あなたとよむ短歌
テーマ詠「風」
koubo.jp/article/57754
春風のような巻き髪さわりつつ君は数Ⅱに苦しんでいる/水面叩
優秀賞に選んでいただきました!
#短歌
こちらの句、二月の月間賞に選んでいただきました!
『三体』劉慈欣
読了。Ⅲが面白すぎたので二周目に突入。やはり大傑作SFだと再確認した。ラストのオチまで知っているのにめちゃくちゃ面白い。謎が深まっていくパートもストレスなく読めるので、一周目には気づけなかった構成の緻密さに目を向ける余裕があり、改めて『三体』シリーズの凄さを思い知る。ただ、思わせぶりなシーンが多すぎるし、謎は謎のまま長い間放置されるし、科学描写は小難しいし、プロットも複雑なので、これは初見では苦行だっただろうなとも思う。ストーリーの取っ掛りがなさすぎて途中で投げ出した人も多いだろうが、読み切るだけの価値はあるのでなんとか頑張ってⅡ・Ⅲへ読み進めるための切符を手にしてほしい。
隣人以上ともだち未満冬すみれ
2026.2.22 東京俳壇 小澤實選
特選一席で取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
切り分けてホールケーキに絶壁をうみだしてゆく友よ 生きよう
2026.2.8 東京歌壇 東直子選
取っていただきました。
#短歌 #東京歌壇
夜の雲すこしみどりよクリスマス
2026.2.8 東京俳壇 小澤實選
取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
追伸:
男女関係の描写、特に女性の感情描写はリアリティが薄く、如何にも理系男子が理想をつめこんじゃいました、みたいな雰囲気でちょっといただけない感じがあった。中国ではこういう風に書かないと当局に怒られちゃう、みたいな制約があるのかもしれないけど。
『三体Ⅲ 死神永生』劉慈欣
読了。傑作中の傑作。積ん読の底の方から引っ張り出してきてようやく読めた。スケールが宇宙的で桁違いなのに、科学描写や論理描写などの細部も緻密で、ひとりの人間が書き上げたというのが信じられない。I・Ⅱと比べて、ストーリー展開が直線的で明快であり、かつ『三体』シリーズの面白みである"まことしやかなとんでも科学"が満載で、とても面白かった。I・Ⅱも凄かったが、個人的には展開がダイナミックなⅢが一番好みだった。世界観に入り込みすぎて、読書を中断する度に、現実の世界がどんなだったかを改めて思い出さなければならなかったほど。文句なしの大傑作。もう一度Iから読み直そうと思う。
フラダンサーのごとく手と足やはらかくつき出しながら正月が来る
2026.2.1 東京歌壇 東直子選
取っていただきました。
#短歌 #東京歌壇
『僕には鳥の言葉がわかる』鈴木俊貴
読了。鳥語研究者による鳥語研究エッセイ。生き物への熱意と、自身の生活の杜撰さが交互に描かれていて読みやすくほっこりする。学術的な領域にはそこまで踏み込んでおらず、生き物好きの自分としてはもうすこし専門的な話をしてほしかった気持ちもあるが、一般向けにはこれくらいライトなのがちょうど良いのだろうとは思う。平易な書き口で詳しい研究内容についてもストレスなく理解できた(特に"ルー語"のところはすごかった!)。 本書内でおすすめされていた動物行動学の本も読んでいきたい。
東京歌壇の佐佐木幸綱選で年間賞をいただきました。
ありがとうございました。
#短歌 #東京歌壇
ゆく年の日に暮れのこる登り棒
2026.1.18 東京俳壇 小澤實選
特選一席で取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
『鬼麿斬人剣』隆慶一郎
読了。書き出しのみが明かされたブラインドブックとして古本市で売られていたもの。「家を出る時から、いやな感じがあった。」という書き出しに惹かれて購入。刀鍛冶の師匠が世に残してしまった駄作を折るために、フィジカルお化けの鬼麿が旅をするという痛快エンタメ小説。剣の腕が立ち、勘も鋭い鬼麿が有能すぎてストレスゼロで読み進められる。歴史小説は三国志くらいしか読んできていないので不安があったものの、難しいのは時代設定くらいで他は読みやすく、期待以上に面白かった。鬼麿が敵を斬りまくるし、道中の女にモテすぎるので、昭和の男たちにはなろう小説のような読まれ方をしていたのかも。
来年もよろしくお願いします
#2025年の自選五首を呟く
#短歌
今年もありがとうございました。
#2025年自選十句をつぶやく
#俳句
寒暁やうつすらあをき山羊の乳
2025.12.28 東京俳壇 小澤實選
取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
『水と茶』斉藤志歩
読了。万物に愛のある眼差しを向けているようなやさしい句が並ぶ。柔らかく無理のない韻律と、生まれてくる世界がよくマッチしていて気持ちよく読み進められる。掲載句の水準も高く、作句のモチベーションを高めてくれるいい句集だった。特に春の章が好き。
