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「振華30」による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置 「振華30」による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置 半潜水式バージからジャケットを吊り上げるクレーン船「振華30」(重量:10,200トン)出典:船海装备网(SHIPOE.COM) 「三峡陽江青洲五、七洋上風力プロジェクト」でアジア最大の12,000トン吊りクレーン船「振華30」(Zhen Hua 30)による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置がおこなわれました。 「三峡陽江青洲五、七洋上風力プロジェクト」(Three Gorges Yangjiang Qingzhou Ⅴ、VII)は、広東省 陽江市 陽西県 沙扒鎮から沖合74km、水深45~53mで12MWの風力タービン118基、13MWを23基、13.6MWを21基、そして浮体式の16MW風力タービン1基を設置する計画で総発電容量は2GW。2026年6月から順次運転を開始して、2026年12月にフル容量の運転開始を予定している。 ジャケット設置をおこなったクレーン船「振華30」の最大吊り上げ能力は船尾固定状態で12,000トン、旋回時の最大能力は7,000トン。ジャケットを吊り上げる画像を見ると、クレーンを船尾固定状態にしての作業に加えて、Aフレームから自船甲板へワイヤーが取り付けられているのが確認できます。同様の状態で作業することは以前にもありましたが、恐らくジャケット重量が10,200トンある上にサイズが大きいため、最大吊り能力のアウトリーチを長くするための手段だと思われます。 8本のジャケット基礎杭は1本当たり重量907トン 中国メディアで報じられている情報によると、巨大な洋上変電所ジャケットを固定する基礎杭は8本。そして、基礎杭は長さ115m、直径5m、重量907トン。とんでもない大きさ。 上海振華重工グループは、クレーン船「振華30」での施工にあたって設置プロセスを特別にカスタマイズし、基礎構造の大型化と施工に求められる高精度という2つの主要な課題を克服したという。クレーン船、半潜水式バージ、ジャケットの相対位置や重量、波浪による影響をリアルタイムに算出して動的安定性を確保。 トップサイドの重量は17,000トン 出典:龙de船人 このたび設置がおこなわれたジャケットに搭載する洋上変電所トップサイドの大きさは、長さ85.5m、幅82.5m、高さ44m、重量17,000トン。 さすがにアジア最大のクレーン船「振華30」でも17,000トンのトップサイド設置は不可能。ジャケット形状は中央にスペースを設けた構造となっていることから、輸送台船にトップサイドを搭載してフロートオーバーと呼ばれる方法で設置作業がおこなわれるものと思われます。

「三峡陽江青洲五、七洋上風力プロジェクト」でアジア最大の12,000トン吊りクレーン船「振華30」(Zhen Hua 30)による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置がおこなわれました。

31.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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台湾の「Rui-Li 1」でAsia Cementが協力協定締結 台湾の「Rui-Li 1」でAsia Cementが協力協定締結 出典:IX Renewables 2025年10月29日、IX RenewablesはAsia Cement Corporationと台湾の浮体式洋上風力発電実証プロジェクト「Rui-Li 1(瑞立1)」に関する協力協定を締結したと発表。 浮体式洋上風力実証プロジェクト「Rui-Li 1」は、台湾北西部に位置する新竹県沖の水深70m~95mという海域に15MWの浮体式風力タービン12基を設置する計画で総発電容量180MW。プロジェクトは、IX Renewablesが主導しており、国際パートナーとしてGF Corporation(株式会社GF)、Hexicon、SNOW BVが参画。GF Corporationは日本の企業。 IX Renewablesは発表記事の中で、Asia Cement Corporationがスポンサーとして参加したことは台湾の国内産業にとって意義深い一歩であり、浮体式風力発電開発における実用的かつ地域に根ざしたアプローチを促進するものだと述べています。 日本の企業 GF Corporation(株式会社GF)について 1974年に藤崎電機工業所を設立、2019年に藤崎電機株式会社と株式会社ガイアパワーが合併して社名を現在の株式会社GFに変更。太陽光発電、風力発電という再生可能エネルギー事業で豊富な経験を持ち、開発から設計、建設そしてO&M(運用・保守)まで全プロセスに一貫して関わることができるという。 2024年6月、GFはIX Renewablesと戦略的パートナーシップを締結。そして、台湾初浮体式洋上風力発電プロジェクト「Project Ketagalan Virtue」の実証プロジェクト「Rui-Li 1(瑞立1)」開発建設に向けて、共同で推進することに合意したことを発表。 台湾の実証プロジェクト「Rui-Li 1」参画は、GFにとって日本国外で初めての取り組み。プレスリリースでは参画の経緯として、自然エネルギーの普及により持続可能な社会を実現するという自社のミッションに合致したためだと述べています。 GFの自社ウェブサイト掲載情報によると、現在の藤崎 耕治 代表取締役は大学卒業後に大林組へ在籍していたという経歴があるそうです。そして、大林組在籍時にMITへ留学し、システムダイナミックスとスターマン博士に出会ったと書かれている。その出会いが地球環境について考える機会となり、土木技術者として自然と向き合い、地球温暖化への危機意識が高まったという。その後、1997年藤崎電機に入社。2011年GF(旧社名:ガイアパワー)を設立創業以来、環境問題解決に向けて、事業全般を牽引。

2025年10月29日、IX RenewablesはAsia Cement Corporationと台湾の浮体式洋上風力発電実証プロジェクト「Rui-Li 1(瑞立1)」に関する協力協定を締結したと発表。

30.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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重量1万トン超「East Anglia THREE」洋上変電所設置 重量1万トン超「East Anglia THREE」洋上変電所設置 世界最大のクレーン船「Sleipnir」による「East Anglia Three」洋上変電所トップサイド設置(重量:10,700トン)出典:Scottish Power 2025年10月24日、ScottishPower Renewablesはイギリス沖の北海で建設を進める「East Anglia Three offshore wind farm」で重量10,700トンという洋上変電所トップサイド設置を発表しました。 洋上変電所トップサイドは7階建ての構造で、長さ約70メートル、幅34メートル、高さ48メートル、重量10,700トン。HVDC(High Voltage Direct Current:高圧直流送電)という送電を高電圧の「直流」でおこなうシステムを採用しており、特長として送電ロスが少なく、長距離での大容量送電に適している。ルーマニアのDamen Shipyards Mangaliaで建造され、最終組立はノルウェーのStordでおこなわれました。 「East Anglia Three offshore wind farm」は、イングランド東部のサフォーク(Suffolk)にあるグレート・ヤーマス(Great Yarmouth)から東へ69kmの北海に建設が進められており、Siemens Gamesaの14MW超の風力タービン95基で構成され、総発電容量は1.4GW。2026年末に稼働開始予定。 巨大な洋上変電所トップサイドは、Heerema Marine Contractorsが所有する世界最大の20,000トン吊りクレーン船「Sleipnir」で設置。 世界最大の20,000トン吊りクレーン船「Sleipnir」 出典:ScottishPower Renewables 「Sleipnir」は、オランダのHeerema Marine Contractorsが所有する世界最大の吊り上げ能力を持つクレーン船。10,000トン吊りのクレーン2基を搭載し、タンデムリフトにより最大20,000トンの吊り上げ能力を発揮する。 「Sleipnir」という船名の由来は、北欧神話に登場する神獣の一つで主神オーディンが騎乗する8本脚の軍馬の名前。巨大な船体を支え、バラストタンクなどが含まれる高さ23.75mの8本の柱。この部分の外観と主神オーディンが騎乗する8本脚の軍馬が似ているというのが「Sleipnir」という船名の由来。 船名Vessel name Sleipnir 吊上げ能力Lifting capacity 10,000トン吊×2基タンデム 20,000トン吊 長さlength 220m 幅width 102m 喫水Draft Range 12m~32m 建造年Year of construction 2019年 所有会社Owner company Heerema Marine Contractors 「Sleipnir」の概要 East Anglia Three offshore wind farm 名称 East Anglia Three offshore wind farm 設置位置 イギリス グレート・ヤーマスから東へ69km 水深 40m 発電容量 1,400MW 基礎構造 着床式 タービンメーカー Siemens Gamesa 風力タービン 14MW以上 設置基数 95基 運転開始 2026年 事業者 ScottishPower Renewables その他 洋上変電所1基 【動画】「Sleipnir」による「East Anglia Three」洋上変電所トップサイド設置

2025年10月24日、ScottishPower Renewablesはイギリス沖の北海で建設を進める「East Anglia Three offshore wind farm」で重量10,700トンという洋上変電所トップサイド設置を発表しました。

29.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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SeatriumがMaerskの風力設置船について仲裁申立書受領 SeatriumがMaerskの風力設置船について仲裁申立書受領 2025年10月22日、SeatriumはMaersk Offshore Windから建造中の風力設置船(WIV,Wind Installation Vessel)に関する仲裁申立書(Notice of Arbitration)を受領したと発表しました。 建造契約がおこなわれたのは、およそ3年半前の2022年3月23日。当時、Sembcorp Marineのグループ子会社であるSembcorp Marine Rigs & Floaters(現Seatrium Energy International)が契約締結し、契約総額は約4億7,500万米ドル、契約締結当時の為替相場で日本円に換算すると約546億円(1ドル=115円として換算)。 SeatriumがMaersk Offshore Wind向けに建造している風力設置船は、Equinorがアメリカで進める洋上風力発電所「Empire Wind 1」に配備予定となっており、Seatrium Energy Internationalは10月10日に契約解除通知を受領していました。 Seatrium Energy Internationalは、10月12日に契約解除通知の拒否と不当解除について買主に対するすべての権利を留保する旨を回答。そして、2025年10月20日、契約に従って建造中の風力設置船を2026年1月30日までに引き渡すことを買主に通知。その翌日にあたる10月21日に仲裁申立書を受領。 仲裁申立書には、契約当事者間で紛争が生じており、当該紛争はLondon Maritime Arbitrators Association(ロンドン海事仲裁人協会)の現行規定に基づきロンドンでの仲裁に付託されるべきであるという主張が記載されていたという。さらに、申し立てられた紛争、買主の請求および買主が求めている救済措置(金銭的またはその他の救済措置)に関する詳細については記載が無かったことを明らかにしている。 Seatriumは発表情報の中で、Seatrium Energy Internationalは法的助言を受けており、自社の立場を積極的に主張し、買主が提起する可能性のあるあらゆる請求を防ぐとしていますが、状況の進展によっては最終的に財務へ大きな影響が出ることを懸念している。重要な進展があれば随時発表するとした上で、最終的な結果については確実な見通しが立った時点で市場ガイダンスを提供すると述べています。

2025年10月22日、SeatriumはMaersk Offshore Windから建造中の風力設置船(WIV,Wind Installation Vessel)に関する仲裁申立書(Notice of Arbitration)を受領したと発表しました。

