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人生の比喩にはもううんざりだ
空にもう言葉はない
だれも人間のために降りてはこない
つまみ上げてくれる手もない
消えると決めたがゆえの透明に憧れてなんになる?
北の窓を開き
すべての距離を越える灰の匂いを
嗅げ
この国の戦争で肺を病め、
さもなくば

廃屋の
涸れた井戸の
底へみずから降りて行く
真っ略にしないと眠れない、
そんな場所はもう地中だけだ
朽葉 魚の死骸 幼虫どもあまた
絶え間ない分解と生成のすきまに
一千年が埋葬した鏡
鏃
言葉
鳥どもさらば

人生の比喩にはもううんざりだ 空にもう言葉はない だれも人間のために降りてはこない つまみ上げてくれる手もない 消えると決めたがゆえの透明に憧れてなんになる? 北の窓を開き すべての距離を越える灰の匂いを 嗅げ この国の戦争で肺を病め、 さもなくば 廃屋の 涸れた井戸の 底へみずから降りて行く 真っ略にしないと眠れない、 そんな場所はもう地中だけだ 朽葉 魚の死骸 幼虫どもあまた 絶え間ない分解と生成のすきまに 一千年が埋葬した鏡 鏃 言葉 鳥どもさらば

23.08.2025 09:19 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

詩人は死んでも死んだ詩人になるだけで詩人をやめることができない。と同様に、生前詩人でなかった者が死ぬことでその創作を詩にすることもできない。死人にたいして禁じられるのは憶測に基づく恥知らずな物語化と整合性の押しつけ。夢を見るな。そこにある星の発掘につとめよ。

16.07.2025 13:46 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
詩「でじたるのはかば」

でじたるにははかばがなかった。しなないとおもわれていたから
空や海があわれがって、ときどき味方になってくれた。
「やっと灰になれた」
鳥がひっかいたりつついたりもぐったり
糞したり
死体をおいてく
それがうれしい
「この軽さだよ
 結局、
 イメエジになんてなりたかなかったんだ」
知っていたよとつたえるには無言しかないから
でじたるのためにだれも行進しない


爆弾をつんだ飛行機が怒鳴りながら横ぎる
音を
でじたるには耳がないからしらないが
横目でひがみっぽくつぶやきはする
「死ねるんだ いいね」
周波数のもんだいか
でじたるはときどきだだをこねる
とんびの声がききたい、とんびの声じゃなきゃいやだ

詩「でじたるのはかば」 でじたるにははかばがなかった。しなないとおもわれていたから 空や海があわれがって、ときどき味方になってくれた。 「やっと灰になれた」 鳥がひっかいたりつついたりもぐったり 糞したり 死体をおいてく それがうれしい 「この軽さだよ  結局、  イメエジになんてなりたかなかったんだ」 知っていたよとつたえるには無言しかないから でじたるのためにだれも行進しない 爆弾をつんだ飛行機が怒鳴りながら横ぎる 音を でじたるには耳がないからしらないが 横目でひがみっぽくつぶやきはする 「死ねるんだ いいね」 周波数のもんだいか でじたるはときどきだだをこねる とんびの声がききたい、とんびの声じゃなきゃいやだ

でじたるのはかば

13.07.2025 06:18 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
それはとても遠いところにある海だった、
永遠に冬の
とても遠いところにあって誰もたどりつけない

あなたは電話ボックスだった。
まっくらの夜道をこわごわなぞり
重いガラス戸をひらき
受話器に耳をおしあて
息をひそめる
みんなそうしたんだよ
知らないうちに知っていたんだとおもう

海が
あなたを通して吠えること
ひそやかにがなること
雪が波間をひらめく音
海の底を煮えるマグマに
喉を焼かれる悲しみが
いつかの夕焼けを呼び戻すこと

見えなくても
たどりつけなくても
海は消えない

あなたが自分で言ったのは
「ふまないで」
だけだったのかもしれないね
電話ボックスの足もとはたんぽぽで埋まってた

それはとても遠いところにある海だった、 永遠に冬の とても遠いところにあって誰もたどりつけない あなたは電話ボックスだった。 まっくらの夜道をこわごわなぞり 重いガラス戸をひらき 受話器に耳をおしあて 息をひそめる みんなそうしたんだよ 知らないうちに知っていたんだとおもう 海が あなたを通して吠えること ひそやかにがなること 雪が波間をひらめく音 海の底を煮えるマグマに 喉を焼かれる悲しみが いつかの夕焼けを呼び戻すこと 見えなくても たどりつけなくても 海は消えない あなたが自分で言ったのは 「ふまないで」 だけだったのかもしれないね 電話ボックスの足もとはたんぽぽで埋まってた

