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國枝孝弘

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フランス文学・言語表現論・フランス語教育。元NHK「テレビでフランス語」、「まいにちフランス語」担当講師。アテネ・フランセ講師。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス教員。少年期よりロック・ポップスの大ファン(Web参照)。生まれは岐阜県、長良川のほとり…宿はなし。

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Latest posts by takakunieda.bsky.social on Bluesky

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地下鉄で、向かいの人がこちらを見ながら「それどうしたの?」と英語で話しかけてきた。聞けばイギリス人で、イギリスでディランのライブ見たことがあると。一番好きなミュージシャンを聴いたらS・デニー、R・トンプソン、S・ウィンウッドと!ぼくもN・ドレイク、B・ヤン主が好きだと伝え、さらにニューウェーブではPILやコステロ。日本のディスク・ユニオンは最高だとかいろいろ話すうちに盛り上がり過ぎ、相手は駅を乗り過ごし、最後はグータッチされた。

09.10.2025 13:54 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

「出自がこういう人だから、きっとこういうことをしてくれるはず」とは必ずしもならない。確かにその出自をもつ人と、現在のその人は「同一人物」であるが、同一の「自己」を持つとは限らない。自己は認識の仕方や社会関係で変容しうる。もっと言えばその時の戦略で自己に仮面を被せることさえできてしまう。

04.10.2025 12:18 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

梯久美子『サガレン』を読んでいて、林芙美子の名前が出てきた瞬間に、名前を初めて知ったのは「偕成社ジュニア版日本文学名作選」だったことをふと思い出した。全60巻のうち何冊か持っていたが、ある時伯父が残りを全部買ってくれた。到底全部は読めなかったが作家の名前を多く知ったのはそのおかげだった。室生犀星、有島武郎、石川啄木…。

18.09.2025 00:58 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0
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カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』(1982, 1994) 主人公の悦子は、戦後間もない長崎で、ある男性と結婚し、娘をもうける。その後の経緯は語られていないが、イギリス人男性と知り合い、ともにイギリスに渡り、その地で半生を過ごす。物語は、イギリスに連れて行っ...

映画『遠い山なみの光』。戦争・原爆からたとえ生き残ったとしても、心の傷は決して癒えることはない。そこから変わろうとしてイギリスに渡った悦子の生き方は、数十年して娘の自死という代償を招く。心的回復がはかられることのないトラウマが自責の感情となる。それでも生は続くのだが…。以前小説を読んだ時に、ブログを書いたけれども、「縄の意味」はもう少しつきつめることができたと映画を見て思った。
kunieda.sfc.keio.ac.jp/2017/09/1982...

15.09.2025 09:38 — 👍 4    🔁 0    💬 0    📌 0

五十嵐耕平『泳ぎすぎた夜』は雪の青森を歩く男の子をフィルムにおさめた作品だが、セリフがない。もしセリフがあったら子供の世界は大人の世界に染められてしまっただろう。また、私たちもすでに言語化されてしまった世界としてしかこの画面を見られなくなってしまっただろう。言葉がないからこそ、私たちは、画面をみながら、これまで言葉にしなかった子供時代の小さな体験の記憶を取り戻していけるのだろう。

08.09.2025 01:09 — 👍 4    🔁 0    💬 0    📌 0

『リンダ リンダ リンダ 4K』上演後のティーチ・インで、監督が最後の場面に触れたのを受けて、出演者のお一人が「監督の選択はどれも正しかった」とおっしゃっていたが、本当にこの映画は、選択と配置がすべての場面で完璧。キャスティング、カメラワーク、4人の位置取り、場面転換、4人の周りの登場人物のキャラクターも…。

24.08.2025 12:36 — 👍 4    🔁 0    💬 0    📌 0

かつてお世話になった人のことが思い浮かび、お礼の言葉を言いたいと思うことがある。でも向こうはそんなことはもう覚えていないかもしれない。逆にお世話になっていながら、恩知らずなことに、自分が忘れてしまっている人もきっといるだろう。人との関係は「貸し借り」で考えてもうまくいかない。

18.08.2025 02:07 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

文学は究極的には一人の孤独な人間を救うためにある。一人の孤独な人間が偶然に一つの作品に出会い、それによってこの寄る辺なき現実から救われる。だからこそ、国民文学や世界文学といった誤解をはらむ、文学をくくってしまう名称はなかったほうがむしろよかったのだ。

23.07.2025 14:34 — 👍 6    🔁 1    💬 0    📌 0

ある出来事を体験し、それを記憶している人々も80年すればいなくなってしまう。その限界値という意味で80年は時代の区切りである。戦後80年のこの夏だからこそ真剣に考えなくてはならないのに、まさに記憶の歯止めを失い、大切に伝えられてきた体験を蹂躙するような言葉が撒き散らされている。

08.07.2025 04:13 — 👍 30    🔁 8    💬 0    📌 0

いつにもまして内容の濃い放談でした。中でもヨシのヤコブソンの「交話機能」とは「やりとりすることで、その場的に共に在るものとなっていく」との言葉にハッとしました。ぜひ手に取っていただければ!

