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ちはつちワンドロワンライのBluesky版です。 Xの不調が酷過ぎるので当面の間こちらを本拠地とします。 2024.10〜 こちらは『ちはつちワンドロワンライ』のページです。開催日は4週ごと土曜日となっております。 リットリンクにルール記載ございますのでお読みください。 https://lit.link/chtc1d1w 専用投稿タグ #ちはつちワンドロワンライ

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#ちはつちワンドロワンライ
第13回お題 『ひまわり』をお借りしました!
素敵なお題ありがとうございます❣
推しCPはひまわり畑でデートさせたい😊💞

27.08.2025 14:04 — 👍 9    🔁 2    💬 0    📌 0
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#ちはつちワンドロワンライ
第13回 ちはつちワンドロワンライ
お題発表の日となりました。

お題は以下の三つとなります。

『ひまわり/甲子園/夏季休暇』

期間:2025/8/6(水)~2025/9/2(火)

↓ルールはこちらです
https://lit.link/chtc1d1w

06.08.2025 13:04 — 👍 1    🔁 2    💬 0    📌 0
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#ちはつちワンドロワンライ
第12回 お題『七夕』をお借りしました🎋💫
素敵なお題をありがとうございます

ちはつち七夕デート🧡💜
天の川と流星、蛍を添えて

06.07.2025 23:15 — 👍 9    🔁 4    💬 0    📌 0
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#ちはつちワンドロワンライ
第12回 ちはつちワンドロワンライ
お題発表の日となりました。

お題は以下の三つとなります。

『七夕/期末試験/地区予選』

期間:2025/7/2(水)~2025/8/5(火)

↓ルールはこちらです
https://lit.link/chtc1d1w

尚今回のお題に七夕を入れたのは中の人ネタです…画像もw(それは8月とか言わないw)

30.06.2025 10:41 — 👍 1    🔁 1    💬 0    📌 0
更新履歴

2025/1/26;2週→4週ごとに変更
2025/5/28;X不調とその対策として週末から水曜更新に変更
2025/6/30;季節行事の都合により月1、第一水曜日更新へ変更

更新履歴 2025/1/26;2週→4週ごとに変更 2025/5/28;X不調とその対策として週末から水曜更新に変更 2025/6/30;季節行事の都合により月1、第一水曜日更新へ変更

#ちはつちワンドロワンライ 本部です。
画像の通りにお題投稿頻度を再度変更いたします。
理由といたしましては月1の方がお題更新時に被りなどがないためです。何度も変更して申し訳ありません。

次回お題は7/2とします。
次のポストにて事前に提出いたします。

30.06.2025 10:32 — 👍 2    🔁 1    💬 1    📌 0
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#ちはつちワンドロワンライ
第11回お題 『グラウンド整備』をお借りしました
今月もありがとうございます😊

トンボでウィッチウォッチごっこしてる
ちはつち🧡💜と、入りたがってるケイちゃんと
フジコA顔のあおいちゃん
(トンボでこんなことしないと思うけど)

09.06.2025 13:43 — 👍 6    🔁 3    💬 1    📌 0
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#ちはつちワンドロワンライ
お題『ハロウィン』

ちはつち+ケイちゃんで和装ハロウィン

キツネの嫁入り🦊

08.11.2024 15:00 — 👍 6    🔁 3    💬 0    📌 1
ちはつちワンドロワンライ
 第2回お題:『花言葉』です。
忘却バッテリー、千早瞬平×土屋和季の小説です。

小手指高校の修学旅行は例年2年生の秋頃行われる。今年の行先は京都・奈良。ただいま僕らを始めとした2年生は旅行中である。
 僕は同じ野球部の佐藤くん、鈴木くんと一緒に、班行動を一緒にしていた。本当は女子も一緒だったんだけども、舞妓さん体験がしたいとかで、着いていく訳にも行かずに、あらかた計画した名所は巡ったことだしで緩やかな解散、そして僕はお土産を買いに、扇子屋さんに居た。
「あ、どう? 土屋くん? 見つかりそう?」
 佐藤くんが少し下がり眉の笑顔で僕に小声で話し掛けてくる。僕はもう10分以上、男扇子の売り場で悩んでいたので。
「んー、ごめん、あと5分だけ!」
 扇子の群れから目を離し、手を合わせ、謝罪をする。
「ああいいよいいよ、集合時間までまだ1時間以上もあるからさ。それじゃ僕は鈴木くんと一緒に、さっきのところで八つ橋とか買ってくるね?」
「うんー、ごめんね、よろしく!」
 佐藤くんが去った後、すぐにまた真剣に目当ての扇子探しに戻っていた。むむむ、なかなかこれぞ! ってものは見つからないんだよねえ。
 千早君をイメージした、出来ればお花の扇子。
「男物って、何だか竹とか龍とか、ちょっと勇ましすぎるんだよねえ。」
「お兄さん、男物で花柄をお探しかい?」
「うわっと?! あ、ごめんなさい」
 いつの間にか独り言を呟いてたせいか、店主らしきおじさんが近付いてきて、二本の扇子を渡してくれた。
「こっちは『糸菊』、こっちは『おもだか』だ。

