シャバ百年目

ブルスカ記念WB夢もどき

14.04.2024 00:31 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

ウサギとカメの寓話を準えるような二人だ。よういどんで走り始めた筈が、いつしか現れた死の谷底に彼らは足を掴まれて、どこにも行けなくなってしまって、亀ちゃんが丁子を渡らせる為の梯子になってしまったように思えた。次第に笑顔は曇り、握りしめた拳には血の跡が目立った。私は、二人の見えもしない後姿を見ていた。それだけで、他には何一つ出来なかったし、させて貰えなかった。亀ちゃんは髪を伸ばし始めて、後ろ髪が風に揺らぐのを見る度に私は、二度と本当に私たち３人で笑い合うことは出来ないのではないかと悲しくなって、それでも泣き顔を見せないように変な顔で笑った。その頃には私たちは三人とも笑うのが下手くそになっていた。

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