28.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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鹿島建設が秋田沖の洋上風力プロジェクトでモノパイルの工事契約締結 鹿島建設が秋田沖の洋上風力プロジェクトでモノパイルの工事契約締結 2025年10月13日、男鹿おが・潟上かたがみ・秋田 Offshore Green Energy合同会社は鹿島建設と秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖における洋上風力発電事業で風車基礎の製造・調達・輸送・据付工事に関する契約を締結したと発表しました。 「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」は、秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖の一般海域にVestas製の15MW風力タービン「V236-15MW」21基を設置する計画で、総発電出力は315MW。2028年6月30日に運転開始予定。 男鹿・潟上・秋田 Offshore Green Energy コンソーシアムは掲載記事の中で今回の契約に関して、事業の中核を担う風車基礎の建設に関するものであり、プロジェクトの本格的な施工段階への移行を示す重要なマイルストーンとなるとした上で、鹿島建設が有する高い技術力と豊富な工事実績を活かし、安全性と品質の確保はもとより、環境負荷の低減や地域との共生にも十分に配慮しながら工事を進めていくと述べています。 一方で鹿島建設は、風車基礎の設計に関する先行業務を契約のうえ実施してきた経緯に触れ、風車基礎の建設に関する契約締結により、引き続き事業の中核をなす風車基礎の建設に取り組むとしている。これまで、沖合空港や洋上石油備蓄基地等、数多くの海洋工事を手掛けてきており、国内初の商用洋上風力発電事業である秋田港・能代港洋上風力発電事業の建設工事を担ったほか、陸上風力発電所の建設工事では30年を超える実績を有している。今後、積み重ねてきた実績と豊富な経験を活かし、地域や地元企業とも連携して、本事業の円滑な推進に協力していくとともに、我が国で本格化していく洋上風力発電の導入に対する取組みを通じて、地域の持続的な活性化とカーボンニュートラル社会の実現に積極的に貢献していくと述べています。 風車基礎にはモノパイルを採用 「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」で設置する風力タービン基礎は、着床式でモノパイルを採用している。 日本国内で運転を開始している商用規模の洋上風力発電所のうち、モノパイルを採用しているのは秋田港・能代港洋上風力発電所と入善洋上風力発電所のみ。まだ全体の件数自体が少ない状態ですが、日本の洋上風力発電所で着床式の風力タービン基礎として採用されているのは、現段階でモノパイル式とジャケット式が半々といったところ。 モノパイルに比べてジャケット基礎杭は形状が小さいため、国内の既存作業船でも施工可能なクレーン船は何隻かいると思いますけど、モノパイルとなると重量的に取り扱える作業船は少ない。風力タービン設置を計画しているエリアの水深は20m前後であまり深くはないとはいえ、ローター直径236mの15MW風力タービンを支えるモノパイル重量は1,000トンを超える規模であると思われる。 公表されている洋上工事のスケジュールで基礎設置作業の開始時期は2027年4月。五洋建設が建造を開始した5,000トン吊りクレーン搭載の大型基礎施工船は2028年5月の完成・引き渡し予定であるため、「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」の基礎施工には間に合わない。 横倒しの状態で輸送されるモノパイルを設置場所で建て起こす設備を搭載していれば、「BLUE WIND」(2,500トン吊り)や「CP-16001」(1,600トン吊り)、日本船籍化予定の「Sea Challenger」(1,600トン吊りへアップグレード中)でも施工はできそう。 秋田港・能代港洋上風力発電所での施工では、4,100トン吊り起重機船「海翔」を使用して港内の岸壁でモノパイルを建て起こした後、吊り運搬して打設をおこなうSEP起重機船「Seajacks Zaratan」(現在は Wind Zaratan)へモノパイルを引き渡すといった方法を採用。 施工をおこなう作業船の選定やどのような施工方法で作業が進められていくのかといった部分も含めて今後のプロジェクト進捗に注目。 秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業 「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」の事業者は、経済産業省及び国土交通省が実施した洋上風力公募、ラウンド2で2023年12月に男鹿・潟上・秋田 Offshore Green Energy コンソーシアムが選定され、2024年2月に男⿅・潟上・秋⽥Offshore Green Energy合同会社を設立。構成企業は、JERA Nex bp Japan合同会社、電源開発株式会社、東北電力株式会社、伊藤忠商事株式会社。 工事内容 開始時期 基礎設置 2027年4月 海底ケーブル敷設 2027年5月 風力タービン設置 2027年7月 公表されている洋上工事のスケジュール 「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」の概要 設置位置:秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖 発電容量:315MW 風力タービン:Vestas V236-15MW、21基 風車基礎:着床式 運転開始予定:2028年6月30日

2025年10月13日、男鹿おが・潟上かたがみ・秋田 Offshore Green Energy合同会社は鹿島建設と秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖における洋上風力発電事業で風車基礎の製造・調達・輸送・据付工事に関する契約を締結したと発表しました。

27.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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明陽智能が50MW超大型浮体式風力タービンを正式発表 明陽智能が50MW超大型浮体式風力タービンを正式発表 出典:Mingyang Smart Energy 2025年10月21日、明陽智能(MingYang Smart Energy)は単一ユニット発電容量として世界最大となる50MWの超大型浮体式風力タービンを正式発表しました。 革新的なYシリーズプラットフォーム構造(Y-series platform architecture)であるOceanXプラットフォームを採用。25NWの風力タービン2基をV字型のタワー構造で連結し、1台の機械を構成する「デュアルローター」(dual-rotor)構成。 水深40メートル以上の水深に対応する浮体式基礎に設置された超大型浮体式風力タービンは、実証済みの台風耐性を備え、深海風力資源を活用する全く新しいソリューションを提供するという。 次世代の中速コンパクトドライブ(MCD)製品グループも発表 出典:Mingyang Smart Energy 明陽智能は、次世代MCD(medium-speed compact drive:中速コンパクトドライブ)の製品グループも発表。自社ウェブサイトの掲載記事では、セミダイレクトドライブ技術の世界的リーダーであると自負した上で、風力発電を「より信頼性が高く、より効率的で、より送電網に優しく、より経済的で、よりインテリジェントな」時代へ導くと述べている。 次世代MCDの特長 信頼性の向上:フレキシブルピンの負荷均等化、統合集中潤滑システム、そして階層型協調スマート制御を備えたマルチソース融合モデリングにより、主要部品の負荷を軽減し、タービン寿命を延長、過酷な条件下でも安定した運転を実現 効率の向上:中速コンパクトドライブトレインの高効率DNAを継承し、高性能ブレードと高度な制御アルゴリズムを組み合わせることで、エネルギー出力を大幅に向上 送電網への適合性の向上:強力な送電網形成能力により、多様なネットワーク環境や送電方式に対応、長距離深海電力供給を可能にし、風力発電所の安定性を維持 経済性の向上:高度に統合された設計により、部品点数を削減、ナセル長を短縮、主要部品の故障率を低減することでライフサイクル全体にわたる均等化発電原価(LCOE)を削減 インテリジェント性の向上:物理学と AI を組み合わせたスマート風力発電所プラットフォームを搭載したこのシステムは、事前に障害を予測し、動作をホログラフィックに感知し、問題が発生する前に対処します。 MCD技術は、ゴビ砂漠の巨大基地から低・中風速の内陸地域や高地まで、陸上および洋上におけるあらゆる製品範囲をカバーしており、陸上および海上における最も複雑な条件を効率的に克服。ブラックスタート機能とグリッドフォーミング機能は、DRUベースのHVDC送電をサポートし、洋上変換所のコストを大幅に削減するとともに、送電信頼性を向上させ、過酷なプラント条件下でも柔軟なエネルギー調整を可能に。これは、沿岸から遠く離れた場所における送電網に最適であり、大規模な海洋エネルギー開発を強固に支えると述べています。

2025年10月21日、明陽智能(MingYang Smart Energy)は単一ユニット発電容量として世界最大となる50MWの超大型浮体式風力タービンを正式発表しました。

27.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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世界最大のケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」進水 世界最大のケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」進水 進水したケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」出典:Jan De Nul Jan De Nulは、中国の招商局重工(CMHI)海門基地(Haimen shipyard)で建造しているケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」の進水を発表しました。 全長215mの巨大な船体には、最大28,000トンのケーブルを積むことができるという。甲板上に2つと甲板下に1つ、合計3つのケーブルカルーセルに加えて光ファイバー用の大きなホールドが装備されており、最大4本のケーブルを同時に敷設可能。船尾にはシュートとケーブル敷設ホイールが搭載され、最大150トンのケーブル張力を処理するテンショナーと組み合わせることで、シュートを使用すると水深が浅い海域のケーブル敷設が可能、そしてケーブル敷設ホイールを使用すると水深が深い海域での設置が効率的になり、最大で水深3,000mという深海にケーブル敷設ができる設計になっている。 ディーゼル微粒子フィルターと窒素酸化物(NOx)低減システムを組み合わせた高度なデュアル排気フィルターシステムを搭載しており、バイオ燃料とグリーンメタノールで稼働するエンジンと組み合わせることでCO₂排出量を削減し、NOx排出量の大幅削減と合わせて厳しいEURO VI排出ガス規制も満足する超低排出船(ULEv:Ultra-Low Emission vessel)となっている。さらに、2.5MWhのバッテリーによりピークカット、負荷平準化、瞬時運転予備力、エンジン負荷の最適化を実現。 ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」は、2026年後半に引き渡し予定。 引き渡し後の稼働予定として、TenneTの2GWプログラムに動員されることが明らかにされている。700kmを超える4本のエクスポートケーブルを同時に施工することが可能で、総延長は2,800km超えるという。 船名 Fleeming Jenkin ケーブル積載量 28,000トン 長さ 215m DPS DP2 完成予定 2026年 ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」 ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」完成イメージ出典:Jan De Nul 船名「Fleeming Jenkin」はイギリスの電気技術者に由来 新造するケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」は、イギリスの電気技術者フリーミング・ジェンキン(Henry Charles Fleeming Jenkin)に由来しているそうです。海底ケーブル敷設の技術開発をおこない、先駆者として知られていることから名付けられたという。 フリーミング・ジェンキン(Fleeming Jenkin)出典:Wikipedia | Robert Louis Stevenson , パブリック・ドメイン, リンクによる Jan De Nulの掲載記事 (翻訳)この船の名前は、イギリス生まれでエディンバラ大学リージアス工学教授のヘンリー・チャールズ・フリーミング・ジェンキン(1833-1885)にちなんで名付けられました。 電気およびケーブルのエンジニアとして、ジェンキンはオフショア ケーブル敷設の積極的な先駆者でした。 ※リージアス(Regius)教授とは…イギリス学界独特の制度で君主からのパトロネージ(賛助)、もしくは、任命を受けて就任する教授 2024年5月には同型船「William Thomson」の建造契約締結 2024年5月17日、Jan De Nulは2023年9月に中国の招商局重工有限公司(CMHI)と建造契約を締結した超大型ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」と同型船の「William Thomson」発注を明らかにしています。 【動画】ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」の進水 ケーブル敷設船としては世界最大という「Fleeming Jenkin」進水の様子。 船首の船橋部分を映す場面では、とんでもない大きさの船体であることがよく分かります。東洋建設がルーマニアのVARDで建造しているケーブル敷設船と比較すると、船体長さは1.4倍以上、ケーブル積載量は3倍以上という巨大さ。

