きむらひろ

去年までコンビニだった思い出が君にタバコを吸わせているね

#短歌
いまはもうない

三世代蒸留された国民が漂っている霧の国会

#短歌
国会見学をしましたがよく見えませんでした。

Amazonのどんなサイズの箱であれ中身はいずれ猫になります

言葉から「はだ色」が消されるとして　あなたを包むあなたのcolour

#短歌
はだ色は、例えば今日の(五月晴れで、木陰で、逆光で、)あなたを包むこの今のcolour

#短歌
好きな短歌です

幸せは前借りでありその猫を看取ってやっと返済できる

ゆすられて迷惑そうな老猫よ　もっと生きてる感じで寝てよ

仁尾智／『また猫と　猫の挽歌集』より

#短歌
好きな短歌です

昼顔の淡い群生あすからの明日をどこかで踏み間違えて

たんぽぽの葉っぱをどけるまだ僕の出番ではないような気がして

そうやってみんな土足で上がりこむ真夏のイチョウ並木の陰に

土岐友浩／『歌集　ナムタル』より

火の中でエイジングしたほっぺたを点検しあう月下の陶器

#短歌
冷たい頬

おだやかな沈黙を浴びてしまって　柔らかくなる紙のストロー

#短歌
Thus, the blessed paper straw slowly tilted.

#短歌
歌の歌です

#短歌
chill walk

好きになる　ゆっくり錆びる自転車が君を待ってるようにゆっくり

#短歌
うたです

省エネを極めて山でひとりきり灯盗蛾を躍らせる自販機

#短歌
だれも訪れない歌です

#短歌
移動体のうたです

七月の冷たいアイスクリームを　結婚しよう　思い出してる

#短歌
夏を感じる歌です

#短歌
王のような気持ちだった

#短歌
ほら、ニホンオオカミ座とリョコウバト座のあいだあたりが

#短歌
happily ever after

国という仕組みに沿って夜をゆく　たっくすたっくすみんなわらって

#短歌
夜道をたのしむ歌です

紙でっぽうも折れそうにないこの紙を　一票未満のままで投じる

#短歌
わたしの０.５票が火を吹く歌です

猫舌を集めてかごめかごめする　夜明けの晩の八つ裂きのピザ

#短歌
集まりたくなる歌です。

バラのないトゲが欲しいと思うのはまた脱毛に通う週末

#短歌
ふれると刺さる歌です。

にんげんの悪いニュースを学び終え明日のニュースはもうできている

#短歌
昨日見たニュース予報を生きるだけ、そんな短歌を昨日作った

買う人が幸せになるものだけを売りたかったな株式会社

#短歌
会社名を考えた短歌です。

ごみ箱のように心をひらくとき吹き込んだ詐欺メールは揺れる

#短歌
オープンハートな歌です。