どちらも来月上旬の発売です📖
「すばる」は短編、「紙魚の手帖」は長編の第一回です。
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作家
どちらも来月上旬の発売です📖
「すばる」は短編、「紙魚の手帖」は長編の第一回です。
中国国際航空は今月末から減便します。大阪と上海、東京と重慶の間の特定の便が、毎日から、金曜から月曜までの四日間の運行に減らされます。
わたしは12月の上海は中国国際航空で行くので、こちらも情報を追っておきます。
でも東京と上海は便が多いから、もし cancelされても、別の航空会社の便を買い直すことができると思います。
大阪から中国東方航空で成都に行くはずの日本人が「減便されてflightを cancelされた」とXで言っていました。
わたしが今週、南京に行くのも中国東方航空なので、心配です。でも往路も復路も同時間に日本航空の便もあり、おそらく中国東方航空と日本航空とのcodeshare(共同運行)便のようです。半分は日本航空(?)なら、大丈夫ではないか…どうかな?
再校ゲラを読んでいます。
小説を書き続けるしかありません。ヘイトスピーチが世界を単純化することに、文学で抵抗する。
10巻の、
沈石渓(沉石渓)《斑羚飛渡》も良いです。
動物小説を書く作家さんのようです。Seton、椋鳩十みたいな…?
猟師に追い詰められた青羊の群れが、虹がかかる中、驚くべき方法を選択します。
と、状況にぴったりの漢詩を読んで終わります。これは茶会の人たちの作品ではないから、作者が急に登場して、二人に詩を贈った(祝福した)んだと思います。
「文心留」
がとても良かったです。
この作者も84年生まれで、また80年代生まれの女性作家です。この世代の作家や作詞家が好きなのかな…?
18巻の、
顔歌(颜歌)《三一茶会》
も良かったです。
おじいさんとおばあさんの詩の同人、三一茶会。月に三回集まるのですが、高齢なので、一人また一人と減っていきます。
一人のお葬式で、しばらく茶会に来なかったおばあさんが、おじいさんと再会し、「また来てくださいよ」と言われて、「行きますよ!」と答える…というだけの話なのですが、最後に作者が、
枝頭海棠添新秀
旧知相逢憶故友
又是一年春色好
韶光雖逝文心留
(亡き友を偲び、美しい春が来て、その季節がまた去っても、文学は心に留まる)(かな…?)
この映画には日本語と中国語の字幕がついていました。連日盛況で満席なのですが、今日の客席は中国人が七割、日本人が三割、中国人のほとんど全員が日本語がわかる人(日本在住者?)でした。
小学生ぐらいの子供を連れた人も多かったです。
人攫いに攫われて売られて、殴られながら働かされた子供、中国でも日本でも差別されて悔しい思いをした子供、養母が「捨て子じゃない、私の実の子だ」と庇って育ててくれたと感謝する人…数千人の残留孤児の人生は一人一人異なっています。
登場した残留孤児一世は「日本人として生まれたが、私の心は中国の心だ」と言い、17歳で日本に渡った二世は「日本人にも中国人にもなれなくて苦しい」と言い、三世は「日本で生まれて日本人として生きている」と言い、世代によっても違います。
(二世はわたしと同世代の人たちなので、身につまされます)
養父はとても優しい人でしたが、お酒が好きで、そのせいで早くに亡くなりました。養母は来福を学校に通わせるため、経済力のある男性との再婚を2度繰り返しました。1958年、来福は実の親が判明し、16歳で日本に帰国しました。
現在83歳の来福は、これが最後の墓参りになるだろうと、中国の故郷に帰りました。養父母のお墓の前で、
「3歳で死ぬはずだった私が、83歳になっても生きているのは、爸爸と妈妈のおかげです」
と泣くのを見て、隣の人と一緒に号泣…
『名無しの子』中国残留孤児のドキュメンタリー。
www.kadokawa-cinema.jp/theaters/yur...