Jan De Nulは、中国の招商局重工(CMHI)海門基地(Haimen shipyard)で建造しているケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」の進水を発表しました。

24.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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大金重工が大型甲板輸送船を起工、2026年第2四半期進水予定 大金重工が大型甲板輸送船を起工、2026年第2四半期進水予定 大型甲板輸送船(建造番号:DJ11)の起工式出典:龙de船人 2025年10月13日、中国のDajin Heavy Industry(大金重工)は大型甲板輸送船(建造番号:DJ11)の起工式をおこないました。 起工式をおこなった大型甲板輸送船は大金重工が独自に開発・建造しており、長さ239.8m、幅51m、貨物エリア11,300m2。貨物積載量、荷役方式、輸送効率において大きな利点を備え、浮体式基礎や石油・ガスモジュールなどの超大型海洋設備の輸送に適しているという。 2026年第2四半期に進水予定。 2週間で3つのマイルストーンを達成 出典:Dajin Heavy Industry 大金重工の掲載情報【2025年10月17日掲載】 值得关注的是,在两周时间内,盘锦大金先后实现“一船开工、一船铺底、一船下水”的重大节点三连突破,三大项目齐头并进、多点开花,创下船厂同期节点达成新纪录。 (特筆すべきは、2週間という短期間で、盤錦大金が「1隻の建造開始、1隻の起工、1隻の進水」という3つの節目を連続して達成したことです。これら3つの主要プロジェクトは同時進行し、大きな進展を遂げ、同時期に同造船所が達成したマイルストーンの新記録を樹立しました。) 出典: 2025年10月17日に大金重工は大型甲板輸送船(建造番号:DJ11)の起工式を発表した記事の中で、2週間のうちに3つのマイルストーンを達成したと述べています。 3つのマイルストーンとは、着工(建造開始)、起工、進水を指しており、進水に関しては起工式の3日前にあたる10月10日に4万トンの大型甲板輸送船「KING ONE」の進水が発表されています。 着工(建造開始)に関しては発表されていないようですが、大金重工は将来的にシリーズ船でトン数の異なる超大型甲板輸送船10~20隻の独自輸送艦隊形成を明らかにしており、現在は2~4隻の甲板輸送船を開始する第1段階ということなので、3隻の輸送船を同時進行で建造中のようです。 出典:Dajin Heavy Industry

2025年10月13日、中国のDajin Heavy Industry(大金重工)は大型甲板輸送船(建造番号:DJ11)の起工式をおこないました。

23.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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JWPAと台湾洋上風力産業協会が連携強化に向けてMOU締結 JWPAと台湾洋上風力産業協会が連携強化に向けてMOU締結 出典:Japan Wind Power Association 2025年10月17日、日本風力発電協会(JWPA:Japan Wind Power Association)は台湾洋上風力産業協会(Taiwan Offshore Wind Industry Association:TOWIA)と洋上風力発電分野における協力およびアジア地域での産業発展を目的とした覚書(Memorandum of Understanding:MOU)を締結したと発表しました。 2025年10月15日~17日に秋田市で開催していた「Global Offshore Wind Summit-Japan2025」において、MOU締結がおこなわれたのは10月16日。 JWPAは、TOWIAとのMOU締結の目的として、日本と台湾の洋上風力市場において導入促進、技術革新、サプライチェーン強化を推進するため、両団体が協力関係を深める枠組みを定め、今後、アジア全体の洋上風力産業の持続的な発展と国際競争力の向上に寄与することを目指すと述べている。 締結されたMOUは、2027年12月31日まで有効で双方から特段の申し出がない限り、2年ごとに自動的に延長されるという。 MOU締結により取り組みを進める項目 洋上風力発電の技術開発と市場拡大に向けたビジネス機会の創出とサプライチェーン連携の促進 洋上風力発電分野における情報・知識・経験の定期的な共有 セミナー、ワークショップ、視察、ネットワーキングイベントなどの共同開催 アジア地域における産業リーダーシップの強化および持続可能な市場形成の推進 両団体の代表によるコメント TOWIAとのMOU締結について、JWPAの発表には両団体の代表によるコメントが掲載されています。 JWPAの秋吉代表理事のコメントは、「日本と台湾は、アジアの洋上風力市場において重要な役割を担っています。今回の覚書締結を通じて、お互いの知見や強みを生かし、地域全体の脱炭素化と産業発展に一層貢献してまいります」。TOWIAのViola Lin会長は、「本パートナーシップは、台湾と日本だけでなく、アジア全体の洋上風力産業の発展に向けた大きな一歩です。両協会の協力が、産業競争力の向上とクリーンエネルギー社会の実現につながることを期待しています」とコメントしている。

2025年10月17日、日本風力発電協会(JWPA)は台湾洋上風力産業協会(TOWIA)と洋上風力発電分野における協力およびアジア地域での産業発展を目的とした覚書(MOU)を締結したと発表しました。

22.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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NYKが秋田沖の洋上風力プロジェクトで国産CTVの長期傭船契約締結 NYKが秋田沖の洋上風力プロジェクトで国産CTVの長期傭船契約締結 2025年9月29日、日本郵船(NYK Line)は洋上風力向けの国産CTV(Crew Transfer Vessel:作業員輸送船)を男鹿・潟上・秋田 Offshore Green Energy合同会社へ長期定期傭船する契約を締結したと発表。 男鹿おが・潟上かたがみ・秋田 Offshore Green Energy合同会社は、再エネ海域利⽤法に基づく国内最初の洋上風力発電事業として秋⽥県男⿅市、潟上市及び秋⽥市沖にVestas製の15MW風力タービン「V236-15MW」21基、総出力315MWのプロジェクトを進めており、構成企業はJERA Nex bp Japan、電源開発、東北電力、伊藤忠商事の4社。 建造する国産CTVは、日本郵船が過半数株式を取得して連結子会社化したNorthern Offshore Groupの子会社にあたるNorthern Offshore Servicesが欧州域内で運航している船型を基に国内での建造を可能にするため改良を加えた船型。日本郵船は、岩手県釜石市にある小鯖船舶工業と2024年1月に建造契約を締結しており、2025年後半から26年にかけて竣工する予定。 CTVの管理は、日本郵船と秋田曳船で設立したジャパンオフショアサポート(本社:秋田県秋田市)がおこなう予定。日本郵船はプレスリリースの中で、秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業へのCTV提供を通じ、国内の電力の安定供給に貢献するとともに、重点事業として洋上風力関連事業への取り組みを強化・推進すると述べている。 長さ 約28m 幅 約9m 総トン数 約145トン 乗客定員 12人 建造予定の作業員輸送船(イメージ)出典:NYK Line 秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業 「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」の事業者は、経済産業省及び国土交通省が実施した洋上風力公募、ラウンド2で2023年12月に男鹿・潟上・秋田 Offshore Green Energy コンソーシアムが選定され、2024年2月に男⿅・潟上・秋⽥Offshore Green Energy合同会社を設立。構成企業は、JERA Nex bp Japan合同会社、電源開発株式会社、東北電力株式会社、伊藤忠商事株式会社。 秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖の一般海域にVestas製の15MW風力タービン「V236-15MW」21基を設置する計画で、総発電出力は315MW。2028年6月30日に運転開始予定。 工事内容 開始時期 基礎設置 2027年4月 海底ケーブル敷設 2027年5月 風力タービン設置 2027年7月 公表されている洋上工事のスケジュール 「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」の概要 設置位置:秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖 発電容量:315MW 風力タービン:Vestas V236-15MW、21基 風車基礎:着床式 運転開始予定:2028年6月30日

2025年9月29日、日本郵船(NYK Line)は洋上風力向けの国産CTV(Crew Transfer Vessel:作業員輸送船)を男鹿・潟上・秋田 Offshore Green Energy合同会社へ長期定期傭船する契約を締結したと発表。

21.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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「Inch Cape」向けXXLモノパイル、スコットランド到着 「Inch Cape」向けXXLモノパイル、スコットランド到着 出典:Inch Cape Offshore Limited 2025年10月15日、Inch Cape Offshore Limitedはスコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けとなる最初のモノパイル8基がエディンバラのリース(Leith)港に到着したことを発表しました。 「Inch Cape Offshore Wind Farm」は、スコットランドのアンガス海岸から15km沖合の北海にVestas製の15MW風力タービン72基を設置する計画で総発電容量は1.1GW。2種類の風力タービン基礎を採用していて、モノパイル基礎54基、ジャケット基礎18基。モノパイルの製造は、大金重工が24基、CNOOD Wechong Heavy Industries(CWHI)が30基を担当。ジャケット基礎18基の製造は、COOEC Fluor Heavy Industries(CFHI)。 「Inch Cape Offshore Wind Farm」でのモノパイル設置作業は、2025年内に始まる予定。作業をおこなうのは、Jan De Nulの5,000トン吊りクレーン船「Les Alizés」。 初回到着分のモノパイルはCWHIでの製造 出典:Inch Cape Offshore Limited 「Inch Cape Offshore Wind Farm」で使用するモノパイルは、大金重工とCWHIの2社がそれぞれ製造しており、最初に到着したモノパイル8基はCWHIでの製造分。 中国南部の広西チワン族自治区にあるCWHIの欽州ヤード(Qinzhou Yard)で製造後、半潜水式運搬船

2025年10月15日、Inch Cape Offshore Limitedはスコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けとなる最初のモノパイル8基がエディンバラのリース(Leith)港に到着したことを発表しました。

