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あります

@kutsutoko.bsky.social

鯉月左右固定/嘘偽りなく左右固定/→←も最終的に絶対鯉月/成人済み/延々と壁打ち/閲覧ありがとう/やかましいのでフォロー非推奨/ブロミュお気軽に/しっかり寝てね/名前はない

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動揺を悟られていないだろうか。慣れたこととはいえ不意打ちだった。知っているも何も、彼のことは何でも、全て知っていると言っても過言ではない。「先生的に音くん、どう?」「……かっこいい人だな」推しを褒められた学生はご満悦な様子だった。笑顔で手を振って帰っていく彼女に心の中で詫びた。「──だから、詫びる必要などないと何度言えば分かる」「だって大好きな推しの相手がこんなおじさんだと知ればがっかりするでしょう」自宅、背後から鯉登にきつく抱きしめられながら月島はため息をついた。「……そんなことはないと思うがな」一部ファンの間で月島の存在が知られていてあたたかく見守られていることを月島は知らない。

08.11.2025 01:22 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/現代/芸能人×大学教員】一見近寄りがたい雰囲気を放つ月島だが、話してみればその魅力に気づく者が多い。仏頂面が多いが、自身の性質を理解してか努めて笑顔を見せてくれるし、何より面倒見がいい。学生に雑談を持ちかけられることも少なくなかった。ある日、課題の提出に来た学生がバッグに付けたカードケースを見せてきた。つやのある髪、褐色の肌を持つ美丈夫の写真だった。「ねぇ先生、この人知ってる?」「……すまないが知らない。モデルか?」「モデルに見えるよね!いやモデルもやってるんだけど、最近ドラマとかにも出ててー!」「へぇ」学生は目を輝かせながら彼が“推し”なのだと教えてくれた。

08.11.2025 01:22 — 👍 3    🔁 0    💬 1    📌 0

本垢の原稿がやばいので一時休止🐥

28.10.2025 07:40 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0
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【鯉月/圧が強すぎる月/したの毛】

14.10.2025 14:30 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

「さすがに誰も乗ってこないな」「こんな時間ですから」月島と仕事をしていると気持ち良いほど息が合う。初めて会った時はなかなかいかめしい印象だったが、こうもしっくりくる関係性を築けるとは思わなかった。時間が経つのも早い。警備員以外いないエントラスを抜け空を見上げると空が暗くなっている。雷雨の気配はないように思えた。「やはりひと雨くるかもしれません」「そうだろうか」「えぇ」「っ!」右腕、シャツ越しに熱源の存在を感じた。ほんの数ミリ離れている月島の体がむわりと湧き立っているのを感じた。「聞こえませんか。遠くで雷が」遠雷のように月島の声や、体温が近づいてくる。「このままでは濡れてしまうかもしれませんね」

04.10.2025 13:28 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/現代/誘島】普段は地上数十階の高層階にいるため、天候の変化がよく分かる。特に夏は雨や雷の気配にすぐ気づくことができた。都心の切れ目まで見通せる大きな窓に背を向けた私は、正面の月島を上げた。月島は窓越しに遠くを見ているようだった。「これはひと雨くるかもしれません。雷も鳴っているような」数秒、沈黙の向こうへ耳を澄ましたが、特にその気配はない。「そうか?」「はい。私たちも早く出てしまいましょう」月島は時折人並外れた感覚を見せることがある。きっと遠くに雷を聞いたのだろう。手早く仕事を済ませ、ふたりきりのオフィスの照明を落とした。高層階であるから、エレベーターで地上へ行くのにも数分かかる。

04.10.2025 13:28 — 👍 4    🔁 0    💬 1    📌 0

【鯉月/子龍と月】「つきしま、つきしま」「はい、はい」「早くお前の近くに行きたい」幼い龍は月まで飛んでいくことができない。一生懸命に空を泳いでは唇を噛んでいる。「頑張ってここまできてください」「ずるいぞ」「ずるくありません。私は月なんですから」「私は龍だぞ」「小さなね」「やっぱりずるい」

