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タオ

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だいたいついったーの再放送 あとプラスのなんか

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はるれ🎑(2/2)

09.10.2025 12:17 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
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おつきみ悠玲(1/2)

09.10.2025 12:17 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0
ても思い出すっつの。圧強すぎだろ」
「玲司さんにお祝いしてもらえると思ったらつい」
「つーか別にわざわざ俺の部屋まで来ないでも共有ルームで待ってればみんな来ただろ。俺も行ってただろうし。祝ってもらいたいならそっちのがいいんじゃねーの?」
「ああ、共有ルームで祝いのお言葉を無限回収するのもいいですね。一緒に行きましょう」
「あ、俺も行くのね」
「ですが今年の俺は一番初めに玲司さんにお祝いしてほしかったので。日付変わってすぐやってきました」
「……はぁ?」
「ああ。いえ、でもこれはおそらく来年の俺もですね。俺は皆さんからこれでもかというほどたくさん祝ってほしいですが。一番にお祝いいただくのはいつでも玲司さんがいいです」
 
 そう柔らかく笑う悠人に、こちらの表情が固まる。あれほど感情が乗っていると思っ

ても思い出すっつの。圧強すぎだろ」 「玲司さんにお祝いしてもらえると思ったらつい」 「つーか別にわざわざ俺の部屋まで来ないでも共有ルームで待ってればみんな来ただろ。俺も行ってただろうし。祝ってもらいたいならそっちのがいいんじゃねーの?」 「ああ、共有ルームで祝いのお言葉を無限回収するのもいいですね。一緒に行きましょう」 「あ、俺も行くのね」 「ですが今年の俺は一番初めに玲司さんにお祝いしてほしかったので。日付変わってすぐやってきました」 「……はぁ?」 「ああ。いえ、でもこれはおそらく来年の俺もですね。俺は皆さんからこれでもかというほどたくさん祝ってほしいですが。一番にお祝いいただくのはいつでも玲司さんがいいです」    そう柔らかく笑う悠人に、こちらの表情が固まる。あれほど感情が乗っていると思っ

た悠人の顔は、よく見れば何を考えているのかわからない。一体どんな感情でこんなセリフを吐いているというのか。
 
「……はぁ!?」
「どうされましたか」
「どうされましたかじゃねーわ! それはこっちのセリフ! 意味わかんないんですけど!?」
「? そんな難しいことは言っていないかと思いますが。玲司さんに最初にお祝いいただきたい、というのとお祝いいただけて嬉しいということです」
 
 悠人は首を傾げた後至極当然だというように頷く。いやそれがわかんないから聞いてるんだっつーの。
 戸惑う俺をよそに悠人は拳を突き上げる。これはイェェェイっていう感じの顔、なんて思っていれば本当に叫んだ。そんなことはどうでもいいんだよ。俺が知りたいのは。
 

た悠人の顔は、よく見れば何を考えているのかわからない。一体どんな感情でこんなセリフを吐いているというのか。   「……はぁ!?」 「どうされましたか」 「どうされましたかじゃねーわ! それはこっちのセリフ! 意味わかんないんですけど!?」 「? そんな難しいことは言っていないかと思いますが。玲司さんに最初にお祝いいただきたい、というのとお祝いいただけて嬉しいということです」    悠人は首を傾げた後至極当然だというように頷く。いやそれがわかんないから聞いてるんだっつーの。  戸惑う俺をよそに悠人は拳を突き上げる。これはイェェェイっていう感じの顔、なんて思っていれば本当に叫んだ。そんなことはどうでもいいんだよ。俺が知りたいのは。  

「という気分ですね」
「急に叫ぶな」
 
 ……俺が知りたいのは。いや、考えるだけ無駄だ。寧ろ悠人がまだ説明を続けようとしていたことに感動すべきだろう。
 
「さあ、なので次のおめでとう狩りといきましょう!」
「はいはい。差し出す準備した奴らが待ってるだろうからさっさと行こうぜ」
「はい!!」
 
 元気よく返事をするお誕生日様の後に続いて次の祝いの言葉を得るべく俺たちは部屋を出た。

「という気分ですね」 「急に叫ぶな」    ……俺が知りたいのは。いや、考えるだけ無駄だ。寧ろ悠人がまだ説明を続けようとしていたことに感動すべきだろう。   「さあ、なので次のおめでとう狩りといきましょう!」 「はいはい。差し出す準備した奴らが待ってるだろうからさっさと行こうぜ」 「はい!!」    元気よく返事をするお誕生日様の後に続いて次の祝いの言葉を得るべく俺たちは部屋を出た。

