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Weiß kreuz(クラッシャーズ Knight &Ran、Z/ETA含む)の二次創作小説を書いています。蘭くん(アヤくん)を右に置きがちですが、こだわりなく好き勝手に活動しています。 Blog ※同人活動に関する情報は、ここで一元管理してます http://empty2222.blog93.fc2.com Pixiv https://www.pixiv.net/users/16077677 ※告知用アカウントです。本体は↓ココ↓ wisteria117nori.bsky.social

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Latest posts by be-empty-nori.bsky.social on Bluesky

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今年残りわずかです。 この間、8月が終わったばかりだと思ってたのに…!って感じです。いくらなんでも速すぎないですかね。進捗。2025年1月:43,421文字2025年2月:47,346文字(累計:90,767文字)2025年3月:73,429文字(累計:164,196文字)2025年4月:24,073文字(累計:188,269文字)2025年5月:45,781文字(累計:234,050文字)2025年6月:88,897...

最近の話とか来年の話とか。

今年残りわずかです。
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01.11.2025 09:38 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz かりそめ - 乗の小説 - pixiv 「あー、アヤ君、おはよう。ハッピーハロウィン!」 早朝シフトのために花屋に行くなり、オミの元気な声で迎えられ、目を白黒させてしまった。店内はオレンジ色と紫のモールで色とりどりに飾り付けられ、ジャック・オー・ランタンや幽霊、魔女のシルエットと思しきオーナメントがそこら中に置かれてい

当日滑り込み。アヤとオミと彩ちゃんのハロウィン話。

【小説】10月投稿企画「Halloween Party 2025」参加作品です。

かりそめ
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31.10.2025 13:45 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#クラッシャーズKnight&Ran #藤宮蘭 La Campanella - 乗の小説 - pixiv あんなにも苛烈だった日差しは日々に褪せ、季節が確実に移り変わっていることを肌身で感じさせられる。早朝の走り込みは蘭の日課だが、日の出もめっきり遅くなった。ほんの少し前まで明るい空の下を走っていたのに、最近は走り終えて帰宅する頃にやっと日が昇り始める。 「涼しくなったよねえ」 蘭の

蘭と成とストリートピアノの話…なんですが、日本でのストリートピアノの歴史って意外に浅いんですね。

【小説】11月投稿企画「秋の音楽会」参加作品です。

La Campanella
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29.10.2025 13:42 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #ヴァイスクロイツ 白線の内側 - 乗の小説 - pixiv 文目もわかぬ夜の底にあって、嗅ぎ慣れた香りだけは殊更に存在を主張する。見えないのに、確かにそこにある。またこの季節が来たのだなと思った。もっとも、蘭がまだ学校に通っていた頃、トイレに行けば年がら年中、漂っていた匂いでもある。わざわざ口にするほど、蘭も悪趣味ではない。 「キンモクセ

約束させたい優士と約束したくない蘭くんの話。コンテストの趣旨は「再会」なんですが、話が「約束」に寄りすぎたかもしれない…。

【執筆応援プロジェクト〜再会〜】参加作品です。

白線の内側
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11.10.2025 08:05 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz オレンジ色の幸福 - 乗の小説 - pixiv 夕暮れ時に、急ぎの花の配達依頼が舞い込んだ。クロエから指名を受けたアヤは、快く配達係を引き受けた。一人で十分だが、あまり遅い時間にユキやミシェルを表で歩かせたいとは思わない。フリーは喋らないから、客先に一人で行かせると思わぬトラブルを引き起こしそうだ。ケンはシフトの関係で、早々に