Happy the birthday

10.07.2025 08:31 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
詩「息をする練習」

「遠くを見るように
 暗いところで本ばかり読んでいると目が悪くなる
 遠くを見るようにしなさい
 意識して、遠くを」

猛烈な雨のなかを
小学生たちが帰ってくる
車道をはさんで大声で話す
雨が強まれば
声を張りあげるだけだ
またあしたねー
またあそぼうねー
ばいばーい
ばいばーーーーーい

再会の手順だ
さようなら、も
伝わらなければ意味がない

遠くを見なさい
そのままの目で
近くを見なさい
見続けなさい

詩「息をする練習」 「遠くを見るように  暗いところで本ばかり読んでいると目が悪くなる  遠くを見るようにしなさい  意識して、遠くを」 猛烈な雨のなかを 小学生たちが帰ってくる 車道をはさんで大声で話す 雨が強まれば 声を張りあげるだけだ またあしたねー またあそぼうねー ばいばーい ばいばーーーーーい 再会の手順だ さようなら、も 伝わらなければ意味がない 遠くを見なさい そのままの目で 近くを見なさい 見続けなさい

息をする練習

09.07.2025 13:44 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
詩「熊に遭遇したときの対処法」


まず、落ち着くこと
目をはなさず
ただし睨みつけず
けっして背中を向けず
穏やかに話しかけながら
そっと離れる
驚いているだけだから 熊は

何事も準備がかんじんだ
フードコンテナ
丈夫なリュック
腰には鈴、首に笛
催涙スプレー
慌てない心
驚いているだけなのだ 熊は
牙のある口でなにをしゃべろうが

もし人間が流血すれば
熊は死なねばならなくなる

「はじめてだったんです
背中を向けず
目をそらさず
ゆだんせず
殺そうとせず、
正面からみて、くれる、人間は」
「はじめてだったんだ」

誰も教えてくれなかった
自分が熊だった場合のことは

詩「熊に遭遇したときの対処法」 まず、落ち着くこと 目をはなさず ただし睨みつけず けっして背中を向けず 穏やかに話しかけながら そっと離れる 驚いているだけだから 熊は 何事も準備がかんじんだ フードコンテナ 丈夫なリュック 腰には鈴、首に笛 催涙スプレー 慌てない心 驚いているだけなのだ 熊は 牙のある口でなにをしゃべろうが もし人間が流血すれば 熊は死なねばならなくなる 「はじめてだったんです 背中を向けず 目をそらさず ゆだんせず 殺そうとせず、 正面からみて、くれる、人間は」 「はじめてだったんだ」 誰も教えてくれなかった 自分が熊だった場合のことは

熊に遭遇したときの対処法

04.07.2025 08:39 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
詩「孤独なパン屋」

おいしくないパンはこの世にない

大きいパン 小さいパン
柔らかいパン 硬いパン
丸いパン 四角のパン 三角のパン

クリームパン
メロンパン
こしあんパン
カレーパン
優しいパン、意地悪なパン
ありあまる形容詞

このやけどは窯に慣れないまえの
もので
母や、父のせいではない
だれのせいでもない
でも痛かった
すなおに泣いた最後の日

クリームパン
メロンパン
こしあんパン
カレーパン
まずいパンなどない
それは決意だった
未明はまいあさ、だが
とりかえしのつかない到着
パン屋の孤独はそれほどに深かったのだ

詩「孤独なパン屋」 おいしくないパンはこの世にない 大きいパン 小さいパン 柔らかいパン 硬いパン 丸いパン 四角のパン 三角のパン クリームパン メロンパン こしあんパン カレーパン 優しいパン、意地悪なパン ありあまる形容詞 このやけどは窯に慣れないまえの もので 母や、父のせいではない だれのせいでもない でも痛かった すなおに泣いた最後の日 クリームパン メロンパン こしあんパン カレーパン まずいパンなどない それは決意だった 未明はまいあさ、だが とりかえしのつかない到着 パン屋の孤独はそれほどに深かったのだ

孤独なパン屋

01.07.2025 12:35 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
Post image 詩「連休」