ちはつちワンドロワンライ 第2回お題:『花言葉』です。 忘却バッテリー、千早瞬平×土屋和季の小説です。 小手指高校の修学旅行は例年2年生の秋頃行われる。今年の行先は京都・奈良。ただいま僕らを始めとした2年生は旅行中である。  僕は同じ野球部の佐藤くん、鈴木くんと一緒に、班行動を一緒にしていた。本当は女子も一緒だったんだけども、舞妓さん体験がしたいとかで、着いていく訳にも行かずに、あらかた計画した名所は巡ったことだしで緩やかな解散、そして僕はお土産を買いに、扇子屋さんに居た。 「あ、どう? 土屋くん? 見つかりそう?」  佐藤くんが少し下がり眉の笑顔で僕に小声で話し掛けてくる。僕はもう10分以上、男扇子の売り場で悩んでいたので。 「んー、ごめん、あと5分だけ!」  扇子の群れから目を離し、手を合わせ、謝罪をする。 「ああいいよいいよ、集合時間までまだ1時間以上もあるからさ。それじゃ僕は鈴木くんと一緒に、さっきのところで八つ橋とか買ってくるね?」 「うんー、ごめんね、よろしく!」  佐藤くんが去った後、すぐにまた真剣に目当ての扇子探しに戻っていた。むむむ、なかなかこれぞ! ってものは見つからないんだよねえ。  千早君をイメージした、出来ればお花の扇子。 「男物って、何だか竹とか龍とか、ちょっと勇ましすぎるんだよねえ。」 「お兄さん、男物で花柄をお探しかい?」 「うわっと?! あ、ごめんなさい」  いつの間にか独り言を呟いてたせいか、店主らしきおじさんが近付いてきて、二本の扇子を渡してくれた。 「こっちは『糸菊』、こっちは『おもだか』だ。

オモダカは、ここ、こう、葉の部分が矢尻に似てるだろ? だから、『勝ち草』とも呼ばれていて、戦国武将も好んだもんさ」
 そう言って、片方の扇子を開いて見せ、説明してくれた。黒の骨に、白地の、墨と金の垂らしこみでちょっと渋い植物柄だった。僕はハッとして、
「これ、ください!!」
 って思わず言っていた。おじさんはぱたん、と扇子を畳みながら
「良いけど、花柄探してたって事は、誕生日プレゼントとかそういうのかい? それとも花言葉?」
「あ、えーと、本当は9月28日の誕生花で、シオンかフジバカマが無いかなって思ってたんですけども…でも、これにします。多分コレがピッタリだと思います」
「そうかい、それなら良かった。念の為、花言葉も教えとこうか。――だ」
 おじさんは僕に耳打ちして、花言葉を教えてくれた。まさに、そう、僕の気持ちにピッタリだ。食い気味でぺこりとお辞儀をし、購入の意を伝える。
「お願いします!」
「結構高価な物だけど、大丈夫かい?」
 値札には、1万を超えた値段が着いている。確かに当初考えていた、5千円から7千円くらいで、の予算はオーバーしているが、これ以上のものは多分無いし、元々ちょっとお小遣いは多目に貰っていた。
「はい、全然大丈夫です!」
 そうやってテキパキと、おじさんはその『オモダカ』の扇子を袋に仕舞い、箱に詰めて、「リボンでいいかい?」と聞き、「はい」と応えると

オモダカは、ここ、こう、葉の部分が矢尻に似てるだろ? だから、『勝ち草』とも呼ばれていて、戦国武将も好んだもんさ」  そう言って、片方の扇子を開いて見せ、説明してくれた。黒の骨に、白地の、墨と金の垂らしこみでちょっと渋い植物柄だった。僕はハッとして、 「これ、ください!!」  って思わず言っていた。おじさんはぱたん、と扇子を畳みながら 「良いけど、花柄探してたって事は、誕生日プレゼントとかそういうのかい? それとも花言葉?」 「あ、えーと、本当は9月28日の誕生花で、シオンかフジバカマが無いかなって思ってたんですけども…でも、これにします。多分コレがピッタリだと思います」 「そうかい、それなら良かった。念の為、花言葉も教えとこうか。――だ」  おじさんは僕に耳打ちして、花言葉を教えてくれた。まさに、そう、僕の気持ちにピッタリだ。食い気味でぺこりとお辞儀をし、購入の意を伝える。 「お願いします!」 「結構高価な物だけど、大丈夫かい?」  値札には、1万を超えた値段が着いている。確かに当初考えていた、5千円から7千円くらいで、の予算はオーバーしているが、これ以上のものは多分無いし、元々ちょっとお小遣いは多目に貰っていた。 「はい、全然大丈夫です!」  そうやってテキパキと、おじさんはその『オモダカ』の扇子を袋に仕舞い、箱に詰めて、「リボンでいいかい?」と聞き、「はい」と応えると

しゅるしゅるとリボンがけをして、紙袋に入れてくれた。お金を渡し、そのままその紙袋を手渡された。
「はい、ありがとさん。よぅわからんが頑張りー」
「はい、本当にありがとうございました!」
 
 先程居たお菓子屋さんに行くと、佐藤くんと鈴木くんも今ちょうど買い終わったところみたいで、手を挙げて合図をしてくれた
「あ、土屋くーん! どう? 買えた?」
「うん、バッチリ!」
「うんうん、買えてよかったねぇ千早くんへのお土産も」
 こうして僕は千早くんへのお土産を購入した!(テッテレー♪)
 ***
「ち・は・や・君! ちょっとこっちに来て?」
「どうしましたか土屋さん?」
 旅行から帰宅した翌日、野球部の皆でいつものように屋上でお昼を食べていて。お土産もそこで八つ橋とかを皆に渡し、また必勝祈願のお守りなんかも配り終えたあと、ちょっと落ち着いて、めいめいが何となくダラっとバラけてきた頃、ちょっと千早くんを皆から離れたところへ呼び出した。
「あ、これ、京都のお土産。千早君にだけ、トクベツっ!」
 紙袋ごとえいっと渡す。受け取った千早くんは
「え、桐箱の扇子?! す、凄い! ありがとうございます!! わあ、カッコイイですねえ」
 驚いたように、でも嬉しそうに早速扇子を開いて見せてきた。仰いでみせてもきて、ひっくり返

