そしてタイムリープが引き起こす因果応報(retribution)もまた、物語を駆動する「Re」の一つです。
『東リべ』の主人公・花垣武道は、「後悔」と「尊敬」と「因果応報」を経由していかに人生を「リベンジ」(revenge)していったのでしょうか。『東リべ』における「Re性」を分析する、高井くららによる論考です。(最終話までのネタバレを含みます)
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オールジャンル批評同人誌編集部です。 最新号『エクリヲ vol.15』「モダン・ラテン・アメリカ」特集。 通販:http://ecrito.booth.pm Kindle:https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B2&i=digital-text&crid=3GQU4CGLM9MHX&sprefix=ekuriwo%2Cdigital-text%2C135&ref=nb_sb_ss_pltr-xclick_1_7
そしてタイムリープが引き起こす因果応報(retribution)もまた、物語を駆動する「Re」の一つです。
『東リべ』の主人公・花垣武道は、「後悔」と「尊敬」と「因果応報」を経由していかに人生を「リベンジ」(revenge)していったのでしょうか。『東リべ』における「Re性」を分析する、高井くららによる論考です。(最終話までのネタバレを含みます)
エクリヲvol.14 発売中
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「Re」を語るにあたって、不良モノ×タイムリープという設定、魅力的なキャラクターの数々から絶大な人気を獲得した漫画『東京卍リベンジャーズ』を外すことはできません。タイムリープというモチーフは言うまでもなく、不良というあり方そのものが過去とのしがらみとは切って離せないものだからです。
大人になった元不良たちはそれぞれ過去への後悔(regret)を抱えています。また、キャラクターたちの誰かへの尊敬(respect)の念が彼らを不良行為から遠ざけ、或いはより近づけることもあります。
本論考は必然性へと逆行する世界をさらに逆行し、詩が再来する(Re-Verse)世界を夢見ようとする。「詩的なもの」とは何か。現在の世界に何をもたらすのか。『羅小黒戦記』、『いまを生きる』、許立志の詩集や、九鬼周造、宮野真生子、古田徹也、伊藤亜紗の詩論を通しを考察する。楊駿驍の論考だ。
05.09.2025 12:14 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0エクリヲvol.14 発売中
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私たちは「詩 verse」のない世界を生きている。「メタバース Metaverse」「宇宙 Universe」「多様性 Diverse/ity」といったトレンドはいずれも「-verse」を含んでいながらも、詩なき世界を必然的な未来として推し進めている。
現在の文化は「詩」的なものの抑圧の上に成り立っているのだ。必然性に対抗する理想や夢の世界が過ぎ去った後にやってきたのは、必然性に囚われた世界への逆行 reverseである。理想や夢を僭称するメタバース、宇宙、多様性は詩の抑圧を通して推し進められる。
【第1回人文系リトルプレス市 in ジュンク池袋 開催📚】
この夏、ジュンク堂書店池袋本店さんにて人文系リトルプレスの即売会が開催されます!
普段店頭では置いていない素敵な出版物をぜひ見にきてください🙌
入場無料
8月10日(日)11日(月・祝)12時〜18時
9Fイベントスペースにて
(エクリヲの出店は10日のみ)
#人文系リト市
しかし、責任はときにこれらの定義にそぐわない形でも成立します。近年の「中動態」に代表される能動とも受動とも取れない参与のかたちは、責任の条件である、人間の自由意志の絶対的な信頼への疑念を意味しています。いまこそ、新たな責任概念の枠組みを思考する必要があるでしょう。
筆者はM・ハイデガーとH・ヨナスという二人の哲学者を参照することで、「自由が生まれてくる地点」と、「責任の対象」の二点からその定義を再解釈します。それはいかにして責任概念を「私」から解き放つかという試みになるでしょう。戸谷洋志の論考です。
責任(responsibility)はどこに依拠するのでしょうか。際限のない自己責任論が横行する資本主義下で、筆者は責任の成立について再考します。責任の持つ条件について「自由」「説明」「審級」などのタームを交えながら、その定義を明確化していきます。
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SNSにおけるコミュニケーションの誤解などを防ぐフェイルセーフとしての冗長性の意義はもちろんのこと、そのような保守的な側面だけにはとどまらず、詩歌や文学における新しい表現の開拓においても冗長性が機能することにその可能性を託します。山内志朗の論考です。
