カムチャツカといえば『消失の惑星(ほし)』は印象に残る小説だった。原著(英語)のタイトル"Disappearing Earth"のEarthには「大地」という意味あいも重なっていると思う。どこまでも途切れずに続く大地、というのがロシア人の精神性を形作っていると言われるけど、それが途切れるところがここなんだ、という。主流の人々の視点からは(事実として知ってはいても)想像の及ばない周縁に生きる女性たちの話。
31.07.2025 02:05 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0@eclectically.bsky.social
英語翻訳者。ウクライナ語学習中。編み物好き、着物好き。共訳書『そして私たちの物語は世界の物語の一部となる インド北東部女性作家アンソロジー』(ウルワシ・ブタリア編)など
カムチャツカといえば『消失の惑星(ほし)』は印象に残る小説だった。原著(英語)のタイトル"Disappearing Earth"のEarthには「大地」という意味あいも重なっていると思う。どこまでも途切れずに続く大地、というのがロシア人の精神性を形作っていると言われるけど、それが途切れるところがここなんだ、という。主流の人々の視点からは(事実として知ってはいても)想像の及ばない周縁に生きる女性たちの話。
31.07.2025 02:05 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0カムチャツカの被害状況はどうなんだろう。『ロシア極東・シベリアを知るための70章』によると「火山や地震の監視体制は脆弱な状況が続いており、隣接する日本が積極的に関与していくことが期待される」と。火山は常にどこかが噴火しているそう。そして今回の戦争での人口あたり戦没者数(シベリア各地が上位を占める)が20位。住民は高齢者と女性と子供の割合が多くなっているかもしれない。
31.07.2025 01:52 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0ちなみに『ロシア極東・シベリアを知るための70章』では「カムチャッカ」表記。『記者ハンドブック 第14版』では「カムチャツカ」表記だから、新聞などでは大きい「ツ」が多いのかな。どっちでもいいけど統一されてほしい。検索する人にとっても書く人・訳す人にとってもよけいな手間がかかる。
31.07.2025 01:52 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0緊張した後に心を落ち着けようとして編み物をしたら間違えて直し方もわからなくなってよけいにドキドキしてしまった。翻訳をしたら落ち着いた。鎮静作用を期待するならやっぱり私にとっては翻訳か読書がいいようだ。編むのは落ち着いてから。
20.04.2025 03:01 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0以前から思っていることだけど、日本の新聞は記事が短い。文字は大きく、記事は短くなった。
「大事なニュースを短く分かりやすく伝えること」は大事だ。ただし現代の諸問題は複雑化している。例えばトランプやイーロン・マスクの言動をシンプル&ストレートに伝えても問題は伝わらない。背景や異論も含めて読ませる長文記事が必要だ。
英語圏の新聞を見ると長文記事が目立つ。ときには日本語換算で1万文字程度になるような大作記事も載る。日本の新聞ではほぼ見られない。
私の個人的な意見としては、新聞もテレビもネットメディアも、記者が長文記事を書く機会が、そして読者が長文記事を読む機会がもっと必要だと考えています。
本日1月20日は有吉佐和子さんのお誕生日🎂
1931年和歌山市生まれ。『地唄』で芥川賞候補となり文壇デビュー。以降『華岡青洲の妻』『恍惚の人』等話題作多数。1984年没。
河出文庫にはリバイバル大ヒット中の『非色』他著作多数。今も新鮮な作品として読み続けられています。
www.kawade.co.jp/np/search_re...
