昔制作した同人誌「英国貨幣収集の楽しみ ~収集のPDCAサイクルとその実践~」を現在の収集環境の変化に合わせて改訂中。
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貨幣収集の趣味を拗らせて同人誌を作成しています。 http://www.guinea-sovereign-shillings.org/ https://yhc00121.booth.pm Member of Japan Numismatic Society (JNS). Britain, Spain, Portugal, Netherlands and Japan coins.
昔制作した同人誌「英国貨幣収集の楽しみ ~収集のPDCAサイクルとその実践~」を現在の収集環境の変化に合わせて改訂中。
25.04.2024 08:46 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0TICCの展示で使用するタグの準備完了。
ガラスケース越しで見えない部分は拡大して印刷したので大丈夫なはず。
地域別に見ると旧共産圏、および海洋諸国などに偏在していますがヴァチカン、ドイツ、イタリアなども長年に亘って発行しています。
基本的には気に入ったデザインで選んでいますが、小額面貨を収集するにあたり状態は厳選、統一感ある収集を目指すとある収納時にとても映えます。
この例では紙製ホルダーに納め、アルバムに収納して管理しています。
・フランス領1フランアルミ貨 頭像・小文字
+収納場所が他になかったので試鋳貨 ESSAI も
・フランス領1フランアルミ貨 頭像・大文字
・フランス領1フランアルミ貨 座像
・西アフリカ諸国1フランアルミ貨
貨幣の歴史を紐解けば、純粋なアルミニウム素材の貨幣が模索されるのは 19世紀前半、幾つかの国で試鋳されます。
通用貨に採用されるのは 19世紀後半。
小額貨に使われインフレの波を超えられず、多くの国では単年度。あるいは数度の発行を以て途絶えてしまいます。例外はあるものの全体的に見れば 1枚 100円から 2000円もすれば高いと感じることでしょう。他素材の硬貨に負けず素敵なものが多くあり選び放題。発行時期の短い国や地域によっては年銘別だって夢ではありません。まあ、ここまでなら青銅貨、白銅貨、バイメタル貨など何でも良いでしょう。
■財布に優しい価格帯で楽しむ貨幣収集
古代から現代まで、色々な国や地域で発行された貨幣のうち未使用で精緻な図案を楽しめる安価なものは何か?小額貨幣として銅貨、青銅貨、黄銅貨などが思い浮かびますが忘れてはいけないのがアルミニウム貨。
国内では1円玉でお馴染みのあれです。馴染みがあり過ぎて実感がないかもしれません。20世紀において純アルミニウム硬貨を発行した国や地域は 130、そのうち同額面を同仕様で 20年を超えて発行したのは 13ヶ国。現在に至って継続的に発行している国は、日本を含めて数えるほどしかありません。
趣味として収集を楽しみながら目標とする希少品の登場をじっと待つ Hi-Low Mix な戦略。これを意識して収集していますが貨幣収集は金貨や銀貨、その対象によって価格帯はまさにピンキリ。
高価 High price なものじゃなければ楽しめないか?と言えばそんなこともなく、価格差が1000倍だとしても楽しさはそこまで変わりません。安価 Low price なものにも楽しめるものは色々あり、年代や地域、状態や素材などの何を重視するかで収集対象は変わってきます。
予算が潤沢ならば迷う必要はありません。何も気にすることなく我が道を行きましょう。
ここ数年で国内でも日用品の何れも単位量あたりの価格があがりました。貨幣収集では何年も前からこの傾向にあり、新たに参入される方も増えているようで、最近は事前の想定を上回るものが多くなりました。金貨や銀貨、特に人気の集中しがちなものを集めよるのは予算的にも難易度的にもなかなか大変です。
この 30年近く、特に貴金属地金に連動する形で取引価格は右肩上がりで推移しています。今後もそうであるか未来のことは誰にも分かりませんが、ひとつ言えるのは予算額が同じなら昔に比べて入手できる枚数はそれだけ減ったということです。長期間に亘って収集している方は実感されているはずです。
貨幣には国や地域、年代別にカタログや専門書が存在します。カタログは高いからいらない?好きにしてください。
それは海図なしに出航するようなもので、浅くやる程度なら良いかもしれませんが多額の予算を必要とするものに手を出そうとするなら、金貨1枚くらいの予算を割いたとしても万難を排して入手に努めるべきです。
毎年刊行されるカタログにある評価額は Coins of England にしても半年の差があるので目安でしかありません。それに貨幣カタログを見て気に入ったものが欲しくなると思いますが、評価額は入手の容易さを現わしている訳でないことにも注意が必要です。
■収集対象をどう定めるか?