(2/2)

27.09.2025 00:11 — 👍 1    🔁 1    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。

画像情報:generated by 文庫ページメーカー / Photo by Lidya Nada on Unsplash / フォント:源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

 ドンドンドン、と本の世界にいた俺にも届くボリュームで扉が叩かれた。程なくして同じようなボリュームの声が届く。
 
「玲司さんこんばんは。起きていますか。入っていいですか」
「俺が起きているかどうか確認できたところは三十点。寝てても確実に起きるレベルの扉の叩き方、マイナス五十点。出直してこい」
「わかりました」
 
 扉を開けてその犯人を追い返せば、今度は控えめなノック音が奏でられた。そうして一言一句先程と同じ言葉が扉越しに繰り返される。仕方がないので再び扉を開ければ、少しだけ俺より低い位置にあるブルーが俺の目を射る。
 
「ありがとうございます!」
「まだ合格出してねーけど」
「なんと! ではもう一度」

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報:generated by 文庫ページメーカー / Photo by Lidya Nada on Unsplash / フォント:源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。  ドンドンドン、と本の世界にいた俺にも届くボリュームで扉が叩かれた。程なくして同じようなボリュームの声が届く。   「玲司さんこんばんは。起きていますか。入っていいですか」 「俺が起きているかどうか確認できたところは三十点。寝てても確実に起きるレベルの扉の叩き方、マイナス五十点。出直してこい」 「わかりました」    扉を開けてその犯人を追い返せば、今度は控えめなノック音が奏でられた。そうして一言一句先程と同じ言葉が扉越しに繰り返される。仕方がないので再び扉を開ければ、少しだけ俺より低い位置にあるブルーが俺の目を射る。   「ありがとうございます!」 「まだ合格出してねーけど」 「なんと! ではもう一度」

「いやいいっつーの! 帰る気ないんだったら無駄すぎるわこのやりとり。入れば?」
「では遠慮なく」
 
 そうして俺の部屋へと入ってきた男――悠人は、そわそわとした様子で俺の後ろをついて歩く。ソファーに腰掛ければ悠人も腰を下ろしたがそれでもそわそわは治らないらしい。
 
「で? 今日は何?」
「ふふ。玲司さん、今日が何の日かご存知ですか」
 
 ワクワクとした顔でこちらを見る姿に時計へと視線をずらせば、いつの間にか日付を跨いでいたらしい。九月二十五日。悠人の誕生日だ。
 
「今日? 十円カレーの日」
「えっそうなんですか!?」

「いやいいっつーの! 帰る気ないんだったら無駄すぎるわこのやりとり。入れば?」 「では遠慮なく」    そうして俺の部屋へと入ってきた男――悠人は、そわそわとした様子で俺の後ろをついて歩く。ソファーに腰掛ければ悠人も腰を下ろしたがそれでもそわそわは治らないらしい。   「で? 今日は何?」 「ふふ。玲司さん、今日が何の日かご存知ですか」    ワクワクとした顔でこちらを見る姿に時計へと視線をずらせば、いつの間にか日付を跨いでいたらしい。九月二十五日。悠人の誕生日だ。   「今日? 十円カレーの日」 「えっそうなんですか!?」

「そうそう。カレーの豆知識たくさん持ってる男に聞いた」
「だいぶ一人しか浮かばないんですが。……ではなく! 他にはどうですか!?」
「あー、主婦休みの日?」
「まっまたしても新たな記念日が……!?」
「各寮の主婦たちに休みをプレゼントするらしい」
「そんな日が、というか各寮に主婦の方が……!? で、ではなく! いかがですか!?」
 
 ノリツッコミと言うに相応しく悠人は一頻りリアクションをとった後何とか本線に話を戻そうと我に返る。初めはワクワクからのソワソワだったのに、だんだんと焦りのソワソワへと変わっていっているようだ。
 
