古今219
昔親しくさせていただいていた人が、秋の野に会って物語して、そして詠んだ歌
秋萩の古枝〈ふるえ〉に咲ける花見れば本の心は忘れざりけり
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
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古今219
昔親しくさせていただいていた人が、秋の野に会って物語して、そして詠んだ歌
秋萩の古枝〈ふるえ〉に咲ける花見れば本の心は忘れざりけり
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
古今406
唐土〈もろこし〉で詠んだ歌、この歌は、昔、仲麿を唐土〈もろこし〉に物習〈ものならはし〉に遣わして、たくさんの年を経て帰ってくることができずにいるところ、この国(日本)よりまた使いがたどり着いたので、一緒に(日本に)帰って来ようとして出発して、明州〈めいしう〉というところの海辺にて彼の国(唐土)の人が餞別をした。夜になって月がとても趣深く射し込んだのを見て詠んだと語り伝わっている
天の原振り放け〈ふりさけ〉見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
安倍仲麿〈あべのなかまろ〉
古今174
題知らず
久方の天の河原〈かはら〉の渡し守君渡りなば舵〈かぢ〉隠してよ
詠み人知らず
古今121
題知らず
今もかも咲き匂ふ〈さきにほふ〉らむ橘の小島の先の山吹の花
詠み人知らず
古今41
春の夜の梅の花を詠んだ歌
春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香〈か〉やは隠るる
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
古今412
北へ行く雁ぞ鳴くなる連れて来し数は足らでぞ帰る〈かへる〉べらなる
詠み人知らず
古今138
題知らず
皐月来ば鳴きも古りなむほととぎすまだしきほどの声〈こゑ〉を聞かばや
伊勢
古今341
年の終わりに詠んだ歌
昨日と言ひ今日〈けふ〉と暮らしてあすか川〈あすかがは〉流れてはやき月日なりけり
春道列樹〈はるみちのつらき〉
古今191
題知らず
白雲に羽打ちかはし飛ぶ雁の数さへ見ゆる秋の夜の月
詠み人知らず
古今218
是貞親王〈これさだのみこ〉の家の歌合せで詠んだ歌
秋萩の花咲きにけり高砂の峰上〈をのへ〉の鹿は今や鳴くらむ
藤原敏行朝臣〈ふぢはらのとしゆきのあそん〉
古今406
唐土〈もろこし〉で詠んだ歌、この歌は、昔、仲麿を唐土〈もろこし〉に物習〈ものならはし〉に遣わして、たくさんの年を経て帰ってくることができずにいるところ、この国(日本)よりまた使いがたどり着いたので、一緒に(日本に)帰って来ようとして出発して、明州〈めいしう〉というところの海辺にて彼の国(唐土)の人が餞別をした。夜になって月がとても趣深く射し込んだのを見て詠んだと語り伝わっている
天の原振り放け〈ふりさけ〉見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
安倍仲麿〈あべのなかまろ〉
古今316
題知らず
大空〈おほぞら〉の月の光し清ければ影見し水ぞまづ凍り〈こほり〉ける
詠み人知らず
古今230
朱雀院で行われた歌合せ・女郎花合せで詠んで奉った歌
女郎花〈をみなへし〉秋の野風にうちなびき心ひとつを誰に寄すらむ
左大臣〈ひだりのおほいまうちきみ〉
古今265
大和国〈やまとのくに〉へ行ったとき、佐保山〈さほやま〉に霧が立っているのを見て詠んだ歌
誰が〈たが〉ための錦なればか秋霧〈あきぎり〉の佐保〈さほ〉の山辺〈やまべ〉を立ち隠すらむ
紀友則〈きのとものり〉
古今16
題知らず
野辺近く家居〈いへゐ〉しせればうぐひすの鳴くなる声〈こゑ〉は朝な朝な聴く
詠み人知らず
古今202
題知らず
秋の野に人まつ虫の声〈こゑ〉すなり我かとゆきていざとぶらはむ
詠み人知らず
古今318
題知らず
今よりは続ぎて〈つぎて〉降らなむ我が宿のすすき押しなみ降れる白雪〈しらゆき〉
詠み人知らず
古今359
尚侍〈ないしのかみ〉の右大将藤原朝臣〈ふぢはらのあそん〉の四十の祝いをした時に四季の絵を描いた後ろの屏風に書いた歌、夏
珍しき〈めづらしき〉声〈こゑ〉ならなくにほととぎすここらの年を飽かずもあるかな
素性法師〈そせいほうし〉?、紀友則〈きのとものり〉
古今416
甲斐国〈かひのくに〉へ下向する途中で詠んだ歌
夜を寒み〈さむみ〉置く初霜を払ひつつ草の枕に数多〈あまた〉旅寝ぬ
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
古今294
二条の后が春宮の御息所と仰られていたときに、御屏風に、竜田川に紅葉が流れる絵が描かれているを題にて詠んだ歌
ちはやぶる神世も聞かず竜田川唐紅に水くくるとは
在原業平朝臣〈ありはらのなりひらのあそん〉
古今170
立秋の日に、殿上人たちが賀茂の河原で川逍遥するお供をして詠んだ歌
川風の涼しくもあるかうちよする波とともにや秋は立つらむ
紀貫之
古今321
題知らず
ふるさとは吉野の山し近ければ一日〈ひとひ〉もみ雪降らぬ日はなし
詠み人知らず
古今352
本康親王〈もとやすのみこ〉の七十の祝いの後ろの屏風に詠んで書いた歌
春来れば宿にまづ咲く梅〈むめ〉の花君が千年〈ちとせ〉の挿頭〈かざし〉とぞ見る
紀貫之
古今347
仁和の御代、僧正遍昭〈そうじゃうへんぜう〉に七十の祝いを催されたときの御歌
かくしつつとにもかくにも永らへて〈ながらへて〉君が八千世〈やちよ〉にあふよしもがな
仁和帝〈にんなのみかど〉
古今186
題知らず
我がためにくる秋にしもあらなくに虫の音聞けばまづぞかなしき
詠み人知らず
古今409
題知らず、この歌は、ある人が言うには、柿本人麻呂の歌である
ほのぼのと明石の浦の朝霧に島隠れ〈しまがくれ〉行く〈ゆく〉舟をしぞ思ふ
詠み人知らず、一説に、柿本人麻呂
古今106
題知らず
吹く風を鳴くて恨みようぐいすは我やは花に手だに触れたる
詠み人知らず
古今414
題知らず
消え果つるときしなければ越路〈こしぢ〉なる白山〈しらやま〉の名は雪にぞありける
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
古今415
東国へ下向したときに途中で詠んだ歌
糸に縒るものならなくに別かれ路〈ぢ〉の心細くも思ほゆるかな
紀貫之
古今25
和歌を詠むようにとおおせられて詠んだ歌
わか背子が衣〈ころも〉はる雨〈はるさめ〉ふるごとに野辺〈のべ〉の緑ぞ色まさりける
紀貫之