クルコフ『ペンギンの憂鬱』をしばらくぶりに再読。こんなに殺伐とした話だったんだっけ…不条理、シュール、ペンギンかわいい、としか覚えてなかった。ソ連の大粛清が過去のものになったと思えていたうちは笑えたということなのか。オチは最高。しかしニーナがかわいそうだな。今読むとヴィクトルをMeTooしちゃいなよと思ってしまう。
22.01.2025 03:50 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0ちなみに英語版も読んでみたところ、日本語版にない部分(作中の謎が解明される)があってびっくりしたのだけど、原著の版が違うようだ。日本語版の方が最新の版を元にしているので最新の作者の意図を反映しているのだと思う。ミステリー的な興味で読むと初版にあって最新版にはないその部分があった方がすっきりするのだけど、作者は思うところあってあえてオープンエンディングにするという判断をしたのかな。
08.01.2025 01:07 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0登場人物の人生についてあまり詳しく書き込まれていないので、気になって読み終えた後も想像をめぐらせている。たとえばパーシャ・フメレンコ(「〜ンコ」で終わる名字はウクライナ系)はどのようにして今の彼になったのか。セルゲーイチ(これは父称で、名字は明かされない)の両親はどういう人たちだったのか。ガーリャの村の人たちはどういう経緯でその地域に住むようになったのか。こういう時間も読書体験の一部だよなあ。
08.01.2025 01:07 — 👍 0 🔁 0 💬 1 📌 0作者クルコフはオレンジ革命に参加した立場ながら、ヤヌコーヴィチが慕われている地域の人々のメンタリティを想像して書いた小説で、そのこと自体も立場の違う人々との対話の試みといえると思う(フィクションだから作者が自分と違う人について書くのは本来当たり前のことだけど、今ウクライナを応援したい気持ちで読むとそのことを忘れやすそうなので心に留めておく)。
08.01.2025 01:07 — 👍 0 🔁 0 💬 1 📌 0考える前に体が動いてしまう主人公セルゲーイチが衝動的にやらかしたことによって物語が動いていくのが面白く、セルゲーイチとあまり一体化せずに少し引いた視点で読んだ方が、作者のユーモアと皮肉を感じられ、またセルゲーイチが涙ぐむ場面(たびたびある)でも却って胸を打たれるように思う。結婚してから開眼したボルシチ(ウクライナが本場)に子供の頃からの好物のペリメニ(ロシアの水餃子)を入れて食べたいというセルゲーイチの願いが切ない…。
08.01.2025 01:07 — 👍 0 🔁 0 💬 1 📌 0アンドレイ・クルコフ『灰色のミツバチ』よい小説。兵士も民間人も誰が敵で誰が味方なのかわからない混沌状態にある2017年のウクライナ東部を舞台に、生まれてから50年弱ドンバス地方で過ごしてきた主人公が外部の人々と接触することでこれまで意識しなかったアイデンティティを確認していく物語。主人公だけでなく、また地理的にはざまに住んでいるというだけでなく、さまざまな濃淡・ニュアンスの「グレー」な立場にある人々が暮らしてきた歴史を伺い知ることができる。無力感を覚えることはあるけれど、「民族」や立場を超えた個人と個人のつながりを大切にして、目の前にあるできることをしていくしかない、というメッセージを感じた。
08.01.2025 01:07 — 👍 5 🔁 0 💬 1 📌 0そんなこんなで、そこに暮らしていた人たちを想うことで歴史とつながりたいという気持ちはあるのだけど、どうも自分にとってつながれそうな回路がないという感じだったと思うのだけど、この本を読んで少し風通しが良くなったような気がする。
07.01.2025 06:08 — 👍 1 🔁 0 💬 0 📌 0『トウキョウ下町SFアンソロジー』を読んだ後、自分は東京の下町に住んでいることが気に入っているけど、かといって地域コミュニティに積極的に参加しているわけではない、このスタンスは何なんだろうと自問。観光客と同じように下町情緒というコンテンツを消費してるだけなんだろうか。前に偉い文化人類学者が書いた深川の本を途中まですごく面白いと思って読んだけど、現代の深川女に会いに行くとかいうようなことを言って深川に根づいて暮らしている若い女性にインタビューして彼氏いるのとか訊いてるところでげんなりして読むのをやめたことも思い出した。
