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Kei

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読書と映画で楽しい余生を。

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『茨木のり子集 言の葉 1』
年代別の詩集とエッセイ、童話、評論などの自選作品集。

詩では1番有名な『わたしが一番きれいだったとき』が凄くいい。これは20歳で敗戦を迎えた時、みんな自分の事で精一杯で誰も自分の若さには見向きもしなかった事を残念に思った経験を書いたものとの事。ただ戦争以外でも同じ気持ちは誰もが感じた事があるのでこういうのは普遍的に残っていくんだろうな。

エッセイでは『語られることばとしての詩』が面白かった。自作詩朗読の裏側が知れて逆に興味が出た。

評伝『山之口漠』も良かった。幾つか詩も出てくるんだけど、みんな好きな感じだったので今度読んでみよう。

12.08.2025 11:56 — 👍 9    🔁 0    💬 0    📌 0
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山下澄人『鳥の会議』読了。
4人の不良少年達の物語。

会話が多く、敢えて多くを語らない事で伝わる事がある。そういう小説だと思う。

個人的に暴力を全否定はしないし、理不尽な暴力には暴力で対抗しなきゃいけない事もあるという考えではあるけど、それを文学で表現する事の難しさみたいなものも感じた。そこが主題でないとしても、そう感じた。

まさに今の日本文学の王道の一翼を担うタイプの小説なんだろうな。同じ側の小説家が絶賛してるの見てもそう感じる。個人的にはもう一つ別の方が好きだけど。

12.08.2025 01:32 — 👍 11    🔁 0    💬 0    📌 0
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多島斗志之『私たちの退屈な日々』読了。
退屈な日常が事件を呼び寄せる。その時女性達は…の7篇。

面白かった。女性の怖さがテーマではあるんだけど、そんなに嫌悪感はなかった。むしろメンタル病むくらいならこうあって欲しいとすら思う。

特に最後の2篇が良かった。
『旅の会話』は3人の女性がそれぞれの不幸を語るという話だけど、最後が素晴らしい。
『ねじこむ』は夫が会社を辞めさせられる事を聞いた妻が入院中なのに上司に会いに行くという話だけど、ここまで行くと頼もしい。

11.08.2025 10:10 — 👍 9    🔁 0    💬 0    📌 0
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斎藤肇『廃流』読了。
夏休みに偶然迷い込んだ家で少女と出会った。数年後、下半身のない殺人事件が。しかしその断面は人間技とは…

いわゆるSFパニックホラーなのかファンタジーなのか。もともと本格ミステリ作家だった著者の作品という事で買った記憶があるけど、こういう作品とは思わなかった。

スタージョンの『人間以上』もこんな感じだった気がするなと思ってたけど、あとがき読むと諸星大二郎の『生物都市』が先行作品らしい。こちらは読んだことないのでわからない。

この収束をどう読むかがこの物語のポイントなのはわかるんだけど、もう少しヒントが欲しかった。1番可能性のある解釈が潰されてるので難しい。

10.08.2025 15:20 — 👍 14    🔁 0    💬 0    📌 0
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『戦後短篇小説再発見6 変貌する都市』読了。
戦後の復興、都市での生活、外国での経験など十二篇。

テーマが自分の好みだけあって好きな作家が多かった。

梅崎春生『麺麭の話』は何度も読んだ事ある作品だけど、こういう自身の悪意を曝け出す小説はこの人にしか書けないのでは。圧迫される電車の中でおばあさん相手にアレができるのは…

阿部昭『鵠沼西海岸』短篇の名手と言われる作家は多いけど、この人の作品は凄くグサグサ刺さるので好きだけど読むと少し辛かったり。名作。

日野啓三『天窓のあるガレージ』著者の作品好きで見つけるたびに買ってたな。こういう幻想と現実が溶け合った作品は読んでて楽しい。

09.08.2025 14:22 — 👍 14    🔁 0    💬 0    📌 0
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堀田善衛『夜の森』読了。
シベリア出兵を二等卒の庶民が綴った日記形式の作品。

