lit.link/acon000
hootを追加してみました。ひらいてたらどうぞ。平日AMにいる可能性が高いです。
@acon000.bsky.social
たまに小話を書く者。いまはGO(どちらかといえばのアジクロ)。ときどき艦これ。とうの昔に成人済み。 https://lit.link/acon000
lit.link/acon000
hootを追加してみました。ひらいてたらどうぞ。平日AMにいる可能性が高いです。
さそりだ!星を抱いて、尾っぽも金色でかわいい。
20.02.2026 03:13 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0🦂🌟🤔
20.02.2026 02:40 — 👍 5 🔁 1 💬 0 📌 0人様の打鍵音に加えて、私は液・板タブで絵を描く人の
「シャッシャッ、カシカシカシ、…ガチャ、ガチャ(キーボード)…カチ、カチ(マウス)、…カシ?カシカシカシ、シャッ!」
も大好きなんですよ。具体的にそれぞれの音で何をしてるのかはよく分かってないんですが、人間が、絵を、描いてる…ってなるので。
スペースはスペースでまたやるとして、私が人の作業音を聞きたいときは、スピーカーで入ってもらうしかないのが悩みどころ。私は入ってもらってお喋りしたいけど(作業は横へ)、誰でも聞ける場に音を流すのは、おそらくハードルが高い。
やっぱり作業アプリ的なのも一回やってみようかな。
スペース楽しかったです。始めるときにこっちでもお知らせしたら良かったですね。次はそうします。
19.02.2026 12:40 — 👍 6 🔁 0 💬 0 📌 0あ!聞いたことあります!ゲーム配信する人の専用のやつだと思ってました😆踊ってなかった🕺✨️
なるほど…画面共有、楽しそう。部屋を作れるのも安心ですね。情報ありがとうございます!
アプリ本当に色々あって、迷います。みんな…何使ってるの…状態です😂新しいhootもインストールはしてみたんですが、とりあえずお試しでスペースをやってみようかなと!
タイミング合えばぜひ打鍵聞きにきてください〜💖
ディスコ?そこが人の集まる村なんですか?踊ってるの?(作業通話村を探す者)
18.02.2026 23:29 — 👍 5 🔁 0 💬 1 📌 0やってみたいな、と思ったことは犯罪以外やってみるスタンスで生きてまして、ボルダリングもポールダンスもバンジーも本作りも楽しかった。全部またやりたい。
18.02.2026 23:25 — 👍 7 🔁 0 💬 0 📌 0新しいアプリは様子見て、まずはスペースなるやつをやってみれば良い気がしてきた。打鍵音スペース。
残業回避できたら今夜やるかも。
打鍵音茸(だけんおんだけ):暗がりで打鍵音を聞いて育つ。だしが美味しい。(寝た方が良いと思う)
18.02.2026 13:55 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0打鍵音だけ、でケタケタ笑ってる。連勤は人間の笑いのラインを下げる。
18.02.2026 13:48 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0何やら新しい通話アプリが出たと聞いて、すごくやってみたい。おそらく打鍵音だけになるけど。
…ASMRとしてどうですか。爆音と静音、二種類のキーボードをご用意できます。たまにaconが喋るオプションつき。そこのあなた、どうですか。
一日遅れましたが、上手にできない天使です。それもまた良し、という方はどうぞ。
17.02.2026 13:10 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0書斎の椅子の上で始めちゃった天使と悪魔。与え合うことは、気持ち良いという話。成人向けのアジクロ。
※コテージ暮らし、日は浅め
※上手にできない天使
与える | acon
www.pixiv.net/novel/show.p...
最後にちょっとだけと思って手を入れ始めたら全然止められないので、明日に持ち越しです。なお、方向性に変更はありません。
16.02.2026 14:46 — 👍 4 🔁 0 💬 0 📌 0上手にできない攻天使、良くないですか?良いですよね?私はとても良いと思います。
なので、そういう感じのすけべアジクロが多分今夜出ます。
バレンタインに0721の話を流したっていい。大人だもの。