27.06.2025 13:19 — 👍 4    🔁 0    💬 0    📌 0
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Lina Soualem, « Bye Bye Tibériade ». 1948年のナクバで故郷を追われた曽祖母と祖母、パレスチナからフランスへ渡り、俳優となった母、そして私。女性四世代を主題としたドキュメンタリー。カメラを回すことで初めて語られる母の過去の苦しみ。家族の「日常」の物語とその背景にある大文字の歴史。

09.06.2025 00:58 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

文化とは、アイデンティティ(正体)というより、自分の存在のよりどころとするもの。ときに自分の存立のために必要だが、時間が経てばそこから離れていくこともできる。自分の中に文化を住まわせても、それが地盤であっても、そこから身を引き剥がすことができる。文化と自己は柔軟な関係。

07.06.2025 11:19 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

デカルト『情念論』「なんらかの対象と初めて出会うことで、わたしたちが不意を打たれ、それを新しいと判断するとき、つまり、それ以前に知っていたものや、あるべく想定していたものとははなはだ異なると判断するとき、わたしたちはその対象に驚き、激しく揺り動かされる。」能動的学習(学修)においても、教育の場で「不意を打たれる」受動体験がなければ、そもそも能動は始まらないのではないか。

05.06.2025 06:13 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

書かれたものから、書いた人の気持ちが切実に伝わってくるのはなぜなのだろう。文字の向こうに、文字の内容とは別の、文字には書かれていない書いた人の気持ち(心遣い、喜び、悲しみ、ためらい…)の存在をはっきりと確信できる、この伝導に名前をつけたい気分だ。

29.04.2025 04:58 — 👍 6    🔁 0    💬 0    📌 0
創刊100周年! 雑誌『ふらんす』編集長が伝えたい「人生にフランスがある幸せ」|じんぶん堂 今年、白水社の雑誌『ふらんす』は創刊100周年を迎えます。『ふらんす』は日本で唯一のフランス語学習とフランス語圏文化を扱う月刊誌です。白水社が創立されたのは1915年(大正4年)、その10年後の1925年(同14年)に『ふらんす』 ...

『ふらんす』編集長のインタビューが載っています。「小さい雑誌だからこそ続けてこられたのだと思います。この小ささを大切に、これからも毎号毎号丁寧につくり続けていきたいと思っています。」毎月必ず出版されるのも小さな奇跡の連続です。
book.asahi.com/jinbun/artic...

21.04.2025 12:21 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

「大学こそ、重要な本質的問題が研究され討議され考察される場とならねばならないと、わたしはつねづね感じている。ところが、もし大学が、社会的・政治的問題の圧力に屈したり、あるいはその解消をもとめられたりしたら、大学はその機能を失い、いま政権を握っている政党の単なる付属物になりさがってしまうだろう。」(エドワード・サイード『文化と帝国主義』みすず書房、28ページ)

16.04.2025 12:32 — 👍 40    🔁 24    💬 0    📌 0

「サイードは『読むこと』という営為を個人の精読への努力と集団による解釈の積み重ねのあいだの弁証法的関係としてとらえていた。」(中井亜佐子『エドワード・サイード ある批評家の残響』書肆侃侃房、131-132ページ)。研究会で輪読を行う理由もまさにここにあると思う。

15.04.2025 01:17 — 👍 4    🔁 0    💬 0    📌 0

最近はっぴいえんど、裸のラリーズといった名前を学生から聞くようになり、昨日はついにキャプテン・ビーフハートが好きという学生が!最近はどうやって音楽と出会うのだろうと興味を持ったが、自分の場合を思い出すと、中三の時に偶然ラジオで聞いた「ラフ・トレード特集」の影響が本当に大きかった。

13.04.2025 05:04 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0
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都庁のプロジェクション・マッピングなどやらずとも、東京タワーだけで十分美しい。

05.04.2025 12:12 — 👍 10    🔁 0    💬 0    📌 0

新幹線で隣に座る予定の海外からの旅行者が予約した大型荷物スペースが使えないというので、一緒に見てみたが確かにどうしても鍵が開かない。四苦八苦しているうちに車掌さんが来て別の車両に案内されたが、しばらくしたら戻ってきて「さっきはありがとう」とビールを手渡された。握手をして別れた。よい旅を、と。

