猫ミームに今更ハマっている。
この四匹一番すこ。
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フォローは50パーで返します。 読書。
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五分後の世界 村上龍 #読了
『半島を出よ』を想起するゲリラ戦、あちらは緻密な取材と知識量に基づいたリアルさがあったが、こちらは読み手が没入するリアルさがあった。
村上龍の文章は五感に凄い影響してくる文章だと思っていたが、脳の中を揺さぶるようなものに近いと思う。
日本から失われてきているもの、例えばこの作品に出てくる兵士のプライドと明晰さのようなものに対して危機感を持てと警鐘を鳴らされているようにも思えた。
帯やあらすじで大きく書かれるほどファンタジーやSFではなく、読んでいると掻き回される。
そして所々で示唆されるワードがきちんと真相のキモになっていて、いかに当たり前に囚われているかを実感する。
この後のシリーズにも犀川や萌絵、真賀田四季は出てくるが、ここで一旦キリである。
次はVシリーズだが、このシリーズを読んでいくのが楽しみになる巻だった。
森博嗣、S &Mシリーズについてはnoteにも書く予定。
有限と微小のパン 森博嗣 #読了
S &Mシリーズ最終巻。
事件の裏に真賀田四季がいるというだけでシリーズ読者はワクワクする。
『すべてがFになる』を読んですぐにこちらを読んでもいいが、登場人物の兼ね合いや萌絵のこれまで辿った軌跡を知ると、その変化が感じられると思う。
840ページは冗長な気もするが、読んでいると終わって欲しいけど終わるなというジレンマに陥る。
この作品に限らず密室や不可能状況はミステリーのお約束としてあるのではなく、このシリーズではきちんとなぜそうする必要があったか、なぜそうならざるを得なかったかという所まで合理的に説明されるのが良い。→続
さくさくさんってさくさくパンダさん?
05.04.2024 00:03 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0幽霊屋敷 ジョン・ディクスン・カー #読了
カー好きの読者は振り回されるが、初読者はもっとぶんまわされる内容。
帯コメがあまりにも滑稽すぎて期待せずに読んで実際に事件が起きるまでは退屈だったが、起きてからは止まらなくなった。
読み終わった後は、カー好き放題やってんな!ってなったがちゃんと筋が通ってるしギリギリの所で惑わして仕掛けてるのが持ち味が出てると思う。
あとがきにも触れているが想像の余白が広ければ広いほど人は無意識に勝手に考えたいように考えてしまうようになってるのだなぁと思う。
フェル博士のところどころのほのめかしや示唆、章終わりの衝撃の一言がどの作品もやみつきになる。
アガサ・クリスティーがディクスン・カーのとある作品を称賛していた事を思い出してこの作品を読んだ後に凄く納得した。
アガサ・クリスティーに限らずだが海外ミステリーの容疑者全員事件に関係ある無し問わず隠し事をしていて怪しいのがやっぱり面白い。
日本のミステリーはパズルチックになっていてそちらも面白いけれどたまに読みたくなる。
アクロイド殺し アガサ・クリスティー #読了
クリスティーは二作目。
というのも、ディクスン・カーの『幽霊屋敷』を読もうとしたら、巻頭に「20章ではアガサ・クリスティーアクロイド殺しの結末に触れています」とあった為に買ったのとビッグタイトルである割に読んだ事なかったので読んだ。
正直、うすらうすら違和感を覚えながら読んでいたのとディクスン・カーにあれほどしてやられてなければおそらく犯人は分からなかったと思う。
寧ろミステリー読み初めに読みたかったからミステリー読み始めの人にはこれを勧めたい。→続
カード師 中村文則 #読了
中村文則はなんやかんや19冊も読んでいて驚く。
「人生をやり過ごす」という表現は他作品にもよく出てくる。
世界と個人の接続。世界から拒まれていると感じる瞬間、又は世界を拒んでいる瞬間というのは大なり小なり誰もが持ち得る感情だと思う。
作中のポーカーのシーンはドストエフスキー『賭博者』を読んだあとばであるから余計に意識してるなぁと感じた。