「えー、他? なんかあったっけな」
「たとえば俺をじっと見つめていただくとして!」
「何だよそれ。てか冗談だっての」
「え?」

「そうそう。カレーの豆知識たくさん持ってる男に聞いた」 「だいぶ一人しか浮かばないんですが。……ではなく! 他にはどうですか!?」 「あー、主婦休みの日?」 「まっまたしても新たな記念日が……!?」 「各寮の主婦たちに休みをプレゼントするらしい」 「そんな日が、というか各寮に主婦の方が……!? で、ではなく! いかがですか!?」    ノリツッコミと言うに相応しく悠人は一頻りリアクションをとった後何とか本線に話を戻そうと我に返る。初めはワクワクからのソワソワだったのに、だんだんと焦りのソワソワへと変わっていっているようだ。   「えー、他? なんかあったっけな」 「たとえば俺をじっと見つめていただくとして!」 「何だよそれ。てか冗談だっての」 「え?」

「誕生日おめでと、悠人」
 
 ようやく俺が悠人の求めている言葉を口にすれば、ぽかんと開いた口と丸まった目がじわりじわりと広がっていく。そうしてバカでかい声が響いた。
 
「ありがとうございます!! もう一度!!」
「ハッピーバースデー悠人?」
「ありがとうございます!! 嬉しいです!!」
 
 効果音が見えるくらいぱっと顔を明るくしてキラキラを振りまく悠人を見て笑う。おそらく動いている表情筋の範囲で言えばこの小さな顔のさらにほんの僅かなんだろうが、それでもなおころころとその表情を変える悠人がおもしろくて目が離せない。
 
「てっきりお忘れになられてしまったのかと思いどうしようかと」
「さすがにそんなわけねーだろ。それにあんなワクワクした顔で聞かれたら日付忘れて

「誕生日おめでと、悠人」    ようやく俺が悠人の求めている言葉を口にすれば、ぽかんと開いた口と丸まった目がじわりじわりと広がっていく。そうしてバカでかい声が響いた。   「ありがとうございます!! もう一度!!」 「ハッピーバースデー悠人?」 「ありがとうございます!! 嬉しいです!!」    効果音が見えるくらいぱっと顔を明るくしてキラキラを振りまく悠人を見て笑う。おそらく動いている表情筋の範囲で言えばこの小さな顔のさらにほんの僅かなんだろうが、それでもなおころころとその表情を変える悠人がおもしろくて目が離せない。   「てっきりお忘れになられてしまったのかと思いどうしようかと」 「さすがにそんなわけねーだろ。それにあんなワクワクした顔で聞かれたら日付忘れて

くじかわさん誕生日おめでとうございました!遅刻!はるれ(1/2)

27.09.2025 00:11 — 👍 1    🔁 1    💬 1    📌 0
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久慈川さんお誕生日おめでとう〜!

24.09.2025 15:55 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

一先ずご実家戻られるようでなによりです😭 私も気をつけて生きます…!年々普通に生きるハードルが上がりまくりのトラップだらけのクソ世の中ですが今回の件を補って余りあるだけのたくさんの幸せがマサさんの元を訪れますように……そして早く安心して眠れますように……😭
ンイ〜〜〜〜でも許せん〜〜〜〜!!!!犯人の顔鉄板にジュッてしてやりたい〜〜〜〜〜🔥🔥🔥🔥💢💢 いつか絶対さわやか行きましょうね!!おいしいものたくさん食べましょう!!!

24.09.2025 13:12 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

ンエ〜〜〜なんと……そんなことが……何はともあれ未然に防げて本当によかったです😭
ほんとーーーーーにまじで騙す奴が100億パー悪いので!!本当に!!!なかなかお気持ちの切り替えとかそもそも抜かれた情報への不安とか……難しいかとは思うのですが陰ながら応援しております……あたたかいものに触れてゆっくり休んでくださいね。騙す奴が悪い!!です!!
(返信にはおよびません◎)

23.09.2025 07:39 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0

右下の陽くんからちゅーもらえるの確信して待ってる顔も好き

22.09.2025 10:32 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

ンフフフフフ

22.09.2025 10:29 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
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新陽 新刊につけたオマケ

22.09.2025 02:32 — 👍 4    🔁 1    💬 0    📌 0
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アオハルメモリアル - めろんそーだ - BOOTH ※小説本です。 「アオハルメモリアル」 卯月新(高1) × 葉月陽(高2) A5 / 本文84ページ / 800円 / 全年齢 【新刊ノベルティ】 プリクラ風シール(約50mm×68mm) サンプル詳細は以下をご参照ください。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25929725

