また飛鳥部ファンであればラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「雪女」の訳者ごとの違いに対する作者ならではの見解が何とも微笑ましい一編である。なお余談だが、本作が収録された『WasHeR1号』には作者の描いたフィフスシリーズの四コマ漫画(レア!)も載っていたりする。
28.02.2026 14:36 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0また飛鳥部ファンであればラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「雪女」の訳者ごとの違いに対する作者ならではの見解が何とも微笑ましい一編である。なお余談だが、本作が収録された『WasHeR1号』には作者の描いたフィフスシリーズの四コマ漫画(レア!)も載っていたりする。
28.02.2026 14:36 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0
飛鳥部勝則「「もう一つの檻」のもう一つの檻」(オリジナルZINE『WasHeR1号』収録)/作家・飛鳥部勝則は参加した同級会で奇妙な話を聞いた。何でも真っ平らで果てしない雪原で、目の前にいたはずの髪の長い白い女が突然消失したのだという。果たしてそれは雪女だったのか。それとも……?
「ギフト 異形コレクションLIII」に収録された作者の雪女テーマの短編「もう一つの檻」に纏わる不可解な消失事件の顛末を描いた日常の謎(?)物。ある意味ご当地ミステリとも言える内容で真相だけ取り出せばなんてことないネタながらそこからこのようなミステリに仕上げる作者の手腕が実に興味深い。
【本日のサイン本】
28.02.2026 14:28 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0【本日の回収物】
28.02.2026 14:27 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 026 方丈貴恵 盾と矛 KADOKAWA
27.02.2026 11:10 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0
【3月の購入予定リスト】
04 蒼井碧 永久凍土の密室 マンモス殺人事件 宝島社文庫
11 小松立人 そして物語のおわりに 東京創元社
11 竹中篤通 鈴鹿サーキット殺人事件 原書房
18 南海遊 檻神館双極子殺人事件 星海社FICTIONS
19 竹町 スパイ教室 side『鳳』 02 安楽椅子の密偵 ファンタジア文庫
19 竹町 スパイ教室 短編集06 消えたアクトレス ファンタジア文庫
23 織部泰助 死か翅の貪る家 角川ホラー文庫
24 倉野憲比古 ナッハツェーラーの城: 或いは〈最後の奇書〉 中央公論新社
25 楠谷佑 猫鳴く森で謎解きを ポプラ社
○「キャリー(1976)」/キング原作の超能力ホラー。惨劇が起きるまでの過程を長めの尺を取ってじっくり描くことでヒロインであるキャリーの悲しみと怒りが際立つ構成、そしてデ・パルマ節炸裂の惨劇の演出が実にいい(とはいえキャリーの周りがクソすぎて恐怖よりも残当と思ってしまうのがアレ)。
27.02.2026 11:09 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0
○「銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き」/暴走する銀河特急を舞台にしたコミカルなSFパニック物。ショートアニメ全12話に新規シーンを追加したものながら一本の映画として違和感ない編集がまず秀逸で漫才風の畳み掛けるようなキャラのやり取りもあって終始テンポがいいのも○。
また音ゲーを思わせるリズミカルなアクションもそれに拍車をかけており更に終盤に至ってはテンポよく伏線回収しつつまさかの○○○○物に繋げた豪腕展開には思わず笑ってしまったw とりあえず全12話+αといっても45分くらいしかないので自分のような初見の人には本作の方が向いているかもしれない(個人的にはリョーコがお気に入り)。
○「サマーキャンプ・インフェルノ」/サマーキャンプに参加したアンジェラの周辺で次々と人が惨殺されるスラッシャー物。今回は国内Blu-ray版で鑑賞したが気がかりだったラストシーンのアレがちゃんと海外版準拠になっていて一安心。これで初見の人は衝撃のオチを問題なく体感できることだろう。
それはさておき今回改めて視聴してみるとオチよりもその原因となったある人物の邪悪さの方が印象的で、ある意味○○物として見ることもできるかもしれない(そしてますます上がる新本格ミステリ度)。あと殺し方のエグさとサマーキャンプ関係者のクソっぷりも必見(?)である。