14.02.2026 12:44 — 👍 4 🔁 0 💬 0 📌 013/14ページ目 す。じゃああとで」 想定していた日数にはまだ何日かあったが、アジラフェルは今日中に無理にでも商談をまとめ、明日にはコテージに帰ることに決めた。これ以上虚無を抱いてこの部屋にいることには、とても耐えられそうになかった。 * 「ただいま」 コテージの玄関扉を開けても、リビングやキッチンにはクロウリーの気配はなかった。寝ているのかと思い、荷物を放り出して寝室に向かうと、シャワーの水音が聞こえてくる。庭仕事でもしていて汚れたんだろうかと思ったアジラフェルは、驚かせるつもりでバスルームの扉にそっと手をかけた。 「ん、あっ……、ジラ……」 勢いよく流れる水音の中で、艶めいたクロウリーの声が自分の名を呼んでいる。それだけで何が起きているか、アジラフェルは理解した。一人でのホテル滞在がなければ、理解できなかったかもしれない。それが他者には見られたくない行為だということも、このまま扉を開ければ確実にクロウリーを怒らせるだろうということも、アジラフェルはもちろん分かっていた。 ただ、ほんの数日の不在の間に、クロウリーがそういう思いに囚われていたことが嬉しくて、昨日の自分まで肯定されたような気がして、アジラフェルはドアノブを掴んだ手を止めることができなかった。 「クロウリー!」 その瞬間のクロウリーの表情、身体の様子、そして裏返った怒声を、アジラフェルはまた記憶した。もうもうと立ち込める湯煙で咄嗟には見えなかった部分は、バスルームから自分を蹴り出そうとする脚を捕まえて、シャワーを止めてからよく見た。
14/14ページ目 ただ、クロウリーが何を考えながらバスルームに籠っていたのかについては、アジラフェルは結局知ることができなかった。水滴を垂らしたままのクロウリーをベッドまで運んで、すっかり温かく解け切っていた身体を抱きしめながら尋ねても、うわ言のように「本物がいい」と言うばかりだった。それについては本当に同感だったから、アジラフェルは汗で濡れた胸板に顔を埋めながら「私も」と返した。クロウリーは、記憶の中のそれと同じ顔で笑った。
14.02.2026 12:44 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 09/14ページ目 前をくつろげて、肩までシーツをかぶりベッドの上にうずくまった姿勢で股座に指を這わせ、さっさともやもやを吐き出してしまいたい一心で手を動かす。芯をもって緩く立ち上がったそこをぎゅっと握りこむと、息の止まるような快感が腰に走る。けれどいくら手を動かしても、その先には進んでいかない。 アジラフェルにはその原因に察しがついていた。本当に欲しているのは、なんとなく気まずい感じで別れてしまったことを謝って仲直りをして、その匂いを胸いっぱいに吸い込んで、その上で全身でクロウリーを感じることだからだ。だからいくら刺激だけを肉体に与えても、足りない、違う、と心が答える。そして欲しいものが今ここにないなら、残る方法は一つだった。 しばらくの間空しく息を乱してから、アジラフェルはため息をつき、こんなときまで頑固な自分の性情に呆れつつ瞼を閉じた。何に対するものなのか判然としない罪悪感からは目を逸らし、瞼の裏で記憶の箱をひっくり返す。 最初に思い浮かんだのは、膝の上にまたがったクロウリーの後ろをやわやわと指の腹で解しているときの、俯いた顔だった。眉間に寄った皺と、下がった眉尻と、首元まで広がる赤。催促する言葉を堪えているような、半開きの唇。脱ぎ切らずに中途半端にずり下げただけのズボンが、腿の中ほどにわだかまっていた。そのせいで上手く足を開くことができないからか、指先に触れる粘膜の感触もいつまでも強張って固かった。 ふっ、ふっ、とクロウリーが短く吐く息が顔にかかって、それに濃いアルコールの匂いが混じっていた。そうだ、たしか二人とも相当に飲んでいたのだ。酒瓶片手に膝の上に載り上げてきたクロウリーが、性急にアジラフェルを招き入れようとするのをなんとか押しとどめて。膝の上で互いのものを束ねて擦り合わせ始めたのは、どの瞬間のあとだったか。それぞれの先走りが混ざり合う音と、肩に頭を載せたクロウリーの鳴
10/14ページ目 く声が耳の中に絡みつくようだった。 アルコールのせいか、クロウリーはいくらもしないうちに先に弾けた。ぐったりと弛緩した腰を抱き寄せて、アジラフェルが「もう少し」と囁いたのは決して意地悪のつもりではなかった。本当にもう少しだけ、このまま触れ合っていたいと思っただけだ。 ただ、柔らかくうな垂れたクロウリーのものと、固いままの自分のものをまとめて、達したばかりの身体に下から突き上げるように腰を擦りつけ続けたのは、がくがくと大きく震える膝や、耐えるように頭を振る様子や、声を抑えようと噛みついてくる首の後ろの痛みに、どうしようもなく煽られたせい、だったかもしれない。ぐずぐずと鼻をすすりながらクロウリーが二度目に吐き出したものは、水のようにアジラフェルの手のひらを流れていった。 次にアジラフェルが思い出したのは、身体の準備が整って、蕩けるような黄色の瞳に涙を溜めたクロウリーが、あてがわれたものの質量に息を飲む、その気配だった。 どんな体勢であっても、たとえ書架に手をついた背中を後ろから抱きすくめて顔が見えないようなときでも、その密やかな呼吸音で、アジラフェルはクロウリーが息を飲むのが分かる。ごく最初の頃、それは怯えなのではないかとアジラフェルは勘違いしていた。もしくは万が一にも嫌悪感だとしたら、とアジラフェル自身が怯えてもいた。 けれど今は、こくりと飲み込まれた唾が、この後に起こることへの純粋な期待だと知っている。望まれていることを教えてくれるそのかすかな気配が、アジラフェルをいつも昂らせる。 息を詰めながら、ゆっくりと押し込んでいったときの最初の圧迫感、腰を動かし始めたときの飲み込まれるような焦燥。アジラフェルは手の中の熱が増したのを感じながら、クロウリーの内側の柔らかな肉、その