収集の満足度が高くなる要件は幾つかあり共通しています。
・予算に見合うもの
・自分好みのもの
・状態は厳選する
・ある程度の範囲を明確にする
無理のない範囲で、自分好みのものを状態を厳選してコツコツと集めていきましょう。幾ら勧められようが好みでないものは除外しましょう。特に〇〇は将来うんぬんとか論外です。国や地域を横断的にするか?血族や王朝など発行者や種別を追いかけて系統的に?どの部分に深いこだわりを持つのか?
貨幣だけにとどまりませんが収集の醍醐味は人それぞれに、それを集める理由とそのこだわりの深さにあると思います。
グレーディングなんて自分には無理だ?
でもよく考えてみてください。取引価格がどうであれ彫刻が施された貨幣極印が判子のように押された金属板に他なりません。いきなり金貨の見極めを目指さずに銀貨や銅貨。
もっと究極的なことを言えば、磨耗状態を判断するための練習はお財布にある硬貨でも十分です。
その後は看破したい硬貨の未使用と磨耗の変化による特徴の「差分」を身に付けるだけ。
どれくらいの期間で看破できるようになのか?
向き不向きの個人差があるので一概には言えませんが 「一万時間の法則」 が割と当てはまるような気もします。少なくとも年単位と思ってください。
グレーディング?そんなのはスラブに任せてしまえばよい。まあ、その考え方もひとつの手ですね。
鑑定会社によるスラブは、誤判定に対して申請時の区分に応じた補償額が定められており Webページにもその旨が記載されています。知らない?ぜひ読みましょう。
仮に疑念があれば売買履歴を遡って「申請者」に協力をお願いするという流れになりますが——実際問題としてやれますかね?
厳密な判定は難しいにしてもある程度、昔ながらの区分による磨耗状態判定くらいは研鑽を積んで自分で看破できるようにならないと、とする理由はここにあります。
Guinea, Sovereign, Shillings - 既刊同人誌「英国金貨の世界」p.08 より抜粋
・製造直後の極印、つまり未使用貨の特徴を知る。
・磨耗の変化、未使用から磨り減る過程を知る。
・グレーディング、格付けにおける閾値を知る。
+各鑑定会社のスラブ格付けの特徴。
独力でグレーディングを習得しようとする場合、漫然と貨幣を眺めているだけでは習得できません。抑えるべきポイントはこの 3+1 を常に意識しておきましょう。
習得したいものと同じものを磨耗度別に集めておくのが理想ですが、この数年は何でも高価になり、昔の価格帯を知っていると手が出せる物が少なくなりました。高額なものではそう簡単に揃えるという訳にもいきません。
鑑定会社のスラブに封入してもらうには最低数千円かかるので、余程の理由がなければ安価なものを入れない傾向にあります。
スラブに封入されたものじゃないと不安だという方もいるでしょう。その気持ちは良く分かります。趣味としての貨幣収集を 「もっと手軽に」 楽しみたいなら安価でスラブに封入されてないものを対象にすることになるでしょう。
そうなると必然的に手軽に楽しめるものは磨耗状態を自分で看破できないとなりませんが、その習得には幾つかのコツがあります。
鑑定会社が提供する洗浄サービスをやったら 「Cleaned」 ですよね?ダブルスタンダードじゃないの?