こんな事があっていいのだろうかという事が特に近年立て続いており、具体的にこの小説でも少し触れている。
ただ見ているままの世界がその世界の全てではない事をささやかな希望として埋め込んでいるのも繰り返し作者が伝えたがっている事と思う。
YouTubeやAmazonで一つ何かを見たらあれやこれや勧めてくるAIに「もうそれはいいよ!」と心の中で突っ込んでいるのはまさにそうだと思う。
初期から進んだ時代の短編も読んでいきたい。
ただこの頃の筒井康隆は本当に面白い。
東海道戦争 筒井康隆 #読了
筒井康隆は初期作品を中心に読み漁っているが、この短編も面白かった。
無駄なものが削ぎ落とされて面白い所だけがある様な、短編としてまとまりがあって読みやすい。
表題や、「しゃっくり」のような群衆心理や狂乱を描いたものも良いし、「いじめないで」、「うるさがた」のようなロボットものも面白い。
ロボットものといっても、ハイテクなSFではなく実際目の前にしたらほんとに同じ様に感じるのだろうなという、もう今すぐそこまで来ている直近の時代の様な感覚がしてくる。→
リボルバー 原田マハ #読了
第一章を読んでいた時は、この感じでどうやって物語を閉じるのだろうと思っていたが、第二章からうわーとなって没頭して読んでいた。
ゴッホとゴーギャンについて史実の関係性や、それぞれの作品の時期や滞在地が繰り返し触れられるので、知識ゼロから読んでもある程度学べて分かりやすかった。
史実の少ない事実からこのドラマティックな物語を作れたのは作者の造詣の深さと主人公同様の熱気を感じる。
現代の自分達が過去を見つめる時、どうしても今の尺度で物事を見て浅い部分に留まってしまう事を再認識した。
読んだ後の謎が解けたという意味ではない爽やかさがこの作者の良いところだと思う。
一見、現実離れした事象や用語が沢山登場するそれをフィクションだと昔は思えたかもしれないが、現実はそう思われた事がどんどん捲れていっている。
作者は豪胆で男性らしいといつも表面上は思うが書く文章は要所要所繊細で、こちらの五感に乗り移る様なものも多く、一から追っている作家であるので次の作品も読みたい。
愛と幻想のファシズム 村上龍 #読了
久しぶりの村上龍。今回はストーリー的な展開も激しいがそれを抜きにしても面白い。
主人公の物事を捉える視点がハンターである所と、システムに対する疎ましさ、組織的な依存、時々の感情など曖昧なものを嫌い自身のブレなさを認識している所が良かった。
特に後者は作者自身もそれっぽいなと思う。
コインロッカーベイビーズの三人組を連想しながら途中読んでいたが、作者のあとがきにその事が触れられていたのは嬉しかった。
今回は作品の規模だけに主要人物以外も魅力的な癖のある人物が数多く出て来たと思う。→
古義人氏元気かな
07.02.2024 10:18 — 👍 3 🔁 0 💬 1 📌 0Blueskyちゃん status
07.02.2024 10:17 — 👍 1 🔁 0 💬 1 📌 0アサシンクリードオリジンズをプレイしていたのでエジプトにまつわる名称に馴染みがあってカリよりはすんなりエジプトの思想がすっと入った。
ミステリーというだけでなく、物語としてもクライマックスへのドライブ感とエピローグのスッキリ感もあってこのミス大賞らしさに溢れていた。
ファラオの密室 白川尚史 #読了
美麗な表紙と分かりやすいタイトル。
「ファラオの密室」という言葉ですぐに「墓」が連想できてシンプルで上手い。
ガチガチなミステリーというよりは謎解きに近く作中の事件ではなく作品全体の謎解きといった感じを読後に強く思った。
読者への挑戦状がある訳でもないので、トリックといわれる部分はヒントが足りないように思えた。
しかし、数々の伏線は散りばめられており、これは特殊設定ミステリと分類されそうだが、実在した文化を背景にしているのであまりそうも分類したくないほど自然に受け入れられた。→
2/1と2/2に千代田区に仕事で滞在だが土日もあるので延泊したろうか悩むむむ
28.01.2024 14:55 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0ヒッキーヒッキーシェイク 津原泰水 読了