11/14ページ目 一番奥にある薄い壁の感触を呼び起こした。そこまで届かせるために、普段の自意識をどこかに放り出したクロウリーが、大きく足を開いて、ぐりぐりと自分で腰を擦りつけている。もっと奥まで、という欲望だけに突き動かされるその姿を思い起こしながら、アジラフェルは自分の手に熱を擦りつけ続けた。 本来はそんなことのための器官ではないことは知っていても、クロウリーの一番奥でうねる熱を感じているとき、アジラフェルは受け入れられているという喜びで、そのことを忘れそうになる。このためにあるのだと、まるでそう言っているかのように、クロウリーはアジラフェルをぎゅうっと捕まえて離そうとしない。もっと奥へ行くために、一度腰を引いただけでも、どこへも行くな指先と内側が縋ってくる。クロウリーが絶え間ない喘ぎを吐くだけになって、おそらく何一つ考えることができない状態になっているときでさえ、アジラフェルは腕の中に抱きしめた身体のあらゆる場所から溢れる愛に全身を焼かれているような気がした。 やがて悪魔の名前一つを残して、アジラフェルの頭の中も空っぽになって、目の前の肉体のあらゆる場所にキスを落としながら熱を打ち付けるだけになった頃、同じように熱に浮かされた声を上げながら、クロウリーはふと気が付いたようにアジラフェルの顔を眺めることがある。焦点の合っていない黄色の瞳がくるりと動いて、シーツを握りしめていた手を離し、アジラフェルの顔をするりと撫でる。汗とすでに流れた様々な液体で汚れた身体、目尻に寄った深い皺、湿った指の優しい感触、そして、探し物を見つけたかのように、ふにゃりと笑って。 (アジ……ラフェル) 「ん、くっ……クロ……リっ!」 どっと溢れた熱を手のひらで受け止め、アジラフェルはシーツの中で背中を丸めた。それと同時に記憶の中のクロウリーの姿は掻き消え、薄暗いホテルの部屋
12/14ページ目 の輪郭が戻って来る。 断続的な快感の波が引いていき、自分の手の中に残ったものをぼんやりと見つめながら、アジラフェルは珍しいものを見たような不思議な心地になった。腹や腿の内側に飛び散ったクロウリーのものを目にすることは多いし、その味も知っているけれど、自分のものについて近頃はあまり記憶がない。それがなぜなのかと呆けた頭で記憶を探り、いくらもしないうちに答えにたどり着いて、アジラフェルは呻いた。 (だいたいいつも、クロウリーの中だから) 最初の頃、そんなことをしたらひどく汚してしまうような気がして、アジラフェルはクロウリーの身体の外に精を放っていた。けれど、何がそうさせたのか、股座に顔を埋めていたクロウリーがどうしても離れてくれなかったことがあった。間に合わず、結局口の中に出してしまったとき、見せようとしたわけではなかったのだろうけれど、クロウリーの舌の上にそれが載っているところがちらりと見えた。止める間もなく、喉仏をごくりと上下させて、クロウリーはそれを喉の奥へと落とした。 そんなことがあって以降、いいから、とくぐもった声で言われれば、アジラフェルはその言葉に甘えてしまっている。腹の中の方も事情はほとんど同じだ。お腹を壊すんじゃないか? と言ったら、そんなヘマはしないと言って視線を逸らしていたから、腿を伝ってこぼれた分以外は、おそらくクロウリー自身がシャワーのときに掻き出しているのだろう。 アジラフェルはその様子を見たことがない。だからいくら考えても、後始末をするクロウリーの姿は、ぼやけて上手く像を結ばない。そのもどかしさに苛立ちながら、アジラフェルは手を洗って、ホテルの部屋に備え付けの電話にコールを頼んだ。 「……ええ、私です。明日の取引ですが、今日、今からもう一度お話させていただきたくて。分かっていま
14.02.2026 12:44 — 👍 1 🔁 0 💬 1 📌 05/14ページ目 うな気がした。 けれど、その羞恥も、抗いようがない快感と、顔の先、ほんの数十センチのところにアジラフェルの欲望が形を持って存在していることの興奮に掻き消えていく。中途半端に開いた口から、お預けをされている犬のような息が漏れることも、次々と溢れる先走りが糸を引いて床に落ちていくことも、クロウリーはもう考えなかった。鼻先に漂う天使の欲望の香り。いますぐにでもこれをぶち込みたいと望まれている。はしたなく息を乱しながら、床の上で自分の股座を擦る姿を見つめる冷たい目の奥に、それがある。そうと感じるだけで、クロウリーの手は自然とリズムを上げた。 「んあ、……あ、あ、じら……! は、あぅ」 膝が痛い。それでも、もう少しだった。もう少しで。 と、視線を交わらせたまま、アジラフェルが立ち上がった。ズボンの股座が顔に近づいて、クロウリーは手を止め、何も考えずにそこに頬をすり寄せた。頬に感じる熱く固いその形に、ため息が漏れる。アジラフェルはクロウリーの髪をくしゃりと撫で、そっと腰を折って耳の中で囁いた。 (かわいいね、クロウリー) 「え……、あ、な、ちが! ……っう、あ、んん!」 バスタブの縁に片手をついたクロウリーは、噛み締めていた自分の腕から口を離し、目を開いた。 白く濁った塊が、あっという間に足元の排水口へと押し流されていく。それを見るともなく見つめながら、クロウリーは肺から絞り出すように大きく息を吐いた。 想像の中でアジラフェルの股座に舌を這わせている間、クロウリーはひたすら自分の指の股を舐めていた。唾液を混ぜて飲み合うようなキスを想像して、爪で口の中を擦りながら喉の奥まで指を入れた。冷たく熱い視線に貫かれ、床の上でジッパーを下ろしたあたりで堪らなくなって、前を擦りながら自分の二の腕を噛み、さっき散々空しく解したそこに指を突き入れた。そし