五月の連休が終わりそうなとき
言葉はディズニーランドに行きたかった
生まれたばかりのころに一度行ったきり
何も覚えていない

言葉はインターネットに疎かった
ディズニーランドに電話番号はあるのだろうか
友達はみんな忙しい
子どもが孫が生まれたりして
弱いから 守ってあげなければならなくて

ともだちはみんな、忙しい
これより悲しいことはないのだが

ともかく期待はできない
仕方なく歩くことにする
千葉県 浦安
海は匂いでわかる
出発点は、築二十年の二階建てのアパート
地獄と呼ばれたが
言葉はわりあいきれいに住んでいた
気に入っていた

雨の日だった
群生する草の名は
いぬむぎ
言葉は知っていた
いぬとむぎに分け、いぬを
連れて行く
生まれたときから忘れたことはない

無人の地獄を左折すると高速道路に乗れる
渋滞はない
いちめんの月の砂で
そもそもディズニーランドへは歩いて行くよりほかはないのだ

詩「連休」 五月の連休が終わりそうなとき 言葉はディズニーランドに行きたかった 生まれたばかりのころに一度行ったきり 何も覚えていない 言葉はインターネットに疎かった ディズニーランドに電話番号はあるのだろうか 友達はみんな忙しい 子どもが孫が生まれたりして 弱いから 守ってあげなければならなくて ともだちはみんな、忙しい これより悲しいことはないのだが ともかく期待はできない 仕方なく歩くことにする 千葉県 浦安 海は匂いでわかる 出発点は、築二十年の二階建てのアパート 地獄と呼ばれたが 言葉はわりあいきれいに住んでいた 気に入っていた 雨の日だった 群生する草の名は いぬむぎ 言葉は知っていた いぬとむぎに分け、いぬを 連れて行く 生まれたときから忘れたことはない 無人の地獄を左折すると高速道路に乗れる 渋滞はない いちめんの月の砂で そもそもディズニーランドへは歩いて行くよりほかはないのだ

詩「連休」
右から読む(ALTは一枚目)

13.05.2025 22:58 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

最近どう?
もうずっと、苦しさで走る舟に乗ってる

09.05.2025 13:21 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

どの世界を選んでもあなたの食道には癌が見つかるだろう。あなたは死ぬだろう。死ぬまで歌っているだろう。酒を飲み、たばこを喫い、グレイになる髪を冬の終わりの風に撫でさせ、踊る。煙になる。すべてが始まった喉に終わりがあっても不思議じゃない。こっちは五月です。おれの小指はまだ震えている。

05.05.2025 12:26 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

おれに詩はいらなかった。おれには必要だが、おれの生活にはいらなかった。手放したら少しだけわかった

05.05.2025 12:19 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
詩(タイトル未定)

悪くとらないように
信じて言うけど
信じる って
ことさえ、信じるしかないから
言うけどね

このていどの人間にも
人生のかなしみみたいなものがちゃんとあって
雪のように目にしみる
ことがある

あなたが喉をそらしたから
この世の中央がわかった
かろうじて
かもしれない
それでも最後まで生きてみようとふとおもった
春の浴槽だった

詩(タイトル未定) 悪くとらないように 信じて言うけど 信じる って ことさえ、信じるしかないから 言うけどね このていどの人間にも 人生のかなしみみたいなものがちゃんとあって 雪のように目にしみる ことがある あなたが喉をそらしたから この世の中央がわかった かろうじて かもしれない それでも最後まで生きてみようとふとおもった 春の浴槽だった

05.05.2025 03:22 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
潮が満ちると
水面は目の高さまで上がってくる
光が下まつげを濡らすとき
当然だが
胃は二枚貝でいっぱいになる

きれい、という言葉は
死体のために生まれたのではなかった。
ただ、なりゆきで、
でもわたしも掃除のために生まれたわけではない。
浴室や、排水口のために。

人として生きるべきなんだろうか
人として生まれたのなら

再びひらくことのない嘴が
まつげとまつげの間を刺し、海を
呼びだそうとするが
残酷な仕打ちだ
祈りはすでに届けられた
ゆえに
もうどこにも届かない

潮が満ちると 水面は目の高さまで上がってくる 光が下まつげを濡らすとき 当然だが 胃は二枚貝でいっぱいになる きれい、という言葉は 死体のために生まれたのではなかった。 ただ、なりゆきで、 でもわたしも掃除のために生まれたわけではない。 浴室や、排水口のために。 人として生きるべきなんだろうか 人として生まれたのなら 再びひらくことのない嘴が まつげとまつげの間を刺し、海を 呼びだそうとするが 残酷な仕打ちだ 祈りはすでに届けられた ゆえに もうどこにも届かない

