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奇妙な世界

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短篇小説・翻訳小説・怪奇幻想小説大好きアカウントです。ファンタスティックなものが好み。読書ブログ「奇妙な世界の片隅で」をやってます。怪奇幻想小説専門の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。ブックガイド系同人誌も作ってます。#日本怪奇幻想読者クラブを主宰しています。

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Posts by 奇妙な世界 (@kimyonasekai.bsky.social)

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最近買った本まとめて。シムノン『ラクロワ姉妹』は買う予定はなかったのですが、「ホラーに限りなく近いサスペンス」との文句に惹かれて購入です。

08.03.2026 06:52 — 👍 23    🔁 0    💬 0    📌 0

ブライアン・クレッグ『タイムトラベル基礎講座 時間のしくみからタイムリープの実現性まで』(原書房)を読み始め。
タイムトラベルは可能か、可能だとしてどういう方法があるのか、科学的に分かりやすく解説していくというタイムトラベル入門書です。タイムトラベルを扱った小説や映画への言及や簡単なブックガイドもついていて楽しめます。

07.03.2026 23:33 — 👍 11    🔁 0    💬 0    📌 0

個人の責務として「先導者」の仕事を全うしようとする「わたし」の背後で、それを利用しようとする組織や個人の組織的・政治的な動きも現れますが、そうした中で「わたし」がどう仕事と向き合うのか、どう「生きて」いくのか…、そうした真摯な悩みと葛藤が描かれていくのも読みどころでしょうか。
いわば命をかけた、シリアスな「お仕事小説」的ホラーといえるのですが、主人公が死に至る描写、死後の世界の描写も非常にリアルで美しく魅力がありますね

07.03.2026 23:30 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

実際の任務にあたって、主人公自身の苦難が驚きと共に描かれていきます。
この「御役」という任務、人為的に肉体を死なせるということで、毎回戻ってこれる保証はありません。戻ってこれたとしても肉体に魂を馴染ませるリハビリが長期間かかり、任務をこなすたびに肉体は確実に摩耗していき、寿命も減らしてしまうという過酷なものなのです。場合によっては戻る際に肉体の一部を失うこともあります。その危険度と苦痛はかなりのもので、主人公の「わたし」が仕事をこなしながらも、肉体的にダメージを追っていく過程がリアルに描かれており、その痛々しさが強烈です。

07.03.2026 23:30 — 👍 4    🔁 0    💬 1    📌 0
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小杉英了『先導者』(角川ホラー文庫)を読了。

幼いころから「先導者」としての指導を受け続けていた少女の「わたし」。自らの魂を肉体から離脱させ、死者の魂を転生のために導く「御役」をこなすことが「先導者」の役目でした。「わたし」は初の任務に就くことになりますが、それは事故死したらしき幼い少女・磯村七美の魂を導く役目でした。しかしその任務には予期せぬことばかりが起こります…。

死者の魂を転生のために導くという霊的能力を持つ少女を主人公にした作品です、少女の一人称の語りによって、その仕事の内実が語られていくのですが、序盤ではまだ実務をこなしていないため、

07.03.2026 23:29 — 👍 17    🔁 0    💬 1    📌 0
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官能と生活  ピエール・ルイス『紅殻絵』 フランス象徴主義の作家ピエール・ルイス(1870-1925)の短篇集『紅殻絵』(生田耕作訳 奢灞都館)は、数奇な物語が語られる中にも官能的な要素の感じられる作品集です。「緋衣の男」 エペソスで暮らす彫刻の巨匠老ブリュアクシスは、知り合いの少年から、高慢な女王の絵を描くことになった画家クレシデスが女王の鼻を明かすような行為をしたことを耳にして感心します。しかしブリュアクシスは、偉大な画業を成した人物...

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フランス象徴主義の作家ピエール・ルイス(1870-1925)の短篇集『紅殻絵』(生田耕作訳 奢灞都館)を紹介しています。数奇な物語が語られる中にも官能的な要素の感じられる作品集です。
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07.03.2026 09:49 — 👍 11    🔁 1    💬 0    📌 0
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それぞれの未来  ブレイク・クラウチ編『フォワード 未来を視る6つのSF』 ブレイク・クラウチ編『フォワード 未来を視る6つのSF』(東野さやか・他訳 ハヤカワ文庫SF)は、SFやホラーの人気作家が未来社会をテーマに描いた作品を集めたアンソロジーです。ポジティブなものとネガティブなもの、それぞれの未来社会が提示されているのも面白いところですね。ブレイク・クラウチ「夏の霜」(東野さやか訳) オープンワールドの歴史ファンタジー・ゲーム内で殺される役だった富豪の妻マックスの仮....