冒頭から号泣して見ていたのですが、隣席の中国人女性も号泣していました。
監督は、同じ立場でも一人一人の人生が異なることを、誠実に伝えながら編集していました。
最初に出てきた男性は、1945年に3歳でした。日本の満蒙開拓団の男は「足が遅いから」と言って、同胞の子供である彼を捨て、逃げてしまいました。
中国人の農夫が彼を見つけ、饅頭をくれ、「回家(家に帰ろう)」と言って、敵の子供なのに連れて帰りました。養父母は子供が幸せになるようにと「来福」という名前もつけてくれました。
ーーそれは私と崔さんが三回目に会った(约会=デート)ときのことだ。
土曜の夜だから、映画館の周りで車(taxi?)を拾うのは難しいと思って、自分の車で来た。でも後悔した。駐車場の出口がすでにひどく混んでいたから…
頑張ったら、中国語でも読めますが、速度がめちゃくちゃ!!!遅いです。
勉強も兼ねて、少しずつ読もうかな😊
sakurabakazuki
「中国現代文学」seriesを読み続けていますが、やっぱり笛安の小説が突出して好きです。
日本で手に入る本を注文しました。でも、さすがに自分の語学力ではまだ読めないだろうなぁ。
この二人のような関係が「知音」なのかな。
やっぱりすごく良い小説だと思います。
“过年好。”(あけましておめでとう)
という短い、ごく普通の言葉で、万感の想いを伝えられるんだなぁ。
日本語で「なぜなら」を繰り返すと、くどくなって、原文のかっこよさを伝えられないから、この翻訳で正解だなぁと思いながら起きました。
原文の「因为,因为」からは、彼女が他人からはいつも通りの表情と態度に見えるのに、心の中では決定的な大きな変化(paradigm shift?)が起こっていることが伝わります。
日本語訳は「なぜなら」を省くことで、うまく同じことを伝えています。
どうしてかな。言語の特質の違いがあって、それを理解して翻訳しているということかな?
このような、心の中だけで起こる「決定的な変化の瞬間」を書くのが短編小説だよなぁ…
(悩みながら自分も執筆中です…)
《花开忘忧》《如愿》《世界赠予我的》の歌詞を思い出すような読後感です。
日本の小説や詩にはない、なんだろう…思慮深い、静かな、こう…愛情…
説明できないな…
とにかくとても良いですね。
《花开忘忧》《如愿》 の作詞家の唐恬さんは、笛安さんと同じ1983年生まれの女性ですね。《世界赠予我的》の袁晶さんは、1986年生まれの女性ですね。
世代も近いんだなぁ。
11巻で、笛安《圆寂》を読みました
最後がとても良くて、今ちょっと泣いちゃっているのですが、どういう意味なのか説明はできません。仏教的な話だったような気がする。(違うかも)
「古なじみの袁季にまた会えたから、古なじみの袁季の目が穏やかな色をたたえていたから、あの甘苦を共にした古なじみ、袁季が、今は幸せだとようやく分かったからだ」
最後、原文では「因为」(Yīnwèi、なぜなら)を繰り返してるんですね。
“因为,因为她又见到了她的老朋友袁季,因为她的老朋友袁季眼睛里盛着满满当当的安详,因为她总算是知道了,那个曾经跟她同甘共苦的老朋友,袁季,现在是幸福的。”
22巻で郝景芳の短編小説《去远方》を読みました。
最後の文、
“行けるところまで行こう。たどり着いたところが、遠くだ。これはわたしの理解で、正しいかどうかはわからない。でもわたしにはもう永遠に、その証を求める術はない。”
ここを原文で読みたいので、原書を注文しました。また…原書が本棚に増えていく…📚
郝景芳は日本ではSF短編小説《北京折畳》(折りたたみ北京)で有名ですね。これは傑作。
同じ24巻の、王蒙《灰鸽》も良かったです。
1980年代に、桜桃の名産地である故郷の桜桃谷から、都会に出稼ぎに来た若い男性のお話です。「彼は濁った涙を流した。桜桃谷から飛んできたに違いない鳩のためにーー」
魯迅文学賞、Man Asian Literary Prizeなどを受賞。
《上海往事》は映画化されました。(邦題『上海ルージュ』)
《推掌》はdrama、舞台、映画化されました。映画はBerlin映画祭で銀熊賞を受賞。(邦題『ブラインド・マッサージ』)
『ブラインド・マッサージ』が2016年に日本語に翻訳されているので、注文しました。
《玉米》が有名らしく、読んでみたいのですが、まだ翻訳されていませんね。
24巻の畢飛宇《虚凝》も、とても良かったです。偉大だった祖父、その祖父に抑圧されて生きた父、祖父を尊敬する孫息子の、三代の男性の物語です。