しゅるしゅるとリボンがけをして、紙袋に入れてくれた。お金を渡し、そのままその紙袋を手渡された。 「はい、ありがとさん。よぅわからんが頑張りー」 「はい、本当にありがとうございました!」    先程居たお菓子屋さんに行くと、佐藤くんと鈴木くんも今ちょうど買い終わったところみたいで、手を挙げて合図をしてくれた 「あ、土屋くーん! どう? 買えた?」 「うん、バッチリ!」 「うんうん、買えてよかったねぇ千早くんへのお土産も」  こうして僕は千早くんへのお土産を購入した!(テッテレー♪)  *** 「ち・は・や・君! ちょっとこっちに来て?」 「どうしましたか土屋さん?」  旅行から帰宅した翌日、野球部の皆でいつものように屋上でお昼を食べていて。お土産もそこで八つ橋とかを皆に渡し、また必勝祈願のお守りなんかも配り終えたあと、ちょっと落ち着いて、めいめいが何となくダラっとバラけてきた頃、ちょっと千早くんを皆から離れたところへ呼び出した。 「あ、これ、京都のお土産。千早君にだけ、トクベツっ!」  紙袋ごとえいっと渡す。受け取った千早くんは 「え、桐箱の扇子?! す、凄い! ありがとうございます!! わあ、カッコイイですねえ」  驚いたように、でも嬉しそうに早速扇子を開いて見せてきた。仰いでみせてもきて、ひっくり返

したりととっても嬉しそうだ。
「ところでこの柄はなんです? 男物で植物柄は竹とか以外は珍しいですけども」
「えっとね、それは『オモダカ』って言ってね…勝利の模様なんだって。あとね、――」
 同じくらいの高さの千早くんの耳に向かって、こっそり花言葉も伝えた。
 
 ――「信頼」「高潔」「秘めたる慕情」、ですっ…!
 
 思わず全部言い終わった後、恥ずかしさの余りに顔が熱くなり、思わず飛び上がりそうになってしまっていた。
 気が付くと、千早くんの方も真っ赤になって、パタパタと扇子を仰いでいた。早速役に立っちゃったみたい。
「あー、暑いですねぇ。急に夏日ですかね?!」
「あー、ハハ。そ、そーかも?!」
 僕も思わず手でパタパタと仰ぐ。見兼ねてか千早くんが僕も仰いでくれた。すずしい。
 
「つ、土屋さん! 今度からはこういうのは、ウチでやりましょーか?」
「う、うん、そーだね?!」
 お互いにしどろもどろで目が合わせられない。
 だけど皆にこっそりと手を繋いで、何だかお土産をあげた側なのに、とっても嬉しかったな。
 
(おしまい)

したりととっても嬉しそうだ。 「ところでこの柄はなんです? 男物で植物柄は竹とか以外は珍しいですけども」 「えっとね、それは『オモダカ』って言ってね…勝利の模様なんだって。あとね、――」  同じくらいの高さの千早くんの耳に向かって、こっそり花言葉も伝えた。    ――「信頼」「高潔」「秘めたる慕情」、ですっ…!    思わず全部言い終わった後、恥ずかしさの余りに顔が熱くなり、思わず飛び上がりそうになってしまっていた。  気が付くと、千早くんの方も真っ赤になって、パタパタと扇子を仰いでいた。早速役に立っちゃったみたい。 「あー、暑いですねぇ。急に夏日ですかね?!」 「あー、ハハ。そ、そーかも?!」  僕も思わず手でパタパタと仰ぐ。見兼ねてか千早くんが僕も仰いでくれた。すずしい。   「つ、土屋さん! 今度からはこういうのは、ウチでやりましょーか?」 「う、うん、そーだね?!」  お互いにしどろもどろで目が合わせられない。  だけど皆にこっそりと手を繋いで、何だかお土産をあげた側なのに、とっても嬉しかったな。   (おしまい)

#ちはつちワンドロワンライ
第2回お題:『花言葉』です。
実際にこの扇子を見つけられてやっと出来たー!って感じで自分で設定したのに難しいお題でした;
なおXにも同じものを上げています。
itotsune.co.jp/?pid=145832783

1年目秋頃、修学旅行のお土産を渡すお話です。二人はお付き合いしてます。

14.11.2024 14:42 — 👍 5    🔁 2    💬 1    📌 0
忘却バッテリーのBLカップリング、千早×土屋の小説が書かれています。ご注意下さい。
『ちはつちワンドロワンライ』というWeb上の催しによる、第二回お題『文化祭・学園祭』です。

「今日は小手指高校へ来てくれてありがとうーー!! 楽しんで行ってね! それじゃ今日は小手指高校吹奏楽部と、軽音楽部の皆の演奏と、合唱部のコーラスで、歌っていくよー! みんな、着いてきてーーーー!! マクロスフロンティアより、『星間飛行』!!」
 バックバンドにより印象的なイントロが流れ、それに合唱部の女声数人が間奏部分の歌詞を歌う。その中で、歌姫・ランカに扮した土屋さんが、ステージ袖から出てきた。ご丁寧にスポットライトも浴びせられる。衣装は、『文化祭までに予習しといて!』って渡されたDVD、マクロスフロンティア劇場版『サヨナラノツバサ』の、最終決戦衣装、ウィッシュ・オブ・ヴァルキュリア。ランカの衣装だ。そうして始まったのは星間飛行。映画でも流れてたっけ…
 
 流れ始めた歌に、事前に集合していた以外の観客達は最初は面白半分と言った感じの風情で人が集まって来ていたが、やがて歌姫・土屋さんの歌に吸い寄せられるかのように、人だかりが出来ていた。
「あーなたと生きたいー キラッ✩」
 よそ見をしていた事を咎められるかのように、一瞬だけ最後尾の俺の方を向き、親指・人差し指・小指を立てつつバチリ、とウインクを飛ばしてきた。
「っ?!」
 どくん。胸が思いっきり跳ねた。つつつつ土屋さん?! 俺の方を見た?!

