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にもかかわらず「方言が聞き取れない」が批判というか非難として広がるのは、映画が描いていた本土と沖縄の関係をそのまま反映しているようでエグい。「本土の私たちにわかるように話せ」。学校の教室の場面では「方言札」とかも映ってた。

22.09.2025 10:31 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

映画『宝島』。監督:大友啓史。ん?と思うところもあるけど、総じておもしろかった。Xで批判が集中しているポイントのひとつが「方言が聞き取れない」で、エグいなあと思う。当時のリアルな言葉はあんなもんじゃなくてもっと聞き取れないはずで、映画用にだいぶマイルドにしてある。いわゆる「本土」の人間に合わせて(現代のネイティブな沖縄の人も若いと聞き取れないのかもだけど)。あれよりもっと聞き取れるようにすると、当時の沖縄の構造的な問題を描く作品のコンセプトとしてもどうかという話になる。その点、ギリギリのラインで行こうとしてると感じた。聞き取りにくいこと自体が作品としてのメッセージでもあったと私は受け取る。

22.09.2025 10:30 — 👍 2    🔁 0    💬 1    📌 0

早川タダノリ『「日本スゴイ」の時代』。1章ぐらい、外国の人に日本のあれこれを褒めてもらうテレビ番組について批判的に書いてあった。視聴者がみたいものをみせている、という話なのだとは思う。個人的には、この手の番組をあまり見たことはないけれど。そう考えると、ネットに比べたときのテレビの良さについて「自分の興味のなかったものにも出会うことができる」というような言い方があるけれど、もうそういうのはほぼ失効してるんだろうなと思う。

15.09.2025 09:19 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

環境テロリストよろしく活動を「過激化」させていく子どもたち。事が大人に露見した際に、瀧内公美演じる母親が「環境問題はあなたたちに言われなくてもみんな知ってるの」みたいにキレる場面があるけれど、身の回りの生活を守るために「問題」を心から消し去る大人と、(おそらく親との関係で何かしらの鬱屈を抱えるが故に)「問題」を鎧にして自分を守ろうとする子どもの対比が印象的。守るために見ない。守るために突きつける。

15.09.2025 08:16 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

映画『ふつうの子ども』。おもしろかった。主人公をはじめとした子どもたちの演技が自然で、冒頭のダンゴムシとワラジムシの(どーでもいい、しかし子どもにとっては重大事な)言い合いから引き込まれた。芝居がかったようなところもあるのだけれど、それもなんだか子ども特有のバレバレな演技をして誤魔化してるときを演じてる感じ。蒼井優がホロッコこまりのネタのショート動画みたいなのを寝っ転がりながらみてて、ふいをつかれて笑った。

15.09.2025 07:41 — 👍 0    🔁 0    💬 1    📌 0

映画『でっちあげ』。実話をもとにした、教師に対する"冤罪"についての話。「大勢が信じていることが真実とは限らない」が「大勢が信じていることは真実ではない」に曲解される時代に、「大勢が信じていることは真実とは限らない」をもっぱらメッセージとして打ち出す(+家族愛)。なんだかな。

16.07.2025 12:58 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

藤原聡『姉と弟』。昨年無罪判決が出たいわゆる「袴田事件」の、姉と弟の58年の戦いを描いたノンフィクション。小さな事実も根拠に基づき正確に積み重ねていく筆致が、警察・検察の主張や裁判所の判断の杜撰さを逆照射する。あと、拘禁反応が出る前の袴田さんが獄中で書いた手紙や日記の理路整然とした感じに驚いた。これもまた、検察等の論理の無茶苦茶さや、有罪判決を下した裁判官が著書に記す言葉の億面のない感じと対称的。一体何があったのか。何が問題なのか。大変よくわかった。