カボチャの煮付けを作るケンと、味見をするアヤの話。ハロウィンなんだか冬至なんだか。

【小説】10月投稿企画「Halloween Party 2025」参加作品です。

オレンジ色の幸福
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06.10.2025 04:12 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
「優士、ハッピーハロウィン!」
 日付が九月に変わるなり、いきなり部屋の扉がバンと開かれ、蘭が突撃をかましてきた。いくら家が広いとはいえ、深夜に騒がないでほしい。また酔っ払っているのだろうか。
「ハロウィンは十月の末だろ。早すぎる。二ヶ月後に出直してこい」
 冷静にツッコみながら蘭の背を押しやり、扉の外に追い出そうとすると「えー。だってさあ」と不満げな言葉が返ってきた。触れる掌に、蘭の声の震えがビリビリと伝わってくる。
「最近のイベント商戦は前倒しなんだよ! 街に出ればもう、黒とオレンジで溢れてるぜ。優士もちゃんと市場調査しろよ」
「なんの調査だ。準備期間は長くても、イベント当日は一日しかないだろ」
「俺、それまでこの家にいるかどうか分かんないし」
「……」
 急に現実に引き戻される。分かってはいるけれども、「その日」は確実に近づいているのだ。騒々しい日々に紛れて、なんとなく気づいていないふりをしていたが、そろそろ向き合わなくてはいけない時期に差し掛かっているのだ。
「だからさあ! 菓子はいらないから悪戯させろ!」
 しんみりした空気をぶち壊すような蘭の発言に、感傷は完全に吹っ飛んでしまった。優士が重く捉えすぎなのかもしれない。
「馬鹿野郎。やっぱり二ヶ月後に出直してこい」
 あえて冷たく言い放つと、優士は蘭を部屋の外に押し出して扉を閉めた。

「優士、ハッピーハロウィン!」  日付が九月に変わるなり、いきなり部屋の扉がバンと開かれ、蘭が突撃をかましてきた。いくら家が広いとはいえ、深夜に騒がないでほしい。また酔っ払っているのだろうか。 「ハロウィンは十月の末だろ。早すぎる。二ヶ月後に出直してこい」  冷静にツッコみながら蘭の背を押しやり、扉の外に追い出そうとすると「えー。だってさあ」と不満げな言葉が返ってきた。触れる掌に、蘭の声の震えがビリビリと伝わってくる。 「最近のイベント商戦は前倒しなんだよ! 街に出ればもう、黒とオレンジで溢れてるぜ。優士もちゃんと市場調査しろよ」 「なんの調査だ。準備期間は長くても、イベント当日は一日しかないだろ」 「俺、それまでこの家にいるかどうか分かんないし」 「……」  急に現実に引き戻される。分かってはいるけれども、「その日」は確実に近づいているのだ。騒々しい日々に紛れて、なんとなく気づいていないふりをしていたが、そろそろ向き合わなくてはいけない時期に差し掛かっているのだ。 「だからさあ! 菓子はいらないから悪戯させろ!」  しんみりした空気をぶち壊すような蘭の発言に、感傷は完全に吹っ飛んでしまった。優士が重く捉えすぎなのかもしれない。 「馬鹿野郎。やっぱり二ヶ月後に出直してこい」  あえて冷たく言い放つと、優士は蘭を部屋の外に押し出して扉を閉めた。

ハロウィン優蘭(未満?)話。

04.10.2025 02:37 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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今年残り3ヶ月ですねえ。 今年もあっという間に終わりそうですね。10月もしばらく暑いみたいですが。秋はいずこ…。進捗。2025年1月:43,421文字2025年2月:47,346文字(累計:90,767文字)2025年3月:73,429文字(累計:164,196文字)2025年4月:24,073文字(累計:188,269文字)2025年5月:45,781文字(累計:234,050文字)2025年6月:88,897文字(累計...

9月の振り返りとか諸々。
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30.09.2025 15:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#クラッシャーズKnight&Ran #本庄優士 うってつけの秋 - 乗の小説 - pixiv まだまだ暑いけれども、日差しには一時の苛烈さはない。猛暑の盛りには、ずっと夏が続いていくような錯覚すら起こしていたけれども、季節は確実に秋への準備を始めているのだ。 「夏が終わる」 いつものように三人揃ってモーニングを取っている最中に突然、蘭が呟いた。その直前まで何の話をしていた

太陽ちゃんに頼まれたエスコートプランに悩む蘭くんと、成り行きで見守る優士の話。

うってつけの秋
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28.09.2025 05:41 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 尾花 - 乗の小説 - pixiv 夕飯の支度をそろそろ始めるかと、椿と台所に向かったものの、買い出し組がまだ帰ってきていない。今日は蘭が当番だが、黒百合がお守りについて行っているはずだ。それにしても随分と遅い。どこで道草を食っているのやら。 冷蔵庫の中身は随分と心許ないが、米だけでも先に炊くことにした。椿が米櫃か

怪我をした蘭くんを、桔梗と黒百合が手当する話。

尾花
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21.09.2025 05:54 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 張り番 - 乗の小説 - pixiv 別に観光に来ているわけではない。金沢は何回も足を運んだ地だ。京都に引っ越してからは、サンダーバード一本で行けるようになったから、はるかに楽になった。 足繁く金沢と京都を往復する竜胆を見て、菖蒲は「定期券でも買ったら?」と皮肉混じりの冗談を飛ばしてくる。交通費は完全自腹だけれども、