忘却バッテリーのBLカップリング、千早×土屋の小説が書かれています。ご注意下さい。 『ちはつちワンドロワンライ』というWeb上の催しによる、第二回お題『文化祭・学園祭』です。 「今日は小手指高校へ来てくれてありがとうーー!! 楽しんで行ってね! それじゃ今日は小手指高校吹奏楽部と、軽音楽部の皆の演奏と、合唱部のコーラスで、歌っていくよー! みんな、着いてきてーーーー!! マクロスフロンティアより、『星間飛行』!!」  バックバンドにより印象的なイントロが流れ、それに合唱部の女声数人が間奏部分の歌詞を歌う。その中で、歌姫・ランカに扮した土屋さんが、ステージ袖から出てきた。ご丁寧にスポットライトも浴びせられる。衣装は、『文化祭までに予習しといて!』って渡されたDVD、マクロスフロンティア劇場版『サヨナラノツバサ』の、最終決戦衣装、ウィッシュ・オブ・ヴァルキュリア。ランカの衣装だ。そうして始まったのは星間飛行。映画でも流れてたっけ…    流れ始めた歌に、事前に集合していた以外の観客達は最初は面白半分と言った感じの風情で人が集まって来ていたが、やがて歌姫・土屋さんの歌に吸い寄せられるかのように、人だかりが出来ていた。 「あーなたと生きたいー キラッ✩」  よそ見をしていた事を咎められるかのように、一瞬だけ最後尾の俺の方を向き、親指・人差し指・小指を立てつつバチリ、とウインクを飛ばしてきた。 「っ?!」  どくん。胸が思いっきり跳ねた。つつつつ土屋さん?! 俺の方を見た?!

「土屋さんが可愛すぎて胸が痛い…」
「うわ、千早がやられたー?!」
「ハハハ、こんな調子で後半大丈夫かよ?!」
 俺が胸を抑えている横で栗田と巻田がこれまた何か抜かして居るが、俺はもう一瞬だって心のフォルダに土屋さんのkawaii全てを収めるのに忙しいんだよ黙ってろうるさい!
 …なお、無論この最中には俺の呟きに反応しただけだということは、夢中になっている上に頭の煮えている俺には通用しない。
「つーめを立ててみるー キラッ✩」
 あっ再度の俺の方へ向けての『キラッ✩』。
 もう俺は死んだ。土屋さん、素晴らしいです…なんて言う可愛さ。貴方こそ超時空シンデレラです…ヤックデカルチャーおれはしんだ!!
 
 
 そうこうしている間に、次の曲へと移る。土屋さんのコールが再び高らかに、曲とゲストの紹介を告げる。
「次の曲は、マクロス7より、『突撃ラブハート』。ところで氷河から大物ゲストを呼んで来たよ、今年の西東京地区・決勝で小手指と激突した氷河、そのエースピッチャーを務めた、桐島、秋斗くん!!」
 シェリルの劇場版衣装『シャイン・オブ・ヴァルキュリア』を着た、桐島さんが、ステージ上へと出てくる。女装であるはずが、堂々と着ているせいか、また案外筋肉質な身体のせいか、可憐な印象の隣の土屋さんに比べて、ジャケットといい何だかんだかっこいい感じだ。アレンジで半ズボンだしね(その前にあの短さのスカートだとポロ

「土屋さんが可愛すぎて胸が痛い…」 「うわ、千早がやられたー?!」 「ハハハ、こんな調子で後半大丈夫かよ?!」  俺が胸を抑えている横で栗田と巻田がこれまた何か抜かして居るが、俺はもう一瞬だって心のフォルダに土屋さんのkawaii全てを収めるのに忙しいんだよ黙ってろうるさい!  …なお、無論この最中には俺の呟きに反応しただけだということは、夢中になっている上に頭の煮えている俺には通用しない。 「つーめを立ててみるー キラッ✩」  あっ再度の俺の方へ向けての『キラッ✩』。  もう俺は死んだ。土屋さん、素晴らしいです…なんて言う可愛さ。貴方こそ超時空シンデレラです…ヤックデカルチャーおれはしんだ!!      そうこうしている間に、次の曲へと移る。土屋さんのコールが再び高らかに、曲とゲストの紹介を告げる。 「次の曲は、マクロス7より、『突撃ラブハート』。ところで氷河から大物ゲストを呼んで来たよ、今年の西東京地区・決勝で小手指と激突した氷河、そのエースピッチャーを務めた、桐島、秋斗くん!!」  シェリルの劇場版衣装『シャイン・オブ・ヴァルキュリア』を着た、桐島さんが、ステージ上へと出てくる。女装であるはずが、堂々と着ているせいか、また案外筋肉質な身体のせいか、可憐な印象の隣の土屋さんに比べて、ジャケットといい何だかんだかっこいい感じだ。アレンジで半ズボンだしね(その前にあの短さのスカートだとポロ

リしてしまうので男子で着てはいけない)
 