20.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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明石海峡大橋をくぐるSEP起重機船「BLUE WIND」密着動画 明石海峡大橋をくぐるSEP起重機船「BLUE WIND」密着動画 SEP起重機船として日本国内最大の2,500トン吊りクレーンを搭載する清水建設の「BLUE WIND」が明石海峡大橋を通過するという興味深い作業に密着した動画がYouTubeに投稿されました。 船舶の運航・保守管理業務をおこなう共栄マリン株式会社は、自社の公式YouTubeチャンネル「Kちゃんねる」でSEP起重機船「BLUE WIND」に密着した動画を2025年10月18日に投稿。この動画は「BLUE WIND」完全密着ドキュメンタリーの後編として投稿されており、兵庫県相生にあるドックを出て北海道の室蘭港へ回航する一連の作業に密着しています。前編では相生のドック出港から相生沖の停泊場所移動までを投稿。そして、後編では明石海峡大橋の通過を含む、相生沖の停泊場所から室蘭港への入港までという構成になっている。 人知を超える絶大な能力を持つSEP起重機船「BLUE WIND」ですが、船を動かしているのは私たちと同じ人間だということをあらためて教えてくれる素晴らしい動画。中でもインタビューに応じる場面で何度も登場する船長は、分かり易く説明してくれる所や落ち着いた所作・雰囲気から非常に魅力的な人柄が伝わってきます。 長さ90mのレグを海中に少し下げた状態で明石海峡大橋を通過 「Hai Long Offshore Wind」に最初の風力タービンを設置したSEP起重機船「BLUE WIND」出典:Hai Long Offshore Wind(Photo credit: Shimizu Corporation) SEP起重機船「BLUE WIND」の明石海峡大橋通過で大きな障害となるのは、長さ90mのレグ。 SEP船、SEP起重機船、SEP型多目的起重機船などいろいろ呼び方はありますが、国外ではWind Turbine Installation Vessel(WTIV:風力タービン設置船)と呼ばれており、その名称からも分かるようにSEP起重機船は風力タービン設置を目的として建造されている。繊細なクレーン作業が要求される洋上風力タービン設置作業では、波浪による船体動揺を無くすためにレグと呼ばれる4本の脚を海底に突き刺して船体をジャッキアップした状態で作業するという他のクレーン船と異なる大きな特徴をもつ。 「BLUE WIND」に搭載されている水深45mという海域で船体をジャッキアップして作業が可能なレグの長さは90m。現場での施工では大きな武器となるレグですが、橋の通過では一転して障害となる。 YouTubeに投稿された動画の前編で明石海峡通峡に向けた最終ミーティングの様子が映されており、「BLUE WIND」が安全に橋を通過できる高さがキープされているのは、明石海峡大橋の中央から淡路島側へ551.6mという幅であると説明されています。想定しているルートの桁下高さは約81mで、「BLUE WIND」の上部と桁下とのクリアランスは7~8mになるという計画。 動画内で説明されている数値から「BLUE WIND」が明石海峡大橋を通過する時にどれくらいレグを下げていたのか計算してみることに。日本海事協会(ClassNK)に登録されている「BLUE WIND」のSummer Draught(夏期満載喫水)は6.54m。バラスト量は不明なので、満船喫水に近い状態だったと想定して計算。 水面上のレグ高さ:81m - 8m = 73m 水面下のレグ長さ:90m - 73m = 17m 船底から飛び出ているレグ長さ:17m - 6.54m = 10.46m 計算すると、レグを約10m下げているという結果。明石海峡付近の水深は50m以上あるようなので、水深は問題ありませんが、下げたレグが抵抗となって速力はかなり落ちてしまうようです。 明石海峡大橋を通過する時の映像を見ると、レグよりもメインクレーンのAフレームの方が少し高いように見えました。計画通りにレグを下げた上でAフレーム上にも監視員を配置、万全の態勢で臨んでも通過する瞬間はドキドキ。船長は過去に「BLUE WIND」で明石海峡大橋を3度通過しているそうですが、何度やってもドキドキすると語っていました。 【動画】世界最大級のSEP船「BLUE WIND」完全密着ドキュメンタリー

SEP起重機船として日本国内最大の2,500トン吊りクレーンを搭載する清水建設の「BLUE WIND」が明石海峡大橋を通過するという興味深い作業に密着した動画がYouTubeに投稿されました。

20.10.2025 01:01 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
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3,200トン吊りSEP起重機船「Norse Wind」引き渡し 3,200トン吊りSEP起重機船「Norse Wind」引き渡し 2025年10月15日、中国の山東省 煙台市にあるCIMC Raffles Offshoreで建造していたDEMEのSEP起重機船「Norse Wind」が引き渡されました。 SEP起重機船「Norse Wind」は、ジャッキアップ時の最大作業水深70mで3,200トン吊りのクレーンを搭載。ローター直径300mを超える風力タービン設置と最大3,000トンのXXLモノパイル設置に対応しているという。 「Norse Wind」の建造は、DEMEが今年4月に買収したノルウェーのHavframによって2023年に開始。その後、船体進水、クレーン搭載、ジャッキアップ試験など順調に建造が進み、建造期間はおよそ2年。 DEMEのプレスリリースによると、「Norse Wind」はすでに複数の大規模洋上風力発電プロジェクトの契約を獲得しており、2030年まで予定が入っているという。長期に渡り契約獲得していることについて、世界最大級の風力発電所建設におけるDEMEの主導的役割を裏付けるものだと述べている。欧州の洋上風力発電プロジェクトを皮切りに2026年上半期の稼働開始が予定されている。 プレスリリースで初稼働のプロジェクト名は記載されていませんでしたが、ドイツ沖の「Nordseecluster offshore wind project」が最初のプロジェクトになる模様。「Nordseecluster offshore wind project」は、Nordseecluster A(660MW)と Nordseecluster B(900MW)の2段階で建設が計画されており、Vestas の風力タービン「V236-15.0 MW」を合計104基設置する計画。RWEとNorges Bank Investment Managementの合弁会社が事業者となり開発を進めていて、Nordseecluster A は2027年、Nordseecluster B は2029年に運転開始予定。風力タービン基礎の輸送・設置については、Van OordのSEP起重機船「Boreas」が配備される予定で、「Norse Wind」は15MWの風力タービン輸送・設置をおこなう予定。 SEP起重機船「Norse Wind」の建造タイムライン 2023年9月 着工(鉄鋼切断式) 2024年2月 起工(キール敷設式) 2025年2月 船体進水

2025年10月15日、中国の山東省 煙台市にあるCIMC Raffles Offshoreで建造していたDEMEのSEP起重機船「Norse Wind」が引き渡されました。

17.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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Drydocks Worldの5,000トン吊り起重機船 進水 Drydocks Worldの5,000トン吊り起重機船 進水 2025年10月11日、上海振华重工(ZPMC)がドバイに本拠を置くDrydocks World向けに建造している5,000トン吊り起重機船の船体進水がおこなわれました。 船体寸法は長さ138.5m、幅52m、計画喫水5.8m、最大吊り上げ能力5,000トン。ジブ長さは160mあり、メインフックでの揚程は水面上120m、フライングジブ先端にある補助フックは600トン吊りで揚程180m。 5,000トンの吊り上げ能力を持つ大型起重機船の建造によって重量物運搬能力を高め、風力発電関連の洋上プラットフォームや浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)船体上部、橋梁建設など、高まる大規模プロジェクトの需要対応が期待されている。 建造契約締結時の完成・引き渡し予定は、2026年第2四半期。 進水した船体には起重機船としての主要設備はまだ搭載されておらず、大きな台船といった感じ。今後進められる長さ160mのジブを搭載する作業には注目してます。 Drydocks Worldの5,000トン吊り起重機船 建造タイムライン 2024年9月 建造契約締結 10月 建造着工 Steel Cutting Ceremony(鉄鋼切断式) 2025年3月 起工式 Keel Laying Ceremony(キール敷設式) 9月 主船体ブロック接続完了 10月 進水 2026年第2四半期 完成・引き渡し(予定) 5,000トン吊り起重機船の概要 船名 未定 クレーン能力 主:5,000トン補助:600トン 揚程 主:120m補助:180m 長さ 138.5m 幅 52m 設計喫水 5.8m 定員 58人 5,000トン吊り起重機船の完成イメージ出典:Drydocks World

2025年10月11日、上海振华重工(ZPMC)がドバイに本拠を置くDrydocks World向けに建造している5,000トン吊り起重機船の船体進水がおこなわれました。

17.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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五洋建設の5,000トン吊り大型基礎施工船 建造開始 五洋建設の5,000トン吊り大型基礎施工船 建造開始 2カ所で実施された鉄鋼切断式(左)中国の江蘇省南通市 と (右)フィリピンのスービック出典:Seatrium Seatriumは、五洋建設向けとなる5,000トン吊り大型基礎施工船(HLV,Heavy Lift Vessel)の建造開始を発表しました。 SeatriumのLinkedIn投稿によると、建造着工を意味する鉄鋼切断式(Steel Cutting Ceremony)は2カ所で実施。2025年9月29日に中国の江蘇省南通市、10月1日にフィリピンのスービック(Subic)で実施され、2025年1月27日の建造契約発表から246日後に建造を開始したと発表しています。 建造費は1,200億円。五洋建設が設立予定の子会社(50%)と芙蓉ふよう総合リース株式会社(50%)で建造費を負担し、共同保有する予定。2024年12月にシンガポールのPaxOcean Groupと建造契約を締結したケーブル敷設船(建造費310億円、2028年2月完成予定)についても同様に芙蓉総合リース株式会社と共同保有することが明らかにされている。 完成・引き渡し予定は2028年5月。2028年秋からの稼働を予定。 船体設計はUlstein、ユニークな「ULSTEIN U-STERN」搭載 5,000トン吊り自航式大型基礎施工船出典:PENTA-OCEAN CONSTRUCTION 五洋建設向けとなる5,000トン吊り大型基礎施工船の船体設計を手掛けるのはUlstein。「ULSTEIN HX118」を基にカスタマイズされ、Huismanの5,000トン吊りメインクレーンに加えて、船首形状は「X-BOW」、そして船尾側には「ULSTEIN U-STERN」を搭載。 「ULSTEIN U-STERN」は2023年4月に発表され、洋上風力タービンの大型化に伴い、サイズアップしていくモノパイル基礎の設置という重大な課題に対する解決策として開発。巨大なモノパイルの輸送・建て起こし・設置という一連の動作を安全でスマートに施工できる船舶設計ソリューションとして発表。大きな特長は、船体中心線に沿ってモノパイルを縦方向に収納し、建て起こしが出来るという構造。この構造により、長尺のモノパイルを甲板に積載しても船体側面への張り出しが無く、設置作業中に船体が波に正対できるため、船体の動揺と燃料消費を最小限に抑えることができるという。 大型基礎施工船(HLV)の概要 船籍 日本 船級登録 ClassNK クレーン能力 5,000トン 長さ 215m 幅 56m DPS DPS2 カーボンニュートラル対応 バッテリー蓄電システムメタノールレディー 基本設計 Ulstein(オランダ) 船体建造 Seatrium(シンガポール) メインクレーン