竜胆が堂々と尾行される話。【執筆応援プロジェクト~光と影~】参加作品です。

張り番
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17.09.2025 15:21 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 孤影 - 乗の小説 - pixiv 二人でスーパーに行ったときの出来事だった。大きなビニール袋を二つずつぶら下げながら、とりとめのない会話を交わしつつ帰路に就く。 ジョギング中に出会った野良猫を追いかけたこと。その途中でうっかり雨に降られて民家の軒先で雨宿りしていたら、住人に家の中に入れてもらい、お茶と菓子をご馳走

【執筆応援プロジェクト~光と影~】参加作品です。桔梗にとっての蘭くんと、アヤにとっての優士の話。

孤影
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13.09.2025 13:27 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz バリア - 乗の小説 - pixiv 「ただいまー」 声を張ったところで、どうせ誰もいないんだろうなと思っていたケンの予想を裏切ったのは、共有リビングのソファで寝落ちしているアヤの姿だった。いつもは授業の準備だのなんだので帰りが遅いが、珍しく今日は早めに帰宅したらしい。セナはまだ学校だろうか。 ソファに仰向けになり、

【小説】9月投稿企画「Glasses Party」参加作品。アヤくん、灼熱で眼鏡かけてたよなあ。って話です。

バリア
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07.09.2025 08:25 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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今年も2/3終わっちゃいましたね… いやいやいや、もう9月とか嘘でしょう、だってこんなに暑いのに。って言ったところで現実は無情なものです。進捗。2025年1月:43,421文字2025年2月:47,346文字(累計:90,767文字)2025年3月:73,429文字(累計:164,196文字)2025年4月:24,073文字(累計:188,269文字)2025年5月:45,781文字(累計:234,050文字)2025年6月:88,...

8月の総まとめと今年の予定とか諸々。

今年も2/3終わっちゃいましたね…
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31.08.2025 15:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 冷却期間 - 乗の小説 - pixiv ぶっ通しで書いて書いて書き続けて、ふと筆が止まったなと思った瞬間、今度は何も書けなくなってしまった。試しに数行、カタカタとキーボードに打ち込んでみるものの、何かがしっくり来なくて、バックスペースで新規入力分を消す。 「おいおい、スランプか?」 自分を鼓舞するつもりで吐いた言葉はむ

【執筆応援プロジェクト~空白~】参加作品です。スランプに陥る竜胆と薊の話。

冷却期間
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31.08.2025 13:53 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 影 - 乗の小説 - pixiv 金曜の夕食の場でなんとなく「バイト代が入った」話をしたところ、彩が、「いいなあ! 何かご馳走してよ!」と目を輝かせて食いついてきた。 「分かった分かった、奢ってやるよ」 「ホント? 約束だよ!」 あしらうように宥めすかすと、彩は食卓で大きく万歳をして、母親から「食事中に暴れないの

彩ちゃんからの謎々と、火球を目撃するアヤとオミの話。
【執筆応援プロジェクト~青~】参加作品です。


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23.08.2025 14:05 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#クラッシャーズKnight&Ran #Weißkreuz 夜を裂く - 乗の小説 - pixiv 陽が落ちれば、鴨川に吹く風は涼しい。日中はそれなりの暑さだったけれども、五山の送り火が終われば、京都の夏も終わるのだと聞いた。 「このあたりがいいかな」 三条大橋と四条大橋の中間地点ほどで、成が足を止める。橋の袂のエリアに比べると、等間隔カップルの幅も若干、広い。 「人がいる」

【小説】8月投稿企画「花火2025」参加作品。成が優士と花火を打ち上げる話です。
※河原での打ち上げ花火は、条例により禁止されています(2008年度より)。

夜を裂く
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20.08.2025 03:13 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 青の座標 - 乗の小説 - pixiv 子供の頃、家族で海水浴に行った。どこの海だったのかは覚えていないけれども、日帰りだったから、県内のどこかの海水浴場だったのだと思う。プールとは違って、口に飛び込んでくる水は塩辛く、多少、深いところまで行っても身体がプカプカ浮かぶのが不思議で仕方がなかった。 「お父さん、どうして海

【執筆応援プロジェクト~青~】参加作品です。タグが大渋滞で、キャラ名が入りませんでした…!