 わああああ!! と甲高い歓声が鳴り響く。予告ゲストだが、彼を目当てとした女子も何だかんだ集結していたのだ。小手指・氷河は勿論のこと、それ以外のよく分からない制服の女子生徒も集結していた。
「小手指のみんな、初めまして、氷河の桐島秋斗や。来年も氷河は小手指に負けへんよ、っとと、今は歌やった。そいじゃ、『俺の歌を聞けーーーー!!』」
 桐島さんが拳を突き立てて、最後のセリフを叫ぶと、会場のボルテージが一気に最高潮へと達する。バンドは先程の吹奏楽部主体の演奏から、ギターサウンド主体の演奏へとガラッと変わり、ノリのいい前奏が流れ始め、やがて桐島さんから歌い始めた。
「Let’s Go ! 突き抜けようぜ、夢で見た夜明け……」
 そうしてサビのデュエット部分、一瞬二人で目線を合わせ頷き手を繋ぎ、即座に観客の方へと向き、一斉に声を揃えて歌い始める。
「「夜空を駆けるラブハート、燃える想いを乗せて」」
「悲しみと憎しみを撃ち落としてゆけ」
「「お前の胸にもラブハート、真っ直ぐ受け止めてデスティニー」」
「何億光年の彼方へと」
「「突撃ラブハートーーー!!」」

リしてしまうので男子で着てはいけない)    わああああ!! と甲高い歓声が鳴り響く。予告ゲストだが、彼を目当てとした女子も何だかんだ集結していたのだ。小手指・氷河は勿論のこと、それ以外のよく分からない制服の女子生徒も集結していた。 「小手指のみんな、初めまして、氷河の桐島秋斗や。来年も氷河は小手指に負けへんよ、っとと、今は歌やった。そいじゃ、『俺の歌を聞けーーーー!!』」  桐島さんが拳を突き立てて、最後のセリフを叫ぶと、会場のボルテージが一気に最高潮へと達する。バンドは先程の吹奏楽部主体の演奏から、ギターサウンド主体の演奏へとガラッと変わり、ノリのいい前奏が流れ始め、やがて桐島さんから歌い始めた。 「Let’s Go ! 突き抜けようぜ、夢で見た夜明け……」  そうしてサビのデュエット部分、一瞬二人で目線を合わせ頷き手を繋ぎ、即座に観客の方へと向き、一斉に声を揃えて歌い始める。 「「夜空を駆けるラブハート、燃える想いを乗せて」」 「悲しみと憎しみを撃ち落としてゆけ」 「「お前の胸にもラブハート、真っ直ぐ受け止めてデスティニー」」 「何億光年の彼方へと」 「「突撃ラブハートーーー!!」」

ハモリ部分も上手く決めて、途中でそのまま自然に手を解き、各々が拳を突き出したり、または手を振ったりと音楽に乗ってパフォーマンスも決めてくる。
 ああ、なんて言うか、今だけは本当の歌手やアイドルのように、感じてしまうほどの力。いや実際に、彼らの盛り上げ方も非常に上手かった。
 桐島さんの方は、あの美しい佇まいとエースピッチャーを務めたようなカリスマオーラで説明出来るのかもしれないが、土屋さんは、なんて言うか、可憐さと、それで居ながら桐島さんを音楽的に丁寧に支える非常に高い技術、またそれでいてライブ慣れしている? と思わせる程に会場の空気を読み、観客へ振るのが上手かった。
「流石ですね…土屋さん。桐島さんの喉が続かずやや危うい場面では咄嗟の合唱など、切り替えも素晴らしい。…というかこんな能力持ってて何で帰宅部だったんですか?!」
 ……眼鏡クイックイッで独り言を俺が早口で小声で口走ってたらしいが、やはり俺は夢中で気付いていない!! 消してくれ俺を!!
「千早…なんて言うか、小手指で楽しそうで良かったね…(ほろり)」

「次はマクロスフロンティア、劇場版より『サヨナラノツバサ』。聞いてください!」
 そうして次はラストの曲。
『文化祭までに予習しといて!』って土屋さんが言っていた、あの衣装の曲でもある、『サヨナラノツバサ』だ。でもあの曲は……シェリルとランカの曲だが、シェリルが選ばれ、ランカは恋破れ

ハモリ部分も上手く決めて、途中でそのまま自然に手を解き、各々が拳を突き出したり、または手を振ったりと音楽に乗ってパフォーマンスも決めてくる。  ああ、なんて言うか、今だけは本当の歌手やアイドルのように、感じてしまうほどの力。いや実際に、彼らの盛り上げ方も非常に上手かった。  桐島さんの方は、あの美しい佇まいとエースピッチャーを務めたようなカリスマオーラで説明出来るのかもしれないが、土屋さんは、なんて言うか、可憐さと、それで居ながら桐島さんを音楽的に丁寧に支える非常に高い技術、またそれでいてライブ慣れしている? と思わせる程に会場の空気を読み、観客へ振るのが上手かった。 「流石ですね…土屋さん。桐島さんの喉が続かずやや危うい場面では咄嗟の合唱など、切り替えも素晴らしい。…というかこんな能力持ってて何で帰宅部だったんですか?!」  ……眼鏡クイックイッで独り言を俺が早口で小声で口走ってたらしいが、やはり俺は夢中で気付いていない!! 消してくれ俺を!! 「千早…なんて言うか、小手指で楽しそうで良かったね…(ほろり)」 「次はマクロスフロンティア、劇場版より『サヨナラノツバサ』。聞いてください!」  そうして次はラストの曲。 『文化祭までに予習しといて!』って土屋さんが言っていた、あの衣装の曲でもある、『サヨナラノツバサ』だ。でもあの曲は……シェリルとランカの曲だが、シェリルが選ばれ、ランカは恋破れ