「それがこうなるなんて、ずるくありませんか」「ずるくない。私は龍なのだから」龍の手の中には眩い月が光っている。

26.09.2025 13:12 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

手を引いて止めに入った。「なんでしょう」「明日も餅を食べたい気分だ。どうだ。今夜は泊まって明日も餅をついてくれないか」「まぁ、できないことはありませんが」不測の事態に備えて他のうさぎに数日の留守を頼んできた。問題はないだろう。「ならば頼む」「分かりました」しかし翌日、餅をつくことはできなかった。依頼主ことコイトの寝室に招かれ酒を呑んだら、あれよあれよと、まぁそうなった。「今夜は餅をつかなくても大丈夫だ。ゆっくり休んでくれ」ツキシマはつやつやとした笑顔を睨んだ。悔しいがしかし悪い気はしなかった。月から見下ろした時、この男にぴんとくるものがあった。こうなるのがきっと自然なのだと、そう思えた。

19.09.2025 14:49 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/ヒトとうさぎ】ツキシマがぺったん餅をついていると、遥か下から呼ぶ声が聞こえた。「そこのうさぎ、私の家で餅をついてくれないか」「なぜ私に?」「そんなに力強い餅つきをする奴は他にいない。美味い餅を食べたいんだ。勿論、飯や広い風呂でもてなすぞ」「分かりました、明日お伺いします」ツキシマは明日の分もしっかりと餅をつき終え、ぴょんと一息に地上へ降り立ちました。依頼主はたいへんな美丈夫。しかしツキシマには関係ない。餅をつくのが仕事だから。「さっそく餅をつきます」「よろしく頼む」立派な道具を用意してくれていたおかげで素晴らしい餅が出来上がった。ごちそういただき風呂にも入ったツキシマだったが依頼主が

19.09.2025 14:49 — 👍 6    🔁 0    💬 1    📌 0

【鯉月/モブ女/けんかごっこ】「それ、なんです」帰宅した鯉登のワイシャツ、その胸元に薄らと桃色の跡がついていた。男うけを狙ったようなあざといピンク色。月島の指摘に鯉登は「あの時か」と思い当たったらしい。曰く、昼に職場のエレベーターがひどく混んでいて後輩の女がもたれかかってきたらしい。つまりは事故。しかし月島の視線は冷たい。「その汚れに気づかないあなたではないでしょう。俺を焚きつけるためにこのまま帰ってきたんですか」「誤解だ月島」「しらじらしい」鯉登は手を合わせたが目の奥には愉しそうな光が見える。月島の目の奥には怒りが滲んでいるものの、ほんものの炎ではなかった。「で、どうしてくれるんです」

16.09.2025 07:05 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

と変なリズムで脈を刻んだ。冷たい血が心臓から手足の先、頭へ向かってゆっくりと流れていく。頭がくらくらする。ハジメは歩みを進めたまま自分のスニーカーの爪先を見つめる。少し地面が歪んでいるようだった。まっすぐ歩けているだろうか。「よかった、んじゃないですか」「そうか?」「まぁ、いいじゃないですか。セイシュンって感じで」「本当に?」呼ばれた気がして顔を上げる。思いの外近くにコイトの顔があって、その美しさに息が止まった。これがもう誰かのものなんて。いや、ものなんて言い方おかしい。だってこのひとは「嘘だ」冷たい言葉だった。「嘘、そんな奴いない。お前に意地悪したくなった。少しは、私の気持ちが分かったか?」

10.09.2025 06:17 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/DC/女匂わせ(嘘)】「告白された」「またですか」「うん」コイトが女子から告白を受けるのは日常茶飯事だった。一緒にいるハジメにさえ日常茶飯事だった。いつものようにコイトの容姿や成績、スポーツ──上げ始めればキリはないが、コイトの何かに強く惹かれたうら若きおとめたちが寄ってくる。そして「誰だお前は」「興味がない」「忙しいんだ」と切り捨てられる。それが常。どうせ今回もそうだろう。あまり酷いことを言ってやるなと苦笑いしていたハジメは、次の言葉で息を呑んだ。「付き合うことにした」「──は?」「隣のクラスの奴だ。気が向いたから、付き合ってやることにした」「──そう、ですか」心臓がぼくん、ぼくん

10.09.2025 06:17 — 👍 5    🔁 0    💬 1    📌 0

くださらない。気に入りませんね。今のあなたは丸きり子どもですから、あの頃のあなたが恋しくもなります。幼いあなたでさえ包容力があったのに」今度こそコイトは射殺さんばかりの目でツキシマを刺した。鼻先が触れ合いそうなほど至近距離で睨まれてもツキシマは一切動じない。「きさん」「まぁ、嘘ですがね」「……私にだってどうにもならんことがある」「えぇ、そういうものでしょう。心と体は別のものです」「なら意地悪を言ってくれるな」「かわいい子には意地悪もしたくなります」「ぐぅ」「早く大人になってください。待ち侘びています」「好き放題言ってくれる」「こう言えば、その目で見てくれるでしょう……それも好きですから」