Seatriumは、五洋建設向けとなる5,000トン吊り大型基礎施工船(HLV,Heavy Lift Vessel)の建造開始を発表しました。

16.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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最大3千億円の投資 明陽智能が英国に洋上風力タービン製造施設建設 最大3千億円の投資 明陽智能が英国に洋上風力タービン製造施設建設 2025年10月10日、明陽智能(MingYang Smart Energy)は最大15億ポンド、日本円に換算すると約3,000億円を投資し、英国初の統合型洋上風力タービン製造施設を建設する計画を発表しました。 建設場所はスコットランドの複数の候補地が選定されており、現在の有力候補地はスコットランド北東部に位置するインヴァネス(Inverness)近郊のアーダージャー港(Ardersier Port)。施設建設により最大1,500人の新規雇用創出が見込まれており、石油・ガス産業に携わる労働力の再配置(redeployment)が可能であるということが候補地の選定理由に含まれているという。 英国をはじめとしたヨーロッパ、そしてアジア以外の市場にサービスを提供する洋上風力ハブを構築。投資計画は英国政府の最終承認を待っている段階で、広範なヨーロッパ全体の戦略として不可欠な要素であり、現在、他の候補地も含めた検討が進められている。 3段階の大規模投資計画 明陽智能が発表した3段階のプロジェクト内容 風力タービンのナセルとブレードの先進的な製造施設を建設するため、最大7億5,000万ポンドを投資し、2028年末までに最初の生産を開始 英国における浮体式洋上技術の大規模導入に対応するため、施設とインフラを拡張 制御システム、電子機器、その他の主要部品の製造 明陽智能は、大規模投資計画のプロジェクト戦略として計画を3段階で進めることを発表。 第1段階は、製造施設建設について。最大7億5,000万ポンド、日本円に換算すると約1,500億円を投資し、風力タービンナセルとブレードの高度な製造施設を建設。2028年後半までに最初の生産を計画。第2段階では、英国での浮体式洋上風力発電技術の大規模導入に対応するため、施設とインフラを拡張。第3段階には、制御システム、電子機器、その他の主要コンポーネントの製造が含まれます。 明陽智能は、2024年に世界の新規発電容量の31.3%を占めており、洋上風力技術の開発と運用において世界をリードしているとプレスリリースで述べています。その中には、16.6MWの浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」も含まれており、洋上風力発電の開発コストを最大30%削減、さらに家庭の光熱費の削減へつながる可能性があると言及。この技術を北海に導入することで、浮体式風力発電技術の商業化を加速し、再生可能エネルギーサプライチェーンの戦略的要素を陸上化し、英国をヨーロッパ風力セクターの中心に据える機会が生まれると述べている。

2025年10月10日、明陽智能(MingYang Smart Energy)は最大15億ポンド、日本円に換算すると約3,000億円を投資し、英国初の統合型洋上風力タービン製造施設を建設する計画を発表しました。

15.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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大金重工が建造する4万トンの大型甲板輸送船「KING ONE」進水 大金重工が建造する4万トンの大型甲板輸送船「KING ONE」進水 進水した4万トンの大型甲板輸送船「KING ONE」出典:Dajin Heavy Industry 2025年10月10日、中国のDajin Heavy Industry(大金重工)が建造する載貨重量トン数(DWT,Deadweight tonnage)4万トンの大型甲板輸送船「KING ONE」が進水しました。 洋上風力、石油、ガス分野の大型機器輸送用に設計・開発されたという大型甲板輸送船「KING ONE」は長さ240m、幅51m、深さ13m。甲板面積は12,000m2で速力13ノット、航続距離16,000海里(約30,000km)。 大金重工に関する記事はこれまでにも書いてきましたが、洋上風力向けのモノパイルや風力タービンタワーの製造だけだったので造船事業を手掛けていることに驚き。LinkedInの投稿内容には、2022年に大金造船施設を設立したとあり、ホームページには2023年に遼寧省盤錦市にある造船基地が稼働し、造船事業を開始したと記載されていました。遼寧盤錦造船基地(遼寧省)は、蓬莱(山東省)、陽江(広東省)という大金重工でも3つの主要オフショア向け製造施設のうちの1つで大型甲板輸送船、半潜式運搬船、そしてオフショア分野向けの重量物運搬船といった船種を建造。4年後の2029年まで受注が入っているという。 掲載画像で気になったのは、船底付近のビルジキールと呼ばれる船体動揺を低減させる板の少し上の位置で左舷に3箇所、右舷に2箇所設置されているもの。風よけの付いた足場のようにも見えるものは、位置的に考えて防舷材かな?建造が進むと分かるんでしょうけど、違和感を感じるカラーリングなので少し気になりました。 載荷重量トン数、DWTとは? 載貨重量トン数、DWT(Deadweight tonnage)とは、満載喫水線の限度まで貨物を積載したときの全重量から船舶自体の重量を差し引いたトン数のことを言い、船に積める貨物の量を示す目安となる。ただ、この中には運航に必要な燃料・水・食料などの重量も含まれているので純粋な貨物の積載重量ではない。 将来的に大型甲板輸送船10~20隻を保有し、独自の輸送艦隊を構成 出典:Dajin Heavy Industry 大金重工の自社ホームページに掲載されている情報によると、現在は2~4隻の甲板輸送船を開始する第1段階。将来的には、シリーズ船でトン数の異なる超大型甲板輸送船10~20隻で独自の輸送艦隊を形成する予定だという。 掲載されている大型甲板輸送船のイメージ画像では、風力タービンタワーを立てた状態で貨物甲板にびっしり積載して輸送する様子が紹介されています。数えてみると 19×4=76本 積まれているので、3分割だとすると約25基分。さすがにモノパイルのイメージ画像は倒した状態で輸送していました。 モノパイル、ジャケット、浮体基礎、トランジションピースなど風力タービンの基礎部材や風力タービンタワーの製造に留まらず、海上輸送までも自社船舶でおこない納入するという一貫体制にはビックリ。さらに、輸送船の建造まで自社でおこなうという異次元の守備範囲。 出典:Dajin Heavy Industry 日本国内企業の大型甲板輸送船建造の動き 新造モジュール船のイメージ図出典:Mitsui O.S.K.Lines 出典:中国船舶重工股份有限公司 日本国内でも商船三井ドライバルクやNYKバルク・プロジェクトが洋上風力向けの部材を輸送することが出来る大型甲板輸送船を建造しており、商船三井ドライバルクは2024年4月にJFEエンジニアリングと海上運送契約締結を発表しています。 JFEエンジニアリングは岡山県笠岡市に国内初のモノパイル製造工場を建設し、2024年3月に完成。

2025年10月10日、中国のDajin Heavy Industry(大金重工)が建造する載貨重量トン数(DWT,Deadweight tonnage)4万トンの大型甲板輸送船「KING ONE」が進水しました。

14.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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ベトナムでNorwind Offshore向け新型ECV建造開始 ベトナムでNorwind Offshore向け新型ECV建造開始 出典:VARD 2025年10月6日、ベトナムのVard Vung TauでNorwind Offshore向けとなる新型ECV(Energy Construction Vessel:エネルギー建設船)の鉄鋼切断式(Steel Cutting Ceremony)がおこなわれ、建造を開始しました。 建造を開始したECVは、2024年8月にVardとNorwind Offshoreの創設者が一部所有するノルウェーの企業Wind Energy Constructionが建造契約締結を発表。鉄鋼切断式で掲げられている横断幕には建造番号 NB 985、船体設計 VARD 3 11、船名「NORWIND ENERGY」が記載されています。 船体寸法は長さ111.5m、幅22.4m、収容可能人員120人。動作補償機能(Motion Compensated)が付いたギャングウェイと150トン吊りのナックルブームクレーンを搭載。 2027年第2四半期に引き渡し予定。 エネルギー建設船(ECV)の主な特長 エネルギー建設船(ECV)は、再生可能エネルギーのさらなる開発を可能にする新しい船舶カテゴリーであり、VardとNorwind Offshoreが共同で開発したまったく新しい船種であるという。 建造契約締結時(2024年8月2日)、Vardのプレスリリースに掲載されている主な特長は以下の通り。 エネルギー建設船(ECV)の主な特長 電動制御の3D動作補償機能付きギャングウェイ搭載 150トン吊りの動作補償クレーン 全長 111.5m 幅 22.4m 120人収容可能 「SeaQ」と呼ばれる船舶に合わせた持続可能なソリューションを提供する機器搭載 エネルギー建設船(ECV)は、「VARD 3 11」という船体設計を採用しており、海底パイプラインの検査、保守、修理、海面上および海面下のインフラ建設と設置を含む、洋上風力および海底市場向けにカスタマイズされた設計。 「SeaQ」という搭載システムは、Vard子会社のVard Electroが提供する機器。Vardのウェブサイトに掲載されている情報によると、「SeaQ」自体は2013年に発売されたもので統合システム、船舶用電子機器、電気システムが含まれているという。 搭載されている「SeaQ」機器の概要 SeaQ Power:1MWh のエネルギー貯蔵システム SeaQ shore connection:港湾滞在のグリーン電力供給 SeaQ Bridge:すべてのシステムに統合 SeaQ Communication package: 通信パッケージ SeaQ Control system:オペレーターの海上業務を管理し、柔軟性とアクセス性が向上 SeaQ IAS:Integrated Automation System、統合自動化システム SeaQ ePMS:Power Management System、電力管理システム

2025年10月6日、ベトナムのVard Vung TauでNorwind Offshore向けとなる新型ECV(Energy Construction Vessel:エネルギー建設船)の鉄鋼切断式(Steel Cutting Ceremony)がおこなわれ、建造を開始しました。