22.03.2025 12:27 — 👍 3    🔁 0    💬 0    📌 0

『ノー・アザー・ランド』を観る。イスラエルの軍、兵士の酷たらしさ。兵士は自分が相手の立場だったらという人間の情を訓練で切除されているのだろう。軍は学校を家を井戸を破壊し、生活を奪っていく。土地から追放し隔離する。民族殺戮以外になにものでもない。軍隊というものの本質がそこにある。

14.03.2025 13:11 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0
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『6才のボクが、大人になるまで』で夜明けとともにYo La Tengoが流れてきて、あれほど情景と音楽がマッチしている瞬間もないと思ったけれど、真夜中に聞くYo La Tengoも最高。

11.03.2025 15:43 — 👍 4    🔁 0    💬 0    📌 0
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アテネ・フランセ「文法と文学」。ゆっくり、じっくり、1年2ヶ月をかけてAndreï Makine, Le testament françaisを読み終わりました。冒頭で暗示されていた謎が最後になって明かされ、通読するかいのある作品でした。祖母への複雑な、しかしどこまでも深い愛情、最後の作家の誕生の予見という主題はプルーストと強く関連します。春からはSimone de Beauvoir, Les Inséparablesを読み始める予定です。

04.03.2025 01:17 — 👍 5    🔁 1    💬 0    📌 0
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プロの音楽家ではなく、教会の牧師が若者たちを教会に誘い、録音したゴスペル・ソウルのアルバム。信仰とは教義とは別に、私たちが日常を生きるよすがのことではないか。魂からの音楽は、私たちを支え、生へと導いてくれる。Pastor T.L.Barrett and The Youth For Christ Choir, Like A Ship...

16.02.2025 13:59 — 👍 2    🔁 0    💬 0    📌 0

ジェシー・アイゼンバーグ『リアル・ペイン』。第一世代と第三世代。いとこ同士。親密と言えるほど近くはないが、無関係と言ってしまえるほど遠くはない。この微妙な関係性に横たわる距離感が、この映画の主題である「リアル・ペイン」の共有不可能性を象徴している。他者の痛みを共有することはできないが、その痛みに無関係だとは言えない。同一にはなれないが、それでもつい近寄らざるをえない。痛みに内在する徹底的な孤独と他者の確かな気配。

13.02.2025 01:02 — 👍 1    🔁 0    💬 0    📌 0
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Lauernt. Demanze, Un nouvel âge de l'enquête (2019).現代フランス文学における調査の文学を論じる。調査の文学は、逆説的だが調査の未完結を特色とする。それは断定的な結論、人物への決定論的理解を退けるという意味で<反物語>である。あるいは意味が絶えず不安定で、断片が散らばるだけの、そして決して言葉にはできない闇を抱えた物語とも言える。そして調査という以上、現実世界の出来事を調査対象として書くことが始まるが、上記の調査のもつ限界性によって、実はこの現実世界自体が深みをたずさえているのだということを明らかにする。

11.02.2025 13:53 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0

soit(まあいいでしょう)を見るたびに、博士論文に指導教授からのコメントでたびたびこの単語が書かれていたことを思い出す。このままでいいのか、それとも書き直した方がよいのかずいぶん悩んだ。すでに帰国していたのである程度書いたら郵便で送り、先生が赤字を入れてやはり郵便で返送してくれた。

02.02.2025 06:31 — 👍 5    🔁 0    💬 0    📌 0
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Libérationが届く。表紙から13ページにわたってデヴィッド・リンチの追悼特集。各作品の詳細な紹介、映画に登場する俳優たち、使われた音楽、また描き続けた絵画など濃厚な記事が掲載されている。

01.02.2025 07:18 — 👍 11    🔁 1    💬 0    📌 0
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白水社『ふらんす』2月号、大阪公立大学福島先生との仏語放談は「2024年の読書体験をふりかえる」として昨年出版された本を中心にオススメを紹介!ハン・ガン、アニー・エルノー、クロエ・コルマン、ダヴィド・ディオップ、マリオン・メッシーナ、フランソワ=アンリ・デゼラブルなど。ぜひ読書ガイドにお役立てください。

31.01.2025 00:31 — 👍 6    🔁 0    💬 0    📌 0
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Chat GPTもタイプミスするのね。タイプしているのか…。

28.01.2025 13:21 — 👍 4    🔁 1    💬 0    📌 0

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