#ちはつちワンドロワンライ
第2回お題:『文化祭・学園祭』(1/3)
実は例の絵はこの挿絵でした…(恥)
文化祭でヒカワの桐シマさんと一緒に合同ライブするお話です。2年目、ちはつちはお付き合いしてる軸です

17.11.2024 17:53 — 👍 3    🔁 2    💬 1    📌 0
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#ちはつちワンドロワンライ
第4回 ちはつちワンドロワンライ
お題 『スケート』をお借りしています🥰

スケートはあんまり得意でないちは、
かずきさんにめっちゃ甘えちゃえ❣

26.12.2024 23:04 — 👍 8    🔁 3    💬 1    📌 0

#ちはつちワンドロワンライ
Xfolio版。多分こっちの方が読みやすいかも?

第五回 『年越し』 - 能見モルの作品庫|能見モル https://xfolio.jp/portfolio/noumimol/works/3701946 #クロスフォリオ

08.01.2025 03:17 — 👍 1    🔁 2    💬 0    📌 0
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第5回 ちはつちワンドロワンライ
『初夢』で参加します❣
初夢に土屋さん出たのに両片思いの先輩後輩好きモブおじさんも出てきてうなされるちは (浮世絵で、追いはぎに襲われた夫婦が服を脱げと脅され嫁が帯を解こうとしたら男の方だ!と言われる夢を見てる女性のパロ)
#ちはつちワンドロワンライ

21.01.2025 12:24 — 👍 6    🔁 2    💬 0    📌 0
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第7回ちはつちワンドロワンライ
お題【バレンタイン】をお借りしています🍫💞

つきあってるちはつち🧡💜
だんだん彼氏(つっちー)に似てきたちー君、
オリジナルを超すイキオイ😂

#ちはつちワンドロワンライ

16.02.2025 10:17 — 👍 5    🔁 2    💬 0    📌 0
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「ちはつちワンドロワンライ『嫉妬』」、「能見モル(@noumimol)」と記載されています。
画像情報:generated by 新書ページメーカー / Photo by Sandro Schuh on Unsplash / フォント:源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

 この『人魚姫』は声が出るし歩けるってか走れるのでハッピーエンドなんです
 
「俺の脚から逃げられると思うな」
 そう言ったあの時でさえ、そういえば体力の無さで失速するまで追い付けてなかったのだ。だから俺の持てる技を完全に教え込んでしまえば、土屋さんは俺よりもずっと速いに決まってる。それは多分教えこんで行くと決めた時にはとっくに知っていたんだ。
 その事実に蓋をしていたのは、だぁれ?
 
 ――
 土屋さんが入部してからというもの、練習後時間のある時はファミレスで、あるいは彼のお家に招待されたりして、マンツーマンでまずは座学で、俺のやってきた事をそのまま、思考から盤面整理、そしてシミュレーションと、ゆっくりじっとりと、教えこんで行く。俺色に染め上げるように、俺の思考をトレースさせていく。
 ……その途中に、恋人としてお付き合いをする事になったりとか、色々あったけれども、今回のこととは関係が無い話なので割愛する(笑)
 今思えばとんだロリコン的な精神性が、きっとあの時土屋さんに対して邪なアクセルをギュンギュンに踏み込ませたんだと思う。何て奴だ我ながら!!
 
 そうして夏にはギリギリ間に合った。本当に大会途中ではあったが、やっと、帝徳戦で魅せてくれた。俺と同じタイミングで、ダブルスチールも決めた。まるでその動きは双子みたいだった、と後にテレビ中継で言われていたと知ったのは、試合後だった。
 彼のプレーは確かに間に合ったが、チームの総合力が足りずに、小手指の夏は呆気なく終わってしまった。
 

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 付記に「ちはつちワンドロワンライ『嫉妬』」、「能見モル(@noumimol)」と記載されています。 画像情報:generated by 新書ページメーカー / Photo by Sandro Schuh on Unsplash / フォント:源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。  この『人魚姫』は声が出るし歩けるってか走れるのでハッピーエンドなんです   「俺の脚から逃げられると思うな」  そう言ったあの時でさえ、そういえば体力の無さで失速するまで追い付けてなかったのだ。だから俺の持てる技を完全に教え込んでしまえば、土屋さんは俺よりもずっと速いに決まってる。それは多分教えこんで行くと決めた時にはとっくに知っていたんだ。  その事実に蓋をしていたのは、だぁれ?    ――  土屋さんが入部してからというもの、練習後時間のある時はファミレスで、あるいは彼のお家に招待されたりして、マンツーマンでまずは座学で、俺のやってきた事をそのまま、思考から盤面整理、そしてシミュレーションと、ゆっくりじっとりと、教えこんで行く。俺色に染め上げるように、俺の思考をトレースさせていく。  ……その途中に、恋人としてお付き合いをする事になったりとか、色々あったけれども、今回のこととは関係が無い話なので割愛する(笑)  今思えばとんだロリコン的な精神性が、きっとあの時土屋さんに対して邪なアクセルをギュンギュンに踏み込ませたんだと思う。何て奴だ我ながら!!    そうして夏にはギリギリ間に合った。本当に大会途中ではあったが、やっと、帝徳戦で魅せてくれた。俺と同じタイミングで、ダブルスチールも決めた。まるでその動きは双子みたいだった、と後にテレビ中継で言われていたと知ったのは、試合後だった。  彼のプレーは確かに間に合ったが、チームの総合力が足りずに、小手指の夏は呆気なく終わってしまった。  

