R.I.P. 谷川俊太郎
その口から 言葉がこぼれるたび
あなたは いっそう 人を超えた機械めいて
エネルギーは パンと お茶と 音楽
豊かな額の下には 超精妙なコンピュータ
自分から詩を書きたいと思ったことなんかありません
と うそぶいて
言葉の速度では おいつけない
二十億光年の宇宙を とびまわっているから
そんなあなたが ふと立ちどまり
かなたにおきざりにした 我々人類を ふりかえった時
思わず知らず 我々にむけて浮かべてしまう
あきらめと 愛情と はにかみをふくんだ 微笑
それが あなたの詩だった