感想③
まとめとして、何かと小説にテーマだったり自分にない視点を求める私でも、それを抜きにしてめちゃくちゃ楽しめた作品でした。
最近は昨年話題になったミステリビンゴを参考にいろいろと読み進めていたのですが、どれもおもしろく、読書好きのみなさんがオススメする理由が分かりました。サンキューベリーマッチ。
@readingdog.bsky.social
パニック障害を患って12年目。日に日に寛解し、社会に溶け込めるようになってきたので楽しく生きようと思います。主に小説、たまにマンガ、アニメの感想をつぶやこうかなと。現在、本や文章に関わるお仕事ができないかと模索中。 趣味が合う方、無言フォローでも大大大歓迎なので、何卒よろしくお願いいたします。 X(旧Twitter)アカウント:https://twitter.com/nonnbiriotaku
感想③
まとめとして、何かと小説にテーマだったり自分にない視点を求める私でも、それを抜きにしてめちゃくちゃ楽しめた作品でした。
最近は昨年話題になったミステリビンゴを参考にいろいろと読み進めていたのですが、どれもおもしろく、読書好きのみなさんがオススメする理由が分かりました。サンキューベリーマッチ。
感想②
また、肝である特殊な世界観を読者に浸透させるのも早く、だからこそ存分に物語を楽しむことができたのだなとも感じております。
現実と夢のパートが交互に綴られていくシステムもシンプルで、内容が複雑なだけに、それ以外の部分でストレスを感じることがなかったのも、のめり込めた一因ですね。
「アリス殺し」小林泰三 #読了
感想①
なんだかめったにない体験をしたなというのが率直な感想です。
本編のほとんどを占める膨大な会話文と、その要領を得ない堂々巡りのもどかしいやり取りが、読者を現実世界から引き剥がすというか……表現が難しいですね。
ニュアンスとしては夢見心地の浮遊感を読者にもたらして正常な判断力を奪い、鮮やかに騙すといった感じでしょうか。
世界観や会話、主人公が置かれた状況の理解にリソースを割かれるので「私はこれを見落としていたのか!」と、気持ち良く欺かれました。
ファンシーな世界にそぐわないグロテスクな描写にも気を逸らされたなぁ。
感想③
という部分にも言及しつつまとめると、
人を楽しませるエンターテイメントとしてめちゃくちゃ良質で、読書に興味のある未来の読書家たちにも易しいオススメ作品だと感じました。
おもしろさを100%伝えるには、というストイックさにも脱帽です。
どんな結末を迎えるのか続編も楽しみですね。
感想②
ただ一点、「嫌なやつの扱い方」がすごく気になりました。
読者が嫌悪感を抱くような描写を用いて、「こんな嫌なやつなら死んでも良いですよね?」という確認を取るような話運びを素でやるのは、ちょっとないなぁと。
嫌なやつの死に対する主人公たちの反応が薄いところも、それが窺える。
このような言わば「自業自得論」は、昨今の「こいつなら叩いても良い」という歪な正義を振りかざす愚か者たちの論調と根底にあるものが似ていて、嫌な気持ちになりました。
他者を攻撃するでもない、ちょっと嫌なやつの代償が死って世の中は良くないし、そこに疑問を抱かないのも良くない
「魔眼の匣の殺人」今村昌弘 #読了
感想①
おもしろかったです。
ライトな文体からスラスラと流れるような滞りのない文章。さらには提示される情報が分かりやすいよう整理されていて、それが前作の「屍人荘」からパワーアップしているように感じました。
ミステリに疎い登場人物の存在が、そのままミステリビギナー読者の視点となり、要所の用語解説から謎の要点まとめへと流れる美しさったら……!
会話文中の段落変えが多い(特に解決パート)のは賛否ありそうですけど、私は分かりやすさ故の配慮かなと受け止められました。
なにより後半の畳み掛けの興奮で気になる暇がない。
フォローさせていただきました!
まだまだブルースカイに慣れない身ではございますが、こちらこそよろしくお願いいたします。
感想③
まとめになりますが、自分がいかに愚かで、先入観に満ちて、信じたいものだけを信じて生きているかということを、
キャラクターやら構成やら、小説を形作る全ての要素から思い知らされる傑作だと評して締めたいと思います。
みなさんがオススメする理由、きちんと理解できました。あざす!