 それでも、夏を終えても尚更に根気強く、俺は彼に持てる技を全て教示していった。彼の覚えは素晴らしく、スポンジが水を吸い込むが如くに次々と俺の思考を完璧にトレースしていってくれていた。嬉しかった。凄いとも思った。流石俺の見込んだ人だとも、その時までは思っていたんだ。
 今思えば、経験の浅い土屋さんは、俺を超えることは無いと思い上がっていたんだ。……本当に、馬鹿だ。そんな訳は初めから無かったのに。
「凄いや千早くん! まるでパワプロみたいだ! うわー、こんなのを自分で出来ちゃうんだ!」
 そうやって満面の笑みで拍手までして、嬉しそうに練習試合で、教えた技をその通り、いや、俺ならあそこでコンマ一秒アウトになってただろうところを、彼は走り切ってきっちりと決めてホームに帰ってきたのだ。ベンチに戻る途中でニコニコ顔でハイタッチを求めてくる土屋さんに、俺は一瞬戸惑って、逡巡した。
「? どしたの? 熱中症とかじゃない?」
 少し心配げに覗き込まれて、思わずはっとする。被りを振り、眼鏡を抑え、表情を隠すように口元だけ笑みを浮かべる。
「い、いえ。大丈夫ですよ。ただ、俺なら間に合わないかもと思ってちょっと不安だっただけで……でも、貴方は間に合いましたね?」
「えっ! 嘘?! 三塁で止まった方が良かった? でもなんとなーく、行ける! って感覚だったから……ごめんなさい」
 ちょっとしゅーん、となり分かりやすく落ち込む。俺は努めて軽く肩をぽんぽんと叩き、優しい先輩風後輩を演じて見せる。
「練習試合ですし、何の問題もありませんよ? むしろ行けそうだと思ったらどんどん行ってください。夏前にも言いましたが、どのタイミングで行けるかは最後は自分の感覚です。……それにしても、上手くなり

 それでも、夏を終えても尚更に根気強く、俺は彼に持てる技を全て教示していった。彼の覚えは素晴らしく、スポンジが水を吸い込むが如くに次々と俺の思考を完璧にトレースしていってくれていた。嬉しかった。凄いとも思った。流石俺の見込んだ人だとも、その時までは思っていたんだ。  今思えば、経験の浅い土屋さんは、俺を超えることは無いと思い上がっていたんだ。……本当に、馬鹿だ。そんな訳は初めから無かったのに。 「凄いや千早くん! まるでパワプロみたいだ! うわー、こんなのを自分で出来ちゃうんだ!」  そうやって満面の笑みで拍手までして、嬉しそうに練習試合で、教えた技をその通り、いや、俺ならあそこでコンマ一秒アウトになってただろうところを、彼は走り切ってきっちりと決めてホームに帰ってきたのだ。ベンチに戻る途中でニコニコ顔でハイタッチを求めてくる土屋さんに、俺は一瞬戸惑って、逡巡した。 「? どしたの? 熱中症とかじゃない?」  少し心配げに覗き込まれて、思わずはっとする。被りを振り、眼鏡を抑え、表情を隠すように口元だけ笑みを浮かべる。 「い、いえ。大丈夫ですよ。ただ、俺なら間に合わないかもと思ってちょっと不安だっただけで……でも、貴方は間に合いましたね?」 「えっ! 嘘?! 三塁で止まった方が良かった? でもなんとなーく、行ける! って感覚だったから……ごめんなさい」  ちょっとしゅーん、となり分かりやすく落ち込む。俺は努めて軽く肩をぽんぽんと叩き、優しい先輩風後輩を演じて見せる。 「練習試合ですし、何の問題もありませんよ? むしろ行けそうだと思ったらどんどん行ってください。夏前にも言いましたが、どのタイミングで行けるかは最後は自分の感覚です。……それにしても、上手くなり

ましたね。」
 優しい声色を作り、嬉しそうな顔を、俺は出来てるだろうか? 土屋さんは分かりやすくぱああ、とでも言うように褒めたらとても嬉しそうに喜んでくれる。そうしてきっちりと上手くいかなかった時も、反省し分析し、すぐに相談もしてくれる。とても理想的な野球人だと思う。
 そしてとても、素直で良い子だと思う。だけども……時々最近思う。彼は、脚が早い。それも、とてつもなく。それこそ小学生・中学生・高校の今も磨いてきた俺に匹敵する程、どころか。今日の、今のプレーに限れば、俺なら絶対間に合わない。俺なら行けない。三塁で止まってしまう。だけども彼は行き、そして間に合ったのだ。明確に土屋さんが俺を超えた瞬間だった。
 俺が教えたことをきっちりと、自分の判断で実行出来るようになったのだ。師匠として、嬉しい筈なのに、何でか胸の奥がチリチリと焼け焦げてる気がしたんだ。
 ああ神様。この人にまで嫉妬をしたら、きっと俺は俺を許せないだろう。……いや、嫉妬が悪いんじゃない、嫉妬でいじけて腐って逃げ出さなきゃ良いのだ。嫉妬深さは直せない。だから……誇れ。己の愛弟子の姿を。でももっと俺だって、やりたい、やれるんだ!! そう思う闘志は燻り、どう動くべきか自分だけだと考えあぐねて居たんだ。
 