6/14ページ目 て想像の中のアジラフェルが、現実と同じ優しい声で囁いた途端に、背筋を貫くような電流が走って、それで、終わってしまっていた。 シャワーの水音の外側まで響いただろう自分の高い声の反響が、まだバスルームに残っている気がして、クロウリーは眉間に深く皺を寄せながら、後ろから指を引き抜いた。そうして、のろのろとシャワーを水に切り替える。冷たい水に身体の芯を強張らせ、そうすることで、クロウリーは頭の中から想像のアジラフェルを追い出そうとした。 本物のアジラフェルが、一人遊びを促して眺めるような趣味を持っているとは思えない。そもそもあの天使は一方的な行為を喜ばないし、あんな冷えた目で自分を見たりもしない。クロウリー自身も、現実にあんな風にされたいは全く思っていなかった。もしもされたら、当たり前にショックを受けるか、怒り出してしまうかもしれない。 けれど、たとえば。あくまでたとえば、さっきの想像のアジラフェルとは、触れ合うところまではいけなかったけれど、もしもそこまで進んだなら、あいつはどんな風にこの身体に触れるのだろう。ズボン越しに感じたあの熱を、口いっぱいに頬張ったら、その味も匂いも質量も、本物と同じなのだろうか。もしも、唾液で濡れたそれを一番奥まで突き入れられたら、それは一体、どんな。 下腹部に新しくたまっていく熱が水の冷たさを際立たせて、クロウリーはぶるりと背筋を震わせた。 本物が戻るまで、あと四日。それまでにあと何度、こうしてバスルームに籠ることになるのか。それを思いながら、クロウリーは重い罪悪感とともに、もう一度目を閉じた。 *
7/14ページ目 アジラフェルには想像力がない。 人間たちが当たり前に行うコミュニケーションの多くは、互いの状況や心情への想像力を基盤としている。人間の世界で人間に混じって暮らすなら、想像力はほとんど必須の能力だ。けれど、それはない。肉体の中を探しても、光輪をひっくり返しても、天使にはそれは備わっていない。 ただしアジラフェルは、多くの天使がせず、もちろん悪魔もしないことを長い期間やり続けてきた。読書だ。物語、知識、哲学、そして予言。人間の世界を生きるためというよりは、単なる趣味としてではあったが、アジラフェルが読みこなしてきた本の山は、もしもアジラフェルが人間であったなら、とうの昔に想像力という新しい芽を出していたはずだ。 ただ結局のところ、アジラフェルはどこまでも天使で、その膨大な読書が培ったのは、単純な記憶力だった。読んだ内容と、読んだ状況をアジラフェルは逐一記憶した。何度も読み返す本はその度ごとにすべてを頭の中のライブラリに収めた。それは癖となって、現実の出来事についても適用されるようになった。その結果として、繊細な想像力を必要とするコミュニケーションでも、過去のエピソードの類似形を記憶の中から探すことで、なんとか地上での生活を上手くやってこられた、とアジラフェル自身は思っている。 「く、……あ」 押し殺した声がホテルの乾燥した空気を震わせる。 湿りを帯びたそれが自分の声だと思うと、手の中に握りこんだものが怯むようにびくりと震えて、アジラフェルはどこか冷静な部分で、なるほどと思った。二人でいるときも、多分似たような声を出しているはずだけれど、クロウリーの声と表情に夢中で、自分のそれはほとんど意識したことがない。昂ってくると高く掠れるその声を、クロウリーは腕を噛んだり枕に頭を沈めたりして抑えようとすることが多い。もっと聞き
8/14ページ目 たくて、腕や枕を引き離そうとするたびに、わりと本気で抵抗されることが、アジラフェルには不思議でもあった。随分前に、「かわいいのに」と言ったら、クロウリーは胸元まで真っ赤になって、とても小さく、しゅーっと唸った。 そんなことを思い出したところで変わらず一人きりの部屋で、自分が立てる音と声だけを耳にしながら、アジラフェルはやっとクロウリーの気持ちが少しだけ分かった気がした。熱くなった下腹部から生じる摩擦音と粘ついた音、押し殺しようがない荒い息遣い。自分のそれを聞き続けるのは、どうにも気が散るし、何より恥ずかしい。 (……ああ、クロウリーに会いたい) 商談は長引く気配を見せていた。売り手は無理難題を言って、買い手たちを弄んでいる気配がある。けれど数百年前に入手し損ねていたそれを、今回はどうしても手に入れたくて、アジラフェルはホテル暮らしを続けていた。急に持ち上がった商談に慌てて旅支度を整えながら、しばらく留守にすると伝えたとき、俺には植物の世話があるとだけ言って、クロウリーは玄関先でむっつりとアジラフェルを見送った。一緒に行くと言うのではないかと思っていたアジラフェルは拍子抜けし、結局それを言い出せないまま、出掛けたのだった。 (一緒に来て、と言えば良かった) そうすれば、こんな風にホテルの部屋で悶々とすることもなく、ちょっとしたバカンス気分で二人でのホテル暮らしを楽しむこともできたのに。 今さらそう思ったところで、クロウリーは今ここにはいない。まだ帰れそうにないという電話を切った直後に、声を聞いたせいか、会いたい、触れたい、触れられたいという思いだけが肉体の中で膨らんで、アジラフェルは自分の下半身に手を伸ばしてしまった。 何をどうすれば良いのかは分かっていた。ズボンの