アオハルメモリアル | めろんそーだ
3m2r1h.booth.pm/items/7454470
新刊通販登録しました。ノベルティも合わせてお送りします。よろしくお願いします!
(ご連絡いただければ無配も合わせて発送とかぶーす介さずとかできますのでご入用であればお声がけください)

22.09.2025 10:27 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

かわいそうすぎる かわいい

21.09.2025 15:24 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

ドストレートのよ〜くんが「ン?俺のファンアート?なになに、なんかイベントやってんの?」と思って入ったが最後、受けになって帰ってくる魔界イベント

21.09.2025 15:17 — 👍 1    🔁 1    💬 0    📌 0

きみは受けだよ

21.09.2025 15:12 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

鍵垢匿名主催よ〜受けオンリー本魔界みがあっていい 自認攻めの陽くんが見掛けて震えるやつ

21.09.2025 15:12 — 👍 1    🔁 1    💬 0    📌 0

色々チェック外すの忘れた まあいいか

21.09.2025 15:08 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
「そりゃ何より」
「ありがとうございます、玲司さん」
「どういたしまして。たくさん食って寝て、早く元気になれよ」

 玲司さんの言葉に頷いてまた一口掬って口へと運ぶ。舌の上をつるりと滑ってするすると吸い込まれていくゼリーは黙々と食べればあっという間だ。

「ごちそうさまでした」
「もう一個食べる?」
「いえ、お一つで十分です。少し眠くなってきました」

 話しながらもくぁとあくびが溢れる。食べ終わって一息ついたら、じわじわと眠気が襲ってきた。ようやく薬が効いてきたらしい。

「ん、了解。ゴミ貸して。邪魔して悪かったな」
「いえ、とんでもないです。玲司さんのお察しのとおり眠れていなかったので、助かり

「そりゃ何より」 「ありがとうございます、玲司さん」 「どういたしまして。たくさん食って寝て、早く元気になれよ」  玲司さんの言葉に頷いてまた一口掬って口へと運ぶ。舌の上をつるりと滑ってするすると吸い込まれていくゼリーは黙々と食べればあっという間だ。 「ごちそうさまでした」 「もう一個食べる?」 「いえ、お一つで十分です。少し眠くなってきました」  話しながらもくぁとあくびが溢れる。食べ終わって一息ついたら、じわじわと眠気が襲ってきた。ようやく薬が効いてきたらしい。 「ん、了解。ゴミ貸して。邪魔して悪かったな」 「いえ、とんでもないです。玲司さんのお察しのとおり眠れていなかったので、助かり

ました。ありがとうございます」
「だと思ったよ。体調悪い時に考えることなんて碌でもないんだから考えずに眠れ……と言いたいところだけど」

 まあそうもいかねーならむずいんだよな、と言いながらリビングへと玲司さんが消えていく。
 玲司さんにも眠れない夜があるんですかと聞いてみたかったけれど、落ちかける意識の中ではそれも難しい。

「じゃあお大事に。いい夢見ろよ」
「……最後にもう一つ、ご迷惑を……いえ、わがままを、いいですか」
「なに?」
「俺が眠るまで……お側に……」
「はは。その言い方は武士すぎんだろ」

 いいよ、と言った玲司さんが俺の顔の横にしゃがみ込むのが気配でわかる。目を開け

ました。ありがとうございます」 「だと思ったよ。体調悪い時に考えることなんて碌でもないんだから考えずに眠れ……と言いたいところだけど」  まあそうもいかねーならむずいんだよな、と言いながらリビングへと玲司さんが消えていく。  玲司さんにも眠れない夜があるんですかと聞いてみたかったけれど、落ちかける意識の中ではそれも難しい。 「じゃあお大事に。いい夢見ろよ」 「……最後にもう一つ、ご迷惑を……いえ、わがままを、いいですか」 「なに?」 「俺が眠るまで……お側に……」 「はは。その言い方は武士すぎんだろ」  いいよ、と言った玲司さんが俺の顔の横にしゃがみ込むのが気配でわかる。目を開け

てそのお顔を眺めたいところだが、瞼の奥でも玲司さんが手を振っている気がする。

「ふふ、お待ちください玲司さん……」
「あっという間じゃん」

 手招きする玲司さんに追いつこうと手を伸ばす。

「おやすみ悠人。早くよくなれよ」

 伸ばした手はなぜだかほんのり温かくて。俺はそのまま眠りについた。

てそのお顔を眺めたいところだが、瞼の奥でも玲司さんが手を振っている気がする。 「ふふ、お待ちください玲司さん……」 「あっという間じゃん」  手招きする玲司さんに追いつこうと手を伸ばす。 「おやすみ悠人。早くよくなれよ」  伸ばした手はなぜだかほんのり温かくて。俺はそのまま眠りについた。