割と最近、亡くなった事をきっかけにと言ってはおかしいが、存在は前から知っており読むタイミングとして重なった。
引きこもりのメンバーが何か大きな事を成し遂げるという、王道のような設定だがそれぞれのキャラ造形も分かりやすく文章も読みやすかった。
その分続編というかシリーズ化されても良いような作品だと終わり方も相まって思った。
人々と何かしらゆるく繋がってはいても、実際はなんとなく孤独であるというのが今自分が生きている社会そのものだなぁとなった。
もはや呟かない事が当たり前の生活になり、何か言いたくなったらシンプルに友達にラインするようになった。
22.11.2023 15:48 — 👍 5 🔁 0 💬 0 📌 0ヘンリー・メリヴェール卿が探偵役のは初めて読んだがフェル博士のほうが人物造形は好きだが、一足先に真実を知って感傷的になるところ(それを表に出すか出さないかは異なる)は共通しているなと感じた。
この作者の作品は似たような繰り返しのトリックがないらしいので、まだまだ他の長編短編を読んでいきたい。
白い僧院の殺人 カーター・ディクスン #読了
別館で見つかったハリウッド女優の死体。
しかし、別館の周りには雪が積もっており発見者の足跡しか残っていない。
作者お得意の不可能状況ミステリー。
読んでから思い返すと作者の誘導通り訳分からなくさせられているなぁと感嘆させられる。
手掛かりが手掛かりらしく与えられてなく、何気なく読んでいる事が大事な事であったり、作中の誘導通りに考えてしまう。
人によってはこんなのアリかとなるかならないかの感じが面白い。
ただ、きちんとフェアな部分をギリギリ保っている所が巧くもある。→続
ヘンリー・メリヴェール卿が探偵役のは初めて読んだがフェル博士のほうが人物造形は好きだが、一足先に真実を知って感傷的になるところ(それを表に出すか出さないかは異なる)は共通しているなと感じた。
この作者の作品は似たような繰り返しのトリックがないらしいので、まだまだ他の長編短編を読んでいきたい。
正直ドストエフスキーの作品の中ではイロモノみたいな位置だと思ってたけどちゃんとドストエフスキーだった。
29.10.2023 03:20 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0主人公の思考が完全に"無敵の人"みたいになっている所が面白い。
この小説の断片でも作者が実際に経験した事だと思うと凄まじい。
語りが途中から主人公なのか作者なのか混淆するレベルに後半の説得力があった。
ドストエフスキーはたまに読みたい。
賭博者 ドストエフスキー #読了
最初読み始めは誰がどういう関係なのか分からないまま流されるまま読んでたが途中とある作中の出来事から一挙に面白くなった。
ドストエフスキーの文章は深い洞察による心理小説という所が癖になる上に、賭博(この作品ではルーレット)をすると破滅するという自明の理だけではなく、別の角度から切り込んでいるのがとても良かった。
人生の起伏に賭博をする事でそのうまくいってない人生までもがどうにかなるのではないかという錯覚。
賭博をする成功体験は単にお金を得られるという意味だけではない、何か状況が変わるだろうという希望。→
村上龍久々に読むわぜ。
19.10.2023 11:48 — 👍 3 🔁 0 💬 0 📌 0このシリーズは『頼子のために』と『法月綸太郎の冒険』を読んだ事があるため他の作品も手を出したい。
ディクスン・カーとクイーンの合体した作品と評されていたが、ディクスンカーの不可能犯罪の無理やろこんなん感に比べるとそうでもなかったかもしれない。
逆にディクスン・カーも読みたくなってきた。
雪密室 法月綸太郎 #読了
探偵法月綸太郎シリーズの第一作。
ミステリーや作中の描写は荒削りながら面白くて最後の終わり方も含めて、この本一冊の小説的なまとまりが良かった。
何より殺された女性に弱みを握られた者達が別荘に集いその女性が殺されるという流れが王道で『そして誰もいなくなった』みたいで面白い。
このミステリーではそんなに人は死なないが、人間関係の最悪さも相まって事件前と事件後で人間が変わりすぎてるのも初期作品らしさがある。
法月親子のコンビも良く、警視の父と探偵の息子という本来は水と油みたいなバディが成り立ち、息子を信頼してる父法月が微笑ましい。→