14.02.2026 12:44 — 👍 0 🔁 0 💬 1 📌 0小説「グッド・オーメンズ」を原作とする実写ドラマの非公式二次創作小説です。以下の要素を含みます。アジラフェルとクロウリーの恋愛的な要素。ドラマ版シーズン2の結末。これらを避けたい方は読み上げを中止してください。 アジラフェル×クロウリーです。性的な直接表現を含むため成人指定です。未成年の方は読み上げを中止してください。 以下が本文です。1/14ページ目 クロウリーには想像力がある。 地獄の連中がうろうろと現実を追いかけて喚いたり、天使たちが「計画」の上を目をつぶって歩いたりしているのを横目に、クロウリーは現実と想像の間を気ままなステップで飛び越えて暮らしてきた。存在の最初から、それはクロウリーにとってはごく当たり前のやり方だったから、ことさらに自分は他の連中とは違う、なんてことは思っていない。 ただ、今この時点においては、悪魔の身で何をやっているのか、と自分を張り倒したくはなっている。こんなことは悪魔のすることではない。まして天使がするはずもない。人間はするだろうが、それとこれは同じ行為なのか。一体何のために、何がそうさせるのか。 「んっ、ふ、ぁ……」 ぐるぐると頭の中を巡る言葉に邪魔されながら、クロウリーはもどかしく届き切らない指で自分の中をかき回していた。 石鹸で滑りを与えた指を動かすたび、中と外の狭間からぐちぐちという音が響いて、頭に血が上るようだった。ただその音は、シャワーの水音にかき消されてしまっているはずで、だからこれは記憶、そうでなければ幻聴だ。そう思いながら、クロウリーはすでに引き返すには遅いところまでスイッチが入ってしまった身体を擦り続けた。今さらやめたところで、コテージの別の場所で続きをする羽目になるだろうと思うくらいには、クロウリーは欲深い自分を知っている。滝のような水音の中に、唇を噛んでも抑えられない自分の喘ぎも隠れていると信じながら、クロウリーは二本に増やした指で内側を抉った。 「あっ、ん! は……く、そ」 少しだけ善いところにあたった感覚に背筋を反らせながらも、クロウリーは思わず悪態をついてしまった。身体はちゃんと反応していて、触れた分だけの快感はあった。けれど、それはどこか遠い。いつもなら、つ
2/14ページ目 まり二人なら、何の苦労もなく駆け上がるところを、のろのろと這うように進んでいるような感覚がある。一度出してしまえば気が済むはずだと焦れば焦るほど、その歩みは遅くなり、いつまで経っても終わりが見えない。 バスルームの壁に肩を預け、クロウリーは奥歯を噛んだ。それと同時に指先をわずかに曲げてみても、腰の奥からはぼやけた感覚しか上ってこない。違う。こんな風ではなく、もっと痺れるような、熱いものが欲しい。何も分からなくなるくらい、強く擦って、揺さぶって、身体の中も外も全部に触れてほしい。 あいつに、アジラフェルに。 「あ……? くっ……んぅ」 天使の名を言葉にして頭の中に置いた瞬間に、びくりと身体が強張って、クロウリーは戸惑いながら背を丸め、喉の奥に喘ぎを飲み込んだ。それにも構わず、待ちかねたように収縮した内壁が自分の指を締め上げる。目線を落として確認するまでもなく、もう片方の手の中では熱が膨らみを増していた。 あまりにもあまりな身体のその反応に、クロウリーは眉間の皺を深くして認めざるを得なかった。必要なのは、肉体への刺激そのものではなく、いまここにはいないあの天使を思い浮かべることだと。触れられている、と想像する。胸の突起を弾く湯も、前を擦る手のひらも、粘膜を内側から押し上げる指も、すべてアジラフェルの舌で、手で、熱だと。そうすれば多分、と思った途端に、腹の中がまた、きゅう、と催促する。 「……くそ!」 二度目の悪態は、逃せない商談だとかで遠方へ出かけ、十日もコテージを空ける当の天使に対するものだったのか、それともたかが十日、しかもまだ六日目だというのに一人遊びに手を出してしまうほど、天使の存在に溶かされきっている自分へのものだったのか、クロウリーには分からなかった。
3/14ページ目 ただ、クロウリーは瞼を閉じた。そうして、ほとんど破れかぶれのような気分で、想像の中でアジラフェルを呼び出した。 本物のアジラフェルは優しい。決して傷つけないように手順を踏み、言葉とキスを降らせながら、ゆっくりとことを進める。自分の腕の中に抱きしめた存在が大切だという思いを表現するために触れてくるようなそのやり方が、そしてその優しさの裏側から現れる欲望の炎をぶつけられることが、クロウリーには好ましかった。 だからこそ、想像した。そのアジラフェルから優しさをはぎ取って、いっそ自分への好意の大部分が猛る欲望だけになったなら、あの天使はどんな風に自分を扱うのか。 想像の中のアジラフェルは冷たい目をしていた。いつもの外出着をきっちりと着込み、椅子に腰かけたまま、その股座に顔を埋める自分を見下ろしている。