(3/3)

22.09.2025 00:08 — 👍 1    🔁 1    💬 0    📌 0
「そりゃまあ楽しみにはしてたけどさ。また今度開いてもらうから気にしてねーよ」
「それに明日の仕事は玲司さんとご一緒のもありましたから。リスケできたということは玲司さんのご予定も調整いただいたということですよね。他にも大小様々なご迷惑が」
「ああもう、うるせえな。やっぱり来て正解だったわ。ダークモード全開じゃねーか」
「いえこれは事実なので」

 そしてまだまだ挙げられる。だが玲司さんはそれを遮るように再びため息をついた。

「もちろん仕事に穴開けたんだから迷惑掛けたのは当然だっつーの。反省はしろ」
「はい」
「けど別に俺らだって機械なわけじゃねーし。どんなに気をつけたって体調崩す時は崩すだろ。最大限努力した上でなったもんは仕方ないんだから切り替えろ。後悔ばっかしてんじゃねえ」
「ですが……」
「仕事で失敗した分は仕事で取り返すんだよ。全スタッフさんが、共演者が気持ちよく帰れるように全部巻いて終わらせろ。完璧にこなせ。あとはもうそれだけだろ」

「そりゃまあ楽しみにはしてたけどさ。また今度開いてもらうから気にしてねーよ」 「それに明日の仕事は玲司さんとご一緒のもありましたから。リスケできたということは玲司さんのご予定も調整いただいたということですよね。他にも大小様々なご迷惑が」 「ああもう、うるせえな。やっぱり来て正解だったわ。ダークモード全開じゃねーか」 「いえこれは事実なので」  そしてまだまだ挙げられる。だが玲司さんはそれを遮るように再びため息をついた。 「もちろん仕事に穴開けたんだから迷惑掛けたのは当然だっつーの。反省はしろ」 「はい」 「けど別に俺らだって機械なわけじゃねーし。どんなに気をつけたって体調崩す時は崩すだろ。最大限努力した上でなったもんは仕方ないんだから切り替えろ。後悔ばっかしてんじゃねえ」 「ですが……」 「仕事で失敗した分は仕事で取り返すんだよ。全スタッフさんが、共演者が気持ちよく帰れるように全部巻いて終わらせろ。完璧にこなせ。あとはもうそれだけだろ」

「……それは。そう、ですね……そうでした」

 説得力しかない玲司さんの完璧な仕事ぶりを思い浮かべて、ようやく少し視線が上がる。たしかに、仕事のミスは仕事で返すしかない。ようやく交わった視線に玲司さんが笑う。

「それに、俺たちに限って言えば迷惑なんかじゃねーよ。俺らに掛けられるもんなら掛けとけ。そのためのメンバーだろうが」
「ありがとうございます」
「つーかこんな薄暗い部屋でウダウダぐずぐず考えてっからそんなネガティブになるんだよ。眠れねーなら一回電気つけろ。明るく生きろ」

 パチンと音を立ててついた明かりは想像以上に眩しくて目が眩む。ようやく明るい光の元で見た玲司さんはいつも以上に輝いて見えた。

「なんか食べた?」

「……それは。そう、ですね……そうでした」  説得力しかない玲司さんの完璧な仕事ぶりを思い浮かべて、ようやく少し視線が上がる。たしかに、仕事のミスは仕事で返すしかない。ようやく交わった視線に玲司さんが笑う。 「それに、俺たちに限って言えば迷惑なんかじゃねーよ。俺らに掛けられるもんなら掛けとけ。そのためのメンバーだろうが」 「ありがとうございます」 「つーかこんな薄暗い部屋でウダウダぐずぐず考えてっからそんなネガティブになるんだよ。眠れねーなら一回電気つけろ。明るく生きろ」  パチンと音を立ててついた明かりは想像以上に眩しくて目が眩む。ようやく明るい光の元で見た玲司さんはいつも以上に輝いて見えた。 「なんか食べた?」