06.04.2025 04:37 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

科学否定論者との対話のためには信頼が重要。確かにその通りだろう。困難な道だが。著者自身、誰も説得できていない。流動性が激しい時代に科学否定という盤石の足場を見つけアイデンティティを保護する人たちが、相対的な確からしさ(≠絶対的な正しさ)の積上げで成立する科学にどこまで回帰するか。しかも他者への信頼という不確かなものを足がかりに。科学否定論者がいることというより、それが政治と繋がることが問題なのだろうとも感じた。米国の現状はもはやそんな切り分けが無意味なところまで進行しているのかもしれないけれど。いずれにせよ、相手を無知だ時代遅れだと揶揄するのは逆効果なのだろう。他の政治的なテーマでも同じだが。

09.02.2025 04:22 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

リー・マッキンタイア『エビデンスを嫌う人たち』。アメリカの科学哲学ノンフィクション。地球平面説を信じる人や地球温暖化を否定する人など、科学嫌いな人たちをどうすれば説得できるのか。著者は地球平面論者の集会などに実際を足を運んで対話するなかで考察を深める。私たちには科学的に確からしいからという理由より信じたいものを信じる傾向があり、その基底には自分のアイデンティティを保護したいという欲求があること、対話のためには共感・信頼が必要なこと。科学否定論者の議論のパターン(証拠のつまみ食い、陰謀論への傾倒、偽物の専門家への依存、非論理的な推論、科学への現実離れした期待)も整理されていて興味深かった。

09.02.2025 04:22 — 👍 3    🔁 0    💬 1    📌 0

安堂ホセ『DTOPIA』。恋愛リアリティショーに集められた白人のミス・ユニバースと先進諸国から集められた男性たち。番組本編以外にも島内に数多く配置されたカメラの映像が配信されていて、視聴者はその配信映像を独自に編集、その編集版も本編と共に楽しんでいく。本編がもはや”正本”の位置を追われ複数の”異本”のひとつにしか過ぎなくなる。全体を見通すただひとつの視点はなく、すべてが切り取られた断片的な情報の寄せ集めになる。そのような情報環境で私たちは、暴力を占有する国を後ろ盾にしたり、多数決に寄りかかったりするのではない方法で公共性を確保することができるのか、という問いを看取した。おもしろかった。

03.02.2025 17:00 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

一方、1国1文化みたいな筆致には、「比較」という方法がとられているからある程度仕方がないにしても、それでいいのだろうかという気もする。国‐文化-教育-論理のつながりがあまりにもリニアというか。とはいえ、しばしば揶揄される日本の国語教育(登場人物や筆者の心情を想像して何の役に立つのか、みたいな)の社会的意義も論じられていておもしろかった(そんな日本の教育がこれからの先行き不透明な時代で中心的役割を果たす、みたいな評価の是非は留保するにしても)。このあたりの国語教育の機能の話、それこそ別の論理をつかった論証(計量的な分析を使った実証研究とか)も読んで多元的に理解したいと思った。

03.02.2025 16:23 — 👍 2    🔁 1    💬 0    📌 0

渡邉雅子『論理的思考とは何か』。論理的思考の型はひとつではなく複数ある。社会のなかの目的を異にする諸領域によって何が論理的かが異なる。たとえば利益を上げることが目的の経済の領域では、解が素早く提示・解読できる論理が選択され、政治の領域で求められる公共善の考慮を志向した論理は後回しになる。そんな論理的思考の多元性を、経済の論理のアメリカ、政治の論理のフランス、法の論理のイラン、そして社会の論理の日本の作文教育を分析することを通じて明らかにしていく。何が論理的かは目的によること、たったひとつの世界共通で普遍的な論理の型があるわけではないことが説得的に書かれていて勉強になった。