実際の兵士の日記を参考にしたとの事。最初は名誉な事だと思っていた主人公が殺戮を繰り返し、同じ部隊の人達と接する中で少しずつ考えが変わってくる描写が秀逸。

日本では米騒動が起こっていて家族の事を心配するが、革命にシンパシーを感じている通訳から今起こっている事も食糧不足から起こったと聞くシーンとか凄いな。

味方がやられた事の報復としてパルチザンが逃げた後の村で無抵抗の村人を惨殺する内に、それを楽しんでしまい、あとで後悔する主人公。一方で周りにはそろそろ殺人がしたいと宣う兵士も出てくる。

『時間』も読むかな。

08.08.2025 17:02 — 👍 21    🔁 2    💬 0    📌 0
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フラン・オブライエン『ハードライフ』読了。
孤児になったメイナスとフィンバーの兄弟。義理の伯父の家で暮らし始めるが…

著者の作品は2冊目なので集中しつつ俯瞰しながら大筋を掴みつつ主題を忘れない様になどと気合いを入れて読み始めると王道な小説でびっくりした。

お酒飲んで宗教談義してばかりの義理の伯父が何の仕事をしているのかさっぱりわからない中、兄が自分の人生を着実に作り上げていくのが対称的。

伯父の秘密らしきものが仄めかされみると、タイトルの本当の意味がわかってちょっとうるっときた。間違ってるかもしれないけど、優しさ故の怒りだったと思いたい。

07.08.2025 14:14 — 👍 15    🔁 0    💬 0    📌 0
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チャールズ・シミック『コーネルの箱』読了。
アメリカのアーティストであるジョゼフ・コーネルの作品に詩人である著者が文を寄せたもの。

ジョゼフ・コーネルを知らなかったのだけど、作品には幾つか見たことがあるものがあった。

一方でタイトルが何か記憶を喚起するなと思ってググッたらウィリアム・ギブスンの小説の中に出てくるアイテムだった。ちょうどすっかり内容忘れてるウィリアム・ギブスンを小説を読み始めたところなので出てくるのが楽しみ。

「ディキンソンの詩を読むこと、コーネルの箱を見ることは、アメリカの文学と美術を新しい考え方で考えはじめることだ。」という一文が心に残った。

06.08.2025 14:31 — 👍 11    🔁 0    💬 0    📌 0
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多和田葉子『ふたくちおとこ』読了。
『ふたくちおとこ』『かげおとこ』『ふえふきおとこ』のドイツの民話や歴史に材をとった三篇。

『ふたくちおとこ』は口と肛門の両方で喋れるティルが言葉で人をたぶらかし、好き勝手する。それを嫌悪しながらも羨ましく思う「いのんど」さん。

『かげおとこ』は日本人留学生タマオと過去実在したガーナ出身の哲学者アモの話。どちらが「かげ」か。アモの言葉「哲学の目的は、精神と肉体の道徳的完成にある」が他の2篇の鍵な気もする。

『ふえふきおとこ』は『ハーメルンの笛吹き男』が元ネタ。いなくなった子供達、子供を亡くした親達、いなくならなかった子供達の独白。起こるべくして起きた…

05.08.2025 14:16 — 👍 21    🔁 0    💬 0    📌 0
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中野重治『眺め』読了。
1960〜1964年に書かれた短篇集。

1964年に共産党を除名された著者の状況をそのまま小説にした様な内容が多く、当時の共産党の状況を踏まえないと何を言ってるかわからない。

ざっくり言えば部分的核実験禁止条約で主流派が中国側についたのに中野重治達はソ連側についたと。それがきっかけの一つとなって除名。中ソ対立に巻き込まれた感じかな。

小説としては『帰京』『プロクラスティネーション』『眺め』が良かったかな。党とか活動家仲間の動向が常に頭にあるんだけど、下世話な話が普通に入ってくるのが面白いと思ってしまった。

04.08.2025 14:55 — 👍 13    🔁 1    💬 0    📌 0
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ジャメイカ・キンケイド『小さな場所』読了。
観光客に語りかけるように自身の島国アンティーガの歴史や政治や文化を語るエッセイに近い。

いわゆるポストコロニアル文学だけど、どこの国でも政治は私利私欲に走るものなのか。

観光というのも視点を変えれば植民地主義になりうるというのはなんか凄くわかるな。お金の流れが…

先日『砂糖の世界史』という本をオーディブルで聴いたばかりなので、奴隷制度による搾取について当事者の子孫の声が聞けたのは良かった。

03.08.2025 07:12 — 👍 19    🔁 0    💬 0    📌 0
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アンドレイ・プラトーノフ『幸福なモスクワ』読了。
革命と共に成長した孤児のモスクワ・チェスノワと彼女を愛する男たちの物語。