「少し前にお昼の……築兄弟が作っていってくれたお粥の残りを食べました」
「あ、あいつら来てたのね。腹減ってる?」
「いえ、それほどでは……あ」

 特別空いている感じのしないお腹をさすれば、くううと伸び切った腹の虫が鳴く。

「はは。もっかい聞くけど、減ってる?」
「減っていたみたいです」
「んじゃ買ってきたゼリー食べる?」
「食べたいです」
「りょーかい。何味がいい? グレープとオレンジとマスカットがあるけど」

 そう話しながら玲司さんは一つずつ取り出して見せてくれる。どれも美味しそうではあるけれど。

「では緑色のマスカットで。玲司さんのお顔を見てお腹が減ったので」

「少し前にお昼の……築兄弟が作っていってくれたお粥の残りを食べました」 「あ、あいつら来てたのね。腹減ってる?」 「いえ、それほどでは……あ」  特別空いている感じのしないお腹をさすれば、くううと伸び切った腹の虫が鳴く。 「はは。もっかい聞くけど、減ってる?」 「減っていたみたいです」 「んじゃ買ってきたゼリー食べる?」 「食べたいです」 「りょーかい。何味がいい? グレープとオレンジとマスカットがあるけど」  そう話しながら玲司さんは一つずつ取り出して見せてくれる。どれも美味しそうではあるけれど。 「では緑色のマスカットで。玲司さんのお顔を見てお腹が減ったので」

「いや別に空腹誘う顔はしてねーけど」

 マスカットね、と玲司さんが俺に手渡す。まだ冷たいそれは買って真っ直ぐ俺の元へと向かってくれたことがわかって嬉しかった。

「温かいです」
「は?」
「ああ、いえ。玲司さんのお気持ちが」
「あ、そういう」
「いただきます」
「はいどうぞ。召し上がれ?」

 見守られながら透き通ったグリーンをスプーンで掬い上げる。喉を通り過ぎていくゼリーは冷たくて甘くて、優しい味がした。

「……おいしいです」

「いや別に空腹誘う顔はしてねーけど」  マスカットね、と玲司さんが俺に手渡す。まだ冷たいそれは買って真っ直ぐ俺の元へと向かってくれたことがわかって嬉しかった。 「温かいです」 「は?」 「ああ、いえ。玲司さんのお気持ちが」 「あ、そういう」 「いただきます」 「はいどうぞ。召し上がれ?」  見守られながら透き通ったグリーンをスプーンで掬い上げる。喉を通り過ぎていくゼリーは冷たくて甘くて、優しい味がした。 「……おいしいです」

(2/3)

22.09.2025 00:07 — 👍 1    🔁 1    💬 1    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
以下は本文の内容です。

「……眠れない」

 目を閉じればぐるぐると思考が巡って騒がしい。体調管理をできなかった自分の不甲斐なさや仕事に穴を開けてしまったことへの申し訳なさ。そして俺の代わりに穴を埋めてくれたメンバーたちへの感謝と、やはりそれ以上の申し訳なさ。今日一日だけでもいろいろとかけてしまった迷惑を思えば一刻でも早く眠って体力を回復させた方がいいんだろうが、散々眠った後では薬を飲んでもすぐには眠くならなかった。よくなっている証拠なのだとは思うけれど、いっそ考える隙もないくらい眠りに落としてほしかった。
 明日は働けますと上月さんに連絡したのだが、大事をとって明日の予定は全てリスケしてもらったそうで今しなければいけない準備も特にない。ジグソーパズルのように二日分の仕事を別日に嵌めてくれた優秀なマネージャーにも感謝して、また目を閉じる。無駄だとは思いつつ、一応努力はすべきだろう。普段なら何もせずぼうっとする時間は得意だけれど、こういった日のこういう時間は苦手だ。
 同じことをぐるぐると考えては目を開けて、カーテン越しの月明かりのみで照らされた薄暗い部屋を眺めては目を閉じてを繰り返す。やはりここはいっそ寝るのを諦めて起きた方がいいんだろうか。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 以下は本文の内容です。 「……眠れない」  目を閉じればぐるぐると思考が巡って騒がしい。体調管理をできなかった自分の不甲斐なさや仕事に穴を開けてしまったことへの申し訳なさ。そして俺の代わりに穴を埋めてくれたメンバーたちへの感謝と、やはりそれ以上の申し訳なさ。今日一日だけでもいろいろとかけてしまった迷惑を思えば一刻でも早く眠って体力を回復させた方がいいんだろうが、散々眠った後では薬を飲んでもすぐには眠くならなかった。よくなっている証拠なのだとは思うけれど、いっそ考える隙もないくらい眠りに落としてほしかった。  明日は働けますと上月さんに連絡したのだが、大事をとって明日の予定は全てリスケしてもらったそうで今しなければいけない準備も特にない。ジグソーパズルのように二日分の仕事を別日に嵌めてくれた優秀なマネージャーにも感謝して、また目を閉じる。無駄だとは思いつつ、一応努力はすべきだろう。普段なら何もせずぼうっとする時間は得意だけれど、こういった日のこういう時間は苦手だ。  同じことをぐるぐると考えては目を開けて、カーテン越しの月明かりのみで照らされた薄暗い部屋を眺めては目を閉じてを繰り返す。やはりここはいっそ寝るのを諦めて起きた方がいいんだろうか。