海水浴に行く藤宮一家と、蘭・成・優士のある夏の日のお話。

青の座標
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17.08.2025 07:08 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
 夏の気温は年々、苛烈さを極めていく。「午前中の涼しいうち」など存在しない。地球全体が炙られているかのようで、呼吸するだけで肺が焼ける。
「こんな日に下調べとか、クイーンも酷すぎるだろ。ホント、人使いが荒いったらない」
「今日しか予定が合わなかったんだ。我慢しろ」
 真夏の日差しに容赦なく照り付けられながら、背後で蘭が延々と文句を垂れる。優士も同意見なのだが、ここで同調するのも癪だし、「酷い話だな」と盛り上がったところで事態は何ひとつ進展しない。さっさと調査を終わらせて、とっとと家に帰るに限る。あまりの暑さに、往来に人の姿もない。人類が絶滅してしまったのではないかと錯覚しそうだ。
「行くぞ」
 促した瞬間、後ろから蘭がべっとりと覆い被さってきたので、心臓が止まるほど驚いた。触れる肌が熱い。というより暑苦しい。二人とも汗だくだから、貼り付く肌が気持ち悪い。
「うわ! 何をする!」
「今日、朝から三十五度超えてるんだって。俺の体感だと、三十七度は行ってる」
「だから?」
「人間の体温ってせいぜい、三十六度台だろ? 外気温より低い。だったら、ひっついてるほうが涼しいはずだ」
 数字の問題ではない。ついに暑さで錯乱したか。本当に早く調査を終わらせないと、蘭の脳が煮え切ってしまう。ゆで卵は生卵には戻らないのだ。
「馬鹿野郎」
 蘭の頭を鷲掴みにして、無理矢理引き剥がす。

 夏の気温は年々、苛烈さを極めていく。「午前中の涼しいうち」など存在しない。地球全体が炙られているかのようで、呼吸するだけで肺が焼ける。 「こんな日に下調べとか、クイーンも酷すぎるだろ。ホント、人使いが荒いったらない」 「今日しか予定が合わなかったんだ。我慢しろ」  真夏の日差しに容赦なく照り付けられながら、背後で蘭が延々と文句を垂れる。優士も同意見なのだが、ここで同調するのも癪だし、「酷い話だな」と盛り上がったところで事態は何ひとつ進展しない。さっさと調査を終わらせて、とっとと家に帰るに限る。あまりの暑さに、往来に人の姿もない。人類が絶滅してしまったのではないかと錯覚しそうだ。 「行くぞ」  促した瞬間、後ろから蘭がべっとりと覆い被さってきたので、心臓が止まるほど驚いた。触れる肌が熱い。というより暑苦しい。二人とも汗だくだから、貼り付く肌が気持ち悪い。 「うわ! 何をする!」 「今日、朝から三十五度超えてるんだって。俺の体感だと、三十七度は行ってる」 「だから?」 「人間の体温ってせいぜい、三十六度台だろ? 外気温より低い。だったら、ひっついてるほうが涼しいはずだ」  数字の問題ではない。ついに暑さで錯乱したか。本当に早く調査を終わらせないと、蘭の脳が煮え切ってしまう。ゆで卵は生卵には戻らないのだ。 「馬鹿野郎」  蘭の頭を鷲掴みにして、無理矢理引き剥がす。

蘭は不満そうな表情になり、「えぇ〜」とゴネた。
「まさか優士、俺に興奮して、体温上がっちゃった? 三十八度とか行ってる?」
「行ってるのはお前の頭だろ。俺の見立てだと、四十度はあるな。水でも被ってろ」
 冷たく言い放つと、蘭は「つまんねえの」と言いつつ、優士から離れた。触れていた熱が失われていく。少しだけ涼しくなったかもしれない。所詮は相対評価でしかないのだが。
 そんなことを考えている時点で、自分も暑さに相当、やられているなと思う。立ち止まっていると、ますます灼熱に炙られすぎて、思考も判断力も落ちそうだ。「馬鹿なことやってねえで、とっとと行くぞ」と言い放つと、蘭に背を向けて、歩調を速めた。