感想②
あとはキャラクターの強さについても言及せずにはいられません。
既読の方はニヤニヤしながら聞いてほしいのですが、翡翠ちゃん可愛いですよね。
特に世の男性諸君のほとんどは、翡翠ちゃんのこと大大大好きになるでしょう。
この美少女探偵を支えたいと思う熱き日本男児は書店へ駆け込むべし!
「medium 霊媒探偵城塚翡翠」相沢沙呼 #読了
感想①
超おもしろかったです。超おもしろかった感想を思いのまま綴りたいのですが、全てがネタバレになりそうで恐ろしいったらありゃしない。
とにかく伝えたいのは、最終章でそれまでの道のりが全てがひっくり返されたという興奮と、
ただ読者を驚かすだけ、あるいは版元が販促のために謳う「どんでん返し・怒涛の伏線回収」の有象無象とは一線を画す、
どんでん返すことでテーマが浮かび上がってくるような、きちんとどんでん返す意味のある「超おもしろい作品」だったということです。
これは人に薦めたくなりますねぇ。
感想③
戦況は終盤ですが、回収されていない要素がそこそこある点は気になりますね。
発生した新たな問題と、これから掘り下げられるであろう重要人物とをどう絡ませて決着させるのか期待が膨らみます。
ようやく最新刊に追いついたので、首をなが〜くして待ってます〜。
感想②
ストーリー全体としては、スピーディーな立ち上がりの後、高カロリーのカッコいい見せ場が大きく3つあったという印象です。
特に1つ目の最強同士の激しい戦闘と、その行く末に見出された、ある人物にとっての「生きる意味」には、それも1つの価値ある回答だなと納得することができました。
また3つ目の見せ場として、クライマックスの主役となったキャラの描写は実に素晴らしかったですね。
以前にも述べましたが、この場面において誰の視点でその人物を描くと効果的か、選択が的確というか……。
意図的に「急所に当たった!」を出しているような凄みを感じました。
「さよならの言い方なんて知らない。 8」河野裕 #読了
感想①-①
シリーズ8巻目にして、スタートの1巻から主人公が見据えていたゴールの形、その手段が明らかになるという、マジかよ驚愕これぞ河野作品だぜ展開。
え、じゃああの巻の発言も、あのキャラとの関係も、全て逆算だったのかよと思うと、毎度のことながらその構成力には驚かされますね。
そして7巻の布石も次巻に回収されそうだし、この8巻にも今後の布石が打たれているという……。
何をどこまで考えてから書き始めているのか、わたし、気になります。
あああああぁぁぁぁぁ!!!念願のパーフェクトうれしいいぃぃぃぃぃ!!!
#ストラックアウト
それこそが私にとっての、本書の言葉を借りるなら「生命のイドラ」なのかもしれませんね。
……と、定義づけることが死ぬ理由になるという考えも、もちろん忘れずに。
それにしても生きることへ意味を見出すなんて、人間って高尚というか贅沢というか……。
今回は派手な戦闘はほとんどなく、駆け引きと頭脳戦がメインでしたが、
ずっと伏せられてきた重要キャラの過去が明らかになることで、物語の全体像がかなりすっきりしたなという印象を受けました。
今後の弾みになるような7巻を経て、どのような結末を迎えるのか非常に楽しみです!
「さよならの言い方なんて知らない。 7」河野裕
「人はなぜ生きるのか」という人類にとっての永遠のテーマに挑む、めちゃくちゃイカしたシリーズの第7巻。
今回も読者がじっくりと思考したくなるような問いが出てきましたね。
こういった、例えば読んだあと数日かけ投げかけられた問いについて考えちゃう小説って、本当に表現物として意義があると心から思います。繰り返しが故についつい流されがちな日常生活の中で、ふと足を止め考える時間を与えてくれ、そこでさらに自分になかった視点や哲学まで授けてくれる。
それにワクワクするから私は小説が好きなんだと思います。
ブルースカイ始めました~。何卒よろしくお願いいたします。
09.02.2024 14:00 — 👍 3 🔁 0 💬 0 📌 0