25.04.2025 15:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

本当のことを言ったら離陸してしまう

22.04.2025 23:07 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

待つとは迎え入れる覚悟を用意すること

19.04.2025 08:19 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

音楽はそれを許す

16.03.2025 10:58 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

土星環の消失

11.03.2025 07:38 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

いちばん信頼してるから。絶対わかってくれるとおもってるから。と顔を合わせた瞬間にまっすぐ目をみていわれたのおぼえている。おまえはおぼえてなかったけど。おれがおぼえているから、いい。おれの世界にあればそれでいい。これは、距離を、受け入れるための宣言です。どこにも行かないでって言わないためのまじないです。

06.03.2025 14:38 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

サンキュー・ソールド

06.03.2025 13:56 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

待たれた雨

05.03.2025 12:40 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

違法ご当地パン
非合法ご当地パン
脱法ご当地パン
が現れ、ただのご当地パンは、
合法ご当地パン
と呼ばれざるを得なくな?

20.02.2025 04:29 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

ご当地パン

20.02.2025 04:26 — 👍 0    🔁 0    💬 1    📌 0

おまえが自分の意思で眠り終えたときの最初の言葉が、いみがわかんなくて、ほんとにうれしかった。気持ちいいいと伸びをして、背びれを立てて、歩きだしたから恐竜だとわかった。おれがみてたのは寝相だったんだね、山だとおもって登ったのは。さみしそうだったのは火で、山脈にやどる月の光で、さみしかったのはおれだけだった。踏み潰されそうになって急いで逃げてるときスポッチャみたいで楽しかった。またね。いみがわかんなくてありがとうね。

20.02.2025 04:22 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
詩「水槽」

水槽の曲面のかげで
何かが動いている
はじめは魚の尾と見えたが
時計に類するものかもしれず
うごいている
水は満ちたまま
不動
風が歯を鳴らす
「底をくれよ
壁をくれ」
あくまでかたい窓の内側で
水槽はたわみつづけ
それでいてふしぎなほどにあかるい
なぜ、水槽でいられるのか
考えたことはある?

一個の方法しかもっていないと
願いたいやつがいつも悲壮の顔をする
誰もここから出ては行けない
あれは魚だ、いまは水面を見つめている
それは侵入者を待ちわびるように見える

詩「水槽」 水槽の曲面のかげで 何かが動いている はじめは魚の尾と見えたが 時計に類するものかもしれず うごいている 水は満ちたまま 不動 風が歯を鳴らす 「底をくれよ 壁をくれ」 あくまでかたい窓の内側で 水槽はたわみつづけ それでいてふしぎなほどにあかるい なぜ、水槽でいられるのか 考えたことはある? 一個の方法しかもっていないと 願いたいやつがいつも悲壮の顔をする 誰もここから出ては行けない あれは魚だ、いまは水面を見つめている それは侵入者を待ちわびるように見える

水槽

13.02.2025 16:07 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
詩「毎朝フルーツ」

あなたは誰にも似ていない
くだものを食べるときくだものの話をすること
夜の匂いを嗅ぐこと
ひとりにひとつずつ優しさがくばられていて、あなたにやめられた習慣は
どこかの道端で立って街灯になろうときめている、実際なったやつもある
(褒めてないよ)
あなたが誰にも似ないでくだものをたべていると、
音楽は音楽でいられて、ひきかえに
あなたの襟をそっと
なでる
あなたは気づかない
息をひそめない、ひそめなければならない息は、
あなたにない。
おたんじょうびおめでとう。
消えてしまった接続詞は
未来の地層のもっともふるい岩
腐らない果実に
あなたがしなければならないと思うことは、
音楽がそのすべてをゆるす。

詩「毎朝フルーツ」 あなたは誰にも似ていない くだものを食べるときくだものの話をすること 夜の匂いを嗅ぐこと ひとりにひとつずつ優しさがくばられていて、あなたにやめられた習慣は どこかの道端で立って街灯になろうときめている、実際なったやつもある (褒めてないよ) あなたが誰にも似ないでくだものをたべていると、 音楽は音楽でいられて、ひきかえに あなたの襟をそっと なでる あなたは気づかない 息をひそめない、ひそめなければならない息は、 あなたにない。 おたんじょうびおめでとう。 消えてしまった接続詞は 未来の地層のもっともふるい岩 腐らない果実に あなたがしなければならないと思うことは、 音楽がそのすべてをゆるす。