14.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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契約総額546億円、完成間近だったMaerskの風力設置船契約解消 契約総額546億円、完成間近だったMaerskの風力設置船契約解消 出典:Maersk Offshore Wind 2025年10月10日、SeatriumはMaersk Offshore Wind向けとなる風力設置船(WIV,Wind Installation Vessel)の建造について契約解除通知を受領したと発表。 契約がおこなわれたのは、およそ3年半前の2022年3月23日。当時、Sembcorp Marineのグループ子会社であるSembcorp Marine Rigs & Floaters(現Seatrium Energy International)が契約締結し、契約総額は約4億7,500万米ドル、契約締結当時の為替相場で換算すると約546億円(1ドル=115円として換算)。 完成間近での解約通知、Seatriumは有効性について審査中 建造中の風力設置船は、Equinorがアメリカで進める洋上風力発電所「Empire Wind 1」に配備予定となっていることから、プロジェクトの事業者であるEquinorの子会社でアメリカに本拠を置くEmpire Offshore Windと協議の上、実行可能な解決策を検討するという。 アメリカのジョーンズ法に対応した機能を搭載しているという今までにない珍しい仕様が特長のMaersk Offshore Windの風力設置船は、2022年10月に鉄鋼切断式(First steel cutting)がおこなわれ建造開始。2025年4月には船体進水がおこなわれ、その後、1,900トン吊りメインクレーンや専用輸送船をドッキングする画期的なロックシステム設置が進められ、2025年10月10日の時点で建造プロジェクトは約98.9%完了。完成間近という状態。 約546億円という高価な作業船を完成間近でキャンセルすることは尋常でない。相応の理由があると思いますが、Seatriumは解約通知の有効性および記載されている申し立てについて審査中であるとした上で、解約通知に異議を申し立てる権利、および不当な解約に対するあらゆる救済措置を求めるための法的手続きを開始する権利を含め、契約に関する法的および商業的選択肢について検討を進めていると述べています。 汎用性がある一般的なSEP起重機船であれば他に買い手がつく可能性もありそうですけど、Maersk Offshore Windの風力設置船はジョーンズ法に対応したクセ強な仕様であるため、難しいのかもしれません。ユニークな施工方法は興味深いので、どうにか折り合いをつけて活躍する姿を見てみたい気持ちですが、どうなってしまうんでしょうか。今後の進展に注目。 Maersk Offshore Windの風力設置船 出典:Maersk Supply Service Maersk Offshore Windの風力設置船は、アメリカのジョーンズ法に対応した機能を搭載しているという今までにない珍しい仕様のSEP起重機船。船尾側にコの字型の切り欠きが設けられており、その部分にジョーンズ法に準拠した専用輸送船を係留して必要な部材を輸送。輸送船上のトレイに積まれた風力タービン部材をトレイごとリフトアップして荷受けするという仕組み。 風力設置船の船体寸法は長さ143m、幅83.2m、深さ11m。メインクレーンの最大吊り上げ能力は1,900トンで揚程180m(甲板上)のメインフックに加え、揚程190mの300トン吊り補助フックを備えている。 船名 未発表 クレーン能力 1,900トン 揚程 180m 長さ 143m 幅 83.2m 深さ 11m レグ長さ 118m スラスター アジマス 4,300kW×6基トンネル 900kW×2基 DPS DP2 速力 7ノット 甲板面積 4,000m2 甲板強度 7.5トン/m2 宿泊設備 100人 船籍 デンマーク 貨物押し込み・昇降システム(Cargo pushdown/Elevation system) 貨物昇降時の最大重量:5,000トン バージ押し込み量:2m 押し込み容量:9,200トン(アクティブ)、14,400トン(パッシブ) ジャッキ数:4基 Maersk Offshore Windの風力設置船で使用する専用輸送船は、アメリカのボリンジャー造船所(Bollinger Shipyards)で建造され、2026年に引き渡し予定。建造予定のタグボート2隻とバージ2隻については、Edison Chouest Offshore(ECO)が所有・運航をおこなうことが発表されています。Maersk Offshore Windのウェブサイトにはタグボートとバージの詳細情報がArticulated Tug/Barge(連結式タグ・バージ)として掲載されており、押船方式で連結した上でDPS-2の自動船位保持能力を有している。バージへの電力供給はタグから有線ケーブルによりおこなわれる仕組み。船体寸法などの要目は以下の通り。 専用輸送船 タグとバージの概要 船種 Barge 載貨重量トン数 7,044トン 長さ 68m 幅 36m 深さ 12m スラスター アジマス 1,350kW×2基トンネル 1,400kW×1基 DPS DPS-2(タグ・バージ連結時) 速力 6ノット(タグ・バージ連結時) 船籍 アメリカ 船種 Tug 総トン数 200トン未満 長さ 43.3m 幅 13.4m 深さ 7.5m スラスター アジマス 2,500kW×2基 DPS DPS-2(タグ・バージ連結時) 速力 6ノット(タグ・バージ連結時) 船籍 アメリカ

2025年10月10日、SeatriumはMaersk Offshore Wind向けとなる風力設置船(WIV,Wind Installation Vessel)の建造について契約解除通知を受領したと発表。

13.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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台湾の「Hai Long 2」で14MW風力タービン37基設置完了 台湾の「Hai Long 2」で14MW風力タービン37基設置完了 出典:Hai Long Offshore Wind 台湾西部の彰化県沖で建設が進められている「Hai Long 2 Offshore Wind」で14MW風力タービン37基の設置が完了しました。 「Hai Long Offshore Wind」(海龍洋上風力発電所)は、Northland Power、三井物産、Gentariで構成されるHai Long Offshore Wind Projectが3つのフェーズに分けて開発を進めている。2A(300MW)、2B(232MW)、3(512MW)では、Siemens Gamesaの14MW風力タービン「SG 14-222 DD」73基と洋上変電所2基を設置する計画。 「Hai Long 3」の14MW風力タービン36基は2026年に設置完了予定。すでに設置がおこなわれた風力タービンについては、2025年6月から段階的に台湾電力(Taipower)の送電網へ接続がおこなわれている。 Hai Long Offshore Wind Projectは、2026年までに再生可能エネルギー比率20%達成という台湾の政策目標に大きく貢献していると述べています。 台中工場で製造したナセル使用 Siemens Gamesaは、2021年に台湾中西部の台中港に建設した敷地面積約3万平方メートルの洋上向けナセル組立工場を3倍の約9万平方メートルに拡張する工事を実施。2022年9月に拡張工事に着手し、2024年に拡張工場は操業を開始。 「Hai Long Offshore Wind」で設置する「SG 14-222 DD」のナセルは拡張工事がおこなわれた台中工場で製造されています。 「BLUE WIND」「Green Jade」による設置作業 「Hai Long Offshore Wind」に最初の風力タービンを設置したSEP起重機船「BLUE WIND」

台湾西部の彰化県沖で建設が進められている「Hai Long 2 Offshore Wind」で14MW風力タービン37基の設置が完了しました。

10.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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ドイツ沖の「Gennaker」に設置する洋上変電所トップサイド ドイツ沖の「Gennaker」に設置する洋上変電所トップサイド オランダのフリシンゲン(Vlissingen)にあるSmuldersのヤードで建造している「Gennaker Offshore Wind Farm」向けとなる洋上変電所トッププサイドが建造ヤードから姿を現しました。 「Gennaker Offshore Wind Farm」は、ドイツのフィッシュラント=ダルス=ツィングシュト半島から北へ約15kmのバルト海でSkyborn Renewablesが開発を進めており、Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-236 DD」63基と洋上変電所2基を設置する計画で総発電容量は976.5MW。 このたび建造ヤードから姿を現した洋上変電所トップサイドは、設置する2基のうち西側のOSS Darßと呼ばれるもので、SmuldersがLinkedInに投稿した動画によると、トップサイドの大きさは長さ48m、幅25m、高さ19m、重量3,800トン。 洋上変電所はHSM Offshore Energy、Smulders、Ivで構成されるHSIコンソーシアムが建造を担当。サクションバケットを採用したジャケット基礎を含む洋上変電所2基の輸送・設置については、Allseasが50Hertzと契約をおこなっており、設置作業には「Pioneering Spirit」を使用する予定。 【動画】建造建屋から姿を現すOSS Darßトップサイド Gennaker Offshore Wind Farm 名称 Gennaker Offshore Wind Farm 設置位置 ドイツ フィッシュラント=ダルス=ツィングシュト半島から北へ約15km 発電容量 976.5MW 基礎構造 着床式、モノパイル タービンメーカー Siemens Gamesa 風力タービン 9MW → SG 14-236 DD 設置基数 103基 → 63基 運転開始 2028年 事業者 Skyborn Renewables その他 洋上変電所2基

オランダのフリシンゲン(Vlissingen)にあるSmuldersのヤードで建造している「Gennaker Offshore Wind Farm」向けとなる洋上変電所トッププサイドが建造ヤードから姿を現しました。

09.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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沼津港の遊覧船「ちどり」岸壁衝突事故について運輸安全委員会調査開始 沼津港の遊覧船「ちどり」岸壁衝突事故について運輸安全委員会調査開始 2025年10月5日15時30分ごろ、静岡県の沼津港で遊覧船「ちどり」が着岸時に岸壁へ衝突する事故が発生。 遊覧船「ちどり」を運航する千⿃観光汽船は事故について、10月5日と6日に自社のホームページ上で文章を掲載しています。掲載内容によると、事故当時の乗船人数は大人33名、子供4名、船員2名。乗客のうち18名と機関長1名が負傷。海上保安部による現場検証がおこなわれており、事故原因の詳細な調査が進められているという。操船をおこなっていた船長および機関長に加え、安全統括管理者を含めて引き続き全面的に調査協力するとした上で、今回の事故を重く受け止め、事故原因の究明および再発防止に全力で取り組むとともに、当面の間は運航休止とすることを明らかにしている。 10月7日には、運輸安全委員会の調査官3人が現場へ到着し、事故調査を開始。事故が起きた遊覧船「ちどり」の船内や岸壁を確認し、船長や機関長などから聞き取りを実施。今後、被害者への聞き取りも実施するという。 富士山を見ながら駿河湾クルーズ 千⿃観光汽船が運航する沼津港遊覧クルーズは、沼津港から駿河湾を周遊して富士山や沼津御用邸記念公園などを見ることが出来る約30分のクルーズ。料金は大人1,500円、3歳から小学生の小人750円。 月曜から金曜までの平日は、10時45分から15時までおよそ1時間の間隔で5便を運航。土日祝日は、平日の5便に10時、16時の2便を加えた7便を運航。事故が起きた10月5日は日曜日で発生時刻15時30分ということは、6便目に事故が起きたようです。事故前の便がすべて運航されていたかどうかは分かりませんが、事故発生前の運航状況は事故につながる不具合や兆候などが確認されていた可能性があるため、重要な調査ポイントになりそうな気がします。 遊覧船「ちどり」 遊覧船「ちどり」出典:千鳥観光汽船 船名 ちどり 総トン数 122トン 長さ 23.9m 旅客定員 200人 【動画】遊覧船「ちどり」岸壁衝突の瞬間