 そんなことを考えながらまた宙をぼんやりと眺めていたらガチャリと扉の開く音がした。視線をそのまま向ければ緑色が見える。おそらく玲司さんだろう。玲司さんはそっと扉を閉めると足音を忍ばせて俺の近くまで来る。その様子をじっと眺めていたらぱちりと目が合った。

「うわ!!」

 驚いたように大きな声を上げる玲司さんに俺も心臓をバクバクとさせていれば、少し呼吸を整えた玲司さんが再びこちらを見た。

「お前起きてんならリアクションとれ! ってもしかして俺が起こしたのか!? だったら悪い!」
「いえ、元から起きてました。玲司さんが息を潜めてらっしゃったので、俺もそれに倣い」
「いや俺がこっそりするのは当たり前だろうが……! と、悪い、いつもの癖で大声が。病人に出す声量じゃねーな」

 そんなことを考えながらまた宙をぼんやりと眺めていたらガチャリと扉の開く音がした。視線をそのまま向ければ緑色が見える。おそらく玲司さんだろう。玲司さんはそっと扉を閉めると足音を忍ばせて俺の近くまで来る。その様子をじっと眺めていたらぱちりと目が合った。 「うわ!!」  驚いたように大きな声を上げる玲司さんに俺も心臓をバクバクとさせていれば、少し呼吸を整えた玲司さんが再びこちらを見た。 「お前起きてんならリアクションとれ! ってもしかして俺が起こしたのか!? だったら悪い!」 「いえ、元から起きてました。玲司さんが息を潜めてらっしゃったので、俺もそれに倣い」 「いや俺がこっそりするのは当たり前だろうが……! と、悪い、いつもの癖で大声が。病人に出す声量じゃねーな」

 細かな表情まではわからないけれど、玲司さんは申し訳なさそうな顔で頬をかく。だが俺としては一人で鬱々としていたところだったので寧ろお礼を言いたいくらいだ。

「とんでもないです。玲司さんの声で部屋が明るくなった気がします」
「はは。ま、ならよかったけど? どう、体調は」
「はい、もうだいぶ。今日一日休ませていただきましたので」
「ならよかった。明日も休みなんだろ? 治ったとか油断しないで最後までしっかり休めよ」

 それなのに、『明日も』という部分に勝手に引っ掛かりを覚えてまた少し気持ちが沈む。玲司さんに他意がないのはわかっているけれど、元々休みだったわけではないのだ。今日の休みも明日の休みも、たくさんの人のスケジュールを巻き込んで得たものである。

「ありがとう、ございます。ご迷惑お掛けしてしまいすみません」
「いや、俺は別に仕事代わったわけでもねーし。何もしてないけど?」
「いえ、こうしてわざわざ貴重な時間を割いてお見舞いに来ていただいてるじゃないで

 細かな表情まではわからないけれど、玲司さんは申し訳なさそうな顔で頬をかく。だが俺としては一人で鬱々としていたところだったので寧ろお礼を言いたいくらいだ。 「とんでもないです。玲司さんの声で部屋が明るくなった気がします」 「はは。ま、ならよかったけど? どう、体調は」 「はい、もうだいぶ。今日一日休ませていただきましたので」 「ならよかった。明日も休みなんだろ? 治ったとか油断しないで最後までしっかり休めよ」  それなのに、『明日も』という部分に勝手に引っ掛かりを覚えてまた少し気持ちが沈む。玲司さんに他意がないのはわかっているけれど、元々休みだったわけではないのだ。今日の休みも明日の休みも、たくさんの人のスケジュールを巻き込んで得たものである。 「ありがとう、ございます。ご迷惑お掛けしてしまいすみません」 「いや、俺は別に仕事代わったわけでもねーし。何もしてないけど?」 「いえ、こうしてわざわざ貴重な時間を割いてお見舞いに来ていただいてるじゃないで

