赤木青緑

鯨町（第4回星々短編小説コンテスト最終候補作）｜赤木青緑 この旅行は幻ではなかった。 　旅行というものはいつも幻のような気がしている。 　鯨町という鯨だらけの町があるらしい。 　私はすこぶる鯨が好きであり、私にとって夢の国なのである。であるから鯨だらけの町を幻視したのであろうか。いや、確実に鯨だらけの町があった。今、手元に、鯨町の民芸品店で買った陶器の鯨の置物があるのであるから。私はその鯨の置物を一撫でした。すると鯨の鼻孔から潮吹きの如く煙が立ち昇った。...

お世話になっております。
第4回星々短編小説コンテスト最終候補作を投稿させて頂きます。
受賞には至りませんでしたが、皆様に読んで頂きたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

鯨町（第4回星々短編小説コンテスト最終候補作）｜赤木青緑 @akagiaomidori #note
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第４回「星々短編小説コンテスト」の最終候補作・一次選考通過作を発表します。 第４回「星々短編小説コンテスト」〈テーマ 旅〉の最終候補作・一次選考通過作を発表します（応募日時順）。 受賞作は4月に発表し、雑誌「星々vol.7」へ選評とあわせて掲載します。 応募総数 200編 ＊10000字部門 88編（ファイル応募65編／テキスト応募23編） ＊5000字部門 112編（ファイル応募68編／テキスト応募44編） 【最終候補作】 〈10000字部門〉 ＊ファイル応募 『過去へ...

ありがとうございます。
最終候補作に入っております。

www.hoshiboshi2020.com/2025/03/19/%...

四匹の猫｜赤木青緑 道端を歩いていると、四匹の猫がいた。四匹の猫は微動だにせず、ただ佇んでいた。とても時間がゆっくり流れている。四匹の猫はこちらに気づいても、一鳴きもせずまったく動かない。置物のようである。空気すら止まっているかのように風も吹かない。四匹の猫の眼を伺ってみるも、どの猫もじいと一点を見つめているように動かない。四匹の猫には特徴もなく、四匹とも同じような猫である。更に近づいてみても、人に慣れているのか怯え...

「マイクロノベルバトル犬vs猫」落選作

四匹の猫｜赤木青緑 @akakiaomidori #note
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冬乃くじ「国破れて在りしもの」。世界はひとつのふるえから始まった。作っては壊し。ひとりの有力者によって世界をどのように作るのか決まる。未来にゆくも過去にゆくも匙加減である。未来と過去は、未来的な過去や過去的な未来などへぐるぐる廻る。ゆき着くところは始まりのひとつのふるえである。

冬乃くじ「あいがん」。愛というものは注ぎ方が難しい。深く愛そうとする程遠のくことがある。どうすればよかったのか。愛することは相手を思い遣る事ならば、愛するだけでなく、ときに離れることも必要で、だが、愛というものは単純ではなく、考えれば考える程こんがらがってくる。どうで愛すのだが。

冬乃くじ「ハッピー・バースデー」。未来はなにも分からないという事。でも、明るい見通しを立てたい。現実がままならなくても、想像はどこまでもゆける。空想を無限にひろげてゆき、こうあったらいいなという思いを逞しくしてゆけば、どこへだってゆける。それは私達次第で、世界の方も変わってゆく。

冬乃くじ「わすれもの」。季節の移ろいと共に、人との付き合いも移ろってゆく。離れてゆく人は、うっかりなにかを忘れてゆく。残り香のようにほのかに匂いを残して。その匂いもまた季節が移ろえば、忘れ去られてゆく。しかしその忘れ物の季節がくれば、その人を思い出す。季節は忘れさせ思い出させる。

冬乃くじ「星降り」。空に輝く星は、あまたひかってて、スクリーンに映し出された幻影かもしれないけど、たぶん、こころが投影されているから、流れ星を見たい二人には、見えたんだと思う。流れ星に願い事をするというけれど、願った二人のこころは一緒で、影響し合ってる二人だから、通じ合えたのだ。

冬乃くじ「ある授業」。いや、股間の話やないかい。画法の話かと思たら、話逸れまくって、股間の話やないかい。画法の熱量で股間の話やないかい。股間の描写力。股間の描写のところで絵の描写を学べと。股間はすべてに通ずるみたいな。股間は大切だけども。大真面目に股間の話されたらしゃーないやん。

新作ですか！
東京にはゆけなさそうですが……

冬乃くじ「猫の上で暮らす一族の話」表題作。様々の繋がり合いから生まれる連鎖が、生命を躍動させる起爆剤となって、生きているもの達の其々の生き方が、間違ってないというか、生きてもいいんだ、生きましょうという、燥ぎながらも、熱湯ようにポコポコと湧き立ち、今までと、これからに奮い立つ。

あの世｜赤木青緑 ギリギリのギミックが消え さすれば王はよい気味だ まあ落ち着きたまえ 明日の朝日は 明るいぞ さあ走り出せ あなたは死んでいます ほんたうでありますか？ 間違いがありません 間違いがですか？ はい、さうでございます まあ見てなさい 青猫が鳴いている 土砂降りの雨の中 不思議と気持ちが昂り 傘も差さずに 涙は流れ落ちぬ 聞いてくれて 己の雷鳴が轟きませんか？ いや、どうでせうか…… 一夏の蛙...

第二回人生逆噴射文学賞落選作
『あの世』赤木青緑
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黄空｜赤木青緑 書ける気がしねえ。丸山はぼやきながら手を動かし始めた。 　ここは暗い。太陽の光は皆無である。 　丸山はとにかく手を動かすしかなかった。この文章を書き上げなければならない。 　なにも考えていなかったが、それでもよい気はしていて、なんとかなるだろうという、楽観も少し含まれていた。 　書けないのに書いていた。 　書けないと書くのは反則なようで書けないとは書きたくはなかった。 　しかし冒頭で書ける気がしね...