 だからきっと、佐古監督の提案は渡りに船だったんだと思う。
「プレースタイルの変更も考えてみないかい?」
 と、長打の誘い、スタイルの変更を打診された時は、悩んだけども最終的に受け入れた。そうしないと師匠として、土屋さんに胸を張れないと思ったから。弟子に追い付かれたなら、俺はもっと強くなる。そうやって、いつまでも土屋さんにとっての「カッコイイ千早

ましたね。」  優しい声色を作り、嬉しそうな顔を、俺は出来てるだろうか? 土屋さんは分かりやすくぱああ、とでも言うように褒めたらとても嬉しそうに喜んでくれる。そうしてきっちりと上手くいかなかった時も、反省し分析し、すぐに相談もしてくれる。とても理想的な野球人だと思う。  そしてとても、素直で良い子だと思う。だけども……時々最近思う。彼は、脚が早い。それも、とてつもなく。それこそ小学生・中学生・高校の今も磨いてきた俺に匹敵する程、どころか。今日の、今のプレーに限れば、俺なら絶対間に合わない。俺なら行けない。三塁で止まってしまう。だけども彼は行き、そして間に合ったのだ。明確に土屋さんが俺を超えた瞬間だった。  俺が教えたことをきっちりと、自分の判断で実行出来るようになったのだ。師匠として、嬉しい筈なのに、何でか胸の奥がチリチリと焼け焦げてる気がしたんだ。  ああ神様。この人にまで嫉妬をしたら、きっと俺は俺を許せないだろう。……いや、嫉妬が悪いんじゃない、嫉妬でいじけて腐って逃げ出さなきゃ良いのだ。嫉妬深さは直せない。だから……誇れ。己の愛弟子の姿を。でももっと俺だって、やりたい、やれるんだ!! そう思う闘志は燻り、どう動くべきか自分だけだと考えあぐねて居たんだ。    だからきっと、佐古監督の提案は渡りに船だったんだと思う。 「プレースタイルの変更も考えてみないかい?」  と、長打の誘い、スタイルの変更を打診された時は、悩んだけども最終的に受け入れた。そうしないと師匠として、土屋さんに胸を張れないと思ったから。弟子に追い付かれたなら、俺はもっと強くなる。そうやって、いつまでも土屋さんにとっての「カッコイイ千早

くん」で居たいんです。好きな子よりも強くなりたいと思うのは男子なら当然の願いでしょう?
 土屋さんも土屋さんで、佐古監督や要くんにも色々トアドバイスをされて、双子みたいに似ていたプレースタイルだった俺たちは別々の道を歩んでいる。
 それでいい。勿論俺の元を離れる時間が増える事に嫉妬心が無いわけじゃないけども。俺は俺で、ちゃんと強くなります。
 
 今年の夏も、俺をカッコイイと思って下さいね。そう願って俺は今日もバットを振る。貴方が居る最後の夏までに間に合わせる為に。
「千早くん、僕ね、もっともっともーっと、早くなるよ。だから見ていてね」
 眩しいくらいに素直な貴方は、そうやって俺にはにかんで見せた。
「ええ。見せてください。俺も必ず、大きいの、打ってみせますから」
「千早くんなら出来るよ! ぜったいに!」
 そうやって俺の頭を撫でて来られてくすぐったかった。
 たった2cm、されど2cm。でももう羨ましがらない。俺は俺としての成果を見せる時が来るんだから。
 (了)

くん」で居たいんです。好きな子よりも強くなりたいと思うのは男子なら当然の願いでしょう?  土屋さんも土屋さんで、佐古監督や要くんにも色々トアドバイスをされて、双子みたいに似ていたプレースタイルだった俺たちは別々の道を歩んでいる。  それでいい。勿論俺の元を離れる時間が増える事に嫉妬心が無いわけじゃないけども。俺は俺で、ちゃんと強くなります。    今年の夏も、俺をカッコイイと思って下さいね。そう願って俺は今日もバットを振る。貴方が居る最後の夏までに間に合わせる為に。 「千早くん、僕ね、もっともっともーっと、早くなるよ。だから見ていてね」  眩しいくらいに素直な貴方は、そうやって俺にはにかんで見せた。 「ええ。見せてください。俺も必ず、大きいの、打ってみせますから」 「千早くんなら出来るよ! ぜったいに!」  そうやって俺の頭を撫でて来られてくすぐったかった。  たった2cm、されど2cm。でももう羨ましがらない。俺は俺としての成果を見せる時が来るんだから。  (了)

#ちはつちワンドロワンライ
第3回『嫉妬』
タイトル:この『人魚姫』は声が出るし歩けるってか走れるのでハッピーエンドなんです

いつか書こう書こうと思ってたメインテーマ的な話です。やっと書けたー!省略した内容はいずれ笑

08.03.2025 03:00 — 👍 4    🔁 2    💬 0    📌 0
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#ちはつちワンドロワンライ
第10回 お題『チョコミント』をお借りしました🍫
(お題いつもありがとうございます)
学校帰りに二人で寄り道してほしい🧡💜

29.05.2025 14:01 — 👍 11    🔁 4    💬 0    📌 0
ちはつちワンドロワンライ第11回のお題です。文章と同じの為省略

ちはつちワンドロワンライ第11回のお題です。文章と同じの為省略

#ちはつちワンドロワンライ
第11回 ちはつちワンドロワンライ
お題発表の日となりました。

お題は以下の三つとなります。

『梅雨入り/夏服/グラウンド整備』

期間:2025/5/28(水)~2025/6/24(火)

↓ルールはこちらです

lit.link/chtc1d1w

上記はXと同じ文面移植していますがご了承ください。
また、第12回からはコチラをメイン拠点として使用させて頂きます。

30.05.2025 21:07 — 👍 2    🔁 2    💬 0    📌 0