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冗長性(redundancy)は省略や簡潔さが尊ばれる日々の生活のなかではあまり意識することのない概念ですが、実は多くの役割を果たしています。たとえば伝達内容に齟齬のないよう書かれる重要な書類などにおいて、冗長性はつねに人間の「間違いやすさ」に寄り添っています。
筆者は冗長性が持つ四つの様式を紹介し、その効能を解説したうえで、その欠如がどのような問題を生むかについても思考を広げます。ここでは、コミュニケーションの中で重要視されない身振りや表情のようなノンバーバルな表現が、会話の中でどれだけ重要な役割を担うかが明らかにされます。
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(エクリヲの出店は10日のみ)
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現代の「応援」は演者に対してむしろ攻撃的なものになりうる、というニーゴの物語の中から抽出された困難な主題は、同時にニーゴというグループの持つテーマである「避難所(refuge)」という新しい関係性によって解毒することが可能であるとする、横山タスクの論考です。
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『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』は、若年層に強く支持されているスマホ用ゲームで、その魅力の一つはキャラの心理や関係性の細やかで綿密な描写です。筆者は本作を読み解く上で「25時、ナイトコードで。」という作中の音楽製作グループの少女たちに注目します。
「ニーゴ」は、他の音楽グループとは雰囲気が異なり、かなり内向的な集団ですが、筆者はこのグループの結成の根幹には「応援=増援(reinforce)」の影響があると考えます。誰しもが「応援」は良いものであると考えますが、「ニーゴ」の物語の中では「応援」は攻撃的なものに変質しています。
④Midjourney Inc.「Midjourney」/Regeneration
⑤指差し作業員《ふくいちライブカメラを指さす》/Reflection
⑥Jeff Potter『Cooking for Geeks: [第2版]――料理の科学と実践のレシピ』/Recipe
⑦塚田 有那、高橋 ミレイ編著『RE-END――死から問うテクノロジーと社会』/Reend
⑧信田 さよ子『家族と国家は共謀する――サバイバルからレジスタンスへ』/Resilience
⑨三木 那由他『会話を哲学する――コミュニケーションとマニピュレーション』/Retain
⑩桜庭 一樹『少女を埋める』/Review
『#エクリヲ vol.14』特集「Re: 再考」発売中!
ecrito.fever.jp/20221227215000
多角的な方面から「Re」への思索を試みる7つの論考のほかに、現代を象徴するような「Re」にまつわる音楽、アート、建築、書籍など様々な対象を取り扱う10のコラムを収録。
「現代文化を再考するための10のRe:コラム」
①柴崎 祐二編著『シティポップとは何か』/Revival
②The Caretaker『Everywhere at the end of time』/Remenber
③加藤 耕一『時がつくる建築――リノベーションの西洋建築史』/Renovation
本特集では、あらゆるものが繰り返され再利用される現代のカルチャーや政治・社会的状況を再考する。このように蔓延する「Re」を否定するのではなく、様々な観点から問題化し、論じることによって、閉塞した状況に新たな解釈と批評的な視座を与える。
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『#エクリヲ vol.14』特集「Re: 再考」
【特集概要】
――現代は「Re」の時代である。 人々は時代の閉塞感のなかで、自らが常にある周期(cycle)で何かを繰り返していることにかつてなく自覚的になっている。
文化においては、リバイバル、リメイク、リブートなど、過去の栄光を元手にした商売に依存し、新しいものを見出すことに背を向けている。一方政治や経済においても、資源やエネルギーの再生可能性を求める傾向の高まりや、国際的な闘争状況の再開など、「Re」の問題はつきまとう。
『エクリヲ vol.14 特集:Re: 再考』より、特集巻頭言を無料公開しました!
ecrito.fever.jp/20250614211906
「エクリヲ vol.15 特集:モダン・ラテン・アメリカ」より、特集巻頭言を無料公開しました!
ecrito.fever.jp/20250531213626
【文学フリマ東京41 出店申込しました!】
⏰申込〆切は 8/26(火) 23:59!
🗓11/23(日)開催!
