これまでの米トランプ政権が軍事力行使を考えると、多くの犠牲を伴うようなアプローチは一貫して避けてきています。軍事的な能力でイランは米国には勝てませんが、政治的な意志の強さを競うという意味でイランには依然として手が残されています。
jp.reuters.com/world/securi...
米国、イスラエルとしては、イラン領域に地上部隊を送り込むコストとまた作戦失敗のリスクを避けることができるため、代理勢力として利用価値があります。ただ、彼らに十分な支援が届くという保証はないと思います。
この記事が後半で述べているように、トランプ政権としてはイラン西部に対してクルド武装勢力が攻撃することを支持することを公に認めました。
すでにイラン軍はこの動きを察知しており、イラク領域にある武装勢力の拠点をドローンで攻撃しています。
jp.reuters.com/world/us/ZIX...
指揮官の死亡、病気、行方不明に備え、指揮を継承する人物を明確にしておく措置は特別なものではないと思います。指揮継承の考え方は国ごとでも異なりますが、原則的にその部隊で階級が最も高い軍人が継承し、同一階級の候補がいれば、昇任の日付が早い方が継承します。
jp.reuters.com/economy/OCQM...
イスラエルの核開発の歴史についてはCohenの著作が基本文献となっており、以前少しだけnoteで紹介したことがあります。気になる方は、過去記事ですが、一度ご確認ください。
note.com/takeuchi_kaz...
イランの脅しで言及されたイスラエルのディモナ核施設(Shimon Peres Negev Nuclear Research Center)は、Cohenの研究で1966年から1967年の初頭までに核爆弾が製造された施設と見られており、イスラエルの核戦力の基盤となっています。2025年にAPは同施設の拡張工事を報じていました。
jp.reuters.com/world/securi...
イラン・イラク戦争でも、ペルシア湾の海上交通路で米海軍とイラン空軍の間では複数の交戦が起きています。当時は西側全体で60隻ほどをこの海域に展開しましたが、防護の効果は完全ではなく、400隻近くのタンカーが損傷を被りました。
note.com/takeuchi_kaz...
イランの封鎖宣言は原油価格の上昇という経路を介して米国政府に戦争のコストを課す戦略行動です。
損保大手はイラン海域、ペルシャ湾を航行する船舶に対する戦争リスクの補償を停止する方針をとっていますが、米海軍も海上護衛で対抗はできます。ただし軍事的にはコストがかかる対応になります。
www.nikkei.com/article/DGXZ...
イランの武力紛争がさらに水平方向にエスカレートするとすれば、イエメン方面のフーシ派が行動を起こす事態が想定できます。
イスラエル軍はレバノン南部に地上部隊で侵攻する構えです。
ヒズボラがイランと連動してイスラエル領域をドローンやロケット弾で攻撃を加えるので、イスラエルも軍事的に対処するようです。
作戦は実行可能だと思いますが、ヒズボラの抵抗次第では数週間程度はかかるかもしれません。
www.jiji.com/jc/article?k...
また、それだけの困難を乗り越えて作戦が成功したとしても、それが米国の安全保障にどれだけ寄与するのかは別の問題として検討しなければなりません。イランとして体制さえ存続させることができれば、破壊された施設や装備を再建するでしょう。
また、4週間作戦が続けば、米軍が持つ弾薬の在庫レベルは大幅に減少します。これは米軍の即応性を各地で低下させることになるため、米軍の拡大抑止を頼りとする日本にとって、望ましいことではありません。
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ケインは作戦開始から「数万発」の弾薬を使用したとも述べ、攻撃の規模を拡大するとしています。これは米軍にとってまだ撃破できていない重要目標があることを意味しますが、ミサイルでイランの地下施設を破壊することは米軍にとっても技術的に簡単なことではありません。
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2日の米国防総省の説明でケイン統合参謀本部議長は、すでに作戦開始から24時間で1000以上の目標を撃破したと明言しています。内訳は「指揮統制インフラ、海軍、弾道ミサイル基地、情報インフラ」と述べるにとどめています。ここでは核施設・在庫の破壊状況に触れていません。
www.war.gov/News/Transcr...
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すでに湾岸諸国・イスラエルに対してイランは報復目的のミサイル戦を行っています。そのため、イランの弾薬在庫と生産施設の破壊は軍事的に必要であり、また戦果の判定も容易でしょう。ペルシャ湾の海上交通路を保護する観点でイラン海軍の艦艇撃沈も重要であり、また達成状況を判断しやすいと思います。ただ、残りの目標は達成度合いの判断が難しい作戦目標だと思います。
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トランプは対イラン作戦に関して4~5週間を超えて長期にわたり作戦を実行する能力があると表明しました。
作戦目標として、イラン軍のミサイル能力の破壊、海軍の全滅、核保有の阻止、そして親イラン武装勢力への支援の停止も挙げていますが、達成には大きな軍事的困難があると考えられます。
www.nikkei.com/article/DGXZ...