前半は主人公モスクワの読めない行動、すぐに自身の考えに没入する男達が面白かったんだけど、後半、モスクワに思いを寄せる男の1人サルトリウスが中心になってからは少し暗くなり過ぎたかな。未完だからモスクワのターンがあったかもだけど。

革命というのはそれまでの価値観を否定することだから誰にとっても影響は大きい。小説としたら英雄や悪者を描いた方が面白いんだろうけど、プラトーノフはそういうところを書かないのがいい。イデオロギーは語られると全て空疎に見えてしまうのは文学との相性?

02.08.2025 15:56 — 👍 16    🔁 0    💬 0    📌 0
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カリ・ファハルド=アンスタイン
『サブリナとコリーナ』読了。
チカーノと呼ばれるラテンアメリカ系の女性達の日常を描いた短篇集。

何気ない日常が描かれるんだけど、そこにはまだ消えない差別がチラチラする。コーラを頼むと水が出される水待遇というのは酷い。

ただ世代を経て逞ましく人生を切り開く希望はあるかな。できない人達が多いけど。

その対比が1番出ているのが表題作で、美人故に悪い方ばかりを選んでしまうサブリナと堅実に生きていく術を学ぶコリーナ。それでもサブリナが価値ある人間になりたかったのに気付いていたのはコリーナだけという。

変なイデオロギーが全く感じられないのも良かった。

01.08.2025 16:37 — 👍 18    🔁 0    💬 0    📌 0
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伊坂幸太郎『楽園の楽園』読了。
著者の25周年記念書き下ろし作品。
世界の終わりを食い止めたAIの開発者を探して3人の若者は絵画「楽園」を手掛かりに…

帯にある『人はどんなものにも物語があると思い込む』というのが全て。
短いのですぐ読めてしまうけど、イラストをゆっくり楽しむ心の余裕が必要。

最近誰もが使う生成AIも所詮は学習したデータから次に来る言葉を予想して文章を作ってるだけ。でもそこに何か物語を考えて作ってると思ってしまうのもまた…

31.07.2025 14:43 — 👍 16    🔁 0    💬 0    📌 0
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イサベル・アジェンデ『天使の運命』読了。
鋭い嗅覚と、さえた記憶力を持つエリサ・ソマーズが初恋の相手を追いかけてゴールド・ラッシュに沸くアメリカに…

やはり長編を読むと達成感がある。
アジェンデ作品なのでサクサク読んであっという間だった。

恋愛小説ではあるんだけど、瀕死の密航や男装での旅など冒険的要素、聖書売りの男、育ての親、中国人医師のサイドストーリーも面白く、それらが収斂していくのも良かった。

エリサが自由の大切さを知るところを読んで、やはり真剣に生きていないとそういう事は考えないものなのかもと思ったりもした。

30.07.2025 12:56 — 👍 17    🔁 0    💬 0    📌 0
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宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』聴了。
マイペースの中学二年生の成瀬あかりに周りが影響されていく青春小説。

もう青春とか恋愛とか読んでも仕方ないと思うのであまり読まないんだけど、オーディブルならちょうど良いかなと。

閉店間際の百貨店の中継に映ることに必死になったり、M-1グランプリへ出場してみたりやりたい事にひたむき主人公が描かれるんだけど、それを巻き込まれる側が語る形式なのが良かったのかな。

前半、他責思考のない主人公は気持ちがいいかもしれないけど、個人的には深読みし過ぎて好きになれなかったけど、後半、彼女に複雑な感情をもった同級生の話は良かった。実際いい人ばかりなんて…

29.07.2025 14:12 — 👍 18    🔁 0    💬 0    📌 0
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『戦後短篇小説再発見5 生と死の光景』読了。
生と死を描いた十二篇。

結城信一『落葉亭』は60歳になり庭を作り始めた老人の話。自分も庭を作るなら花よりも石や木がいいなって思いながら読んだ。人との縁が少しずつ無くなっていくのも自然としては当たり前のこと。こういう風に老後が過ごせたらいいな。