07.09.2025 14:26 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/坊メ/転生/はんこうき】「心と体は別物ということでしょうか。近頃、いえここ数年はやけに子どもっぽい顔をなさっています。もっと幼い頃の方がよほど大人びていたような。そうその目です。私でさえ敵のように見る」責めるような言葉に反してツキシマはいつも通りの仏頂面だった。鋭い目つきをしたコイトの前にティーカップを置くと、ぼそりと言葉が返ってくる。「うるさい」「失礼しました」「お前だって苛々することがあるだろう。私が悪いわけではない」「悪いとは言っていません」「言ってるようなものだ。気に入らん」「──私だって気に入りません」ツキシマが冷たい目でコイト。見下ろした。「あの頃のように私を愛して

07.09.2025 14:26 — 👍 3    🔁 0    💬 1    📌 0

鋭い牙を無邪気に飼い主に立てる動物のようだった。動物なら手を上げることはできないが、この男は幽霊でも人間でもないナニかだ。「ど、け!」「グゥッ」うっとりと俺の腕にしゃぶりつく顔は人形の如く綺麗なものだったが、遠慮なしに拳を叩き込んだ。鍛えていたおかげでカイブツを吹っ飛ばすことができた。この隙にできるだけ遠く遠くへ走る。こんな片田舎の屋敷の整理など引き受けるから、こんなことになるのだ。「はぁ、はっ、ハァッ」そう大変に辺鄙な場所だ。人気もない。しばらくは半ば山道を駆け下りるようなもの。「はぁ、はぁ、はっ」ぱき、ばき、ばき、がさがさ。周りは高い森に囲まれている。夕闇が迫る。振り返る余裕などないのに

04.09.2025 09:59 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

「ぐぅ……っ」「ふぅ、ふぅ」どうにか口を外してやろうと額を強く押すと、金の薄膜を張ったような目が俺を見上げた。瞳孔が開いている。「……ゥ」「あ、ぁ……?」目が合った瞬間、腕から牙が抜き去られた。肉から歯が抜けていく感覚に身慄いする。幽霊のような男は俺の顔をじっと見つめながら血と唾液を口の中で転がしていた。「ゥ、ア」「なんだ……」「ツ、ィ、ヒ、ァ」「は?」名前を呼ばれたような気がした。「っあ」「んむ、ン」男はかっぽりと空いた刃の跡を舌で舐めはじめる。穴に容赦なく舌を差し込まれようやく痛みが襲ってきた。「いっ、つ……」「んふ、ふ」「なんなのだ、これは」幽霊。いや、血が好きなのだから、吸血鬼、とか。

04.09.2025 06:31 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0

【鯉月/きょんしーとにんげん/少し血】ここは日本だ。幽霊なんて白い服を着ていて体が透けているか、そうでなければ血まみれというのがオーソドックスなところだろう。しかし俺の目の前にいる幽霊らしき男(これが生きた人間でたまるか)は、袖の長い服に身を包んでいる。こお、こおと荒くも細い息を吐いている。大陸風の幽霊にも見えなくないが、しかしその予想は首元に噛みつかれたことで消え失せた。幽霊が噛みつくわけない。痛い。重い。力がすごい。必死で引き剥がそうともがくが、びくともしない。人間じゃない。「ぅ、い゛っ……!」「ふー……ふー……」興奮で痛みはあまりないが、牙の刺さった場所からたらたらと液体が垂れ落ちる。

04.09.2025 06:31 — 👍 5    🔁 0    💬 1    📌 0

【鯉月】意外にもいつまで経っても「好きだ」だの、そういう言葉をくれないものだから、意地悪な心が芽生えた。あすこの菓子屋の娘が可愛らしかっただの何だの。心にもないことを吹っかけてやると、途端に彼の目が曇った。「ツキシマ、私を弄んで楽しいか」何を言ってるのか。弄ばれているのは俺の方だ。「私の気持ちを知っていて、そんな意地悪をするのか」それはこちらの台詞だ。「いつか言っていただろう。そういったことは、自分から言いたいのだと」はて、そんなことを言っただろうか。さしずめ息の荒いこの若者に待てをかける時に咄嗟に出た言葉だろう。「ひどい奴だ」あなたのそんな顔が見られるなら、少しくらいひどい男になってもいい。