07.01.2025 06:08 — 👍 2 🔁 0 💬 1 📌 0そしてウェルズと関わりを持った女性たちがなんと魅力的なこと。ウェルズのどこがいいの?とサマセット・モームに聞かれて「胡桃の匂いがした」と答えた、20世紀最高の散文の書き手と言われるレベッカ・ウェスト、ウェルズが発表した文章について文法が間違っていると指摘することもあった、「意識の流れ」手法を使った初期の作家の1人ドロシー・リチャードソン、最晩年に長く交際するが結婚は固辞し実はソ連のスパイだったムーラ、などなど。そして夫の不貞をゆるし仕事の手伝いもして支え続けた2番目の妻キャサリン。こうした女性たちについてもっと知りたくなり読みたい本リストがまた長くなったのだった。
07.01.2025 00:48 — 👍 0 🔁 0 💬 0 📌 0ウェルズは今で言うポリアモリーを理想としていたようなんだけど嫉妬心を克服できず結局は彼だけが一方的に浮気を繰り返す形になったという。そんなしょうもないところも人間だものと思って読むことができ、彼の才気や魅力が想像できるような小説だった。
07.01.2025 00:48 — 👍 0 🔁 0 💬 1 📌 0デイヴィッド・ロッジの小説の代表作はまだ読めてないのだけど、H・G・ウェルズを主人公にした伝記小説『絶倫の人』面白かった。女性遍歴の面からウェルズの矛盾に満ちた人となりに迫ったコミックノベル。女性遍歴という切り口が最初は楽しめるかどうかわからなかったのだけど、『マッドメン』でドン・ドレイパーの軌跡を追っていたときと同じような気持ちで、女性たちの群像劇としても楽しめた。
07.01.2025 00:48 — 👍 1 🔁 0 💬 1 📌 0今年読んで面白かった本ベスト10
ハリケーンの季節/フェルナンダ・メルチョール
もう一度/トム・マッカーシー
絶倫の人/デイヴィッド・ロッジ
異常(アノマリー)/エルヴェ・ル・テリエ
シベリヤ物語/長谷川四郎
君が手にするはずだった黄金について/小川哲
隣の国の人々と出会う/斎藤真理子
野獣の血/キム・オンス
四隣人の食卓/ク・ビョンモ
広東語の世界/飯田真紀
北千住、曳舟、押上に出かける計画をぼんやり考えていた日に、注文してた『トウキョウ下町SFアンソロジー』が届き、シンクロニシティがうれしく早速読み始める。隅田川、千住大橋など出てくる、そうそれだよ。「朝顔にとまる鷹」好きだなあ。羽織を流行らせたという辰巳芸者には前から興味があってかっこいいと思ってたからこういう女の人が登場してうれしい。怪奇かファンタジーとしても書けそうなところがSF的設定になってるのもいい。
20.12.2024 08:14 — 👍 5 🔁 3 💬 0 📌 0おすすめができるほどたくさん読めてもいないのだけど…できるだけ原書で読もうと思って読みたいリストに入れてて、しかしほかにも読むべき本がありなかなか消化できないパターン
23.11.2024 06:23 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0シャーリイ・ジャクスンのおすすめ作品を聞かれて短篇The Mouseのことを思い出したのだけど、面白さを伝えるのがなかなか難しい。はっきり書かれていないことが多く解釈が分かれる作品で、ミソジニーと誤解される余地もありそうなのだけど、私はこれは中絶が違法でピルもなく夫に話し合いや理解を求めることもできない時代の女性の叫びとしてフェミニズム的に読める、そう読みたいと思っている(発表年は死後の1990年代だけど、執筆時期または作品内の設定はもっと昔なんじゃないかな)。細かい何気ない描写から夫婦仲が悪かったわけではないこともわかるように書いてあるのもすごい。
23.11.2024 06:16 — 👍 2 🔁 0 💬 1 📌 0『積ん読の本』面白かった〜。積ん読する派しない派、自炊する派しない派、読む本のジャンルなど多様な立場の方々の話があり、また実用的な悩み相談から、積ん読の思想という深いところまでカバー。人の本棚の写真を見るだけでも楽しいのだけど、期待以上にいろいろ考える種が詰まっている本だった。
30.10.2024 00:02 — 👍 9 🔁 1 💬 0 📌 0最近の読書:キム・フン『ハルビン』、小川哲『地図と拳』ときて、長谷川四郎『シベリヤ物語』を読み始めたところ。この連想ゲームのようなつながり、続けたいな。途中で脱線、というより分岐して、小川哲まつりも開催中。その他に、「韓国文学を読もう」線、「詩を読もう」線、「積ん読解消」線なども並行して走っている。
21.10.2024 04:21 — 👍 4 🔁 0 💬 0 📌 0「いいね」ではなく備忘のためにする「ブックマーク」機能があるといいんだけどなあ。
21.10.2024 04:16 — 👍 3 🔁 0 💬 0 📌 0投稿しないでフォローばかりしてるのあまりよくなかったかも。Xの機能変更でこちらに移る人が増えてるんですね、知らなかった。私はXで「ノーベル文学賞」で検索したらヘイト投稿が複数目に入ってしまってげんなりしたのがきっかけです。まだ完全移行するかはわかりませんが。
21.10.2024 02:28 — 👍 2 🔁 0 💬 0 📌 0