ちさぎ

福井県立美術2016年の岩佐又兵衛展図録を購入。高かった…。

現在、仏典の伝来や初期仏教の教えについて知ることができる人間にとってはそもそも鎮護国家なんてそんな効能が仏教にあるわけがなく、お門違いも甚だしいとしか思えないが

だか主流派は依然として主流派であり、その後も権威は持続した。新仏教史観はそこを無視して少数派の新興勢力を時代の趨勢であるかのようにクローズアップし過ぎた

主流派の仏教勢力が大打撃を受けたのは戦争を止められず大仏殿は焼け落ち、法王は流罪になるなどして権威の失墜、鎮護国家の役目をまっとうできなかったことにあり、そこから改革勢力が穏健なものから急進的なものまで展開する

平雅行『鎌倉仏教の中世』を読む。鎌倉新仏教と呼ばれるような歴史観はどう間違っていて、中世の仏教は実際にはどんなものだったかということが語られている。文庫書き下ろしで一般向けにわかりやすく、しかししっかり論述するバランスがストレスなく読めた

上杉本洛中洛中図は若い頃の作品で、たしかに細かいけども描きぶりはかなり大雑把

その画風も、壁面のサイズ感に合わせるようにモチーフが巨大。初期の作風では持て余していたように見える豪快な筆運びがそこで生かされている

織田信長の安土城や豊臣秀吉の大阪城の紺碧障壁画だけでないその仕事の多さ、それに反して現存作品の少なさよ。歴史的に見ても最大級にデカい壁面を破綻なく埋める作業をしつづけた人はなかなかいないだろう。

2007年の狩野永徳展図録の巻頭エッセイを読む。永徳の生涯を追いながら、人脈、作品年代などの基礎的な考察。過労死だったのでは、と言われるくらい死の直前まで忙しかったらしい。

水墨山水、道釈人物画は、若いころに描いていたやまと絵系の仏画とはあまりに原理が違っているものを無理やり描こうとしてちぐはぐになっているという感じで思っておけばいいんだろうけど、当時の人間はこの下手くそさに誰も突っ込まなかったのだろうか

それにしても等伯は水墨の襖絵とかあまりにも下手すぎるだろう。牧谿からの影響が明白な作品はしっかり学び取っていてクオリティも格段に高いが、何にも倣ってなさそうなものはもはや未完成品にしかみえない。この振り幅のデカさが謎

それはともかく、等伯はただ技術が不足しているだけでなく、その技術を評価すする観点が当時の日本において特段成立していなかったし、その後も絵画の空間的整合性などというものはどうでもよいものであり続けた。という意味で、平面性、装飾性という方向へ傾きがちだったんだろう。

余談ながら、山下裕二氏が弥生と縄文の対比において日本美術を読み解く際に、楓図を縄文的と評するのは不可解でしかなかったが、このエッセイを読んで、空間性の欠如、装飾性の過剰という特質が、狩野派のような中国絵画の造形をあくまで取り込むブランディングとは一線を画しているという意味での評価だということがよくわかった

楓図の造形に宗教的な文脈を見出すには根拠として弱いと思うというのと、等伯作品の江戸絵画への波及も、どこまで追える者なのか、このエッセイを読んだだけでは判然としないので、結局自分で掘り下げる必要があるなと思った。

2010年の長谷川等伯展、松嶋雅人氏の巻頭エッセイを読む。等伯の空間表現の無関心さを仏画、やまと絵由来の平面性、装飾性に由来し、そうした造形的特質は智積院楓図も、豊臣秀吉の嫡子鶴松の菩提を弔う趣旨と合致した形で採用されていると読み解く。さらに長谷川は等伯一代で衰えたが、その後の江戸絵画、尾形光琳や狩野探幽の造形などに受け継がれているとする

うーん、だからリベラルっていまは必要なターンじゃないんだろうな。今現在は、国家が抑圧してきてうざい！というよりも、国家が仕事しなさすぎて困る、誰かなんとかしてくれマジで、って感じだし

マイケル・フリーデンの『リベラリズムとは何か』、リベラリズムを五つの層に整理した章と、七つの共通要素で説明した章が本当に勉強になったので、あそこだけでも読んでほしい。リベラリズムは、誰か特定の人が基礎を打ち立てたわけではなく、現実世界の諸問題に応じて泥縄式に生まれてきた考え。始まりは、国家が抑圧してきてうざい！奴らに好き勝手を許すな！みたいな話から始まった。その後「たとえ国家が抑圧しなくても、スラム街に生まれて、ろくに教育も受けずに育ったら、人生の選択肢かなり限られますよね？それ自由じゃなくないですか？」とかの突っ込みを受けて発展してきた。

最近、体幹トレーニング始めたら性欲というか、LOVEが強くなったので、幸いぶつけてもいい相手がいるし、ぶつけると嬉しそうなのでぶつけてる感じ

性欲を発散した直後は不安定さが数日続く。たぶんホルモンバランスとかのせいだろう。

前は生活に張り合いのないかわりに虚無に近いような無風の状態が良いのかと思っていたが、これは勘違いだったな

性欲を発散するとリビドーがまったく無くなって生活にも張り合いが無くなる

性欲があるない、ではなくて、それを性欲と認識するのをやめるのが正解ということに最近気づいた

性欲についての観察もTwitterではやりにくいのでこちらでやろうかな

体幹トレーニングはなんとなく毎日続いている。プランクを毎日2セットくらい

体幹トレーニングをはじめたいと思う

ツイッターではもともと美術史たんbotという、画像投稿を自動でしつつ学術系ネタをつぶやくアカウントとして始めたのだが、それが日本美術botとして画像投稿するだけのものに完全に独立させたのが2022年の12月ごろ。

万博ー

中国絵画だと、やっぱり北宋山水画でしょう！

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Xでこんな記事が出回っていたので、放置していたこのアカウントを復活させようかなと舞い戻ってきました。