ジッパーを下ろしてさえいないアジラフェルのズボンのその部分に、クロウリーは息を乱しながら舌を這わせる。ざり、とした生地が舌に痛い。けれど許可がなければ、その先に進むことは出来ない。 「ふ、は……ふ」 手を添えたアジラフェルの腿の厚みに、自然と息が乱れる。それにのしかかられ、柔らかな腹を足の間に挟み込んだときの満足感を想像しながら、クロウリーは少しずつ形がはっきりとしてきたそこに唇を押し付け、舌を出して舐め上げ続けた。今自分がどんな顔をしているのか、なんてことは考えない。ただ早く「いいよ」と言って欲しい。そうして、疼いて痛いくらいの胸を擦りながら、上でも下でもいいから、目の前のこれで身体の中を抉って欲しい。 熱い息を吹きかけながら、ズボンの上で舌を動かしてねだり続け、我慢できずに揺れる腰が痛み始めた頃、アジラフェルはふいに身を屈めて、クロウリーの後頭
4/14ページ目 部を掬い上げるように上向かせた。唐突な動きに驚いた拍子に口の端から唾液が垂れて、顎を伝う。それをべろりと舐め上げたアジラフェルの舌が、終着地点で唇を割って侵入してきた。ズボンを舐め続けて痺れたクロウリーの舌の裏側から、アジラフェルはじゅっと音を立てて唾液を掬い上げ、それを自分の口の中に攫っていった。その代わりのように注ぎこまれる液体を喉を鳴らして飲み下す。それとほぼ同時に、アジラフェルの喉も同じように上下したのを視界の端に捉えた瞬間、クロウリーは、ずく、足の間で熱が膨らんだのを感じた。追い立てられるような思いで、クロウリーはさっきまで舌を這わせていた場所に思わず手を伸ばした。 けれどその手は、アジラフェルの股座に届く前に捕まってしまった。アジラフェルは捕まえた手を、自分の股座ではなく、クロウリーの足の間に押しやった。重ね合わせた手を、促すようにクロウリーの熱の上で動かしてみせる。ぴったりとしたスキニーパンツの布を挟んだその刺激に、びくりと腰を揺らしたクロウリーが震えながら床に膝をついたのを見下ろしながら、アジラフェルは口を開いた。 (できるだろ?) 何をと言われなくても、何を望まれているのか分かって、クロウリーはひゅっと息を飲んだ。椅子に再び腰を下ろしたアジラフェルがこちらを見ている。二人分の味がする唾液をごくりと喉に落とし、クロウリーはおずおずとジッパーに手をかけた。ジ、ジジという音とともに頭の中で何かが焼き切れていく気がした。下着にシミを作りながら立ち上がったそれをゆっくりと引きずり出して手で包む。手元は見ない。ただ目の前のアジラフェルだけを見上げる。今にも弾けそうなほど張り詰めた熱を手のひらの中でゆっくりと擦れば、ぐち、ぐちといやらしい音が部屋の中に響く。喉が締まるような羞恥で、クロウリーは目眩がするよ
『0721』
天使と悪魔は一人遊びをするか?という話。する。成人向けのアジクロ。
※一人遊びなので、天使も悪魔もやや独りよがり(ダブルミーニング)です。
※2025年10月に発行した「Day to Night」に書下ろしとして収録したもののweb再録です。
pixivはこっちhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27078798
好き。ありがとうValentine💖
13.02.2026 22:25 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0仕事と仕事と仕事でなんて愉快なマーチ、明日もマーチ。でも大丈夫。このマーチもいつかは終わる。マーチの先には楽しみがある。ああでもちょっと、ちょっとだけ眠いですせんせ。書きかけのすけべ、煮込むための脳が残ってないんです。マーチ、マーチ、Februaryなのにマーチ…。へへ。
13.02.2026 13:17 — 👍 3 🔁 0 💬 0 📌 0動悸がやばい。一輝さんの逆バニーに命握られてる。嬉しい。
12.02.2026 14:13 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0尻尾…!!!理想の上向き尻尾逆バニー…!!!万全の福利厚生!!え、どこのお店にいるんでしょうかこのバニーちゃんたちは…?かわ、かわいい…。好き。楽園かな?楽園ですね。
12.02.2026 14:11 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0きっかけ!まさにそんなゲームだなあと思います。私も以前は軍艦は全部戦艦だと思ってました。コラボは居酒屋、遊園地、百貨店、はてはスケートまでありまして…。たくさん新しいことに触れさせてくれる公式さんで、とてもありがたかったです✨
わあい!!すでにどきどきしてきました…。(あいなみさんのご負担にならないように出来るだけ気配を消して小さくなって)楽しみにお待ちしております💛
あ、Blueskyも下書きできるようになってる?やったー。
Xの下書き欄にあらゆる欲望を書いては保存してる私にもう一つの煩悩倉庫ができたんだね。良かった、TL(世界)の秩序は守られた。