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ブレイク・クラウチ編『フォワード 未来を視る6つのSF』(東野さやか・他訳 ハヤカワ文庫SF)を紹介しています。SFやホラーの人気作家が未来社会をテーマに描いた作品を集めたアンソロジーです。
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07.03.2026 09:18 — 👍 11    🔁 1    💬 0    📌 0

一方、「醜くなかったアヒルの子」や「散る花の願い」など、哀切な感情を語った切ない作品もあったりと、バラエティに富んでいます。
ティーン向けではありますが、大人が読んでも楽しめる作品集です。

06.03.2026 23:30 — 👍 3    🔁 1    💬 0    📌 0

魔法によって人型になったオオカミが珍しくなくなった世界で狩りをする少女を描いた「魔法都市のアカズキン」などは、ほとんど奇想SFの領域に達していますね。
素直に原話の登場人物や設定を引き継いでいる作品でも、そのデフォルメの仕方が面白いです。老人の殺害の容疑者となったピノキオを捜査官が取り調べるという設定の「ゼペットじいさん殺人事件」では、ピノキオの鼻が凄まじい速度で伸びるため、生命の危険を感じるとか、助けたアリが女性の姿で恩返しにくるという「恩返し×増殖」では、毎日のように恩返しのアリが増殖していくとか、その過剰さも楽しいです。

06.03.2026 23:30 — 👍 2    🔁 0    💬 1    📌 0

助けたアリが恩返しに訪れるものの、人数が増殖していくという「恩返し×増殖」、動物が魔法で人型にされた世界をめぐる「魔法都市のアカズキン」、醜いアヒルの子をその兄の視点で描く「醜くなかったアヒルの子」、とあるアリに怪我をさせたことからアリの裁判にかけられてしまう少年を描いた「アリンコ裁判」、死んで幽霊となった少年が自身の意思が残った意味を見出す「散る花の願い」を収録しています。

昔話をアレンジして現代風に描く作品は数ありますが、そのアレンジの仕方が大胆で楽しい作品集です。失踪した人間が何年も後帰還するものの、それと同時に周囲の大量の人間を消失させてしまう現象をめぐる「ウラシマ」であるとか、

06.03.2026 23:29 — 👍 2    🔁 0    💬 1    📌 0
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五条紀夫『めでたしめでたしでは終われない 5分間ノンストップショートストーリー』(PHP研究所)を読了。
昔話をモチーフに、様々な形でアレンジしたショートストーリーが収録された短篇集です。この作家さん特有の奇想とユーモアが強く出ていて、楽しい作品集となっています。

失踪した人間が帰還する際に多くの人間を消滅させてしまう現象を描いた「ウラシマ」、子ブタの家を訪れたセキュリティ専門家のお話「賢い子ブタの捕らえ方」、老人が殺され、彼が作った人形が犯人と目される「ゼペットじいさん殺人事件」、現金と毒がそれぞれ入った二つの箱を上手く開ける仕事を請け負った男を描く「当たりの箱はどの箱か」、

06.03.2026 23:29 — 👍 16    🔁 2    💬 1    📌 0

恨みを持つ相手の家を設計することになった男がある「工夫」を行い、復讐を遂げる…というお話です。淡々と語られるお話ですが、これは何気に怖いですね。

「令和七年 水折町児童夜間覚醒事案報告」(芦花公園)は、子供たちが共通して、不思議な夢を見るようになったことが、学校関係者たちによって語られていくnという奇談。その町には亡くした子供を「返す」ことができるという言い伝えがあること、ある人物が子供を亡くしていることが語られ、そこに哀切な味わいがあります。

06.03.2026 23:07 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

共通して奇怪な夢を見る子供たちを描く「令和七年 水折町児童夜間覚醒事案報告」(芦花公園)を収録しています。

印象に残ったのは「死角の家」(皮肉屋文庫)と「令和七年 水折町児童夜間覚醒事案報告」(芦花公園)。
「死角の家」(皮肉屋文庫)は、家をめぐる奇談。建築士の嶋方省三は、新築の家の設計依頼を受けますが、依頼主はかって事故の際に息子を死に追いやった張本人木久根でした。折しも、久々に出会った旧友・孝臣から、家を作る際に不幸を呼び込まないようにする鬼門除けの仕掛けの話を聞きますが…。

06.03.2026 23:07 — 👍 2    🔁 0    💬 1    📌 0
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藍上央理、藍峯ジュン、上條一輝、狐歪野ツッコ、皮肉屋文庫、芦花公園『こわいものがうつる』(KADOKAWA)を読了。現代ホラー作家たちによるホラー小説アンソロジーです。

