#短詩
大きくて広い家に住もう
ひとりでも生きていけるように
@khulak.bsky.social
詩を書きます。
#短詩
大きくて広い家に住もう
ひとりでも生きていけるように
#詩
雨が降る 雨が降る
死体の乾いた目の上に
ぐずる赤子の柔毛の上に
雨が降る 雨が降る
#短詩
嘘みたいに幸せな恋でした
早く終わればいいと願うほどに。
#詩
生きていれば魂は汚れていくけど
なにで汚すかは自分で選べる
自分を大嫌いになったときに
最後に残った光は抱きしめる価値がある
朝の日差しに焼かれた肌は
冷たい夜が癒やしてくれる
誰にもいえない罵詈雑言は
宝石となって胸に降り積もる
嵐の中で泣きながら
満面の笑みをぶつけてやれ
#詩
明るいあなたの内に潜む
空っぽの闇をわたしは愛す
#詩
われを虐げし者どもよ
お前らの来世はインプレゾンビだ
#詩
なんて汚い世界だろうと
宇宙人は毒づいた
差別と戦争に覆われた世界
人間の邪悪さに反吐が出る
まあ待ちたまえと私はいって
路地裏の兄妹を指さした
兄は干からびた残飯を
妹に渡して微笑んだ
ぐうぐう鳴る自分の腹は無視をして
妹の頭を優しく撫でた
どうだ美しかろうと私がいうと
早く助けてやれと宇宙人に叩かれた
#詩
かまどでカブが煮えています
星の見えない夜のこと
赤く震える小さな手に
母は息を吹きかけました
子供は寒さにおびえながら
輝く目で世界を眺めます
「この子が大人になれますように」
母は見えない星に祈りました
「母ちゃんのアカギレが治りますように」
子は母のエプロンに祈りました
コトコト コトコト 音立てて
かまどでカブが煮えています
#詩
お前は好きに生きられる
お前は好きに生きなきゃいけない
縛られたくないといいながら
自由の重さに怖気づく
太陽の下で氷のワルツを
消えた記憶に嘘の花束を
お前は死ぬまで一人だけれど
不幸に死ぬとは決まってない
曇天の下の
誰かの呼び声
お前が人生を終えるときは
好きに生きてやったと笑い飛ばせ
#詩
灰色の街にはなにもない
灰色の街には全てがある
失われたガラクタ達が
鈍い輝きを放っている
街のドレスコードは裸足
灰にまみれてステップを踏もう
誰にもいえない秘密すら
墓の中から飛び出してくる
灰色の街にはなにもない
灰色の街には全てがある
汚染された空気のなかで
圧縮された自由を叫べ
#詩
夢の名残りを丁寧に畳んだ
二度と取り出せないように
傘はいらないと豪語した過去を
どしゃぶりの下で思い出す
朝の光は激しく
闇の色はどこまでも優しい
何色が好きかと聞いてくれた
あの子の顔すら霧の彼方
もう一度だけ立ち上がろう
終わるならせめて
風のなかで
#詩
酷い言葉をぶつけられて
あざになった心はどこだ
信じる人に裏切られて
ボロ切れになったお前はどこだ
私を呼べ
今すぐ呼べ
お前の頬を思い切りぶってやる
優しくしてやると思ったら大間違い
私はぶつことしか能がない
それでも一つだけ約束しよう
お前が挫けて私を呼べば
いついかなる時でも駆けつけて
思い切りお前の頬を
ぶつよ。
返信ありがとうございます。
ここは自由に詩を書ける、幸せな空間ですね。
これからよろしくお願いします。
#詩
アーノルドは死にながら生きている
回転する地球儀の中で
生きながらえた老狼の記憶が
伏せられた霧にかじかんでいる
せめて
愛するふりぐらいはしてほしかった
未完成の駅で手を振る
過去の私が寂しそうに微笑むまで
#詩
世界の青さに戸惑う
部屋の隅にある鳥かご
夕暮れを忘れたベルが首をかしげる
誰でもないとあなたはいったけど
僕のうしろで佇む枷が嘘だと叫ぶ
深い朝に巻き取られながら
香り高い窓を叩き割れ
#詩
海底には男が潜んでいる
ヒトデの裏側をじっと見つめ泡を吐く
砂がまとわりつくのも慣れてきた
後悔は藍色の記憶となり
人魚と月光の恋を夢想する
もし過去に戻れるなら
裸足の舞踏会にあの人を誘おう
あの人は笑うだろうか
頭蓋に棲むヤドカリが、もう全部手遅れだと吐き捨てた。
人が少なくて静か
昔登録したマストドンみたいで落ち着く
#詩
札付きの悪党になりたかった
浅い海で溺れる前に
ベルトの軋みが音楽を真似れば
いつか見た赤が私を責める
「誰でもいいから」
そんな言葉を投げかければ
帰ってくるのは影に似た思い出だけ
影に似た誰かの思い出だけ
#詩
珈琲のなかで歌ったのはいい思い出
雨に濡れて犬のごとく叫んだのは悪い夢
風はおさなごをまねて私にまとわりつき
ふざけた名前のボーイが忍び笑いをする
アルトの花畑で身を起こせば
ベニスの海に浮かぶ桜がふわりと微笑む
あとほんの少しだけ生きると決めた
いつか倦むまで
いつの日か、倦むまで