5/6ページ目 くすぐったい唇を手のひらで押しとどめながら、少しだけ焦れるような気持ちで、クロウリーがそう尋ねると、アジラフェルは自分の頭の中を点検するように、視線をさ迷わせた。 「ん? うーん、どう、かな」 「したくない?」 「そうじゃないけど、今はこれで十分っていうか。きみは?」 「あー、そうだな」 なんだろう、この感じは。 アジラフェルの後ろ髪に指を差しいれながら、クロウリーは自分に問いかけた。したいか? もちろん、してもいい。ただ、しなくてもいいな、というのが正直な気分だった。 クロウリーはアジラフェルの首筋に鼻を埋めて、大きく息を吸い込んだ。少しだけ埃に似た匂いが混じったコロンの香り。よく知ったアジラフェルの匂いだ。肉体も心もこれ以上ないほど傍にアジラフェルがいる。それを邪魔するものは何もない。いつまでも、こうしていたいだけ、こうしていられる。それなら、するのしないのなんてことは、今この時に限っては、本当にどちらでも良いことのような気がした。 そんな風に自分の心を見渡してから、クロウリーは今朝からのアジラフェルの挙動不審さの理由に思い当たった。 「アジラフェル、もしかして、今朝からこうしたかったのか」 「こうって?」 「こう、だよ」 クロウリーはそう言いながら、すでに隙間なく抱きしめ合っていた身体がさらに近づくように腕にぎゅっと力を込めた。裾が擦り切れたアジラフェルのベストが、めくれ上がった寝間着の下の腹に擦れてくすぐったい。尺はこちらの方があるはずなのに、全身で抱き
6/6ページ目 込むようにしてもアジラフェルの腹と尻には足が回り切らず、中途半端にしがみつくような形にしかならないことがクロウリーは愉快だった。胸の中に収めたアジラフェルの白い頭は、触れることなどなかった頃にそう考えた通りに、ふわふわと柔らかだった。 「どうだ?」 「ん、ふふ。そうかも。でもちょっと違うかな」 よいしょっという感じで、アジラフェルは少しだけ伸び上がるように身体を枕の方向へずらし、交代するようにクロウリーの頭を自分の胸の中に抱き込んだ。 「うん、こうかも。私がしたかったのは」 「そうか」 ゆるゆると頭の後ろを撫でるアジラフェルの手の心地よさに、クロウリーは目を細めた。そうしながら、そのシャツの胸元に額を擦りつけると、アジラフェルが嬉しげに髪の中に鼻を埋めて大きく息を吸い込んだのが分かった。ああ、さっきの俺と同じことを考えているな。何の根拠もなくそう思う自分が、クロウリーには可笑しくて、同時に胸が詰まるような気もした。 「……なあ、お前も寝間着、買えよ」 「どうして?」 「その方が気持ちいいだろ。こういうときに」 見上げた視線の中に邪魔な蝶ネクタイを指先で弾きながらそう言うと、アジラフェルは、そうする、と笑った。その顔があまりに蕩けるようにふやけて幸せそうだったから、「甘えたかったならさっさとそう言え」という小言も、「やっぱりちょっとしたい気がしてきた」という言葉も飲み込んで、クロウリーは、まあいいかと目を閉じた。 午後の遅い時間、カーテンを引いたほんのりと明るい寝室に、天使と悪魔が一人ずつ。足りないものは何もない。
10.02.2026 12:40 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0小説「グッド・オーメンズ」を原作とする実写ドラマの非公式二次創作小説です。以下の要素を含みます。アジラフェルとクロウリーの恋愛的な要素。ドラマ版シーズン2の結末。これらを避けたい方は読み上げを中止してください。 以下が本文です。1/6ページ目 アジラフェルの様子がおかしい。 クロウリーがそれに気が付いたのは、一日快晴の予報を見て、今日はベントレーを洗ってやろうと思い立った朝だった。濡れてもかまわない軽装に変え、車庫から出したベントレーに声をかけようとしたら、いつの間にかアジラフェルが玄関前に椅子を出して座っていた。 「何か用か?」 「いや、気にしなくていい」 それだけ言って、アジラフェルはいそいそとサイドテーブルの上に本とティーポットを出し、長く腰を据える用意を整えている。クロウリーは首を傾げながら、まあ外で読書の気分なんだろうと思って、ホースを手に取った。 昼までかけて丁寧にベントレーを洗い、仕上げのワックスにムラが出来ていないことを確認して、高い日差しに輝く車体に軽くキスしながら「お前は今日も最高だな」と声をかけて振り向くと、アジラフェルはまだそこにいた。クロウリーの視線に気が付いたのか、本に落としていた顔を上げる。 「終わった?」 「……ああ、昼は何か食べるか?」 クロウリーがそう声をかけると、アジラフェルはさっさと屋外読書セットの片付けを始めた。読書などついでだったと言わんばかりの撤収の早さに、クロウリーはまた違和感を覚えた。 一つ屋根の下で生活を共にするようになっても、クロウリーとアジラフェルは四六時中行動を共にしているわけではない。それぞれのペースで思い立ったことをして、食事や外出の気分になったら声をかける。基本的にはそんな風だから、事前に予定を合わせて出かけるか、特に何か用事でもない限り、互いが視界のなかにいないことなどいくらでもあった。 今日は何か約束をしていただろうか、そのために