高橋昌男『夏草の匂い』は伯父の家で母と暮らす少年の話。こういう居心地の悪さを描いた小説がなぜか凄く好き。1番気を使う相手は実は母親というのはあるかもしれない。

三浦哲郎『ヒカダの記憶』は母親の脛浮かぶ炭火に焙られた跡(ヒカダ)から母親の記憶を語る話。あらすじらしいものもないんだけど話に引き込まれる。

28.07.2025 14:53 — 👍 16    🔁 0    💬 0    📌 0
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営業のK『闇塗怪談 消セナイ恐怖』読了。

夏だし暑いしで怪談を。

物理的な霊が出てくるものはあまり怖いと思わないんだけど、浸かっている湯船に入ってくるのは想像するだけで怖かった。別の意味もあるかもだけど。

1番良かったのは『野辺送り』。
3回回しが9回という独自ルールという事だけど、3回回しの意味を知ってれば無茶苦茶怖い。他の独特ルールもそれだけやらないと…

27.07.2025 12:47 — 👍 14    🔁 0    💬 0    📌 0
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澤村伊智『ファミリーランド』読了。
未来を舞台としたSF作品。

ホラー作家のイメージ強いけど、SFも書くんだな。

タイトル通り未来の家族関係に関するSFで未来の嫁姑関係、子育て、婚活、教育、介護、葬式などが描かれている。

やはり介護が1番生々しい。こういうのこそ本気で異次元な政策しないと確実に来てしまう未来な気がして怖かった。

葬式は現実もかなり簡易的になってるからこれはあり得そう。去年の葬式でもお坊さんとか副業やってる人の派遣で、その場で宗派確認してお経読んでた。こういうのも普通になるんだろうな。

25.07.2025 17:03 — 👍 18    🔁 0    💬 0    📌 0
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磯田光一『左翼がサヨクになるとき ある時代の精神史』読了。
中野重治に代表される漢字の左翼からカタカナのサヨクになっていった変容の文学評論。

芥川龍之介に評価された時に文学の才能で人間の価値を測って欲しくなかったという中野重治の話から始まる。

中野重治と言えば政治と文学論争では文学は政治と結びつくべきという立場だった人だけど、文学を道具とみなしたというより、道徳も文学も政治も一致するべきという発想だったと。

ただ高度成長期を経て共産主義が救うはずだった人が資本主義に救われてしまった。そういう時代を受けて文学も変わっていく。

保守寄りの著者が島田雅彦の初期作品を評価しているのが面白い。

24.07.2025 14:24 — 👍 11    🔁 1    💬 0    📌 0
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スティーヴン・ミルハウザー
『ある夢想者の肖像』読了。
1950年代アメリカ。少年アーサーの退屈な日常と3人の友人との奇妙な友情。

数年間何度か挑戦して何度も挫折して漸く読了。
とにかく読んでいてしんどいというか、まさに主人公の「退屈」を共有させられてるような感じがした。

そしてその「退屈」故にか友人達と死に関する秘密を持つんだけど、普通いらいらしたり、はらはらしたりするところが、そういう感じが全く起こらない。まだ話続くのかな?という感じ。そういう感情が起きたら作者の思惑通りかはわからないけど、最後のアレが夢なのか本当なのかどちらでも不思議でないと思えるようにはなっていた。

23.07.2025 13:03 — 👍 13    🔁 0    💬 0    📌 0

朝起きたら始業10分前だったので急遽休みに。

何しようかと考えてSNS見たら『鬼滅の刃』の話題が多かったので映画館に。ジブリの『君たち〜』以来の映画館。

上下左右に人がいない席を予約してたので特に周りに煩わされる事もなく。

感想としては戦闘シーンが凄く良かった。アニオリのシーンも上手く補完しててさすがという感じ。

鬼滅の刃は往年のジャンプ作品を詰め込みつつ、勧善懲悪にしない、イニシエーション描写が独特なところが新鮮だったけど、そこはぶれてない。

原作に忠実にというのが初見の人にどれくらい刺さるかというのが評価に影響しそう。緩急あるより徐々に盛り上がるみたいなのが映画向きだと思うし。

22.07.2025 08:18 — 👍 16    🔁 0    💬 0    📌 0
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ジャメイカ・キンケイド『川底に』読了。
著者のデビュー作品集。

冒頭の『少女』は母親から娘へ女性としての生き方や家事のノウハウを伝える言葉が羅列されているもので、娘からの反論が2箇所のみという不思議な構成。これは面白いと思った。