03.02.2025 15:40 — 👍 4    🔁 3    💬 1    📌 0

映画『敵』。監督・脚本:吉田大八。主演:長塚京三。退職してひとり暮らしを送る老フランス文学者が、徐々に夢と現実の境界線が消失した混乱に放り込まれていく。身体の老い、認知の衰え、プライド、良い思い出、犯した罪、性欲、孤独、友人・仕事・居場所の喪失、時代の変化、減っていく貯金――”敵”は自分の内からも外からも、過去からも未来からも、前後不覚にやってくる。唯一方向を与えるのはPCに届いた「北から敵が来る」との陰謀論的なメッセージ。溺れる者にとっての藁だったのか。が、そこに手を伸ばしたとたん虚実の混濁はさらに加速する。「敵が来る」という甘言。それもまた”敵”――というふうに見た。

29.01.2025 13:58 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

映画『どうすればよかったか?』。統合失調症の娘を病院に連れて行かずにある時からは家に閉じ込めるようになった両親。その数十年を弟が撮る。おそらくあまり性能のよくないカメラで撮られた映像は、何より音が不鮮明で聞き取りづらいのだけれど、そのことがこの家族が抱えていた問題の不鮮明さを表現しているように思えた。で、タイトルの問いに答えるなら「はやく病院に連れていけばよかった」しかない。まったく関係ない第三者は、無責任にそう言わないといけないのだろうと思う。

17.01.2025 12:41 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

あと、小1も含めて子どもたちに先生が「成長せよ」と求める場面が多々出てきて、学校の教師も自己啓発的な言葉づかいで子どもを教える時代なんだなと思った。小6ならともかく小1からあんなこと言われてたかなぁ。時代の差だけじゃなくて地域性もあるのかもしれないけれど。

16.01.2025 10:36 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

一方、集団の中での個のあり方を日常的に意識させられた子たちが、微細な差異に敏感になり相互監視のような行動をとるシーンも挿入される。教師の長時間労働も暗示される。映画は日本の学校の功罪を淡々と描く。その距離感がいい。私のなかにも本作で描かれたような学校の清濁が流れ込んでいるのだろう。日本の治安の良さにも本作が描いた学校の社会化機能が果たしている役割は大きいのだろうとも思う。「濁」を拒否して「清」だけ取り出すのは難しい。

16.01.2025 10:36 — 👍 3    🔁 0    💬 1    📌 0

映画『小学校~それは小さな社会~』。世田谷のある小学校の1年間を追ったドキュメンタリー。カメラが主に捉えるのは、掃除・給食・係活動・運動会・修学旅行・卒業式といった授業以外のあれこれ。そういった授業以外の時間を焦点化し、日本の学校が単に認知能力を伸ばすだけでなく人間性を育む場になっていることを描く。映し出される子どもの”成長”とそれを指導する先生たちの姿は時に感動的。弱ったクラスメイトを自然に支える子どもたちの優しさも胸を打つ。放送室の6年生2人の会話がいい。

16.01.2025 10:36 — 👍 2    🔁 0    💬 1    📌 0

佐久間亜紀『教員不足』。たしかに教員が不足しているが、国は適切な調査を行っていないので現時点で誰もその全体像を把握できていない。教員不足にあえぐある現場では、教員が朝礼で「妊娠してしまいました、申し訳ありません」と泣き崩れる。そんななか国は「教員の魅力」をPRするイメージ戦略に予算を投じて問題を先送りする。そんなおかしな状況の改善に資するため、複雑な教員雇用制度の丁寧な解説と独自調査によって教員不足の構造を実証的に浮き彫りにしつつ、解決に向けた具体策の提示+より高次の公共的観点から論点を剔出する。コンパクトな新書ながら、社会科学かくあるべしという労作だった。

14.01.2025 15:52 — 👍 6    🔁 0    💬 0    📌 0

ベンジャミン・クリッツァー『モヤモヤする正義』。マイクロアグレッション、マジョリティ特権といった言葉を使いながらなされる社会的な主張について、その良質な部分を評価しつつも、問題点を指摘する。著者は、相手の感情を操作することで主張を押し通そうとする「レトリック」ではなく、それとは異なる「公共的理性」の観点からの対話を訴える。本文のあちこちに、ちょっと嫌味っぽい言い回しとかが散見されて、でも、できるだけ理性的な言葉を紡ごうという意志も感じられて、そんな筆致に、「レトリック」から可能なかぎり身を引き剥がして「公共的理性」に基づく言葉を積み上げようとする思考の跡が感じられて、それがよかった。

