@njeoisr.bsky.social
しんどい
松本卓也『斜め論』。相変わらずサクッと読めてしまうのが凄い。『創造と狂気の歴史』が西洋哲学史の裏面をなぞるような構成だったのに対して、こっちは臨床の話をベースにしながら最後ハイデガーを再読するような感じで面白い。学生運動を経た上野千鶴子と信田さよ子の理論や実践を垂直的な運動から水平的な運動への移行として描いていて、それを指して「一度限り決定的に」ではなくて「そのたびごとに」なんだ、って言ってたのが印象的だった。垂直(押し付け)でもなく水平(横並び)でもない「斜め」の肝要は多分、偶然性とか変容とか、そういう話なんだと思う。
15.10.2025 20:19 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0(久保明教『機械カニバリズム』講談社、2018年、p.184)
28.09.2025 03:51 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0「二〇一〇年代後半におけるシンギュラリティをめぐる語り口においても、人間的知性を超える機械の普及によってむしろ人間にしかできないことに専念できるという希望が語られている。いずれの語り口も、人間の営為は機械によって代替されると同時に代替されないという矛盾した二つの前提によって支えられている。「何もかも生きた機械がやってくれ」るのに、なぜか「好きなことだけ」は人間に残されている。「人間=機械」(翻訳)と「人間≠機械」(純化)という二枚舌によって駆動される機械のカニバリズム。だが、私たちの「現在のなかの未来」は、必ずしもその枠内にのみあるわけではない。」
28.09.2025 03:51 — 👍 3 🔁 0 💬 1 📌 0「技術がいかなる未来をもたらすのかを予測するより前に、変化をもたらすとされる先端技術が浸透するなかで、過去と現在と未来を語る私たち自身の言葉、イメージ、観念が変化しつつあることに目を向けよう。機械とともに生きる未来を展望する私たちのよってたつ大地自体が、機械という他者との関わりにおいて流動している。」(久保明教『機械カニバリズム』講談社、2018年、p.125)
22.09.2025 01:40 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0「異質な他者とも共有されうる「一つの世界」を前提にしなくても、現に私たちはさまざまな存在と関わっている。多様な実践の領域を俯瞰できる視点、「経験的-超越論二重体」としての人間を想定せずとも、私たちは新たな関係や概念や情動を生みだすことができるし、現にしている。一方の世界にあるものが他方の世界には「ない」ことを通じて、どちらの世界にも還元できないものが「ある」ことを喚起する否定型のアナロジーは、「一よりは多く、複数よりは少ない」世界を生きていくうえで重要な役割を担いうるのである。」(久保明教『機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へ』講談社、2018年、p106)
21.09.2025 06:36 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0>姿勢の内実──その人のこと──はいつまでもわからないかもしれない。だが、それでも、少なくとも、その姿勢の前後に時間があったということを、そのような人がいたという事実を、異なる身振りを通じて私たちは確かに感じられるようになる。
artscape.jp/article/47799/
>本作においては、ドローイングを通じて導き出された、時代を越えて共通する排除にともなう姿勢を「型」として扱っている。/決してわかりえない他者のことを、ある姿勢に重なることで、せめて考え始め、考え続けることは可能になるはずだ、という強い信が大和にはある。
artscape.jp/article/47789/
【読んだ】酒井隆史『スネーク・ピープル ジグザグデモ、あるいは戦術の系譜』|Masayuki Saitoh
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「(…)日本では、人が集合するとろくなことはないという、支配する側の恐怖感とそれにもとづく差別意識などが、支配される側にも強く根づいていて、しばしばまったく不条理であるようなこまかい規則や全く無意味な行動の強制となって、私たちの日常生活をまんべんなく切り刻んでいる。」(酒井隆史『スネーク・ピープル ジグザグデモ、あるいは戦術こ系譜』洛北出版、2025年、375頁)
03.09.2025 04:17 — 👍 10 🔁 4 💬 0 📌 0「大衆的示威行動は、時空間の一時的占拠を通し、日常の回転を遮断する力能を現出させることによって、要求や存在そのものを表現し、社会に知らしめる、動かすことをその本質としている。それが、たとえば交通利用者にとって「迷惑」であることは自明の前提だ。したがって、デモ行使の側が迷惑を理由にして自主規制をはじめた瞬間に、デモやストライキそのものを守る理由がその土台から揺らいでしまう。」(酒井隆史『スネーク・ピープル ジグザグデモ、あるいは戦術の系譜』洛北出版、2025年、pp.324-325)
01.09.2025 08:16 — 👍 3 🔁 1 💬 0 📌 0「要するにそれは、壮大なる武勇伝の上演にすぎないのだ。かつて「ジグザグデモ」が、「指導者たち」にそう指弾されたように。そして、大江(健三郎)はその十年後には、かつての変わり身のはやい「指導者」よろしく、「浮きあがり」の糾弾の側に立ち、おなじ口ぶりでジグザグをかたづけてしまうのだ。しかし、われらがスネーク・ダンスは、そうしたひとりの小説家の自虐と自己救済の材料に使われて終わるような「タマ」ではない。」(酒井隆史『スネーク・ピープル ジグザグデモ、あるいは戦術の系譜』洛北出版、2025年、63頁)
18.08.2025 03:57 — 👍 3 🔁 0 💬 0 📌 0【読んだ】百瀬文『なめらかな人』|Masayuki Saitoh
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「「この映像の中には○○が出てきます」 /この構文の不気味さは、一見鑑賞者に対し見る/見ないの選択肢を与える配慮をしているようでいて、自分たちとあきらかに異なる他者や事物を「事前に承認が必要なもの」として一方的に名指し、歓迎されざるもののように扱う無邪気さにある。」(百瀬文『なめらかな人』講談社、2024年、pp.222-223)