こういうのが続くのかと思ったら、それ以降はあらすじを追うのも難しい独白ものが中心。女性として日々の生活に思う事、母との関係、自身の置かれた文化的状況を小説的なもので表現しようとしたという印象。

正直、読み取れてないことの方が多いんだろうな。

21.07.2025 07:07 — 👍 14    🔁 0    💬 0    📌 0
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伊坂幸太郎『パズルと天気』読了。
5篇の短篇集。

いつもは電子書籍で買うんだけど、1部作品が電子化されない為に『実験4号』以来久しぶりに紙の本で購入。

本人もおっしゃっているけど、短篇より長篇の作家という気がする。再読になるけど『透明ポーラーペア』がやはり1番良かった。

後は連作というわけではないけど、各短篇に少しだけ繋がりがあるところが著者らしくてニヤニヤしたくなる。

『パズル』で出てきた探偵にはまたどこかで会えるかもしれない。

20.07.2025 11:25 — 👍 15    🔁 0    💬 0    📌 0
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小林信彦『私説東京放浪記』読了。
著者の住んだ東京から神奈川についてのエッセイ。

為政者が東京を壊してきたという視点はそうなんだろうなと思うけど、年代的にその壊れた後の東京しか知らないから、そこからさらに変わったのは良かったのか、悪かったのか。

印象に残ったのは下町という言葉の定義の拡がり。本来の千代田区、中央区、台東区という地理的な意味での下町が今では昭和レトロな雰囲気な街を指す言葉に変わってしまった。著者の言う下町の『教養』担当の神田もかなり変わった。古本屋も減ってきたし岩波ホールも無くなった。

東京は西に人が増えて銀座まで行かなくなって新宿、渋谷が栄えた流れに関しては他も読みたい。

19.07.2025 13:22 — 👍 17    🔁 0    💬 0    📌 0
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小沢昭一『ぼくの浅草案内』読了。
地図や写真もあって浅草の事を知らなくても楽しめる浅草案内。

東京に長く住んでるけど、出不精で人混みが苦手なので浅草は素通りしかした事ない。それでも結構楽しく読めた。

こういう東京が題材の本が何となく好きで見かけると買ってしまうけど、そんなにハズレたと思う事もなく、小説疲れがでた時とかに読むとサクサク読めるので気持ちがいい。

そういえば永井荷風についての話が幾つか出てきたけど『濹東綺譚』を読んだ後に舞台になった場所をぶらぶらした事はあったな。

18.07.2025 13:28 — 👍 19    🔁 0    💬 0    📌 0
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『戦後短篇小説再発見4 漂流する家族』読了。
壊れていく家族を描いた十二篇。

安岡章太郎『愛玩』は生活能力のない家族がウサギで一攫千金を狙う話。先日読んだ『うわさの遠近法』にも出てきたウサギブームがここで繋がるとは。

中村真一郎『天使の生活』は互いの善意が苦しくなる夫婦の話だけど、結婚向いてない人は向いてない。

津島佑子『黙市』子供を別れた夫に合わせる話。この中では1番印象に残る。犬の話が衝撃的過ぎる。

増田みず子『一人家族』は十何年ぶりにきた女友達からの手紙から想起された過去の話。実際、親の影響ってどれくらいあるものなんだろう。

17.07.2025 13:33 — 👍 15    🔁 0    💬 0    📌 0

面白いですね〜。こういう小説好きです。
結合双生児は私も調べました。いろいろ知れて良かったです。

16.07.2025 16:12 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

胎内児胎児じゃなくて胎児内胎児だ…

16.07.2025 15:39 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0
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朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』聴了。
結合双生児の姉妹である杏と瞬。彼女達の父親が伯父の胎内児胎児だった事から話は始まる…

面白かった。他者との境界、自我・意識とは?というテーマを結合双生児という視点から問いかける話ではあるんだけど、実は結合双生児という形だから見え易いだけで、ほぼ全ての人間が同じ様に他者から影響を受けざるを得ないし、意識は一つの存在を規定できるものではないと。

デカルト、カント、名前こそ出ないけどマルクス・ガブリエル辺りの話でもあってそちら方面で考えるのも面白いけど、やはりみんな同じだという話として受け取っておきたい。

同じテーマらしい萩尾望都『半神』も読みたい。

16.07.2025 15:31 — 👍 13    🔁 0    💬 2    📌 0

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