オフィス内の社員が次々と事故死してしまうという「むこう岸から」(上條一輝)、SNS上の奇妙な投稿から起こる失踪事件をめぐる「あなあなた」(狐歪野ツッコ)、ある地方の警察内部で受け継がれる呪いの物語「元警察職員に係る縊死事案」(藍峯ジュン)、かって息子を死に追いやった人物の家を新築することになった設計士を描く「死角の家」(皮肉屋文庫)、教室に存在する神棚によって引き起こされる事件を描いた「さくらちゃんの神棚」(藍上央理)、

06.03.2026 23:07 — 👍 17    🔁 0    💬 1    📌 0

びっくりしましたね。
本当に驚くような本が出るようになりました…。

06.03.2026 13:30 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
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マルセル・シュオッブ『黄金仮面の王』(河出文庫)を入手。シュオッブが文庫で読める日が来るとは感無量ですね…。

06.03.2026 12:27 — 👍 44    🔁 7    💬 2    📌 0
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シュオッブを求め本屋さんに駆け込むも、まだ入荷してないらしい
なので、他に気になってた本をまとめて買ってきました

幻想文学怪人偉人列伝/礒崎純一
暗黒の瞬間/エリーザ・ホーフェン
それいぬ: 正しい乙女になるために/嶽本野ばら
心変わり/ミシェル・ビュトール

あと、今回で本当の本当に本棚に本が入らなくなってしまった。。。
これは早急に増設せねばなるまい

#今日買った・届いた本を紹介する

05.03.2026 13:31 — 👍 18    🔁 1    💬 0    📌 0
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神々のゆくえ  ハインリヒ・ハイネ『流刑の神々・精霊物語』 ハインリヒ・ハイネ『流刑の神々・精霊物語』(小澤俊夫訳 岩波文庫)は、ドイツの詩人ハイネ(1797-1856)による神話・民俗学的エッセー二篇を収めた作品集です。 テーマは、零落した古代ギリシャ・ローマの神々(ゲルマンや北欧の神も)で、キリスト教布教後、追いやられ「悪魔化」された異教の神々がどのように語られてきたのか、といったところが記されています。 「精霊物語」では多くの民話や伝説が語られ、それ...

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ハインリヒ・ハイネ『流刑の神々・精霊物語』(小澤俊夫訳 岩波文庫)を紹介しています。ドイツの詩人ハイネ(1797-1856)による神話・民俗学的エッセー二篇を収めた作品集です。
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05.03.2026 12:47 — 👍 25    🔁 3    💬 0    📌 0
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やさしい国  上野瞭『ちょんまげ手まり歌』 上野瞭『ちょんまげ手まり歌』(中公文庫)は、恐るべきディストピア社会を描いた時代小説です。 「やさしい殿さま」が支配する「やさしい藩」で、数少ない侍とその家族は、特産物である「ユメミの実」を育てて生計を立てていました。子供たちは六歳になると「やさしいむすめ」「やさしいわかもの」にするという習俗がありました。家老の玄蕃から、娘のみよが「やさしいむすめ」に選ばれたということを聞いた池之助は喜びますが....

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上野瞭『ちょんまげ手まり歌』(中公文庫)を紹介しています。恐るべきディストピア社会を描いた時代小説です。
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05.03.2026 12:43 — 👍 17    🔁 5    💬 0    📌 0

『伊藤典夫評論集成』を少しずつ読んでるのですが、さすがの厚さ、全然進みません。辞書の通読をしているような感じですね。面白いので全然かまわないのではありますが…。
読みたい本がどんどんと増えるタイプの本です…。

05.03.2026 12:29 — 👍 16    🔁 1    💬 0    📌 0

文章からその内面を見抜くことができる女性が、人間とは思えないおぞましさを感じた作家。そこに恐怖を感じながらも、魅力を感じてしまうというダークな恐怖小説です。まだ何か残虐な事件や犯罪を起こしていないだけで、この作家が世に出たら大変なことになる…というところで、恐ろしい事件が起こってしまうのか…と思いながら読んでいくと、意外に静かに終わってしまいます。と思ったら、実は…という真相が本当にブラックですね。

05.03.2026 11:06 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

「スコッパ―の女」は、小説家の内面を見抜く女性の物語。
雑多なネット小説の中から、才能のある人間を見出すことに喜びを覚える「スコッパー」と呼ばれる人間たち。その中でも共感覚を持つ女性Cさんは、文章を読むだけでその作家の内面を見抜くことができる能力を持っていました。
ある日、読んでいて、そこに見たことがないほどのおぞましさを感じさせる作家Ωに出会い、恐怖感を感じます。Ωのおぞましさに怖気をふるいながらも、そこに吸引力を感じたCさんはΩに取りつかれたかのように彼の文章を追い求めていきます…。