李商隠の漢詩が引用されていました。
相见时难别亦难 东风无力百花残
春蚕到死丝方尽 蜡炬成灰泪始干
晓镜但愁云鬓改 夜吟应觉月光寒
蓬山此去无多路 青鸟殷勤为探看
2014年に雑誌《鍾山》に収録された《虚凝》と、2015年に単行本《畢飛宇文集 相愛的日子》に収録された《虚構》の、二つの版があります。
畢飛宇さんのご意向で、日本には《虚凝》が翻訳されました。
15巻にあった蒋一談(蒋一谈)の《另一個世界》も良かったです。短編集が翻訳されていたから、注文しました。
「中国のChekhovを目指している」と解説されていたけれど、本当にChekhovみたいです。
谷崎、川端康成、芥川など、日本文学もよく読んでいるらしいです。
この「中国現代文学」series、すごく良いです。長編小説を書いている間、ずっとこれを読んでいようかなぁ📚
日本語に翻訳された陳春成の短編集『夜の潜水艦』には、originalの中国語版『夜晩的潜水艇』にある中編小説「红楼梦弥散」が入っていません。訳者の方が、他の作品とのbalanceを考えて、外したそうです。
1980年生まれの男が、昏睡状態になり、49世紀に目覚めます。未来では古典《紅楼夢》が失われていて、宗教的な経典になっています。男は世界でただ一人、《紅楼夢》を読んだことがある重要人物になってしまいました…!
というstoryらしく、SFの設定として面白いですね。日本では《紅楼夢》があまり知られていないから、外されたのかな…?
25巻に載っていた蒋韻の作品も良かったのですが、日本で翻訳出版されている単著は、まだないみたいです。
蒋韻が魯迅文学賞を獲った《心愛的樹》が載っている15巻も買いました。
夫と娘も小説家らしいです。
蒋韻と同世代の女性作家では、残雪と方方は単著が日本で複数、翻訳出版されていますね。日本ではとくに残雪の人気が高いと思います。
15巻に載っていた馮驥才の《彫花煙斗》も良かったから、単著《三寸金蓮》を注文してみました。36年前の本なので、古書店でみつけました。
いま長編小説を書いているから、自分が書いた分、人の本を読みたいので、面白そうな小説を探しています。
25巻を買ってみました。
26巻はまだ発売前でした…
この本に収録されている陳春成の短編が良かったから、Kindleで短編集も買いました。Hermann Karl Hesse、Somerset Maugham、Zweigなどの名前が出てきて、欧米の世界文学の古典を読んで育った人なのかなと思いました。自分もそうなので、その経験がどんな小説になるのか気になりました。読んでみます。
『中国現代文学』という本がありました。もう26冊も出ていました。
www.
hituzi.co.jp/books/399.html
日本の大学の中国文学研究者による団体が、翻訳しているようです。
www.hituzi.co.jp/kotoba/syoka...
同時代の中国の小説家の作品も、もっと読みたいなぁと思いました。最新の26巻から読んでみようかな。
鉄凝、裘山山、張悦然…。張悦然の小説は映画になりました。
映画
2024.tiff-jp.net/ja/lineup/fi...
遠くを見るべきかもしれません。
小説は翻訳されるし、AI翻訳を使って読むこともできます。
いま中国の小説をよく読んでいますが、優れた作家は「遠い土地や未来に言葉が届く」ことを信じていますし、実際にわたしに届いています。
それから、新人の作家さん、若手の方がどんな書き方を選択しているかも、勉強になると思います。手法の選択に必然性があります。
短編小説を書いていますが、昨日の総裁選もあり、排外主義、障害者差別、女性の社会進出などについて、途方に暮れながら考えています。
少し前までは、国内の読者がある程度、共通の価値観を持っているという前提で小説を書いていました。その価値観に合わせて書くこともあれば、あえて「本当にそうか?」と揺さぶって問題提起するように書いたりもしました。
いまは、あまりにも社会が分断されています。価値観の基準点は、もはや存在しません。
では…
「どう書くのか??」How???
です。
ーー相手の罪は認めない。罪は罪だから。でも、そのような人間になってしまった原因である不運と心の弱さには、憐れみを覚える。この同情心はとても強い感情で、どうしても冷静ではいられない。
note.com/sakurabakazu...