2/6ページ目 待っていたのか? けれど「サラダ用に菜園から少し野菜を貰っても?」と尋ねるアジラフェルには、そんな素振りはない。自分が記憶違いをしているわけではないらしいことに安心して、クロウリーは頷いた。 軽い昼を済ませ、さて午後は、とクロウリーがリビングのソファで伸びをしていると、アジラフェルは当然のようにその横で紅茶をすすり始めた。テーブルの上の読みかけの本に手を伸ばしもせず、ただ満足げに紅茶の香りを吸い込んでいる。いつもなら「じゃあ私は」と言って、午後はまるまる書斎に籠もることが多いのに。何か話したいことがあるのかとクロウリーが待ってみても、何を言い出すわけでもなく、ただ静かに隣に座っている。やがてアジラフェルが二杯目の紅茶を入れてリビングに戻ってきたあたりで、クロウリーは推測を重ねることが面倒になってきて、口を開いた。 「アジラフェル、店はいいのか」 「今日は閉店。取引もないし」 「それなら、どこか出かけるか?」 「んー、いや今日は家にいたいかな」 これが遠回しの誘惑なのか、それともただ言葉通りの意味なのか、クロウリーは迷った。 そういうことを日常的に繰り返すような関係になっても、アジラフェルは能動的な誘惑が下手くそだ。何がスイッチになったのかクロウリーには理解できないタイミングでいきなりキスしてきたり、かと思えば「さっき天気予報で言ってたんだけど、今日はシーツがよく乾くって」とか何とか、誰が気づくんだというレベルの婉曲表現で誘ってきたりする。クロウリーとしては、アジラフェルに誘われれば否を言うことは滅多にないし、たとえアジラフェルがその気でなかったとしても、その気にさせるために色々するのも嫌いではない。ただ、これは確実に誘われていると思ってそれに乗ったのに、「え?」みたいな顔をされるのはい
3/6ページ目 まだに普通に傷つくので、判断は慎重にしたいと思っていた。 「俺は昼から少し寝るが」 「そう?」 川面に石を投げるつもりでそう言っても、アジラフェルには特段の変化がなかった。これは違うなと考えて、クロウリーは言葉の通り寝室に向かった。アジラフェルはついてこなかった。 特に眠気を感じていたわけでもなかったが、いざカーテンを引いて、ほのかに明るい寝室で身に馴染んだ匂いのベッドに寝転んだら、欠伸が出た。夜か、その次の朝までくらいなら、寝られそうだ。微妙に挙動がおかしい気がするが、別にトラブルや秘密を抱えているというわけでもない様子のアジラフェルは気にしないことにして、クロウリーはもぞもぞとシーツの中に潜り込んだ。 * 背中から腰にかけてを何かごわついたものに包まれている感触で、クロウリーは瞼を持ち上げた。寝室の中はまだほのかに明るい。大して時間は経ってないなと思いながら、ぼんやりと手を動かすと、 「起きた?」 項のあたりから声がして、クロウリーがぎょっとして首をひねると、ごろりと並んで寝転んだアジラフェルに背中側から抱きしめられていた。ベッドに入るにあたって一応上着を脱ぐくらいのことはしたらしいが、アジラフェルはいつもの外出着姿だった。昼寝を妨げたのはこれか、と納得しながらも、 「……何をしてる」 用事があって起こそうとしたという風でもないアジラフェルの様子に戸惑って、クロウリーは尋ねた。アジラフェルは、クロウリーの肩口に頭を載せ、はて、
4/6ページ目 という顔で首を傾げた。 「何、と言われても。きみが寝てたから」 「寝ると言っただろ。寒いのか?」 「全然」 「眠い、ってこともないよな」 「私は君ほどは眠らないからね」 質問を重ねても、アジラフェルからは確としたものが返ってこない。ただ、そうやって喋っている間も、アジラフェルの腕はクロウリーの腰にしっかりと回されたままだった。背中全体を包む柔らかな腹が温かい。スプーンを重ねたように寝転んでいるからか、尻の下の太腿の厚みがよく分かって、クロウリーは腹の前で組まれたアジラフェルの手に自分の手を重ねながら、少しだけ考えた。 ベッドの中。二つの肉体が密着していて、寝室のカーテンは引かれている。家にいたい。それならやっぱり、そういうことだよな。 クロウリーは肩をすぼめるように身を細くして、アジラフェルの腕の中でしゅるりと身体を反転させた。 「わ、と。器用だな、きみは」 向き合ったアジラフェルの驚いた顔を覗き込む。クロウリーの予想に反して、水の色の瞳には欲望の熱はなかった。違うのか? まあそれでも構わない。クロウリーはそう思いながら、胸に胸を押し付け、両腕をアジラフェルの頭に回した。鼻先と、それから唇に啄むようなキスを落とすと、アジラフェルは目尻に笑い皺を作りながら、それに応えてきた。耳の後ろに、顎の下に、首筋に。そういう遊びかのように、次々とキスが降ってくる。その一つ一つが肌に触れるたびに、クロウリーの胸の中に綿毛のような温かいものが満ちていった。けれどアジラフェルはクロウリーの腰に回した手をそこに置いたまま、相変わらずどこへも滑らせていこうとはしなかった。 「んっ、なあ。したいってわけじゃない、のか」
『今日の気分は』
そんな日もある。それでもいい、という話。ふわふわのアジクロ。
※コテージ暮らし
※2025年10月に発行した「Day to Day」に書下ろしとして収録したもののweb再録です。
pixivはこっちhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27078792