28.11.2024 16:11 — 👍 4    🔁 0    💬 0    📌 0

今井むつみ『学力喪失』。客観的な点数化をするためのテストではなく、子どもたちがどこでつまづいているのかを理解できるテストの問題をつくる試み。その報告が主に書かれていて、本の主題としては、なぜ子どもたちがいまの教育環境で力を発揮できないのかが、そもそも「知識」とは何かというところにさかのぼったりもしながら、認知科学・教育心理学の観点から説かれていて、そのあたりももちろん勉強になるしおもしろいのだけれど(自分のわかり方がわかるおもしろさ)、それよりなにより、たくさん掲載されている子どもたちの誤答のレパートリーが「なるほどー。こうやって間違えるのかー」という感じで読んでておもしろかった。

28.11.2024 15:39 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

中原一歩『小山田圭吾炎上の 「嘘」 』。雑誌のインタビューで書かれていたようないじめは実際にあったのか、小山田へのインタビューと裏取り取材で検証されている。たしかに単発的ないじめはあったが、記事に書かれていたような酷い内容ではなかったようだ、との結論。一次情報を可能な限り収集するというオーソドックスな取材だけれど、だからこその説得力がある。情報の集め方が、何をどういう風にどこまで言うのかを境界づける。そのあたりの境界を、SNSだけでなく、東京五輪開催をめぐる賛否の渦のなかでマスメディアが踏み越えた出来事だったのだろう、と、本書を読んで自分のなかの仮説を更新する。

28.11.2024 15:20 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0

富永京子『「ビックリハウス」と政治関心の戦後史』。社会運動を研究する社会学者によるサブカル雑誌のテキストの分析。前世代の政治的な言動が前提にしていた共同性、それを「人それぞれ」のスタンスから批判する80年代に若者だった世代が、時に露悪的な”嘲笑”に流れていく経路について。いまは人類史上もっとも”嘲笑”が政治的な力をもっている時代だと感じるけれど、それはなにもSNSの登場で唐突に出来したというわけではなくて、ちゃんと前史があるということを理解した。それだけに、SNSを規制すれば、イーロン・マスクが退場すればすべて洗い流せる問題ではない。

16.11.2024 14:29 — 👍 8    🔁 1    💬 0    📌 0

アトラスのゲーム、もうちょっとアニメーション部分どうにかならないのかな、と思うことが多い。UIまわりのデザインのカッコよさには定評があるのに、アニメがあんまりなのはどういうことなんだろう。

16.11.2024 13:36 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

ゲーム『メタファー:リファンタジオ』。ポピュリズムと加速主義の隆盛、その底にある「現実への逃避」といった現代社会に対する解釈を、「幻想」と「現実」の入れ子構造を梃子にして物語に批判的に落とし込んだゲームだと理解した。魔法とかドラゴンとか妖精とか、ファンタジー作品につきものの要素を一貫した世界観のもとで再構築する手つきも鮮やか。文明崩壊後の世界で失われた科学技術が「魔法」として描写される作品はよく見るけれど、自由や平等や選挙のような、そういう政治まわりの概念や制度が「魔法」の枠内で解釈された作品は初めて見たかも。最終盤の展開が好き。ハイザメとバジリオのやりとりがいい。とてもおもしろかった。

16.11.2024 13:12 — 👍 1    🔁 0    💬 1    📌 0

映画『スミオの話をしよう』。コメディの枠組みの中で進行してるから(そして長澤まさみのビジュアルに目をくらまされるから)見えにくいけれど、それを取り払ったら結構シリアスな話だったのだろうと思う。本当のスミオ、みたいなところは最後まで空白のまま、舞台上のショーとして終わったのが好みだった。元夫たちはスミオの話をしたいけど、スミオ自身は別にスミオの話はしたくない。それより何よりヘルシンキ、ヘルシンキ。