水と茶を選べて水の漱石忌
手の甲にカーテン支ふ冬の月
妹の駒はみづいろ絵双六
花の名の御膳ふたつやあたたかし
背泳ぎのしばし日陰に入りにけり
やすめればからだよくなる九月かな
#俳句
『ペッパーズ・ゴースト』伊坂幸太郎
読了。少しだけ他人の未来をのぞける国語教師が事件に巻き込まれていく話。緻密なプロット、軽快な犯罪者、ちょっとした異能力と伊坂幸太郎らしさが溢れていて、安定の面白さ。そうだったか!まんまとやられた!という展開に読書をやめられず、職場の最寄り駅から会社まで二宮金次郎のように歩いた。ご都合主義だとか嘘すぎるという伊坂評はよく見るけど、それが伊坂作品の良さで面白いところなのになぁといつも思う。こんな素っ頓狂な話をつぎつぎに生み出していて本当にすごい。感嘆。
カーテンに隠るる姉妹冬どなり
2025.11.30 東京俳壇 小澤實選
取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
『推しとショボンヌ』蒼井杏
読了。ひらがなの多用により幻想的な雰囲気を持つ歌集。幼いころの記憶のように曖昧でどこか眩しいような歌が並ぶ。意味よりも音が重要視されていて、日常の具体物を詩へと昇華している好みの歌集だった。こういう歌を作っていきたいと思える。
うけとめるぜんめんにしびのUVのだんだんきおくを弱毒化して
はなびらのかぶさるみずをふんでゆくびーあんびしゃすびーあんびしゃす
大根にうすい十字の切りこみを どうかきみ、ながいながいスパンで
この鍵はだれかの指の味がする。わたしいつでもひざまずけるよ
はじまればおわるんだからひじかけのレバーをひいてしずむみずうみ
#短歌
蚯蚓鳴く夜道に果ての無きごとく
2025.11.16 東京俳壇 石田郷子選
取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
都市だなぁ 巨大温泉リゾートにゆくシャトルバス走ったりして
2025.11.9 東京歌壇 東直子選
取っていただきました。
#短歌 #東京歌壇
『十角館の殺人』綾辻行人
読了。十数年ぶりのミステリ。"あの一行"がすごいっていう前情報しか持っていなかったけど、どれが"あの一行"なのかがすぐ分かった。文句無しに面白かった。ミステリって小難しいイメージがあって敬遠していたけど、やっぱり名作といわれる小説はいいね。
物語とは関係ないけど、1987年の小説であり、当時の性別役割がありありと分かるのも興味深い。連続殺人が起きているのに絶対に女に料理をさせようという男たちに、当時の読者たちはなんの違和感も覚えなかったのだろう。
あと、推理小説だから仕方ないけど、人が簡単にたくさん死ぬのは少し抵抗感があった。だんだん麻痺してきたけどね。
さはやかや九時に集へる太極拳
2025.11.2 東京俳壇 小澤實選
取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
瓦斯燈の如くにぽつと蘇る記憶ありけり檸檬を食めば
2025.10.26 東京歌壇 佐佐木幸綱選
取っていただきました。
#短歌 #東京歌壇
秋暮れて治すためではない薬
/石田郷子選
波止場より帰るVespaや月の雨
/小澤實選
2025.10.19 東京俳壇
二句取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇
『百年の孤独』G・ガルシア=マルケス
読了。鼓直訳。ノーベル文学賞作家の代表作。凄まじい本だった。ドロドロに煮立てたコーヒーのように濃縮された小説。細密で濃厚なエピソードをまわりくどい言い回しと共にこれでもかと積み重ねながら、それぞれが孤独を抱えて生きているブエンディア一族の物語を紡いでいく。いつも読んでいる小説と比べて密度も深度も段違いで、本当に果てしなく長い時間をブエンディア家と共に過ごしたような気にさせられる。登場人物も多く時系列も行ったり来たりでかなり複雑な小説ではあるのだが、不思議と取り残されることがなく、どのエピソードも頭の中にこべりついて離れないのがまさに名作という趣だった。
木下龍也のNHK短歌の選句とかを見てるとほんと悲しくなっちゃう。類想のエモで遊んでないでもっと新しい景色を見つけに行こうよ、って気持ちになる。
俳句から入ったからか「実景の立ち上がる」短歌が好きだしそこを目指したいと思ってるんだけど、最近は観念的・言葉遊び的な短歌ばかりで悲しい。一単語だけでも具体物を読み込めばもっと良くなるのにという歌ばかり目にする。確かに概念的な歌は初心者受けするし、SNSでもバズりやすいかもしれないけど、もっと深いところで楽しもうよ、という感じがずっとしている。読み手によって様々な解釈が生まれるのが短詩の面白さだと思うし、それを味わえるのが実景のある短歌だと思うんだけどなぁ。木下龍也がメインストリーム顔をしているうちは無理かなぁとも思ったり。
#短歌
イーゼルをみな横たへて夏了る
2025.9.7 東京俳壇 石田郷子選
取っていただきました。
#俳句 #東京俳壇