喜んでるから勢いでハグする。ファウストは『僕は嫌だからな』とか言って嫌がりそうだけど、可愛いシノとヒースに見つめられたらすぐに陥落するから……。 「しぶしぶ腕の中に収まってくる先生を抱きしめると…… うわ、ほっそ……」 冗談めかして言いながらも、俺はからだの骨っぽさに驚いて脇腹などを触るに違いない。触って、ごつこつした肋骨に指が当たって、また俺はたじろぐのだろう。なのにまっすぐ伸びた背筋を、薄い背中をなぞらざるを得なくなるかもしれない。 「べたべた触るなとか言われてえ」 そして、俺は先生に怒られるのも嫌いではなかった。勝手に触るな。本気で怒っているわけで
なくたしなめる時の、 困ったような怒り顔が頭に浮かんできて―― 「ネロ?」 その時、後ろから声がした。 「わっ! 先生! ……ああっ!?」 俺は心底驚いて、持っていた皿を取り落としそうになっる。ワンバウンド、ツーバウンド、とっさにファウストが魔法で受け止め、なんとか皿を割らずに済んだ。 「びっくりさせんなよ!?」 「いや……僕はずっといたんだが……?」 そういえばそうだった。今日はファウストを晩酌に誘ったが、授業の準備をするからと断られていた。けれど、だったら夜食を作ってやろうと思って、部屋に誘いに行ったら、ファウストは忙しなく走らせていたペンを置いて、気分転換だと俺の部屋までついてきた。そして、気分転換すると言ったのに、内容が気になるらしく持ってきた本を手放さない。会話も生まれず部屋は静か。ゆえに俺も彼の存在をすっかり忘れて独り言に花を咲かせていたというわけだ。 「びっくりするから、話しかける前に話しかけるって言ってくれよ?」 気まずさをごまかそうと俺がおどけると、ファウストは小さく笑ってくれたが、すぐにジト目になった。 「ひとりで喋らないで僕に聞いたら。今日のはさすがに聞いていて恥ずかしかったぞ」 「え? 俺、なんか言ってた?」 急に話しかけられた驚きで、すっかり自分が何を考えていたか忘れてしまっていた。何だっけ?
「おまえ、覚えてないのか?」 「うん……忘れた。はは」 とりあえず笑っておく。 「そうか。ならいいんだが……」 「なあ、今はがっつり気分? ほどほど気分? パンは余りもん挟んでサンドイッチにできるからさ」 「余りものとは」 「ミモザサラダ。ハムも切ってやるよ。ベーコンをカリカリに焼いてもいいよ」 余りものは色々あったが、ファウストなら今これを欲するのではないかというメニューを考える。ぱっと表情を明るくしたところを見ると、間違いではなかったらしい。 「それほど腹は減ってないんだが……美味しそうだ。手間をかけて悪いが、ベーコンを焼いてもらっても?」 ファウストが少し申し訳なさそうに言うので、肘でつついてやった。 「オッケー。具体的なリクエストは嬉しいもんだぜ」 「僕も本を読んでいて悪かったな」 「授業の準備は皆のためだから別に……。でもまあ、横にいてくれるといいかもな」 「僕でよければ」 「うん」 そうこなくちゃ。なんだか嬉しくなって、思わずファウストの肩を叩いた。肩は骨ばっているが温かい。もうちょっと、食わせていきたいよな。自分でもよくわからないけれど何かを思い出しそうだった。が、ファウストが困ったように笑ったのでそれに見とれて、考えるのは放棄した。
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