蘭は不満そうな表情になり、「えぇ〜」とゴネた。 「まさか優士、俺に興奮して、体温上がっちゃった? 三十八度とか行ってる?」 「行ってるのはお前の頭だろ。俺の見立てだと、四十度はあるな。水でも被ってろ」  冷たく言い放つと、蘭は「つまんねえの」と言いつつ、優士から離れた。触れていた熱が失われていく。少しだけ涼しくなったかもしれない。所詮は相対評価でしかないのだが。  そんなことを考えている時点で、自分も暑さに相当、やられているなと思う。立ち止まっていると、ますます灼熱に炙られすぎて、思考も判断力も落ちそうだ。「馬鹿なことやってねえで、とっとと行くぞ」と言い放つと、蘭に背を向けて、歩調を速めた。

令和の夏。優蘭の夏。

02.08.2025 00:10 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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暑中お見舞い申し上げます 7月が爆速すぎて掴み切れませんでした。あっという間にすり抜けていった感じ。進捗。2025年1月:43,421文字2025年2月:47,346文字(累計:90,767文字)2025年3月:73,429文字(累計:164,196文字)2025年4月:24,073文字(累計:188,269文字)2025年5月:45,781文字(累計:234,050文字)2025年6月:88,897文字(累計:322,9...

8月です!相変わらず好きなようにやってると思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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31.07.2025 15:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 信ジテ迷フ - 乗の小説 - pixiv 「うわ!」 庭で一人、稽古をしていた蘭が突然、大声を上げた。何事かと思い、桔梗は座敷を突っ切り、縁側へと続く障子をパンと開けた。 「どうした?」 「わっ!」 いきなり背後から声をかけられて、蘭が再び、悲鳴を上げる。その声に、桔梗の心臓も跳ね上がった。驚きは驚きを呼ぶ。蘭は桔梗の姿

蛇の抜け殻を巡る桔梗と蘭の話。

【小説】7月投稿企画「鱗〜UROKO〜」参加作品です。

信ジテ迷フ
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21.07.2025 11:23 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 奏鳴 - 乗の小説 - pixiv 香ひのピアノは、一つ一つキイを叩くごとに、一つ一つ記憶が奏鳴する。 さくらから「花の香りがする」と言われたとき、内心で驚いた。いくら日中に花屋の店員をやっているとはいえ、ふとした折に、鼻先で特有の金気臭さを感じるからだ。 もっとも、さくらも目の前の人間が人殺しだとは思っていないだ

アヤくんお誕生日おめでとうございます。とりあえず仙台(以前)からイギリスまで、一通り色々詰め合わせてみました。

※【執筆応援プロジェクト~香り~】参加作品

奏鳴
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03.07.2025 15:25 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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今年後半戦、よろしくお願いいたします。 あっという間に今年も半分過ぎてしまいましたね。って毎月のように言っておりますが。進捗。2025年1月:43,421文字2025年2月:47,346文字(累計:90,767文字)2025年3月:73,429文字(累計:164,196文字)2025年4月:24,073文字(累計:188,269文字)2025年5月:45,781文字(累計:234,050文字)2025年6月:88,897文字(累計:32...

7月もよろしくお願いいたします。

今年後半戦、よろしくお願いいたします。
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30.06.2025 15:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
 ハッと目を覚ましたとき、自分がどこで何をしていたのか一瞬、分からなかった。目の前には書類の山が積まれ、起動しっぱなしのノートパソコンは、しばらく操作をしなかったせいで、パスワード入力画面になっている。仕事が終わらず、自宅に持ち帰り、夕飯後も作業をしていたものの、あまりの疲弊に寝落ちしていたらしい。変な格好で寝ていたから、身体の節々が痛む。
 少しは休めたから、再開せねばとキーボードに手を伸ばすと、パソコンの脇に見覚えのない缶コーヒーと、個包装の焼き菓子が置かれているのが目に入った。缶コーヒーの下には「お仕事お疲れ様!」と走り書きされたメモが敷かれている。
 署名はないけれども、贈り主はすぐに分かる。また深夜にコソコソとコンビニに行っていたらしい。自身の小腹を満たすために。優士への差し入れは「ついで」かもしれないが、どんな形であれ、蘭の心の片隅に、優士への気遣いが存在してくれていることが、純粋に嬉しかった。
 プルタブをパキリと引き上げて、一口啜る。喉が焼けるほど甘い。疲弊した身体に、糖分が駆け巡っていく。もう少しだけ頑張れそうだ。大きく伸びをすると、優士は再び、仕事へと戻った。

