@dietrichr.bsky.social
間隙性の貝形虫が、科学分析したり絵を描いたり縫い物しています。アカハライモリ、シリケンイモリ、マダライモリ、ハリネズミと同居。化石、鉱物、生体標本を収集。分類学/進化学/動物行動学/分子生物学/古生物学/鉱物学/アクアリウム/両生類/手芸/多肉植物/ポケモン/ホラー・ミステリ小説。画像等の無断使用は禁止です。 SUZURI https://suzuri.jp/atelieostra Creema https://www.creema.jp/creator/4177372/
ウトウトと 舟漕ぐすがた あいらしく
マダライモリも 夜は眠たく
おやすみなさイモリ〜
ぬくもりの 岩のねぐらに 身をとぢて
夢よりさめぬ マダラの朝かな
おはようござイモリ〜
水の面に 影をさぐりて マダラ居ぬ
思ひは深く 底にたゆたふ
おやすみなさイモリ〜
陽が差して てのひらひらり 鮮やかに
シリケンイモリの 橙眩し
おはようござイモリ〜
わらわらと 集まるイモリ 忙しく
赤虫とけるの 待ちきれなイモリ
おやすみなさイモリ〜
水の主 己が座に立つ 陽のもとに
紅映えて いと誇らしき
おはようござイモリ〜
餌求め 水かき光る 影ひとつ
流れにまじり 命きらめく
おやすみなさイモリ〜
踏まれつつ 踏んでも気にも とめぬまま
マダラの行方 水のゆらめき
おはようござイモリ〜
夕暮れに 水辺に集う 赤き影
餌を探して 瞳きらめく
おやすみなさイモリ〜
ゆらゆらと 手振る二匹の 舞いとなり
餌の声鳴り 泡にまぎるや
おはようござイモリ〜
シェルターの 君のまなざし 透く光
見据えて問わむ 我は何者
おやすみなさイモリ〜
水面に 映りて二匹 いる模様
知ってか知らずか 赤虫催促
おはようござイモリ〜
流木に 乗ろうかやめよか 考え中
今夜の寝床は 悩ましきなり
おやすみなさイモリ〜
まだ眠い そろそろ起きねば まだ眠い
まだまだ眠い 誰も起きない
おはようござイモリ〜
赤虫か 慌てて友を 乗り越えて
誰より先に 食べたいイモリ
おやすみなさイモリ〜
流木に 並ぶ三つの 影やさし
秋日の中に 紋の舞ふごと
おはようござイモリ〜
水の中 友の目つぶす 指さきに
悪気はなくて 泡ひとつ立つ
おやすみなさイモリ〜
秋日和 瓦の上の 赤き腹
風にぬくもり 夢うつつなり
おはようござイモリ〜
主見たり チラと横目の 赤腹よ
餌ではなしと すぐにそっぽを
おやすみなさイモリ〜
シェルターの 峰にのぼりて 風うけぬ
武るイモリの 志を見す
おはようござイモリ〜
流木に しがみて眠る その背中
我が家と決めし 水のひと隅
おやすみなさイモリ〜
赤虫が 撒かれた急げ 水目指し
シェルター駆け降り はやく食べたい
おはようござイモリ〜
自慢げに シェルター顔出し 目が光る
どこかに赤虫 残っていないか
おやすみなさイモリ〜
登りきり われを見よ見よと 胸を張る
シリケン今日も 天下を得たり
おはようござイモリ〜
右向けば 餌あるかとて 左向く
迷うシリケン 二匹同じく
おやすみなさイモリ〜
泳ぎ来て 瞳そろえて 見上ぐれば
われもわれもと 餌をねだりぬ
おはようござイモリ〜
餌ひとつ 譲らぬ心 ぶつかりて
頭ごっつん 水も跳ねけり
おやすみなさイモリ〜
並び立つ ふたりの背なに 風ぞ吹く
いのちの焔 ひとつに揺らぐ
おはようござイモリ〜
きらきらと おめめかがやく そのさきに
おててをのばす 夢のまにまに
おやすみなさイモリ〜
橙の 腹をひらきて ねだるさま
水面に映えぬ 朝飯欲しい
おはようござイモリ〜