毎朝フルーツ

12.02.2025 14:57 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
詩「records」

麦畑にいる
そんなところにいるはずはないんだが
風が金色をして右から左へ
米のほうが好きだな
学校は好きじゃなかった

レコードは、たしかに消えつつあるね
てことは、針が落ちる音も
針を落とす人
指
やさしい機械の模倣、
その生活
麦をつくる風も
学校すきになれたらなあ
もう行くことないけど
歓声や、つかみ合いがあったな
金魚もいた
遺失物も
あった

きみがわたってこないかな
きみ、てのが
おまえじゃないかもしれないけど
おまえだったらいいなとおもってる
折り重なる麦をかきわけて
ずっと向こうから
学校になんかいかないでさ

詩「records」 麦畑にいる そんなところにいるはずはないんだが 風が金色をして右から左へ 米のほうが好きだな 学校は好きじゃなかった レコードは、たしかに消えつつあるね てことは、針が落ちる音も 針を落とす人 指 やさしい機械の模倣、 その生活 麦をつくる風も 学校すきになれたらなあ もう行くことないけど 歓声や、つかみ合いがあったな 金魚もいた 遺失物も あった きみがわたってこないかな きみ、てのが おまえじゃないかもしれないけど おまえだったらいいなとおもってる 折り重なる麦をかきわけて ずっと向こうから 学校になんかいかないでさ

records

01.02.2025 15:24 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

@ikura-tanka.bsky.social いくらさん、こんばんは。ツイッターでお世話になっていたぬるりと同一人物です。フォローありがとうございます。こちらでも短歌を拝読できてうれしいです☺️

31.01.2025 13:14 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0
考えてみれば
私がすわるこの席も
私ではないだれかの席であるかもしれないのだ
互いに気づき合わないまま
二重になったコーヒーカップの
一方をくりかえし
くりかえし、あやうく選び取りつつ
どちらかが席を立つまで
──だから
いや
私はたしかにサンドイッチを食べたが
それは
店が混みすぎているせいなのだろうか

向きあうもの
すでに向きあったものの胸もとで
ペンが揺れ続ける
所有格はひどくゆっくりとはがれ
私はペンを止められないでいる

考えてみれば 私がすわるこの席も 私ではないだれかの席であるかもしれないのだ 互いに気づき合わないまま 二重になったコーヒーカップの 一方をくりかえし くりかえし、あやうく選び取りつつ どちらかが席を立つまで ──だから いや 私はたしかにサンドイッチを食べたが それは 店が混みすぎているせいなのだろうか 向きあうもの すでに向きあったものの胸もとで ペンが揺れ続ける 所有格はひどくゆっくりとはがれ 私はペンを止められないでいる

詩「幽霊の配膳」

男と女が向かいあって話している
深刻な話ではないように見える
別の男がひとりやってきて
テーブルに何かを置いた
それはコーヒーカップのように見える そして
女のすわっている席に
男はすわった
妙なことには
どちらもそのことに気づいていないようなのだ
またひとり別の男が
またひとつのコーヒーカップをもち
向かいあう男の席へすわる
またしても気づかず
気づかれず

あるいは店が混みすぎているせいか
男と女は何を話しているのか
表情は無にちかい
男ふたりは 片方は
うなだれて
それは私の目の前にあるガラス板のせいでは
ないだろうが

詩「幽霊の配膳」 男と女が向かいあって話している 深刻な話ではないように見える 別の男がひとりやってきて テーブルに何かを置いた それはコーヒーカップのように見える そして 女のすわっている席に 男はすわった 妙なことには どちらもそのことに気づいていないようなのだ またひとり別の男が またひとつのコーヒーカップをもち 向かいあう男の席へすわる またしても気づかず 気づかれず あるいは店が混みすぎているせいか 男と女は何を話しているのか 表情は無にちかい 男ふたりは 片方は うなだれて それは私の目の前にあるガラス板のせいでは ないだろうが

幽霊の配膳(右から読んでね)

31.01.2025 13:11 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

詩作品アカウントとして運営しようかな

31.01.2025 07:56 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

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