○「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」/ジャック・フィニイ「盗まれた街」が原作のSFホラー。一つの街が地球外生命体によって徐々に侵略され気付けば街の住人全員から追いかけられる恐怖を描きつつ人間たらしめるものは何かについて考えさせる内容になっており、その後の展開を予感させる結末も○。
27.02.2026 11:09 — 👍 0 🔁 0 💬 1 📌 0
【2月の観了映画一覧】※○は私的良作
「ミイラ転生 死霊の墓」
「肉欲のオーディション/切り裂かれたヒロインたち」
○「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」
「IMMACULATE 聖なる胎動」
○「サマーキャンプ・インフェルノ」
○「銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き」
○「キャリー(1976)」
○飛鳥部勝則「封鎖館の魔」/封鎖館――増改築を繰り返し無数の開かずの間を抱えたその館で昭和、平成、令和と繰り返される惨劇。開かれた部屋で餓死した女、密室での顔面切断死体、容疑者全員が密室に閉じ込められた状況で廊下に転がる他殺体……奇怪な謎の数々を芸術家探偵・妹尾悠二が解き明かす。
○ロス・モンゴメリ「ハレー彗星の館の殺人 老令嬢探偵の事件簿」/1910年英国。ハレー彗星が地球に到達するその日、世界の終わりを信じる主の指示で全ての窓や扉を板で密閉された孤島の館で主が殺される。現場となった書斎は密室で死体はかつて起きた惨劇と同様にクロスボウで目を射抜かれていた。
【2月の読了本一覧(新作編)】※○は私的良作
大島清昭「冷蔵庫婆の怪談」
○飛鳥部勝則「封鎖館の魔」
我孫子武丸「ライフログ分析官」
信国遥「未館成の殺人」
○ロス・モンゴメリ「ハレー彗星の館の殺人 老令嬢探偵の事件簿」
鳳乃一真「鴉双兄妹の怪奇に歪んだ日常」
また「封鎖館の魔」を読み終わった読者であれば本作とどうリンクするのかを踏まえて読むと、「封鎖館の魔」という物語に一層広がりが生まれて色々と興味深いものがあるだろう。
26.02.2026 10:32 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0
飛鳥部勝則「刀女――美術とオカルト」(書泉・芳林堂書店高田馬場店限定『封鎖館の魔』(星海社FICTIONS)特典小冊子収録)/絵画蒐集家であるD氏が作家・飛鳥部勝則に語ったのは夜な夜な絵の中の男に会いに来る不思議な女幽霊の話だった。そしてその後、D氏の身に起きた出来事とは……?
「N・Aの扉」系の実話に虚構を交えたゴーストストーリー。D氏の言動に困惑する作家・飛鳥部勝則の姿がユーモラスな一方で、D氏が語る幽霊譚とその後に明らかになった事実の繋がりそうで繋がらない、落ち着きの悪さが怪談特有の何とも言えない不気味さを醸し出していて○。
【本日のお届けもの】
26.02.2026 07:23 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0とはいえ本作だけ読んだ時点ではあくまで設定と登場人物の紹介という印象でミステリとしてもホラーとしても些か物足りないと言わざるを得ない。とりあえず設定に関しては魅力的なので、次回作では多少なりとも核心に触れつつ本領発揮と言える内容になることを期待したい。
26.02.2026 07:22 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0
鳳乃一真「鴉双兄妹の怪奇に歪んだ日常」読了。四年前、妹は一度死に、それまでの記憶と引き換えに蘇った。以来、妹は巷で囁かれる奇怪な噂の中から本物を探して回る《怪奇廻り》を繰り返している。そして妹に危険が迫る度に特別な力を持たない兄は彼女を助けるため怪奇たちの領域へと足を踏み入れる。
一度死んだのを機に怪奇を引き寄せるようになった妹とその妹を助けるべく奮闘する霊力ゼロながらも切れ者の兄による青春ホラー連作。あとがきによると本作は「都市伝説解体センター」の影響を受けて書かれたとのことでホラーと謳っているものの怪奇現象のルール探しというミステリ的趣向も見て取れる。
【本日の回収物】
26.02.2026 07:21 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0
密室殺人のトリックに目新しさこそないものの登場人物や舞台の設定、展開の中に丁寧に織り込まれた伏線やそれらを活かしたミスディレクションが実に心地良く、良い意味で昔ながらの味が楽しめるし、館で不遇な扱いだった老令嬢が事件を機に一転、探偵役として活躍する姿は痛快さすら覚えることだろう。
また目新しさはないと言いつつも「ナイブズ・アウト」シリーズでも見られたクリスティー的技巧など見所は多く、ミステリ初心者からマニアまで幅広い層にお勧めできる佳作である。
ロス・モンゴメリ「ハレー彗星の館の殺人 老令嬢探偵の事件簿」読了。1910年英国。ハレー彗星が地球に到達するその日、世界の終わりを信じる主の指示で全ての窓や扉を板で密閉された孤島の館で主が殺される。現場となった書斎は密室で死体はかつて起きた惨劇と同様にクロスボウで目を射抜かれていた。