MS70 で集める?いいですね。将来的に曇りが生じるかもしれませんけど——金貨には赤い金錆、レッドスポット、新規発行の銀貨では白いミルクスポットが浮かぶこともあるでしょう。
人のやることですからミスは付きもの、ラベル記載ミスなんかは割とあります。意地悪な例をあげましたが時期によっては判定度合いにブレもあるので、どの時期の MS63 は別の時期だと MSxx くらいなどのキャリブレーションは欠かせません。
磨耗状態は取引価格に直結するので、スラブは磨耗状態に不慣れでまだ自分で判別できない方にとっては安心なものです。
長年の研鑽を積んだ業者や収集家は自分で判断することができますが、磨耗状態は彫刻の何%が失われたかを測るので経験の違いにって同じ物を見ても意見のずれが生じたりする場合があります。スラブは個人差による磨耗度合いの判断の差を平準化するものなので良い面ばかりに思えますが、コインの裏表のように悪い面もあります。
■グレーディングの光と闇
現在の収集において何を語るにしても、まず触れておかねばならないことがあります。「スラブ」の存在です。
国内でも鑑定会社による磨耗状態が格付けして封入をした 「スラブ」 と呼ばれるケースに入ったものが多く取引されるようになりました。
昔ながらの磨耗状態の格付けは、未使用(UNC)、準未使用(AU)、極美品(EF または XF)、美品(VF)、並品(FINE) これ以下は、劣品(VG) さらに下には GOOD、FAIR、POOR と和訳が定まらないものが続きます。日本銭だと上品、佳品、並品の用語があってどれが何に相当するのか割と漠然としています。
おいおい金貨ばかり集めておいて何を言っているんだ?と思われるかもしれませんが、それは最低でも地金価値は残るという理由に他なりません。
8万枚くらい金貨を集めたいですけれど、現在の地金価格では夢のまたゆめ——というのはさておき 「使えるお金を使えないお金に交換」 している訳ですからリスクヘッジを常に頭の片隅に置いておくべきでしょう。
ひとつ言えるのはスプレッド幅は大きすぎて投資と捉えるにはリスクが高いので、繰り返しになりますが始めるなら熱くなり過ぎず「趣味」としてやりましょう。
貨幣収集を投資と考えて儲かるのか?でやるとまず失敗します。古銭には希少で高価なものもありますが、過去にはそうでもないのに特別感を煽って相場の数倍で販売している業者が出てきては消えています。厄介な問題ですが、いずれも無知と欲につけこんでいる点で共通します。
価値がゼロになる趣味に比べると現物が残るという点くらいと捉えて、手の出せる範囲で好きなものを好きに楽しむ 「趣味」 に留めましょう。
■貨幣収集を始めるにあたり押さえるべきポイントは何か?
それは収集方針を固めること。その目標を定めるうえで必要な要素は 5つ。
・年代と地域、発行者
・重さと額面および素材
・通用貨と記念貨
・製造枚数と推定現存数
・磨耗状態
これを組み合わせるとおのずと収集対象が定まってきます。また採用する要素数によって難易度も変わりますし、趣味や感性にあう図案、船や建造物、動植物、人物などのお題を定めるやり方もあります。
発行枚数や現存数、素材、歴史的な背景など何に注目して収集するのか?その視点はまさに十人十色。
12年前に制作した同人誌 「英国貨幣収集の楽しみ —収集におけるPDCAサイクルとその実践—」 初心者の状態から収集を始めるにあたって知っておくべき用語、用品や事柄などを整理したものですが、当時に比べてガラッと変わった現在の収集環境に合わなくなったので廃判しました。
あの頃に比べるとネットで閲覧できる情報が各段に増えているので基本的な事柄はさておき、英国貨に限定せずに手直しするならば?という観点で綴っていきます。
この数年、日用品は何でも高価になりましたね。
貨幣収集においては数年先を行っていて、昔の価格帯を知っていると手が出せる物が少なくなりました。
これまで収集していたものが予算不足で手が届かない。そんな場面がしばしばありますが価格帯の上昇は悪い面ばかりでもなく、今まで出てこなかった希少品が続々と登場するようになり手に入れられる機会も増えました。予算があるならば。予算があるならば——大事なことなので二回 (以下略)
こちらにも垢作りました。
07.02.2024 06:48 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0