第二回人生逆噴射文学賞落選作
『黄空』赤木青緑
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極点 途轍もないブツが生まれた気がしています。 ぜひ読んでみてください。 よろしくお願いいたします。

お題「【第2回GOAT×monogatary.com文学賞】破る」で書いた「極点」を読もう monogatary.com/story/501272?s… #monogatary

極点 途轍もないブツが生まれた気がしています。 ぜひ読んでみてください。 よろしくお願いいたします。

お題「【第2回GOAT×monogatary.com文学賞】破る」で書いた「極点」を読もう monogatary.com/story/501272?s… #monogatary

詩集　鯨のような雨｜赤木青緑 電波 文脈が走つて 薙ぎ倒した エレキテルの閃きは 空気を震わせる 波の音 打生 体のダルみが強い 部屋の光 えいやっさえいやっさ 川の流れに身を任せ 血流がどくどくと通い 今宵わたくしは消えかけの魂を 奮い立たせ 脳の働きが鈍く 朦朧とした意識で スマホに 『生きたい』と打ち込む 消えてゆく死 生で溢れている！ 描かれた死が消えた どこへいった あれ程までに充満していた死が！ ...

詩集　鯨のような雨｜赤木青緑 @akakiaomidori #note
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虹乃ノラン『そのハミングは7』感想｜赤木青緑 虹乃ノランさんの『そのハミングは7』を読み終えました。 　愛知県の作家さんで、志段味図書館のトークサイン会でサイン本を購入させていただきました。 　トークサイン会は虹乃ノランさんの人となりを知ることができ、挨拶と少しの会話をさせていただきました。 　カフカ、安部公房、クンデラなどを読まれていたということで、興味を惹かれました。 　このような読書歴をお持ちながら、本の装丁はファンタジーで明るい絵なの...

虹乃ノラン『そのハミングは7』感想｜赤木青緑 @akakiaomidori #note note.com/akagiaomidor...

昨年もありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年もありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。

はい……

私もやってしまいます💦

いつも読んでくださりありがとうございます！
いろいろな気づきを得ることができました！
また送ると思いますのでよろしくお願いいたします！

感想ありがとうございました！
沢山送りつけてしまいましたけど、来年も送りつけまくりますので、よろしくお願いいたします！

まったいらな海（コトノハなごや入選作）｜赤木青緑 まったいらな海はこころをまったいらにする。こころが騒がしくてざわざわするときは海を見にゆく。まったいらな海がいい。 　ぼくの家から自転車でゆける海は名古屋港しかない。名古屋港の海は特別きれいではないが、ひっそりとした都会のオアシスである。名古屋港水族館があり人混みが多いと思われがちだが、海を見る人は少ない。 　水族館裏の海の見えるスポットは人気が少なく、雄大な海を見渡せる。ぼくはこころが晴れないと...

2024年度コトノハなごや入選作です。
お読みいただけたら嬉しいです。

まったいらな海（コトノハなごや入選作）｜赤木青緑 @akakiaomidori #note
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人生逆噴射文学賞、激やばブツ、ブチ込ませていただきました。

『星々vol.6』届いておりました！
私の冬乃くじさんの小説の感想と140字小説コンテスト佳作と選評載っておりました！
嬉しい！！

青空では福田節郎さんは無茶苦茶生きてる。

詩集　鯨のような雨｜赤木青緑 電波 文脈が走つて 薙ぎ倒した エレキテルの閃きは 空気を震わせる 波の音 打生 体のダルみが強い 部屋の光 えいやっさえいやっさ 川の流れに身を任せ 血流がどくどくと通い 今宵わたくしは消えかけの魂を 奮い立たせ 脳の働きが鈍く 朦朧とした意識で スマホに 『生きたい』と打ち込む 消えてゆく死 生で溢れている！ 描かれた死が消えた どこへいった あれ程までに充満していた死が！ 泉の...

第五回RANGAI文庫賞落選作

詩集　鯨のような雨｜赤木青緑

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爆音でベートーヴェン聴こうと思ったのにイヤホン忘れた、無音で踊れってことかよ｜赤木青緑 ベートーヴェンが爆音で流れている。あるいはまったくの無音である。 　タミオは音に合わせ出鱈目なステップを踏んでいる。手はカマキリのように動かし、足はムカデのように動かしている。タミオはキモい程異彩を放っている。タミオにキモいという自覚はなく、むしろ恰好良いと思っている。自信満々のダンスである。顔は酩酊している。酒は一滴も呑んでいない。周りは固唾を呑んでいる。 　誰かの笑いが響く。あるいは感嘆である...

爆音でベートーヴェン聴こうと思ったのにイヤホン忘れた、無音で踊れってことかよ｜赤木青緑
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爆音でベートーヴェン聴こうと思ったのにイヤホン忘れた、無音で踊れってことかよ｜赤木青緑 ベートーヴェンが爆音で流れている。あるいはまったくの無音である。 　タミオは音に合わせ出鱈目なステップを踏んでいる。手はカマキリのように動かし、足はムカデのように動かしている。タミオはキモい程異彩を放っている。タミオにキモいという自覚はなく、むしろ恰好良いと思っている。自信満々のダンスである。顔は酩酊している。酒は一滴も呑んでいない。周りは固唾を呑んでいる。 　誰かの笑いが響く。あるいは感嘆である...

爆音でベートーヴェン聴こうと思ったのにイヤホン忘れた、無音で踊れってことかよ｜赤木青緑
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