ハレー彗星が地球に到達した夜、孤島の館で起きた密室殺人の謎に嫌われ者の老令嬢が挑む長編ミステリ。本作の解説でライアン・ジョンソン監督によるミステリ映画「ナイブズ・アウト」シリーズが引き合いに出されているが本作の内容もまたそれに近い、古きよき探偵小説を思わせる内容に仕上がっている。
【本日の回収物】
20.02.2026 11:45 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0前述した未完成の館やサバイバル状況下ならではの真相を求めると物足りなさは否めないし、細かいところを見れば気になる点は多いものの、個々の殺人に盛り込まれたアイディアや意外性の演出などは前作よりも練られた意欲作である。
20.02.2026 09:52 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0
とはいえ前者の謎に関しては真っ先に思い付くネタに○○物と絡めて一応捻ってはいるがそれをやるのであればもっと厳密にしなければ駄目だし(ただそこは作者も思ったのか未完成を理由に言い訳をしている)サバイバルとの組み合わせに至っては連続殺人の方はともかくそんな巧くいくものか疑問が残る。
また最後に明かされる事実にしてもやりたかったことは分かるが些かご都合主義感が否めないし、犯人がそこまでやる上で必要な人物の掘り下げがいまひとつ弱いためただのサイコパスとしか思えないのが難(そういう意味では序盤の「人間が描けていない」云々のやり取りが正に悪い意味で的を射ている)。
信国遥「未館成の殺人」読了。建築家・黒澤泰洋が姿を消し、建設を中断された館の基礎部分だけが残された無人島を大学のミス研メンバーが訪れた矢先に船が炎上し、彼らは孤立してしまう。水も食料も日陰もない極限状況でこのままだと全員死ぬ。なのに何者かによってメンバーが次々と殺されていき……。
「あなたに聞いて貰いたい七つの殺人」でデビューした作者の二作目にあたる長編ミステリ。本作は問題が多かった前作に比べるとだいぶ進歩が感じられる内容となっており未完成の館の謎とサバイバル状況下での連続殺人という二つの趣向で前作よりも真っ当に本格ミステリとして読ませてくれる点は○。
そして本作のライフログによって管理された社会という設定自体は面白いと思うし、本作で描かれるそれに纏わるシチュエーションの一つ一つは興味深いものの、いかんせん一編一編が短いせいか物語としてみると物足りず、捻りもイマイチと言わざるを得ない。
一応書き下ろしで加えられた最後の一編「崩壊」でその辺の弱さが補強されており、この手の管理社会物のお約束的オチが用意されているが、個人的にはこの設定だったらもっと面白くできたのではないかと思ってしまう些か勿体ない作品である。
我孫子武丸「ライフログ分析官」読了。ライフログは契約者が装着したデバイスから絶えることなく契約者の〈生の記録〉の映像、音声をクラウドに送信し続けるシステムで犯罪捜査に必要不可欠な要素だ。だが犯罪者たちもまた新たなテクノロジーで対抗。全ての体験が記録される有り得る未来に待つものは?
犯罪捜査の一環としてライフログを分析する仕事に携わる主人公・高藤望の視点を通してライフログに纏わる様々な事件を描いたSFサスペンス連作。作者のSFサスペンス物としては「腐触の街」や「屍蝋の街」以来であり、作者のファンであれば本作の内容にどことなく懐かしさを覚えるかもしれない。
前作「抹殺ゴスゴッズ」が千枚級の大作であったのに対し、本作は三百頁ちょっとの長さでコンパクトに纏められているものの、その見た目に反して凝縮された飛鳥部成分(?)と様々な企みに圧倒されること請け合いの秀作である。
17.02.2026 15:35 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0
かのウィンチェスターハウスを思わせる舞台設定と飛鳥部作品ではお馴染みのエキセントリックな登場人物たちの時点で掴みはばっちり、事件の内容もさることながら一部の悪魔的トリックや常軌を逸した動機に至っては良い意味で悪趣味の極みであり、その手の愛好家であれば思わず笑顔になることだろう。
その一方で本作が本格として最も力が入れられているのはフーダニットであり、シンプルなロジックで突き止められる構造であるにも拘らず、途中で盛り込まれるこの作者らしいある仕掛けと絡めたミスディレクションによっておいそれと真相に辿り着けないようになっている点が実に心憎い。
飛鳥部勝則「封鎖館の魔」読了。封鎖館――増改築を繰り返し無数の開かずの間を抱えたその館で昭和、平成、令和と繰り返される惨劇。開かれた部屋で餓死した女、密室での顔面切断死体、容疑者全員が密室に閉じ込められた状況で廊下に転がる他殺体……奇怪な謎の数々を芸術家探偵・妹尾悠二が解き明かす。
「抹殺ゴスゴッズ」に引き続き芸術家探偵・妹尾悠二が活躍する長編ミステリ。飛鳥部作品では珍しい館物である本作は作者なりの新本格を目指したということで確かに本格度こそ高いものの、その料理の仕方は新本格というより怪奇探偵小説と呼ぶに相応しいものになっている。