01.09.2025 14:33 — 👍 6    🔁 0    💬 0    📌 0

今世でもハジメにとって大切な関係性にあるふたり。残念ながら常に私が一番とはいかずたまにこうして誘いを断られる。このおとこに記憶はないというのに、あの時共に過ごせなかった時間を取り戻すようにじゃれあっている。私の知らない顔で。「じゃあ今度の休みはうちに来てくれるか」「……誰かいるでしょう」「いや皆出払う。だからな」「……」ハジメの顔に赤みが増していく。私の誘いを断った後、どうなるかさすがにもう理解しているらしい。一種のしつけのようなもの。「わかりました」「うん、では明日は楽しんでこいよ」「なんだか親みたいですね」「カレシだろう」「その言い方やめてください。変な感じします」何も知らないお前。

29.08.2025 05:47 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/現代/DC】「コイトさん、明日の昼ですが」キツい練習の後も全く疲労を見せない様子で、ハジメはすたすたと歩みを進めている。初めて学舎の門をくぐってから2年経つというのに、大きめに作った運動服はいまだにハジメの体にまとわりつき、だぼついていた。服というよりは大きな布をまとっているようにも見える。「うん」「明日はあいつらと食ってもいいですか。たまには一緒にってせがまれて」あいつらというのは私より先に出会っていた、手先の器用なあの男とおっとりとした男だ。「私はハジメと一緒がいい」「いつも一緒でしょう。たまにはあいつらも構ってやらないと。そういえばスギモトたちがコイトさん誘ってましたよ」

29.08.2025 05:47 — 👍 7    🔁 0    💬 1    📌 0

【鯉→月】「お前は何が好きなんだ」「はぁ」「聞きたい」「白米です」「つまらん」「さようで」「もっとこう、ないのか」「こう、とは」「例えば洋食とか」「ツルミ中尉と露に渡った時にそういったものをよくいただきましたが」「……」「コイト少尉殿?」「……やはりつまらん」「お気に召す話ができず申し訳ありません。しかし執務中ですので」「分かってる」ツルミ中尉の絡む話だというのにヘソを曲げたコイトに、ツキシマは軽く首を傾げた。普段であればツルミ中尉はどうだった、その時何を話されて何を召し上がったのだ?と食いついてくるところだろうに。そう不審がるツキシマにやきもきするコイトだった。

28.08.2025 11:10 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉(→)←月】執務中だというのにあまりにも視線が熱く鋭かったので、少し言葉で突いてやったらすぐさま爆ぜた。「貴様」彼は追いやられた(追いやられてやった)俺を両腕で壁との間に閉じ込めた。冷たいようでいて熱い視線がこれでもかと注ぎ下される。肌の上がちりりと灼ける。「そんなにこの肌が忘れられませんか」「な……っ」「ハジメテは一度限り。もう私など使わなくとも、誰となり寝ればいいのです。あなたなら引くて数多でしょう」さて彼はどう出るか。俺としては、ぐらりとこちらち倒れてくれれば、少し面白い。どちらでもいいが、こんなにカワイイなら簡単に他所へくれてやるのは惜しい気がした。あの烈しい熱も多少、恋しい。

28.08.2025 10:36 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/強めの幼坊ちゃん×メ月】「ツキシマはいるか!」一般的な感覚なら広いという言葉では済まないほどの玄関に、その家の次男の声が響き渡った。口には出さないが誰もがあぁ、今日はいつに増して烈しいと気づく。烈情の標的はこの場にいないメイドだった。「どうされました」「ツキシマは?」「確か裏庭のほうに」「分かった」口から火を噴く勢いで彼は走り去った。「……明日はお休みされるかしら」「そうでしょうねぇ」坊ちゃんがツキシマに何をしているのか誰も知らない。しかしあの屈強なツキシマをして、“あの”坊ちゃんに捕まると平気ではいられない。皆は憐れみに伏目がちになるが、しかし坊ちゃんの切実な気持ちもまた知っている。

28.08.2025 10:10 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/現代/闇】「コペル二クス的転回を知っているか?」「聞いたことはありますが、すみませんがどういうものかまでは」「要はそれまでの物事の見方ががらっと変わることだな」「なるほど」「例えばだな、出会う前からお前は私のことを知っていたし、私もそうだったろう」「えぇ」「それが嘘だったとしたら?」「は?」「だから、お前はまぁその前世とやらで私を知っていて、しかし私はなんにも覚えていなかったらと」「では何故こんな関係に」「それは単にお前が欲しくなったから」「冗談ですよね」「うふふ」「あの」「……つまり、こういうことなんだ。分かったか?ツキシマグンソウ」「あの、」