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noteで現状認識をまとめておきました。
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米軍が「壮絶な怒り」作戦を開始、イラン軍との間で武力紛争が急激にエスカレートしている
note.com/takeuchi_kaz...
略の観点から述べれば、最高指導者の排除が体制転換の効果を必ず保証するわけではありません。指導部が死亡すれば、別の人物が指揮を継承します。そして、指揮の継承順位が高い人物は従来の政策選好に近い人物である場合がほとんどです。
今回の件はイラン側の発表も踏まえて確定させる必要がありますが、一定の情報に基づく発表だろうと思います。
BBCはテヘランの邸宅に集中的にミサイル打撃が実施されたことを画像分析で裏付けた際に、未確認の情報源だと断りながらも、死亡の可能性に触れていました。
www.bbc.com/news/live/cn...
米トランプ大統領がイラン最高指導者ハメネイ氏が死亡したと発表しました。
彼は今回の作戦の目的が体制の転換にあることはすでに述べていたので、このタイミングでの発表もイラン国内で反体制の機運を高めるための行動だと考えられます。ただし、空爆は今後も続けられるようです。
jp.reuters.com/markets/comm...
ロシア、レバノン、ノルウェーの反応が出ています。ただ、今は週末なので、各国・各地域の反応が出そろうには時間がかかると思います。レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派の部隊もじきに動き始めると思うので、戦域が湾岸地域を超えて広がる可能性も考えておく必要があるでしょう。
jp.reuters.com/world/us/D7K...
27日にパキスタンはアフガニスタンに対して空爆を開始し、37か所を標的としました。また、こちらの作戦も現在も進行中のようです。
ただ、パキスタンの作戦はアフガニスタンからの越境攻撃を受けたもので、イランとは別の動きだと理解していますが、こちらも一応視野に入れています。
www.afpbb.com/articles/-/3...
ミサイル攻撃はその規模が限定的であれば迎撃可能であるため、直ちに被害が拡大する状況ではないと思います。米軍としては、イランのミサイルを制圧し、基地の安全を確保して主動的地位を確保することが作戦上重要でしょう。カタールやUAEでも同様の報告があります。
www.cnn.co.jp/world/352444...
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まだ規模は限定的だと思いますが、イラン軍は湾岸地域で報復攻撃を開始している可能性があります。
バーレーンの政府メディアではミサイル攻撃があったことを報じており、BBCがこれを引用して紹介しています。
www.bbc.com/news/live/cn...
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今回の米軍の作戦に関して、トランプは「イラン政権による差し迫った脅威を排除し米国民を守ることだ」と目的を説明しているので、体制の存続を揺るがす攻撃を意図していることは理解できますが、以前から予想された事態であり、ベネズエラ攻撃とは異なる戦況の推移になるだろうと思います。
jp.reuters.com/world/us/B77...
残念ですが、米国とイランの外交が失敗に終わり、武力紛争の段階へとエスカレートしました。イスラエルと米国の共同作戦でテヘランを攻撃しており、イスラエル軍によれば、すでにイランが報復を開始しています。
www.bbc.com/news/live/cn...
1990年代には、ネットワーク効果を利用した戦闘システムの改善を提言した研究が相次いで発表されました。以下の研究もその一例です。
情報革命の時代の軍事理論の方向性を示したIn Athena's Camp(1997)の紹介
note.com/takeuchi_kaz...
ロシア軍が衛星通信へのアクセスを失った結果、ウクライナ軍が局地的に反撃に転じていることを伝える記事です。
1990年代以降、軍事学は武器・装備それ自体を戦力と見なすことを止め、それら戦力要素を運用するネットワークを中心に据えて戦力を考えるようになっています。この視点から見れば、ロシア軍がスターリンク通信へのアクセスを失って戦闘力を低下させたという事象は決して驚くべきことではなく、当然の帰結です。現代戦では、このような考え方に慣れ親しむ必要があると思います。
www.afpbb.com/articles/-/3...
1945年以降に戦争は減少してきたという定説に対して、大国間の大規模戦争は確かに減少したと見なせますが、非国際的武力紛争を考慮に入れた測定方法を適用すると、必ずしも減少トレンドにあるとは言えないことが見えてきます。
このサーベイ論文では、理論的説明と経験的証拠の両面にわたって、戦争衰退説の根拠を批判的に検討しています。
Is War in Decline?
doi.org/10.1146/annu...
2023年以降にFPVドローンが普及して以来、敵からの距離が10km以内ではたとえ中隊レベルでも電子戦システムがんはいと部隊や装備の防護は難しくなりました。特に攻撃部隊の車両を防護する観点から電子戦システムを可能な限り戦術単位に配備することが重要だと思います。