すか。それに今日は本来であれば居酒屋岳の営業日……玲司さん楽しみにしていましたよね」

 共有ルームのボードに書き込まれた岳さんの予定とそれを見て喜んでいた玲司さんを思い出す。だが岳さんが俺の代わりに番組収録に出てくれることとなったから、居酒屋岳の今日の営業はなくなってしまった。

「お前さぁ……」

 俺を見下ろした玲司さんはそこで言葉を区切ると、大きくため息をついて腰を下ろした。お腹の辺りのベッドが沈む。

「俺がそんなことで迷惑だって思うと思ってんの? んな小さい男だと思われてることこそ迷惑なんですけど」
「いえそんな。小さい男だと思っているわけでは……ただ、せっかくの楽しみを奪ってしまったなと」

すか。それに今日は本来であれば居酒屋岳の営業日……玲司さん楽しみにしていましたよね」  共有ルームのボードに書き込まれた岳さんの予定とそれを見て喜んでいた玲司さんを思い出す。だが岳さんが俺の代わりに番組収録に出てくれることとなったから、居酒屋岳の今日の営業はなくなってしまった。 「お前さぁ……」  俺を見下ろした玲司さんはそこで言葉を区切ると、大きくため息をついて腰を下ろした。お腹の辺りのベッドが沈む。 「俺がそんなことで迷惑だって思うと思ってんの? んな小さい男だと思われてることこそ迷惑なんですけど」 「いえそんな。小さい男だと思っているわけでは……ただ、せっかくの楽しみを奪ってしまったなと」

本日のツキフレで配布させていただきましたはるれです。(1/3)
お手にとってくださった皆様ありがとうございました! #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/bunko.html

22.09.2025 00:07 — 👍 1    🔁 1    💬 1    📌 0

撤収しました!お立ち寄りくださりありがとうございました!

21.09.2025 05:17 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

今更ですが設営完了しています

21.09.2025 02:33 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

明日のお品書き【改】です
あったらいいながありました。はるれ(悠玲)無配あります。まだ折ってないです。よく考えたら印刷向きも確認できてません。
でも青い紙に印刷したのでよかったらもらってってください!風邪ひいたくじかわさんのお話なのでいつもの元気はないです。付き合ってません

20.09.2025 14:15 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 1

まだ印刷してないんですがはるれ無配あります♪

20.09.2025 09:24 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

ノベルティかわいいよ〜〜〜〜〜

17.09.2025 14:27 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

無配はお品書きのゴミ川柳のとおりですが起きたい気持ちだけはムンムンです やるぜ

16.09.2025 15:58 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

ということで新刊ありま〜す!!!!!やった〜!!!!!!実物見るの楽しみ!!!

16.09.2025 15:57 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

最高かわいい表紙とノベルティのあらよを書いてくれた友人の垢は奥付けに記載しています。
別ジャンルで活動しているのに描いてくれました。なおイラスト内小物の不備は私が二人の顔にメロついて全然チェックしなかったからのため何かに気付いてもプリクラマジックとしてください🪄💫

16.09.2025 15:56 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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もう少し長めのサンプルはpixivにあります。
再録部分は少々加筆修正行っていますが大体載せたままのお話です。片想い新くんと野郎はノーサンキュー陽くんおよび後方支援女子力でお送りしていきます。

【9/21ツキフレ。24】アオハルメモリアル【サンプル】 | タオ #pixiv www.pixiv.net/novel/show.p...

16.09.2025 15:56 — 👍 1    🔁 1    💬 1    📌 0

【お品書き】9/21 ツキフレ24 東6 ミ65b
新刊アオハル新陽本 + 既刊を持ち込みます。無配はるれがあったらいいな
新刊購入特典として友人に描いてもらったあらよプリクラ風シールが付きますので是非!レインボーPP加工のためキラキラ予定です楽しみ〜!
サンプルはツリーにて。よろしくお願いします!

16.09.2025 15:56 — 👍 1    🔁 2    💬 1    📌 2

脱稿脱稿脱稿脱稿‼️‼️‼️‼️‼️

16.09.2025 08:59 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

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