27.08.2025 11:09 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月】こう見えて暑さに弱い。こう見えてというのは、己の見てくれを踏まえての見解だ。我ながら愛想は全くないが、その姿が理由で女に熱視線を向けられることも少なくない。いや訂正する。多い。気に食わない上官との酒の席、その上官に侍る女は大体にして熱く私を見てくる。見ず知らずの者に好かれて嬉しがるたちではないが、狸共より優れている点だ。ざまあみろとはこのこと。というわけで、見た目もそれなりな私だ。しかしお前は違う。ツキシマ。お前は私がどんなに近づいても耳へ唇を近づけても仏頂面だ。例え同性でももう少し、こう何かないのか?どうしてこんなにムキになる?私は、私がよく分からない。

27.08.2025 05:39 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/てんしと悪魔】「早く天に来たらどうだ。お前のために広い家も庭も何もかも用意出来てるぞ」「私にしねと言うのですか。こちらは悪魔ですよ。灰になってしまいます」「その程度で灰になるなら、私とまぐわった時点でそうなっているだろう。嘘をつくな。私の家にはいまだお前の匂いが残っているぞ。あれを嗅ぐと頭がくらくらしてくる。ひどい誘惑だ。鼻のきく奴なら、近場を通っただけで気づくかも」「他の奴を連れ込んでいると」「いいやお前だけだ」「さようで」「安心したか!」「知りません」「なぁん。早く私のつまになれ」「お断りします」「何故?」「今度こそ腹の中から灼かれそうで、恐ろしい。本当に、しんでしまいます」

27.08.2025 05:16 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月】若さ故の滾る情欲とは裏腹に、鯉の甘噛みは月の心を驚くほど疼かせた。かの舌はぬろりと咥内に侵入し、彼の舌よりは短い月の舌を簡単に捕らえる。ぬろ、ぬりゅと唾液を纏わせあった後にはじめの一撃がやってくる。「ッ、ぐ」「ふ」切先はゆっくりと肉に沈んでいく。月の口の端から唾液が溢れる。鯉は気にせず舌の味を堪能する。くに、くに。弾力を楽しむように歯先で刺激し、その後は慰めるように舌で撫で上げる。(どこでこんなこと覚えた?)蕩けかけた瞳で彼を見上げると、してやったりという顔で笑う。それが悔しく反撃を試みるも、龍のように長い舌に全て絡め取られて喰われてしまう。

27.08.2025 02:58 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月/坊メ】笑い声が聞こえた。聞き馴染んだ声だったが、だからこそ普段との違いに違和感を覚える。坊ちゃんは声のする方へこっそりと近寄って行った。「はは、それは災難だったな」「本当ですよ」坊ちゃんのお気に入りであるツキシマがマエヤマと休憩がてら雑談していた。(私にはあんな顔で笑ったことないのに)少年の胸がつきりと痛んだ。寂しさや疎外感に耐えられず、坊ちゃんは静かに踵を返した。「……行っちゃいましたよ」「あぁ」「いいんですか?」「……あぁ」「かわいそうですよ」「そうかもしれんな」「坊ちゃんも大変な人に恋しちゃって」「うるさい」「こんなことしても、たぶん諦めませんよ?」ツキシマは何も言えなかった。

26.08.2025 16:21 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

【鯉月】お前を噛みたいんだ。どうしてかは分からないが無性に。人間の出せる顎の力程度なら耐えうる月だったが頷くことはできない。軍属である以上、情事の痕跡を残すことはしたくなかった。仮に鯉が好き放題に噛み跡やら生々しい所有痕をつけたらどうだ。今の二人を見れば間違いなく周りはあぁやはりあの二人はソウなのだ。グンソウ殿に限って他のオトコはあり得ないであろう。そう悟ってしまうだろう。それほど二人の間に流れる空気は密度を増している。「それは難しいです」「ではこれならいいか」「は……へ、ぅ」褥では月とて油断してしまう。寄せられた鯉の唇から舌が伸び、月の舌を連れ出した。犬歯がちくりと月の舌肉に甘く食い込む。

26.08.2025 16:10 — 👍 4    🔁 0    💬 1    📌 0