10.08.2025 09:45 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0「(…)奇妙なものを初めて目にしたときの困惑や不安は、生じてしまうときは生じうるというたぐいのものであって、それ自体が悪いというわけではおそらくない。ただ、その混乱の経験にひとりで向き合うことに耐えられず、それらしい正当な理由づけをして納得しようとするのは、たぶん傲慢とか不遜とか呼んでもいいことのような気がした。」(百瀬文『なめらかな人』講談社、2024年、p.104)
05.08.2025 16:25 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0菅野歩美「オルタナティヴ・フォークロアによる場所の再編」について|Masayuki Saitoh
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ジャビットくんと戯れる|Masayuki Saitoh
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【読んだ】東琢磨『ヒロシマ独立論』|Masayuki Saitoh
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件の記事を書きました齋藤です。ご紹介ありがとうございました。過分なお言葉をいただきなんとも面映い限りです。
自分が書いたものは「批評」というにはあまりに表層的な記述だと思うのですが、ただ、この手の言説が不足している事についてのフラストレーションは同感です。プロフェッショナルな批評活動を再興する必要があるとは思いつつ、それとは別に、もっとみんな勝手に色々書けば良いのに、という気持ちもあって、noteを書いています。
尚、2020年のHOKKAIDO PHOTO FESTAは失礼ながら拝見しておらず、件のテキストを書いたのは自分ではありません。が、その様に連想していただけたのはとても光栄です。
「(…)しかし、いっぱしの組織人/市民面している人たちだって一皮むけば、みんな河原者。それどころか、エラ呼吸も出来るかもしれない。地方から「近代」をみると、そんなふうにみけてくる。」(東琢磨『ヒロシマ独立論』青土社、2007年、p.75)
07.07.2025 13:13 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0「常に、被爆という経験によって契機を得た世界化と、その同じ経験によって抹消された歴史の奥からせりあがってくるような細民たちの衝動が渦巻くこの街は、旧軍都として、平和都市として、高度に管理されなければならない。この国家の為政者たちからすれば、広島の教育や治安の取組みが常に、東京に次ぐか、あるいはそこにすら先んじるかのような、生政治の実験場のようにあるのは道理なのだろう。」(東琢磨『ヒロシマ独立論』青土社、2007年、pp.74-75)
07.07.2025 13:00 — 👍 2 🔁 0 💬 1 📌 0東方悠平「東京猿 / Tokyo Monkeyになろう!」|Masayuki Saitoh
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普通にあれ死ぬ事故だろ、とか、ポーカーのシーン古風過ぎだろ、とか色々気になったのですが、全ては「若者に花を持たせるおじさん」という役割を拒絶するための布石だったのでしょう。ただそれにしても、後半、特にピロートーク以降、急に感傷的になったのは気になったけども。
30.06.2025 17:46 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0『F1』、アップデートされるスポーツの論理=資本主義の論理=後継世代の論理におじさんがキャッチアップする話だった。高度に理知的なF1のルールの論理をめちゃくちゃわかりやすく提示してて、且つその裏をかく老獪なおじさんの手腕にも舌を巻かされ、その上超興奮させられて最高。おじさんは僻んでないで知性で闘え。
30.06.2025 17:46 — 👍 1 🔁 0 💬 1 📌 0「人類学は、こうした学問外における植民地主義的な他者の包摂にいわば批判的に便乗してきた/便乗しつつ批判してきた学問である。そこでは、「私たち」の学問的洗練によって「彼ら」を包摂しようとする志向と、「彼ら」に依拠して「私たち」を批判的に解体しようとする志向が共立している。」(久保明教『内在的多様性批判 ポストモダン人類学から存在論的転回へ』(作品社、2025年、42頁))
27.06.2025 12:02 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0>現代の結婚は、中身がスカスカの箱のようなものです。しかしいったんそのなかに入ることを決めた当事者は、そこで包括的な共同性と相互扶助の関係を作り上げようとします。入れ物が最初はスカスカであるがゆえに、中身はバラエティーに富んだもりだくさんな内容になり得るのです。
note.com/junya_tsutsu...
「保革対立図式、そしてこれを継承する「保守vsリベラル」図式は、憲法や外交・安全保障を軸としている。しかしこの対立図式を前提にするかぎり、リベラルの立場は、憲法改正に反対の立場であり、また日米安保を否定する立場としてしか定義できない。あるいは1960年代の「文化政治」に照らして言えば、リベラルは、権威や伝統を批判する態度としてしか定義できない。しかしこれでは「新しいリベラル」の実態がみえてこない。」(橋本努/金澤悠介『新しいリベラル』p.94)
21.06.2025 02:35 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0「欧米では、保守とリベラルの主要な対立軸は、福祉国家の是非をめぐるものであったが、日本の保守と革新、あるいは保守とリベラルを分かつのは、憲法改正や外交・安全保障政策の是非であり、福祉国家を支持するかどうかは、ほとんど争点にならなかった。」(橋本努/金澤悠介『新しいリベラル』p.78)
21.06.2025 02:19 — 👍 0 🔁 0 💬 1 📌 0わ、ありがとうございます😭😭😭
17.06.2025 09:17 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0【観た】『ナミビアの砂漠』|Masayuki Saitoh
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