 ハッと目を覚ましたとき、自分がどこで何をしていたのか一瞬、分からなかった。目の前には書類の山が積まれ、起動しっぱなしのノートパソコンは、しばらく操作をしなかったせいで、パスワード入力画面になっている。仕事が終わらず、自宅に持ち帰り、夕飯後も作業をしていたものの、あまりの疲弊に寝落ちしていたらしい。変な格好で寝ていたから、身体の節々が痛む。  少しは休めたから、再開せねばとキーボードに手を伸ばすと、パソコンの脇に見覚えのない缶コーヒーと、個包装の焼き菓子が置かれているのが目に入った。缶コーヒーの下には「お仕事お疲れ様!」と走り書きされたメモが敷かれている。  署名はないけれども、贈り主はすぐに分かる。また深夜にコソコソとコンビニに行っていたらしい。自身の小腹を満たすために。優士への差し入れは「ついで」かもしれないが、どんな形であれ、蘭の心の片隅に、優士への気遣いが存在してくれていることが、純粋に嬉しかった。  プルタブをパキリと引き上げて、一口啜る。喉が焼けるほど甘い。疲弊した身体に、糖分が駆け巡っていく。もう少しだけ頑張れそうだ。大きく伸びをすると、優士は再び、仕事へと戻った。

蘭くんが優士に差し入れする話。

30.06.2025 11:26 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 毒の咲く - 乗の小説 - pixiv 「お、なんか綺麗な花が咲いてんな!」 配達の帰り道、先を行くケンが、足を止めた。ケンにも花を愛でる気持ちはあったのかと、オミは少しだけ不思議な気分になる。 花屋としてのメンバーの態度は、四人ともバラバラだ。アヤは花には詳しいようだが「花屋をやりにきたわけではない」という姿勢を崩し

オミとケンとキョウチクトウ。

【執筆応援プロジェクト~毒~】参加作品です。(テーマ:毒)

毒の咲く
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15.06.2025 15:06 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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2025年6月15日・優雅気ままにランデブー ありがとうございました。 ※開場前に撮影無事に優蘭オンリーイベントが終了いたしました。参加された皆様、誠にお疲れさまでした&ありがとうございました。2年くらい前に「新刊カード50枚集めて優蘭オンリーを開いてもらおう!」って話になり、たくさんの方々のご協力もいただきつつ、みんなでせっせと50枚集め、昨年の8月のVEGAで投票し、2025年6月15日に開催となったわけですが、足掛け数年かけて(私の助力なんぞ僅かではありますが)...

イベントありがとうございました!めっちゃ楽しい一日でした。終わっちゃって寂しい…

2025年6月15日・優雅気ままにランデブー ありがとうございました。
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15.06.2025 13:18 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
 よく「齢を重ねることは、死に近づくことと同義だ」と言われるが、二十代の優士にはピンと来ない。それでも、年に一度の記念日ともなれば、特別な感慨は湧くものだ。
 お祝いの言葉は素直に受け取るけれども、大袈裟なパーティーなどは不要と、使用人には伝えてある。ただ、ディナーの最後にケーキのひとつでも出してもらえると嬉しい。優士の細やかな願いを、ベルウッドは「かしこまりました」という穏やかな笑顔と言葉で受けてくれた。
 職場ではわざわざ、誕生日の話などしない。いつも通りに仕事を終えて帰宅した。出迎えてくれたベルウッドに鞄を渡し、自室に向かおうと踵を返した瞬間、「優士様」と呼びかけられた。
「優士様宛に、お手紙が届いておりました」
「誰からだ?」
「差出人情報が書かれていないので分かりかねます」
 そう言いながらも、ベルウッドの表情は落ち着いたものだ。おそらく、差出人の当てがあるのだろう。「こちらです」と渡されたのは、一葉のポストカードだった。通信面には、箔押しされた「Happy Birthday」の真っ赤な文字が踊っている。ほかには何も書かれていない。
 ポストカードをひっくり返す。宛先情報は書かれていたが、確かに差出人欄は空白になっていた。これを優士に送った人間は、よっぽど自分のことを知られたくないらしい。
 知られたくないなら、送らなくてもいいのに、年に一度のこの日を、どうしてもスルーできなかったようだ。それが、差出人の正体を何よりも如実に語っている。「何を考えているんだか、あいつは」と思いつつ、自然と口元が緩むのを抑えられなかった。