02.10.2024 13:15 — 👍 0    🔁 0    💬 0    📌 0

映画『箱男』。安部公房の原作はずっと前に読んだ。個人的に自己言及無限ループの構造に偏愛があるのは、この小説がひとつの源泉になっているのかもしれない。読み直してみようと思う。映画の最後のところは好き嫌いがありそうだけど、メタのメタのメタの…の無限後退を止めるド真ん中ストレートのメッセージの”ダサさ”、僕は好きだった。いや、あの終わり方が”ストレート”に見えることが、ねじれてはいるのだけれど。去年の紅白でYOASOBI『アイドル』にアイドル大集合の構図がストレートなエンタメに見えるねじれと同じ感じ。

14.09.2024 04:45 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

佐藤卓己『あいまいさに耐える:ネガティブ・リテラシーのすすめ』。著者が2009年以降に書いてきたメディアに関する時評をまとめた本。副題にある「ネガティブ・リテラシー」にピンときて読んだ。著者いわくネガティブ・リテラシーとは「情報をやり過ごし、不用意に発信しない力」。個人的にも最近、SNSで盛り上がる話題は硬い話題も柔らかい話題も積極的に無視している。テレビもほとんどリアルタイムで見ていない。タイムライン上での実況の盛り上がりを横目に番組を見るみたいなのは、生放送など一部を除いてほぼやっていない。情報の受信も発信も遅延させる。この10年ほどでいつの間にかそうなっていた。加齢もあるかもしれないが。

05.09.2024 16:16 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

吉弘憲介『検証 大阪維新の会』。大阪維新の会の”強さ”について、財政面から読み解く。著者は、既得権益層に充てられていた資源を削減し、浮いたお金を市民に頭割りで配る維新の会の財政のあり方を「財政ポピュリズム」と呼ぶ。そう考えると「コンクリートから人へ」と言っていた政権交代時の民主党と維新の会は重なって見えてくる。著者はそんな「財政ポピュリズム」の上に立つ維新の”弱さ”をみんなで共有できる価値を創造できていない点に見るけれど、なるほど、民主党にあった公共性(「新しい公共」)への志向を薄めたのが維新なのかもしれない。そこからさらに”政治”への志向すら薄め自己啓発的な方向を強めると石丸伸二になる。

04.09.2024 16:14 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

オリオン・クラウタウ『隠された聖徳太子』。主として明治以降の、聖徳太子のオカルト方面からの解釈と受容の歴史。聖徳太子のオカルト的解釈は、素人が思いついたものではなくて、大学の一部の研究者の”トンデモ”な論を種や肥料としながら広がってきたらしい。歴史的な真実味を一定程度たもちつつも想像力に富んだ議論が交わされるその汽水域を、著者は歴史と偽史の「コンタクトゾーン」と呼ぶ。『世界ふしぎ発見』が今年の3月に終わったときには、良質な教養番組の終わりみたいに受け止められる向きもあったけれど、特に昔は”トンデモ”な”歴史”をずいぶん放送していたことを思い出したりもした。

04.09.2024 15:53 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

映画『ラストマイル』。エンタメ盛り盛りで、社会的メッセージもがっつり。物語の筋も完璧。そして満島ひかりが最高。満島が物語に登場するとき、私はいつも軽い違和感を覚える。彼女は溶け込んでないように、物語から浮いているように見える。でも話が進むにつれ、むしろ満島が帯びる違和感のほうに物語は滲み出ていく。今回の物語の上で、満島が演じる主人公は物流のロジスティクスのなかに密かに運ばれた”爆弾”として作用した。同時に彼女は、その物語の完璧な筋運び(完璧なロジスティクス)をぶよぶよにして外部と混ざり合うことで破裂し、破裂することで物語が語り示す領域を押し拡げる”爆弾”である。とてもおもしろかった。

04.09.2024 14:20 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

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