2025年10月5日15時30分ごろ、静岡県の沼津港で遊覧船「ちどり」が着岸時に岸壁へ衝突する事故が発生。

08.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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菱洋丸乗り揚げに関する事故調査報告書、原因は船橋を無人にしてトイレ 菱洋丸乗り揚げに関する事故調査報告書、原因は船橋を無人にしてトイレ 2025年10月2日、運輸安全委員会は愛媛県愛南あいなん町高茂こうも埼沖で起きた貨物船「菱洋丸」の乗り揚げ事故(2024年3月31日発生)に関する船舶事故調査報告書を発表しました。 リンク先 船舶事故調査報告書 | 貨物船菱洋丸乗揚(PDFファイル) 座礁による船体損傷で浸水した貨物船「菱洋丸」は沈没の可能性があったため、通報を受けた海上保安部の巡視艇により乗組員は全員救助。航行不能となり漂泊していた船体はタグボートにより高知県宿毛港へ曳航され、沈没や油流出といったさらなる2次被害が無く、負傷者などの人的被害が出なかったのは不幸中の幸い。 事故発生場所付近は、宇和島海上保安部が海上安全情報として水深が浅い ”沖ノ磯そ” と呼ばれる場所があることを注意喚起していました。事故当時、船橋当直にあたっていた航海士は ”沖ノ磯” の存在を知らなかったという。使用していたGPSプロッターは詳細表示にすると ”沖ノ磯” が表示されるものでしたが、広域表示になっていたため表示されていなかったことに加えて、単独で船橋当直にあたっていた航海士は便意を催したため、船橋を無人にしてトイレに行き、戻って来た時点で船の前方に岩が見えたそうですが、どうすることもできず ”沖ノ磯” に乗り揚げた。 航海士がトイレに行ってなかったとしても事故を未然に防げたかどうか微妙ですが、”航海士Bは、トイレから船橋に戻ったところ、船首方至近に岩が見えた” と記載されており、GPSプロッターの他にレーダーと電子海図表示装置を起動していたということなので針路上の障害物に気付き、回避行動をとれた可能性は十分あったと言える。 事故の経緯 貨物船「菱洋丸」の航行経路出典:「船舶事故調査報告書」(運輸安全委員会)(2025年10月02日公表) 貨物船「菱洋丸」は事故が起きる前日の2024年3月30日16時50分ごろ、珪石けいせき1,500トンを積んで大分県津久見港に向けて高知県高知港を出港。電子海図表示装置、GPSプロッター及びレーダー1台を起動して、レーダーのレンジを1.5Mに設定し、約9~10ノットの速力で航行していた。 船長は、3月31日01時ごろに船橋当直を航海士Aと交替して降橋したものの、02時40分ごろに高知県大月町柏島と蒲葵びろう島の間の狭水道航行に備えて再び昇橋し、手動操舵で同水道を通航した後、02時50分ごろ、電子海図表示装置にあらかじめ入力していた高茂埼南西方沖の沖ノ磯と呼ばれる岩礁の南方を通過し、大分県佐伯市水ノ子島付近に向ける予定針路線に沿って航行するよう、航海士Aに指示して降橋。 航海士Aは、船長が降橋した後、広域表示で沖ノ磯が表示されていないGPSプロッターを見ながら、自動操舵で針路を高茂埼南西方沖に設定した際、陸岸から離れた海域なので大丈夫と思い、電子海図表示装置に表示された予定針路線を確認しないまま北西進とした。航海士Aは、設定した針路が沖ノ磯に向いていることに気付かず、針路上の障害物の有無についての引継ぎをおこなわないまま、03時50分ごろに昇橋した航海士Bと船橋当直を交替して降橋。 航海士Bは、貨物船「菱洋丸」が電子海図表示装置に表示された予定針路線上を航行していると思い、事前に海図等により針路上の水路調査をおこなわず、沖ノ磯の存在を知らなかった。単独で船橋当直中の航海士Bは、便意を催しトイレに行くこととしたが、陸岸から離れた海域であるので針路上に浅所はないと思い、レーダーや電子海図表示装置等で針路上の障害物の有無の確認をおこなわず、針路が沖ノ磯に向いていることに気付かないまま船橋下のトイレに行った。航海士Bは、トイレから船橋に戻ったところ、船首方至近に岩が見えたが、どうすることもできず、04時00分ごろに貨物船「菱洋丸」は沖ノ磯に乗り揚げた。 船長は、衝撃を感じて昇橋し、携帯電話で海上保安庁に事故の発生を118番通報した後、損傷状況の調査をおこない、大洋海運株式会社(船舶所有者)に事故の発生を報告。沖ノ磯に乗り揚げた後もしばらく主機が停止されないまま進行したのち、機関室への浸水により主機が停止し、航行不能となった状態で漂泊中、来援した引船に曳航され高知県宿毛港に回航。 船名 菱洋丸 総トン数 499トン 長さ 73.43m 幅 11.5m 深さ 6.7m 建造年 1994年 船舶所有者 大洋海運株式会社 事故原因と再発防止策 船舶事故調査報告書のなかで事故原因について、夜間という状況のなか自動操舵で航行中に船橋当直中の航海士Bが、船位及び沖ノ磯の位置を確認しないまま船橋を無人にしたため、沖ノ磯に気付くのが遅れ、沖ノ磯に乗り揚げたものと考えられると述べられています。 事故発生時、船橋当直にあたっていた航海士Bは事故発生場所付近の海域を何度も航行した経験があったということですが、沖ノ磯の存在を知らなかった。航海士Aは沖ノ磯を知っていたが、航海士Bも知っているものと思い、航海士Bに沖ノ磯のことを話したこはなかったという。情報不足に加えて、航海士Bが船橋を無人とする際に休息中の乗組員に遠慮して昇橋を依頼しなかったことも要因として挙げられています。 事故分析として、船橋当直者が船橋当直を維持し、目視及び詳細表示としたGPSプロッターの確認など針路上の見張りを実施し、船橋当直者間で予定針路付近の浅所などの障害物情報を共有することにより、沖ノ磯への乗揚を回避できた可能性があるものと考えられると述べられている。 運輸安全委員会が2025年7月までに公表した船舶事故調査報告書によれば、沖ノ磯周辺で水路や自船の位置が確認されないまま航行を続けて乗揚に至った事故が、2010年6月以降、本事故以外に4件発生しているそうです。 今後の同種事故等の再発防止に役立つ事項 船橋当直者は、GPSプロッター等の表示を適宜切り替えるなどして、針路上に浅所などの障害物がないか確認すること 船橋当直者は、船橋を離れる際は、他の乗組員に昇橋を依頼して、船橋を無人とせず、常時見張りを行うこと 船橋当直者は、予定針路付近の浅所などの障害物が存在する海域について、船橋当直者間で情報を共有しておくこと

2025年10月2日、運輸安全委員会は愛媛県愛南町高茂埼沖で起きた貨物船「菱洋丸」の乗り揚げ事故(2024年3月31日発生)に関する船舶事故調査報告書を発表しました。

07.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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ドイツ沖のWindankerで「Svanen」によるモノパイル設置開始 ドイツ沖のWindankerで「Svanen」によるモノパイル設置開始 出典:Iberdrola 2025年10月1日、Iberdrolaはドイツ沖の「Windanker offshore wind farm」で最初のモノパイルが完了したことを発表しました。 「Windanker offshore wind farm」ではSiemens Gamesaの15MW風力タービン21基を設置する計画で、総発電容量は315MW。2026年に運転開始が予定されている。 NavantiaとWindar Renovablesによって製造されたモノパイルは、最大で長さ84m、直径10m、重量2,100トン。そして、モノパイル設置作業をおこなったのは、Van Oordの特殊杭打ち船「Svanen」。 出典:Iberdrola Windanker offshore wind farm 「Windanker offshore wind farm」は、ドイツのリューゲン島沖に位置するバルト海でSiemens Gamesaの出力15MW風力タービン21基を設置する計画。総発電容量は315MW。2026年第4四半期に運転開始予定。 事業者は、Iberdrolaと日本の関西電力(KEPCO)。出資比率はIberdrola 51%、関西電力 49%。関西電力は、2024年12月に株式売買契約を締結してプロジェクトに参画。

2025年10月1日、Iberdrolaはドイツ沖の「Windanker offshore wind farm」で最初のモノパイルが完了したことを発表しました。

06.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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1,600トン吊りSEP起重機船「屹海一号」引き渡し 1,600トン吊りSEP起重機船「屹海一号」引き渡し 2025年9月26日、江蘇省南通市で1,600トン吊りSEP起重機船「屹海一号」(Yi Hai Yi Hao)の命名・引き渡し式がおこなわれました。 SEP起重機船「屹海一号」は引き渡し後、台湾の合騏工業股份有限公司の子会社にあたる屹海風電科技股份有限公司が運航する予定。2024年5月に設立した屹海風電科技は、台湾に本社を置き洋上風力発電船団を運営する海事サービス会社。フリート拡張計画として、SEP起重機船の取得に続き、2026年から2028年の3年間で多目的支援船を毎年1隻ずつ建造し、洋上エンジニアリング実施能力を継続的に強化する計画を明らかにしている。 1,600トン吊りSEP起重機船「屹海一号」の概要 1,600トン吊りSEP起重機船「屹海一号」出典:屹海風電科技股份有限公司 SEP起重機船「屹海一号」の船体寸法は長さ123.55m、幅48m、深さ9.5m、レグ長さ120mで最大作業水深は70m、宿泊設備は100人分。最大吊り上げ能力1,600トンのメインクレーンを搭載しており、1,600トン吊りのメインフックは揚程150m、ブーム先端にある350トン吊りの補助フックは揚程170m。 船尾に2,400kWのアジマススラスター3基と船首に2,000kWのトンネルスラスター2基を搭載しており、航行速力は7.5ノット、DPS(自動船位保持装置)の階級はDP2。 甲板強度15トン/m2、3,500m2の貨物スペースには14MW風力タービン2基分の部材を積載可能。 報じられている情報によると、建造費用は約9億3,400万元、日本円に換算すると約196億円。 船名 屹海一号 クレーン能力 メイン:1,600トン補助:500トン 揚程 メイン:150m(甲板上)補助:170m(甲板上) 長さ 123.55m 幅 48m 深さ 9.5m 貨物スペース 3,500m2 甲板強度 15トン/m2 スラスター アジマス 2,400kW 3基トンネル 2,000kW 2基 速力 7.5ノット DPS DP2 宿泊設備 100人 なぜか日本の石垣島へ SEP起重機船「屹海一号」のAIS情報を確認すると、9月28日に江蘇省南通市を出発した後、10月2日に日本の石垣島へ来ていました。AISの船名は「Yi Hai Yi Hao」ではなく「ARTEMIS 1」となっていますが、IMO番号は同一なので間違いないと思われます。石垣島へ寄港した理由は分かりません。 SEP起重機船「屹海一号」は、10月2日同日に石垣島を出発して台湾の安平港へ向かっていました。到着予定は10月5日。