05.03.2026 11:06 — 👍 2    🔁 1    💬 1    📌 0

小説の中では、天峰翔陽を殺してしまう計画を立てていたのです…。
自分の小説の中の登場人物とそっくりな少年が現実に存在し、小説で書かれたのと同じ出来事が現実にも起きてしまう…という物語です。少年に重大な災難が起こるのですが、そこからがこのお話の真骨頂。事件に関して責任を追及された作家の主人公が思わぬ災難に会い続け、そこからとんでもない展開に。虚構と現実がリンクするお話は前例がありますが、こういう展開のお話になるとは本当にびっくりです。

05.03.2026 11:06 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0

作家と小説をテーマにこれほど多彩な物語を紡ぎだせることに驚きます。どれも面白いのですが、特に印象に残るのは「シンクロニシティ」と「スコッパ―の女」。

「シンクロニシティ」は、小説と現実の奇妙なシンクロを描く物語。
作家のS先生は、子供たちを主人公にしたミステリ作品を書き出しますが、その中に登場する天峰翔陽は明るく頭のよい少年でした。近所の学校に同姓同名の少年・天峰翔陽がいるということを聞きますが、周囲では小説のキャラクターは現実の少年をモデルにしていると思われていたのです。
小説の中の天峰翔陽について書いたことが現実の少年にも反映されているようなのを知ってS先生は驚きますが、

05.03.2026 11:06 — 👍 0    🔁 0    💬 1    📌 0
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山白朝子『スコッパーの女』(KADOKAWA)を読了。小説家をテーマにした奇談を集めた連作小説集です。

物事の終焉を感じ取ることのできる作家をめぐる「終焉を告げる小説家」、小説の才能のある生徒に執着する講師の物語「小説講師の憂鬱」、小説内で生み出したキャラクターと同名の人間が現実にいることが分かるという「シンクロニシティ」、青軸のキーボードを愛する作家の半生が語られる「青軸卿」、文章から書いた人間の内面を体感できる共感覚を持つ女性が、おぞましい内面を持つΩという作家を見つけ執着していくという「スコッパ―の女」を収録しています。

05.03.2026 11:05 — 👍 24    🔁 5    💬 1    📌 0

悲劇詩人 シリル・ターナー マルセル・シュオッブ 
第九の欠落を含む十の詩篇 高橋睦郎 
幻術の塔 多田智満子 
非在の樹 時里二郎 
『鉱石譜』より 高柳誠 
室内 山尾悠子

だそうです。

04.03.2026 10:52 — 👍 15    🔁 5    💬 0    📌 0
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気になる本。『山尾悠子偏愛アンソロジー 構造と美文』(ちくま文庫)。 2026/3/12刊行予定です。
収録作は、

バベルの図書館 J・L・ボルヘス 
時間の庭 J・G・バラード 
アウトサイダー H・P・ラヴクラフト 
落ちる娘 ディーノ・ブッツァーティ 
燠火 A・P・ド・マンディアルグ 
血まみれマリー 金井美恵子 
壮麗館 アルベルト・モラヴィア 
占拠された屋敷 フリオ・コルタサル 
冥府燦爛 塚本邦雄 
蘭房 澁澤龍彦 
中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃 三島由紀夫 
斬首されたカーリ女神 マルグリット・ユルスナール 

続く

04.03.2026 10:52 — 👍 48    🔁 12    💬 1    📌 0

現実と虚構の境目が分からなくなっていくという幻想小説で、最終的にピーターがどちらを選ぶのか? 選ぶことが可能なのか? といったところも興味深いですね。

02.03.2026 11:46 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

全てが創作ではなく、姉や恋人との関係などは、現実世界で実際にあった出来事を反映しているはずなのですが、それさえもが本当に事実を語っているのかが分からなくなっていきます。
現実世界と〈夢幻諸島〉、どちらが現実なのか? というところが大きなテーマになっているのですが、さらに〈夢幻諸島〉パートでは、タイトルにもある不死の技術が登場し、ピーターはそれに関して決断を迫られることになります。こちらの事件の結果として、さらに現実感覚が希薄化していくというのも面白いところです。

02.03.2026 11:46 — 👍 4    🔁 0    💬 1    📌 0

プリーストのライフワークともいえる《夢幻諸島》シリーズの最初の長篇です。別世界として〈夢幻諸島〉が登場するのではなく、現実の人間の自伝的作品の中に登場する架空の場所、フィクションとして登場してくるのがユニークなところ。
主人公ピーターは人生の様々な挫折のうえ、自身の人生を振り返ろうと自伝的な文章を書き始めますが、その内容はやがて現実から離れていってしまうのです。〈夢幻諸島〉がピーターの創作であると思って読んでいくわけですが、だんだんと〈夢幻諸島〉パートの存在感が増していき、現実パートの方が実はフィクションなのではないか? という疑いさえ出てきます。

02.03.2026 11:46 — 👍 3    🔁 0    💬 1    📌 0