📍東京ビッグサイト南1-4ホール
📕イベント詳細→ bunfree.net/event/tokyo41/
#文学フリマ東京
こちらの記事は無料公開もしております!
ecrito.fever.jp/20240223210000
『三体』は「文化大革命」、「現在の世界」、「VRゲーム『三体』」という三つの相対的に独立した部分から構成されていますが、それらをすべて一種の閉域、またはヴァーチャル・リアリティとして描くことで、「現実は常に潜在的に変わりうるような不安定なものである」というメッセージを伝えています。
この構造をサミュエル・R・ディレイニーやマルクス・ガブリエルの議論を参照し、『三体』とその思想を「科学主義」ではなく、文脈を極端に操作可能なものとして扱う「文脈主義」として定位し直していきます。楊駿驍による『エクリヲ vol.11』掲載連載です。
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【#エクリヲ vol.11 発売中】
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『三体』が起爆点となり、いま中国SFは世界で大きな人気を誇っています。『三体』はどのような構造を持ち、作者の劉慈欣はいかなる思想の下で創作しているのか。それらを詳細に分析することで、現代中国の想像力についての新しい視点が開かれるでしょう。
その他にも『Undertale』や『Doki Doki Literature Club!』など、ゲーム的快楽と距離を置く作品があります。無尽蔵に供給される「動機」が引き起こすゲーム的中毒と、そこからの脱出する契機を持つゲーム作品とは――。『エクリヲ vol.11』掲載の横山タスクによる論考です。
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【#エクリヲ vol.11 発売中】
『スーパーマリオブラザーズ』の生みの親である宮本茂はプレイヤーが一目で状況を理解し、何をすべきか把握し、物語を体感できることにこだわりました。背景が左にスクロールすることで自然と右のゴールを目指し、冒険をするマリオに、私たちは感情移入し同一化します。
以降、多くのゲームはプレイヤーに動機を与えて「没入」を促すことに進化を続けていきます。しかし、そのような動機を与えないゲームもまた存在します。『Return of the Obra Dinn』で知られるルーカス・ポープによる作品群では、快楽を欠いた反復的動作にプレイヤーは従事することになります。
それらの動詞≒シミュレーションからゲームを考える態度とまた別に「パターン」からゲームを思考することも可能です。例えば「ローグライク」と呼ばれるダンジョン探索型RPGであれば、ダンジョンの自動生成・死ぬと最初からやり直し・ターンベースのコマンド入力などの特徴(パターン)があります。
パターンはソシャゲやJRPGなどにも適用しえます。動詞≒シミュレーション主義が、現実をゲームがシミュレートすると考えます。一方、パターン主義はゲームこそがパターン(現実の見方)を作り出しているのではないか。『エクリヲ vol.11』掲載の松永伸司による論考です。
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岩谷徹は『パックマン』を「食べる」、田尻智は『クインティ』制作に際して「めくる」という動詞から着想を得たと言います。これらは動詞のシミュレーションからゲームメカニクスを考案した事例ですが、果たして『パックマン』の魅力はその側面にあるでしょうか。
『エクリヲ vol.11』インディーゲーム特集より「インディーゲーム動詞リスト」をwebにて特別無料公開しました! ゲーム作品の性質から60のインディーゲームを分類、紹介しています。
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『エクリヲ vol.11』「インディゲームと動詞」特集、ご購入はコチラ!
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〈インタビュー収録作家〉
『ALTER EGO』大野真樹
『Baba Is You』Arvi Teikari
『KIDS』Mario von Rickenbach & Michael Frei
『The Stanley Parable』『The Beginner’s Guide』Davey Wreden
『The Tearoom』Robert Yang
『エクリヲ vol.11』では「インディゲームと動詞」特集を掲載しています。
「ゲームの中でプレイヤーは何ができるか」=「動詞」についてゲーム作家5人にインタビューを行い、自作の考えを伺いました。ジャンルも国籍も違う作家達は、ゲームを作る上で何を考えているのか――
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〈インタビュー収録作家〉
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1984年にマーシャ・キンダーが打ち立てたMV分析を、3つのトライアングル型へと発展させたグンナル・ストローム。その分析方法を、AC部「POWDER『New Tribe』」(2019)に適用し、近年の魅力的なアニメーテッドMVの可能性について探求します。
youtu.be/zJE1HoHabMw
1960年代以降のMV、およびアニメーテッドMVの歴史をめぐるグンナル・ストロームによる論考「アニメーテッドMVにおける二つの黄金時代」の抄訳を含む、現代のアニメーテッドMVについての松房子による論考です。
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