 よく「齢を重ねることは、死に近づくことと同義だ」と言われるが、二十代の優士にはピンと来ない。それでも、年に一度の記念日ともなれば、特別な感慨は湧くものだ。  お祝いの言葉は素直に受け取るけれども、大袈裟なパーティーなどは不要と、使用人には伝えてある。ただ、ディナーの最後にケーキのひとつでも出してもらえると嬉しい。優士の細やかな願いを、ベルウッドは「かしこまりました」という穏やかな笑顔と言葉で受けてくれた。  職場ではわざわざ、誕生日の話などしない。いつも通りに仕事を終えて帰宅した。出迎えてくれたベルウッドに鞄を渡し、自室に向かおうと踵を返した瞬間、「優士様」と呼びかけられた。 「優士様宛に、お手紙が届いておりました」 「誰からだ?」 「差出人情報が書かれていないので分かりかねます」  そう言いながらも、ベルウッドの表情は落ち着いたものだ。おそらく、差出人の当てがあるのだろう。「こちらです」と渡されたのは、一葉のポストカードだった。通信面には、箔押しされた「Happy Birthday」の真っ赤な文字が踊っている。ほかには何も書かれていない。  ポストカードをひっくり返す。宛先情報は書かれていたが、確かに差出人欄は空白になっていた。これを優士に送った人間は、よっぽど自分のことを知られたくないらしい。  知られたくないなら、送らなくてもいいのに、年に一度のこの日を、どうしてもスルーできなかったようだ。それが、差出人の正体を何よりも如実に語っている。「何を考えているんだか、あいつは」と思いつつ、自然と口元が緩むのを抑えられなかった。

今日は中の人のお誕生日だそうで。キャラの誕生日は四半世紀以上経った今でも不明ですが…

11.06.2025 12:05 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#Weißkreuz #Weiβkreuz 最合傘 - 乗の小説 - pixiv 降り頻る雨の中を、アヤは一人でトボトボと歩いていた。関東は梅雨入り宣言をとうに済ませて、毎日毎日、飽きもせずに雨が降る。それなのに、珍しく晴れ間が見えたせいで、外出時に傘を持っていくという感覚がすっぽり抜けていた。 客足が途切れず、なかなか休憩に入れなかったことも大きい。ぐずぐず

アヤとケンが相合傘をするお話。

【小説】6月投稿企画「RainRainRain2025」参加作品です。

最合傘
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08.06.2025 05:43 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
#Weißkreuz #Weiβkreuz 毒杯決闘 - 乗の小説 - pixiv 北仙台駅の構内から地上に出ると、待ち構えていたかのように鼻先にチョンと雨粒が跳ねた。いきなり天気が崩れたなと思う間もなく、凄まじい降雨が桔梗の全身を洗っていく。最悪だ。 もう濡れてしまったから今更、傘を買う気にもならない。家まで走って帰ることにした。もっとも、歩いて帰っても走って

【執筆応援プロジェクト~毒~】参加作品です(テーマ:毒)。

運試しをする桔梗と、知らない間に巻き込まれている蘭くんの話。

毒杯決闘
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03.06.2025 04:54 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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今月もよろしくお願いいたします。 6月です!よろしくお願いいたします!進捗2025年1月:43,421文字2025年2月:47,346文字(累計:90,767文字)2025年3月:73,429文字(累計:164,196文字)2025年4月:24,073文字(累計:188,269文字)2025年5月:45,781文字(累計:234,050文字)書いていたのは、1.Pixivのお題×2本(合計5,000文字弱)2.ss×1本(400文...

5月の振り返りとか6月以降の予定とか。相変わらずマイペースにやってるとは思います。

今月もよろしくお願いいたします。
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31.05.2025 15:01 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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#クラッシャーズKnight&Ran #本庄太陽 その手の中に - 乗の小説 - pixiv 「太陽。今日は暑くなるから、出かけるときはちゃんと帽子を被りなさい」 「はあい」 幼き日々の両親とのやりとりは、成長した今でも時折、夢に見る。両親は、とても忙しい人たちだった。けれども、他人の家と比較なんてしようがないから、太陽にとっては、それが当たり前だった。 兄の優士は優士で

【小説】5月投稿企画「Hat Collection」参加作品です。

帽子と言えば、やっぱり太陽ちゃんの麦藁帽子かな、と。アニメ一期2話で出てきた女装おじさんが、「お気に入りの帽子をダメにされた!」ってブチ切れてたなあ…。

その手の中に
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25.05.2025 06:42 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

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