2025年9月26日、江蘇省南通市で1,600トン吊りSEP起重機船「屹海一号」(Yi Hai Yi Hao)の命名・引き渡し式がおこなわれました。

03.10.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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台湾北部で座礁した輸送船「钰洲启航」322日後に現場離脱 台湾北部で座礁した輸送船「钰洲启航」322日後に現場離脱 離礁した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)出典:交通部航港局 2025年9月17日、台湾北部の野柳(Yeliou)で座礁した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)が再浮上して離礁後に現場を離脱しました。 2024年10月30日に座礁してから、再浮上・曳航開始までに要した日数は322日。座礁により積載していたコンテナクレーン3基のうち1基が倒壊したことに加えて、船体は右舷側に傾き甲板も部分的に水面下に沈んでしまった状態となり、当初から困難なサルベージ作業が予想されていました。 ずっと気になっていたので無事に作業が進められたことにひと安心。離礁した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」の甲板上に積まれていたコンテナクレーンは綺麗に無くなっており、船体も水平になっています。座礁場所の陸側には約50トンの残骸が残されており、引き続き撤去がおこなわれる予定。重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」は、韓国へ曳航され、廃船になる予定であることが報じられています。 重量物運搬船「钰洲启航」の事故に関するタイムライン 重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」の航跡(時刻は台湾時間) 重量物運搬船「钰洲启航」の事故に関するタイムライン 2024年10月14日 台湾北部の基隆港でコンテナクレーンと衝突し、倒壊事故発生 関連 台湾北部の基隆港で運搬船が接触してコンテナクレーン倒壊 10月29日 基隆港を出港後、野柳の海岸に座礁 積荷のコンテナクレーン3基のうち1基倒壊、船内には約290トンの油が積まれた状態 関連 台湾でコンテナクレーンを倒した運搬船が台風により座礁 11月8日 油抜き取りをおこなう作業船が基隆港へ到着 11月8日に多目的船「ORIENT CONSTRUCTOR」、9日に多目的船「MMA CRYSTAL」到着 関連 台湾北部で座礁した運搬船の油抜き取り作業、間もなく開始 11月25日 重油5トンの抜き取り 2025年1月14日 船内の油284トン抜き取り完了 4月 甲板上に積まれたコンテナクレーン3基の撤去に着手 2025年9月上旬に撤去完了 9月14日 船体再浮上、離礁 9月17日 韓国への曳航開始 座礁した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)に積まれていたコンテナクレーン3基はもともと基隆港(Keelung Port)に設置予定だった。しかし、2024年10月14日の基隆港入港時、港内に設置されていたコンテナクレーンと衝突し、倒壊事故を起こしている。この事故により、損傷した積荷のコンテナクレーンは修理が必要となったため、そのままの状態では設置することが出来ないことからコンテナクレーン3基を積んだまま、10月29日7時頃(台湾時間)に基隆港を出港。 重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」は出港直後に航行不能となり、基隆港から約10km沖合の新北市野柳沖で漂流。海岸から約0.5海里(約1km)の位置で投錨し、船を停泊。船に乗船していた17人の乗組員は、10月29日に全員が救助され避難できたようですが、船は無人の状態に。そして、台風21号による風速13m/s以上の強風と波高16フィート(約5m)の波浪によって走錨し、座礁。 船内に積まれている油を抜き取る作業は座礁して間もない2024年11月に開始されましたが、284トンの抜き取りが完了したのは2025年1月14日。船体浮上に向けた積荷のコンテナクレーンを撤去する作業は、海象状況の悪い冬場を避けて2025年4月に開始。そして、座礁により損傷した船体の補修や水密処理、加圧、油タンクの清掃などをおこない、2025年9月14日に船体を再浮上させて離礁に成功。離礁後、すぐに曳航を開始せず、付近の水深が深い場所へ移動して船体の安定性を確認するため48時間の状況観察を実施。 第3者機関による船体の安定性と曳航安全要件を満たしていることが確認された後、2025年9月17日午後、重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」は廃棄のため韓国へ曳航を開始。 重量3,000トンを超えるコンテナクレーン撤去時の詳細は掲載されていませんが、離礁した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」の横に抱いている台船上のクローラークレーンで分割撤去をおこなったものと思われます。 座礁して間もない重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)出典:交通部航港局(2024年11月5日掲載) 油の抜き取りが完了した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)出典:交通部航港局(2025年1月14日掲載)

2025年9月17日、台湾北部の野柳(Yeliou)で座礁した重量物運搬船「YU ZHOU QI HANG」(钰洲启航)が再浮上して離礁後に現場を離脱しました。

02.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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台湾でマーシャリング作業を実施したリングクレーン「SK350」 台湾でマーシャリング作業を実施したリングクレーン「SK350」 出典:Mammoet 台湾の「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」(大彰化2b&4洋上風力発電所)において風力タービン基礎として採用されているサクションバケットジャケットのマーシャリング作業をおこなったMammoetのリングクレーン「SK 350」。 マーシャリング作業がおこなわれた拠点港は台湾西部の台中港。出力14MWというSiemens Gamesaの「SG 14-236 DD」を支えるサクションバケットジャケットは高さ80m、重量2,400トン。巨大なジャケットを取り扱うリングクレーン「SK 350」の最大吊り上げ能力は5,000トン。 Mammoet と台湾の Giant Heavy Machinery Service の合弁会社 Mammoet-Giant Taiwan は、「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」の事業者であるØrstedからマーシャリング作業について選ばれていました。 「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」は、台湾中西部の彰化県沖に出力14MWの風力タービン66基を設置する計画で総発電容量は920MW。 マーシャリング作業とは? マーシャリング作業とは、港内で資機材などに関して搬入時の荷受けや積み出しに伴う揚重、ヤード内での運搬作業のことをいう。洋上風力以外でもコンテナを取り扱う業務で、ヤード内においてコンテナ船への揚げ積みプランに基づき、あらかじめコンテナを配列することをマーシャリング作業というそうです。”marshalling”には、整列・整理する、集めるといった意味がある。

台湾の「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」(大彰化2b&4洋上風力発電所)において風力タービン基礎として採用されているサクションバケットジャケットのマーシャリング作業をおこなったMammoetのリングクレーン「SK 350」。

01.10.2025 01:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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洋上風力タービンを襲う猛烈な台風18号「ラガサ」の映像 洋上風力タービンを襲う猛烈な台風18号「ラガサ」の映像 中国の明陽智能(MingYang Smart Energy)は、広東省から海南省にかけて台風18号「ラガサ」(RAGASA)の進路上にある1,345基の風力タービンすべてが無傷だったことを明らかにしました。 LinkedInへの投稿には、台風18号「ラガサ」の波浪を受ける洋上風力タービンの映像が3つ紹介されています。映像が投稿されているのは、世界最大の単一容量となる16.6MW(8.3MW×2)浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」、養殖漁業用のネットケージシステムを備えたジャケットに12MWの風力タービンを搭載した「明渔一号」、5.5MW「MySE5.5-155」を搭載した世界初の台風耐性浮体式風力タービン「三峡引領号」の3つ。 台風18号「ラガサ」 出典:気象庁ホームページ | 台風経路図 令和7年(2025年)第18号( 2025年9月18日にフィリピンの東の海上で発生した台風18号「ラガサ」は発達しながら北西へと進み、9月22日に中心気圧905hPa、最大風速55m、強風域(風速15m/s以上)半径500km、暴風域(風速25m/s以上)半径220kmという大型で猛烈な台風へと成長。 明陽智能の投稿動画に映る風力タービンが設置されている山東省南部に台風18号「ラガサ」が最接近したのは、9月24日午後のちょうど上陸した時くらい。その時点で中心気圧950hPa、最大風速45m/sで非常に強い状態。 出典:気象庁ホームページ | 台風位置表 令和7年(2025年)第18号( 台風の強さと大きさの階級分けについて 階級 最大風速 強い 33m/s以上 ~ 44m/s未満 非常に強い 44m/s以上 ~ 54m/s未満 猛烈な 54m/s以上 台風の ”強さ” の階級分け 階級 強風域(風速15m/s以上)の半径 大型(大きい) 500km以上~800km未満 超大型(非常に大きい) 800km以上 台風の ”大きさ” の階級分け 浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」 出典:Ming Yang Smart Energy ジャケットに養殖漁業用のネットケージシステムを備えた「明漁一号」 出典:Ming Yang Smart Energy 風力タービンは無事だったということですが、ジャケット下部のネットや養殖魚は被害が出ていてもおかしくなさそう。 世界初の台風耐性浮体式風力タービン「三峡引領号」 出典:Ming Yang Smart Energy

中国の明陽智能(MingYang Smart Energy)は、広東省から海南省にかけて台風18号「ラガサ」(RAGASA)の進路上にある1,345基の風力タービンすべてが無傷だったことを明らかにしました。

30.09.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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東洋建設に対する大成建設のTOB成立 東洋建設に対する大成建設のTOB成立 2025年9月25日、大成建設は東洋建設に対する株式公開買い付け(TOB,take-over bid)の結果を公表しました。 大成建設が実施していたTOBの買付予定数は、東洋建設の発行済株式総数 94,371,183株に対して東洋建設が所有する自己株式数44,708株を除いた株式数から主要株主である前田建設工業株式会社が所有する19,047,510株を控除した75,278,965株が対象。 大成建設は、TOBにおいて応募株券等の数の合計が買付予定数の下限33,035,700株に満たない場合、応募株券等の全部の買付け等をおこなわない旨の条件を付していましたが、2025年8月12日からのTOBに58,305,532株の応募があり、買付予定数の下限以上となったため、応募株券等の全部の買付け等をおこなうという。買い付け価格は1株当たり1,750円で取得価格は、1,020億3,468万円。 TOBの成立を踏まえ、大成建設は東洋建設の株主を大成建設及び前田建設工業のみとし、スクイーズアウトと呼ばれる株式を非公開化するための一連の手続を実施する予定。所定の手続き後、東洋建設は上場廃止となり、TOBの決済を開始する9月30日付で東洋建設は大成建設の連結子会社になる予定。

2025年9月25日、大成建設は東洋建設に対する株式公開買い付け(TOB,take-over bid)の結果を公表しました。

29.09.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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CadelerのSEP起重機船「Wind Ally」引き渡し CadelerのSEP起重機船「Wind Ally」引き渡し 出典:Cadeler 2025年9月25日、Cadelerは中国の江蘇省 啓東市にある中遠海運重工(COSCO Shipping Heavy Industry)で建造していたA-class1隻目となるSEP起重機船「Wind Ally」の引き渡しがおこなわれたことを発表しました。 SEP起重機船「Wind Ally」は、Cadelerが保有するSEP起重機船として9隻目。就航後は、Ørstedが開発を進める北海の「Hornsea 3 offshore wind farm」でモノパイル基礎の輸送・設置(T&I:Transport and Installation)に従事する予定。 船名 建造番号 クレーン能力 着工 起工 進水 引き渡し(予定) Wind Peak(P-class①) N1063 2,600トン 2022年6月 2023年7月 2024年1月 竣工 2024年8月 Wind Pace(P-class➁) N1064 2,600トン 2023年2月 2024年2月 2024年6月 竣工 2025年3月 Wind Ally(A-class①) N1130 3,300トン 2023年9月 ? 2025年1月 竣工 2025年9月 Wind Ace(A-class➁) N1131 3,000トン以上 2024年7月 2025年9月 ― (2026年第3四半期) Wind Apex(A-class③) N1149 未公表 2025年7月 ― ― (2027年上半期) Wind Maker(M-class①) No.3306 2,600トン ? 2024年3月 2024年6月 竣工 2025年1月 Wind Mover(M-class➁) No.3307 2,600トン ? 2024年11月 ― (2025年第4四半期) CadelerのP-calss、A-class、M-classの建造進捗および建造予定 3,300トン吊りSEP起重機船「Wind Ally」 出典:Cadeler CadelerのA-class1隻目にあたるSEP起重機船「Wind Ally」。A-classは、洋上風力タービンと基礎の大型化と複雑化に対応するために設計されている。 Cadelerのプレスリリースによると、SEP起重機船「Wind Ally」に搭載されているメインクレーンの吊り上げ能力は作業半径39mで3,300トン以上だという。さらりと説明されていましたが、SEP起重機船として3,300トンのクレーン能力は世界最大。 甲板スペースは5,600m2で積載量は18,000トン以上。最大130人を収容可能。15MWの風力タービン7セットまたはXXLモノパイル6基を自船に積んで輸送・設置することが出来る。この効率性により、輸送回数と総所要時間が削減され、設置作業の効率が向上し、プロジェクト全体の安全性と持続可能性が向上。 そして、A-classに施されたハイブリッド設計により、基礎設置と風力タービン設置の迅速な切り替えが可能。これについては、どのような仕組みのことを指しているのか未だに不明。

2025年9月25日、Cadelerは中国の江蘇省 啓東市にある中遠海運重工(COSCO Shipping Heavy Industry)で建造していたA-class1隻目となるSEP起重機船「Wind Ally」の引き渡しがおこなわれたことを発表しました。

26.09.2025 01:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

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